IS-Fはレーシングカーではない。伸び感、レスポンス、サウンドを3本柱に、サーキットは公道の延長戦上にあるという考えのもと、素人が10周以上連続して走りを楽しめるクルマに仕上げられているのだ。正直あまりの乗り心地のよさに目からウロコが落ちたほどである。
エンジンはV8の5L。シリンダーヘッドをヤマハと共同で新設計し、NAとはいえ423ps/51.5kgmを発揮。6L並みの加速感と時代に即した4L並みの8.2km/Lという低燃費を実現している。たしかに200km/hを超えてもなお、グイグイ伸びていく加速感は快感のひと言だ。
組み合わされるのはLS460のトランスミッションをベースに開発されたという8AT。スポーツカーというと2ペダルのMTが最近の流行りだが、1速のみトルクコンバーターが働き、2〜8速を常時ロックアップON状態にすることで選択ギヤを固定。また油圧を統合制御することで世界トップレベルであるコンマ1秒の変速を可能にしている。このようなスポーツカーとして満足のいくATが開発できたなら、ふだん使いは圧倒的にATのほうが使いやすいからという考えのもと、このパワーユニットが採用されたとのこと。たしかに変速スピード、ショックともに申し分のない出来である。
そしてサウンドも回転域によって音色が変わり心地よいが、わりと控えめ。羊の皮を被った狼のごとく、全体的に上品なところがレクサスらしかった。
(文:竹岡圭 写真:犬塚直樹)
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