スズキが得意とするのは、ニッチ市場を巧妙に突く作戦。2代目以降のソリオも、大きな成功例といえる。両側スライドドア採用の背高モデルの市場は、かつては1.5Lクラスか、ワンボックスを含む軽自動車かに分かれていた。で、その隙間をついたのが、2代目ソリオだったのだ。
軽では室内空間(主に幅方向)や走りのゆとりが足りないが、全長4mを超えるモデルでは日常の取りまわしが不便。そんなニーズをくみ上げて、じわじわと支持層を広げることで人気車となった。軽とは違い、5人乗りというのも大きな魅力。「こんなクルマがほしかった」と喜んだのは、子育てファミリーが中心だ。
注目の3代目については、プラットフォームからの一新により、約100kgという大胆な軽量化を達成したのがカギ。スイフトに先行しての新世代車台の導入は、スズキが国内市場でがんばるソリオを、いかに重視しているかの表れといえる。
それは、新しいパワートレーンの開発にもあてはまること。ワゴンRなどで評判のSエネチャージを、新型1.2Lユニットと組み合わせ、「マイルドハイブリッド」として新規投入したのだ。燃費と動力性能のレベルアップの秘密は、軽量設計と高効率化を進めた心臓にあるわけだ。
また、新設計サスや高剛性ボディの存在も見逃せない。走りの安心感、ハンドリングもひとつ上の水準としたのだから、新型に抜かりはない。なお、より強力なモーター・ジェネレーターの「フルハイブリッド」も、2016年に投入の予定だ。
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