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更新日:2018.10.13 / 掲載日:2015.06.26
【トヨタ】改良した人体モデルTHUMS Version 5を発売
ユニット・コンパス/Goo-net編集部
トヨタは、衝突事故の際に人体が受ける骨折や靭帯断裂などの傷害をコンピューター上でシミュレートできるバーチャル人体モデル「THUMS(サムス/Total HUman Model for Safety)」を改良し、「THUMS Version 5」として6月26日に発売した。THUMS Version 5には、衝突を予測して身構えた状態から脱力状態までを模擬可能な筋肉モデルが追加されている。
公益財団法人交通事故総合分析センターが2007年に行った調査によると、事故時に約半数のドライバーが急ブレーキやハンドル操作などで回避行動を取っているという。とくに急ブレーキを踏んだ場合はドライバーを含む乗員が身構えるため、事故の前後で脱力した状態とは姿勢変化の大きさが異なることがわかっている。衝突後の姿勢の変化をシミュレートできるTHUMSに筋肉モデルを追加することで、衝突前の身構えた状態を含めた姿勢変化のシミュレーションができるようになる。
THUMS Version 5を活用することで、シートベルトやエアバッグなど安全装備の効果を実際の事故により近い条件の下で検証できる。また、乗員保護効果をさらに向上させた次世代の予防安全技術の開発促進にもつながると考えられる。
THUMSはこれまで国内外の自動車メーカーや部品メーカーなど数十社に採用され、衝突事故における乗員や歩行者の傷害の解析に活用されてきた。THUMS Version 5は「JSOL」(東京都中央区)および「日本イーエスアイ」(東京都新宿区)を通じて販売される。