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更新日:2018.11.11 / 掲載日:2018.04.28

栄光のスバルSUV ヒストリー

スバルは現在、3種のSUVをラインナップし、それぞれが好調な売れ行きを見せている。独自の個性が光るスバルのSUVは、その成り立ちも特徴的。まもなく新型が登場する正統派SUVのフォレスター、クロスオーバーSUVの走りとなったアウトバック、コンパクトSUVのXV、それぞれの歴史を振り返ってみよう。

フォレスターの系譜

あらゆる路面を安全快適に制覇する正統派SUV
 スバルのSUVの中でも、もっとも本来のオフロードカーに近いキャラクターを持つのがフォレスターだ。十分なロードクリアランスと、路面に応じて駆動力を緻密に制御するX-MODEを備えてラフロードや雪道での高い走破性を誇る一方、スバル独自の低重心のメカニズムと高性能ターボエンジンは、オンロードの高速ドライブも快適にこなす。 その歴史はすでに20年あまり。初期にはステーションワゴンに近かった性格だが、モデルチェンジのたびに本格派SUVの色を濃くしてきている。
 絶えず商品改良を繰り返すスバルだけに、同じ世代の中でも乗り味や装備、信頼性は年ごとに向上し、多くのバリエーションや特別仕様車も登場している。

icon ●初代(1997年~2002年)

高性能ターボを積むスポーツワゴン的なキャラクターで登場
 初代フォレスターは、1995年の東京モーターショーにコンセプトカーのスバルストリーガとして出展後、1997年に発売された。インプレッサのシャシーをベースに構築されたボディは、SUVというより背の高いステーションワゴンに近いもの。ターボ車から発売されるなど、スポーティなキャラクターだった。

  • 水平対向エンジンを核とした、伝統の4WDシステムには、本格オフロードカーのように副変速機を備えたモデルも設定された。

  • 2LエンジンはNAがSOHC、240PSのターボはインプレッサ譲りのDOHC。ゆとりある2.5LのNA車も選べた。

icon ●2代目(2002年~2007年)

高性能指向のグレードを積極設定。オンロードSUVの個性を強める
 2007年に登場した2代目は、キープコンセプトの正常進化。やはりターボエンジン車を柱としたラインナップで、車高を下げてよりオンロードでの走りを向上させたグレードも設定された。2.5Lターボ+MTや、STIバージョンなどの、さらに高性能な仕様も加わる。

  • エアロを纏った、見るからにオンロードスポーツの出で立ちのクロススポーツも設定されて、走り好きのマニアたちの期待に応えた。

  • WRC三連覇の余韻が残る時代。2004年にはWRCラリージャパンの開催を記念した、WRブルーの限定車も設定された。

icon ●3代目(2007年~2012年)

背の高い正統派SUVへと進化。オンロードの走りの質感も向上
 3代目フォレスターは車高を高め、正統派SUVに近づいた。2LボクサーはNA2グレード、ターボ1グレードとなり、2010年からはNA車が新世代FB20型を搭載。高性能を求める声には、後期に2.5Lターボも投入。STIのコンプリートカーも設定。

  • リヤサスが先代のストラットからダブルウイッシュボーンとなり、ロードホールディングを向上させたSIシャシーが採用された。

  • 低重心でコンパクトなスバルの水平対向エンジンは、この時期に新世代FB20型に進化。走りの質感と省燃費性能が高まった。

icon ●4代目(2012年~2018年)

新世代直噴ターボとCVTで高い環境性能と走りを両立
 4代目は正常進化型。2Lターボが新世代の直噴となり、トランスミッションは全車CVT化。アイサイト装備グレードも設定された。路面に合わせて駆動特性を切り換えるX-MODEや、エンジン特性を切り換えるSI-DRIVEもほとんどのグレードに搭載する。

  • 最新のアイサイトは、歩行者や自転車も認識。カラーのステレオカメラで前車のストップランプや赤信号も識別して安全運転を支援する。

  • 新世代パワートレーンに使われているリニアトロニックと呼ぶCVTは、自然なフィールとダイレクトでスポーティな走りが売り物だ。

レガシィアウトバックの系譜

クロスオーバーの走りとなったスバルSUVの嚆矢
 スバルの主要な輸出先である北米では、1990年代にSUVの人気が高まっていた。しかし、当時のスバルはレガシィが人気を呼んでいたものの、SUVの品揃えはなく、作るためのラインもない。そこで、WRC(世界ラリー選手権)の経験を活かしてレガシィツーリングワゴンの車高を上げ、ワイルドなオフロードテイストを盛り込むという、変化球的な商品企画が編み出された。
 1994年に北米でアウトバックとして、1995年には日本でレガシィグランドワゴンとして売り出すと、想像を超える人気を呼ぶ。その商品企画は同様の事情を抱えていた欧州のプレミアムブランドにも後を追わせ、アウディオールロードクワトロやボルボXC70などのフォロワーが出現した。

icon ●初代(1994年~1998年)

ゆったりした乗り味を与えた大陸的なクルージングSUV
 1993年に登場した2代目レガシィツーリングワゴンの車高を上げて、200mmもの最低地上高を確保。北米メインのため、エンジンは2.5Lのみで、ゆったりとした乗り味が与えられた。国内では当初グランドワゴンを名乗ったが、1997年にランカスターに改称。副変速機も備えた。

  • ボディは同時代のレガシィツーリングワゴンそものの。快適な乗用車の居住性と高速性能を備え、SUVに新しい価値を付加した。

  • 搭載されるエンジンはNAの水平対向4気筒2.5L。スポーツ系のエンジンとは異なる、全域で扱いやすい特性が与えられた。

icon ●2代目(1998年~2003年)

アイサイトの原型を初搭載。6気筒も積まれてより快適に
 3代目レガシィツーリングワゴンの登場とともに、日本国内ではレガシィランカスターとして登場。樹脂製のフェンダーガードやサイドパネルも加えられて、ワイルドさを増した。1999年にはアイサイトの原型となる、ステレオカメラを使ったADAも搭載。6気筒3L車も出た。

  • アイサイトの原型となる、ステレオカメラを使ったADAを初搭載。自動ブレーキや前車追従クルーズコントロールを実現した。

  • 4気筒の2.5Lに加えて、6気筒の3Lも設定。もとより低振動の水平対向エンジンは、6気筒では完璧な静粛性を発揮した。

icon ●3代目(2003年~2009年)

走りも安全性も完成度を高めた世界的ヒット車
 ベースとなるレガシィも3ナンバーボディとなったこの代からは、世界共通のアウトバックの名で販売。エンジンは 2.5&3Lのままだが、細やかに改善され、ゆったりとした走りや燃費に磨きをかけた。モデル末期には、3L車にアイサイトが標準化されている。

  • クリーンなデザインは、ベースとなるレガシィともども好評で、日本でも海外でもヒット。SUVテイストの表現も手慣れた。

  • 3ナンバー車幅の採用で、居住性はさらに向上。安全性も最高レベルに到達したのがこの世代。インテリアも上質感が格段に上がった。

  • 可変バルブリフト機構や電子制御の精密化などで、燃費も年々向上。走行特性を変えられるSI-DRIVEも採用された。

icon ●4代目(2009年~2014年)

北米市場での人気を受けて上級志向が強くなってきた
 3代目の時代に、スバルの北米での販売台数の多くをアウトバックが占めるまでになった。そこで4代目は、全幅1820mmの本格的なアメリカンサイズに進化。エンジンも4気筒は2.5Lのままだが、6気筒は3.6Lまで拡大された。2.5LはCVT化。アイサイトもよりL高機能のバージョン2となる。

  • バージョン2となったアイサイトは、衝突回避性能や前車追従性を高め、停車まで制御できるようになった。誤発進抑制機能も搭載。

  • 6気筒エンジンは排気量を3.6Lまで拡大。4気筒2.5Lエンジンは、12年には新世代のFB型エンジンとなる。

  • 2.5L車には、当初から6速マニュアルモード付きCVTのリニアトロニックを搭載。ダイレクト感のある走りと低燃費を両立。

icon ●5代目(2014年~)

プレミアム車を思わせる快適な乗り味の国際車
 2014年に登場した現行アウトバックは、いい意味でアメリカ車のようなおおらかな個性。全幅1840mmに達する大柄なボディに搭載されるエンジンは、国内向けは新世代2.5LのNA+CVTのみだが、プレミアムを感じさせる内外装と乗り味を備え、高い悪路走破性を発揮するX-MODEも搭載している。

  • 路面状況に合わせて4輪の駆動力を最適制御するX-MODEには、急な坂道を低速を保って下れるヒルディセントコントロール制御も備わっている。

  • 搭載されるFB25型エンジンは、新型搭載に際して多くの部品を新設計。リニアトロニックの制御もさらに洗練され、フィールも効率も高めている。

  • かつてのスバル車のイメージを払拭する、上質感に溢れたインテリアは、プレミアムブランド感覚。大柄なアメリカ人を満足させる広い室内も魅力だ。

スバルXVの系譜

ふだん使いにもちょうどいい遊び心のあるSUV
 スバルの末弟となるインプレッサには、初代の時代に背面タイヤなどでオフロードテイストを持たせたグラベルEXが設定されていたことがある。そのコンセプトを復活させる形で、3代目インプレッサの派生モデルとして登場したのがコンパクトクロスオーバーSUVのXVだ。 初代では車高も高められておらず、走りもオンロードスポーツ指向の味付けで2WDも用意されたが、2代目以降はオフロード性能も強化した4WDのみのラインナップ。2代目にはスバル初のハイブリッド車も設定された。狭い街中でも使いやすい、オールマイティなコンパクトSUVとして、欧州もふくめた世界市場での成功を狙うグローバルモデルだ。

icon ●初代(2020年~2012年)

スポーティな走りのSUV風コンパクト
 2010年に登場した初代はインプレッサのバリエーションモデルの扱いで、車名もインプレッサXVと名乗っていた。 車高もノーマル車と同じで、1.5Lと2LにFFと4WDを設定。NAながら固められた足回りでスポーティな走りを見せたが、間もなく2代目にバトンタッチすることになった。

  • 樹脂製のホイールアーチガードやサイドクラディングパネル、さらにボディ同色のリヤスポイラーも、XVの個性を表現していた。

  • ノーマルインプレッサとの違いを強調するのがルーフレール。車高は高められていないため、それでも全高は立体駐車場サイズだった。

icon ●2代目(2012年~2017年)

オフロード性能に加えハイブリッドも設定
 2代目からはスバルXVを名乗るようになり、インプレッサとは異なる性格のモデルとなった。
 最低地上高も200mmを確保し、アルミホイールも専用のワイルドな17インチを採用。エンジンは2Lのみの設定だったが、CVTにモーターをプラスした、スバル初のハイブリッド車も設定された。

  • スバル初のハイブリッドは、提携したトヨタのノウハウも活用。電動アシストに近いシステムだが、モーターのみでも走行が可能。

  • アイサイトはこのモデルから搭載車が設定された。当初はバージョン2だったが、モデル後期のガソリン車はバージョン3に進化した。

icon ●3代目(2017年~)

走りも安全性も最高レベルの世界を狙ったコンパクトSUV
 2017年登場の現行XVは、キープコンセプトのデザインながら、新世代プラットフォームでオン、オフロードともに走りを大きく進化させた。エンジンは1.6Lと2Lで、ガソリンの4WDのみ。アイサイトも全車に装備されるほか、X-MODEも設定されている。

  • 最新のSGP(スバルグローバルプラットフォーム)は、最初から車高の高いXVも想定して開発され、快適な乗り心地と走りを両立。

  • 新世代のFB型2Lエンジンは直噴化されて、扱いやすさと低燃費を両立。新設定の1.6LもFB型だが、こちらはポート噴射だ。

  • インテリアの質感は最新スバル車らしく高い。液晶パネルを巧みに使ったメーターパネルも、見やすいだけでなく、持つ喜びも演出。




提供元:月刊自家用車



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