【グー連載コラム】車両チェックマイスターへの道　（2020年12月）

KEY POINT
力強い動力性能が持ち味のクリーンディーゼル仕様が人気だが、同エンジンの特徴をしっかりと理解して使用目的に合った物件選択を心がけたい。

中古車中心相場：100万から170万円 新車販売時期：2015年2月から

　登場から5年が経過し、流通台数の増加に伴い価格がこなれて選びやすくなったコンパクトSUV。5年の間に軽微なものも含め、改良は5度実施されている。18年には内外装デザインの変更や機能性の向上が図られるなど、最も大がかりな改良が行われている。
　購入時に迷う点といえば、エンジン選びだ。マツダといえばクリーンディーゼルを推してきたこともあり、中古車市場にはディーゼルエンジン搭載車の流通量が多い。パワフルさと低燃費をウリとしているが、意外な落とし穴がある。それは「チョイ乗りには不向き」ということ。
　クリーンディーゼルエンジンには、DPFというフィルターが備えられ、これが有害物質を捕らえて排気ガスを浄化する。マツダのディーゼルエンジンは、DPFに溜まった煤（すす）をエンジンの吹け上がりによって有害物質ごと内部で焼却する仕組みとなっているが、DPFは30分以上走行して十分な暖気を行わないと稼働しない。つまり、エンジンが温まりきらない走行を繰り返すとDPFには煤が溜まる一方となり、燃費低下や故障の原因につながる。
　中古車の場合、前オーナーの使い方が把握しづらいだけに、ディーゼルをねらうならディーゼル特有の性質は理解しておきたい。

ディーゼルは低回転域で力強さを発揮するが、高回転の吹け上がりはガソリンのほうが有利。それぞれの特性と乗り方を合わせたい。

コンデンサチューブの不具合で、エアコンの冷え不良が生じる不具合が過去にあった。対策品に交換されているか要確認。

平成26年12月から27年12月に生産されたディーゼル車は、リアゲートのダンパーにリコールがあった。対策済みか否かを確認しておこう。

外的環境の影響を受けやすいのが樹脂パーツ。劣化が進行している場合はディーラーでできる「モールコート」の施工を検討しよう。

革シート搭載車の場合、座面の右側が乗降時に擦れてヤレていることも。シート全体の状態をしっかりとチェックして判断したい。

前席を優先して開発された感があり、後席の足もと空間は狭い。人を乗せる機会が多いならシートの座り心地も含めてチェックすべき。

撮影／フォッケウルフ
※写真はすべて現行型。
※中古車価格はグーネット 2020年11月調べ。記事中の価格は参考であり、中古車価格を保証するものではありません。