車の歴史
更新日:2019.02.14 / 掲載日:2019.02.14
[GT-R ヒストリー]スカイラインを語る上で外せない「特別」な モデルの魅力に迫る!
サーキットで勝つために生まれたハイパフォーマンスカーの代名詞
スカイラインといえばGT-Rを連想するほど、スカイラインを語る上では欠かすことができない存在のスポーツグレードだが、このグレードが設定されたのは3代目スカイラインのC10型、通称ハコスカからだ。2代目のS50型スカイラインにグロリア用6気筒エンジンを搭載したプリンス・スカイライン2000GT-Bがレースで活躍。その後継車種として、1968年10月に開催された第15回東京モーターショーにおいて、その年の8月に発表された3代目スカイラインに、プロトタイプカーR380のエンジンを搭載した「スカイラインGT レーシング」が参考出品された。このショーモデルが1969年2月にスカイラインGT-Rとして発売された。当初は4ドアセダンのみで、翌年のマイナーチェンジで2ドアハードトップが追加されている。 C110型へのフルモデルチェンジから少し遅れて2代目GT-Rが登場するが、厳しくなった排ガス規制に適合することができず、わずか3か月で生産を終了している。その後のモデルにはスポーツグレードこそ存在するものの、GT-Rが発売されることはなかった。
1989年、8代目スカイラインR32型にフルモデルチェンジされ、GT-Rが復活。GT-Rとしては3代目となる。専用設計の6気筒ツインターボエンジンを搭載し、駆動方式は4WDとなった。以降はスカイラインのフルモデルチェンジに合わせて、1995年1月に4代目のR33型スカイラインGT-R、1999年には5代目のR34型スカイラインGT-Rへと正常進化を行ったが、11代目スカイラインV35型には「高性能セダンに回帰する」ということから、GT-Rが用意されることはなかったが、2007年、ハイパフォーマンスのスポーツカー「日産GT-R」として復活を遂げている。
初代 PGC10/KPGC10
1969-1973
前期はセダンボディで登場 後期からハードトップボディに
3代目スカイラインの4ドアセダンに、レーシングプロトタイプのプリンスR380で使用していたツインカムエンジンGR8型をベースに、新開発されたS20型エンジンを搭載。最高出力は160PS/7000rpm、最大トルクは18.0kgm/5600rpm。1970年に2ドアハードトップが追加された。1972年の販売終了までに約2000台が生産された。
レーシングユニットGR8をベースに、耐久性を高めて設計されたS20型エンジン。三国ソレックスの40PHHキャブレターを組み合わせる。
初代GT-Rとともにバンクを並走しているのは、プロトタイプのレーシングカーR380。S20型エンジン誕生の礎になった車両である。
発売当初は4ドアセダンのみの設定であったが、1970年のマイナーチェンジを機に、2ドアハードトップが追加された。
2代目 KPGC110
1973
総生産台数は197台。幻とも謳われる希少なGT-R
1972年にスカイラインがフルモデルチェンジされた際には設定がなかったが、翌1973年1月に2000GT-Rとして登場した。ボディは2ドアハードトップのみとなり、エンジンは先代から引き続きS20型が搭載されたが、昭和48年排出ガス規制に適合することができなくなったため、発売からわずか3か月後に生産が終了している。
エンジンは初代に引き続き6気筒DOHCのS 20型が搭載された。年々厳しくなる排出ガス規制に対応できず、S20の生産はこれで終了となった。
インテリアはGTをベースに、インパネにはアルミのパネルが装着され、3本スポークのステアリングが採用されていた(写真は社外品)、シートはバケットタイプだ。
3代目 BNR32
甦ったGT-Rは、ハイテク装備で圧倒的な戦闘力を発揮
16年の時を経て復活したGT-Rは、当時のハイテク技術が満載されていた。エンジンは新開発のRB26DETT型、直6DOHC 2600ccツインターボで、4WDのアテーサET-S、アクティブ4WSのスーパーHICASを装着していた。
R32以降、R33、R34のGT-Rにも搭載されたRB26DETT型エンジン。最高出力は280PS、今なおファンが多い名機。
4代目 BCNR33
1995-1998
R32の伝説を塗り替えた 円熟期を迎えたGT-Rの傑作
スカイラインのモデルチェンジから1年半遅れて登場。ニュルブルクリンクのテストで、プロトタイプがR32より21秒速い7分59秒のタイムを記録。全日本GT選手権でシリーズタイトルを獲得している。
5代目 BNR34
1999-2002
究極を極めた実力を持つ第二世代GT-Rの完成形
「スカイラインGT-R」としては最後のモデルとなるR34型。先代のR33型が大柄なボディを批判されたため、ホイールベースを55mm、全長を75mm短縮してコンパクトになった。RB26DETTは最高出力は280PSのままだが、セラミックターボの採用でトルクは40.0kgmへ増加。
現行型 R35
2007-
ライバルはスーパーカー。ピュアスポーツとして復活
R34型の生産終了で一度は途絶えたGT-Rだったが、ピュアスポーツカーとして復活。発売から11年を経過しているがいまだ現行車。最高出力は当初の480PSから、現行モデルは570PSまでパワーアップ。NISMO仕様は600PSを発生する。
提供元:オートメカニック