走りを楽しめるＳUＶに乗りたい！【輸入車コンシェルジュ】

　20世紀終わり頃に一世を風靡した国産ターボワゴン。使い勝手に優れるワゴンボディにターボ過給によるパワフルなエンジンの組み合わせは、レジャーにドライブにと大活躍で、多くのクルマ好きを満足させました。
　それからおよそ20年が経ち、いまは空前のSUVブーム。今回の相談者も、ここまで人気なら一度は乗ってみたいと、次のクルマをSUVから選ぶことに決めたそうです。
　しかし同時に相談者が心配しているのが、「SUVは走らせて楽しくないのではないか?」という疑問。車重が重く、重心も高いというSUVの特性から、走りを我慢しなければならないのではないかと心配しているそうなのです。
　確かに、スポーツワゴンと比べ、一般的にSUVは重く、重心位置も高い傾向にあり、トラックから派生したタイプのクルマはそういう傾向があったことは否定できません。
　ですが、現在主流となっているSUVは乗用車を設計の基本としており、オンロード性能が大幅に向上していますし、よりスポーツ性能を高めたスポーツタイプのSUVも数多く登場しています。
　今回は、スポーツワゴンに匹敵するようなハンドリング性能、アクセル操作に機敏に反応するエンジン性能、そして操る楽しさを兼ね備えたスポーツSUVを紹介します。
　登場するモデルそれぞれが強いキャラクターの持ち主です。

　クロカン4WDの高級版だったSUVのイメージを今日のオンロード寄りなものに変えた立役者ともいえるのがBMWのXシリーズ。
　彼らがSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)と呼ぶXシリーズは、従来の常識を覆す優れたオンロード性能を発揮し、これまでセダンやワゴンに乗っていたオーナーからも高い支持を集めた。そしてさらにBMWは、さらなるスポーツ性とクーペのようなスタイリングを与えたSAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)を投入。
　ここで紹介するX4はシリーズの中核をなす存在で、2014年に登場。兄貴分であるX6が全長約5m、全幅約2mと巨大だったのに対して、日本で使うのにちょうどいいボディサイズも魅力のひとつ。
　2Lターボの28iでも十分な性能なのに、上級グレードの35iは3Lツインターボ仕様で306馬力とさらに過激。全車に採用されている4WDメカ「xDrive」もオンロードでの走りを意識したセッティングが施されています。

2014年 BMW X4 xDrive28i(8速AT)　●全長×全幅×全高:4680×1880×1625mm ●車両重量:1870kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●最高出力:245ps/5000rpm ●最大トルク:35.7kgm/1250-4800rpm ●排気量:1997cc ●中古車参考価格:340万円ー750万円(14年ー18年・全グレード)

　3LV6にさらにスーパーチャージャーを組み合わせることで、354馬力、47.9kgmという大出力を誇るのがSQ5。パワーだけでなく、自慢のクワトロシステムも特別仕立てで、オンロードでは後輪駆動のような自然で気持ちのいい走りを提供。内装もより豪華で所有欲を満たしてくれる。

2013年 アウディ SQ5(8速AT)　●全長×全幅×全高:4645×1910×1625mm ●車両重量:2000kg ●エンジン:V6DOHCスーパーチャージャー ●最高出力:354ps /6000-6500rpm ●最大トルク:47.9kgm/4000-4500rpm ●排気量:2994cc ●中古車参考価格:330万円ー620万円(13年ー17年・全グレード)

　SUV界のレジェンドであるレンジローバーをベースに、オンロード性能を高めたのがスポーツ。搭載されるエンジンは5LV8およびこれにスーパーチャージャーを追加したもの。車重は2トンを大きく超えるものの、アクセルを深く踏み込めばまさに吠えるような音とともに猛然とダッシュする。

2011年 ランドローバー レンジローバー スポーツ 5.0V8(6速AT) ●全長×全幅×全高:4795×1930×1810mm ●車両重量:2490kg ●エンジン:V8DOHC ●最高出力:375ps /6500rpm ●最大トルク:52kgm/3500rpm ●排気量:4999cc ●中古車参考価格:250万円ー500万円(05年ー13年・全グレード)