輸入車
更新日:2021.03.04 / 掲載日:2019.06.04

AUDI Q2/気になる中古車【試乗判定】

2017年モデル アウディ Q2 1.0 TFSI スポーツ

文●竹岡圭、九島辰也、ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2019年7月号の内容です)
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。


一般ユーザーが乗っている使用過程車をテストすることで、新車ではわからない実力をチェックするのがこのコーナー。売れ線中古車の本当のトコロを厳しい目線でインプレッション! 果たしてその結果やいかに!?

Member Profile

  • 自動車ジャーナリスト【竹岡 圭】
    人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染みの、人気自動車ジャーナリスト。2019-2020 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

  • 自動車ジャーナリスト【九島辰也】
    長年にわたり男性ファッション誌や一般誌などでも活躍し続ける自動車ジャーナリスト。その知見は広く、プライベートでも各国のクルマを乗り継ぐ。

新しい乗用車の形を感じさせるコンパクトSUV

アウディSUVシリーズの最小モデルとして登場

編集部●中古車を実際に試乗することで、その実力をチェックしようというのがこのコーナー。今回はアウディQ2が登場します。お借りしたクルマは2017年モデルの1.0 TFSIスポーツで、走行距離は2万5000kmです。
九島●このクルマに乗るのは新車試乗のとき以来だけど、街中でこうして見ると、デザイン悪くないね。
編集部●「ポリゴン(多角形)」がモチーフで、アウディの象徴となるシングルフレームグリルも八角形で造形されています。
竹岡●サイズ感がいいんだよね。全長は4.2mと短いし、SUVルックなのに全高が1530mmだから立体駐車場にも入るのよ。知人にクルマ選びの相談を受けたときに何人かにオススメした記憶がある。
編集部●これまでハッチバックが担っていたセグメントをSUVがカバーするというのは最近のトレンドですよね。同じアウディのA3と比べますと、全長は125mm短く、全幅は10mm広く、全高は約200mmも高くなっています。一方でホイールベースは40mm短いのですが、全長との関係からすると、Q2のほうが前後オーバーハングが短いということになります。
九島●運転席に座ったときにA3よりも広い感じがするのは、まさにそのパッケージングの違いが関係しているわけで、いまSUVがウケている理由でもある。
竹岡●アイポイントが高いから、見晴らしがいいしね。
九島●Q2っていくらからだっけ?
編集部●299万円からです。ちなみに、Q3は369万円からで、A3は296万円からとなっています。
竹岡●そういえば価格のことは発表当時ずいぶん強調していた覚えが。
編集部●Q2が日本に導入されたのは2017年4月で、SUVラインアップとして最小モデルであり、アウディブランド全体のエントリーモデルとしても期待されて登場しました。ラインアップは1L直3ターボの「1.0 TFSI(116馬力)」、パワートレインは同じで装備を充実させた「1.0 TFSIスポーツ」、そして上級モデルである1.4L直4ターボの「1.4 TFSIシリンダーオンデマンド スポーツ(150馬力)」の3モデル。トランスミッションは7速Sトロニックで、駆動方式は全モデル前輪駆動です。
竹岡●コンパクトSUVなんだけど装備はけっこう充実しているんだよね。そこは流石アウディ。
九島●衝突被害軽減ブレーキとアダプティブクルーズコントロールが装備されているのと、ステアリングのギヤ比を可変させるプログレッシブステアリングが「スポーツ」に標準だったよね。
編集部●ありがとうございます。その後2018年9月の改良でベースモデルにもアウディプレセンスフロントとレイン/ライトセンサーが標準装備になりました。また、「スポーツ」モデルでは「Sライン」が選べるようになりました。また、モデル名がアウディの新しい命名ルールに則って1Lモデルが「30」1.4Lが「35」になっています。
竹岡●なるほどね。
編集部●ではそろそろ試乗の方をよろしくお願いします。


竹岡「運転しやすくていいクルマ。再発進のギクシャクだけ残念!」

九島「十分な性能を持つ1Lターボ。パッケージングも優秀だ。」

DETAIL CHECK

アイドリングストップからの再発進が気になるものの全体的には好印象!

編集部●さて、戻られたお二人に試乗の感想をうかがいましょう。
竹岡●運転しやすいし、乗り心地もいいのよ。だけど……、アイドリングストップとSトロニックの相性が悪すぎる!
九島●それは本当だね。アイドリングストップから再発進するときのマナーの悪さは僕も気になった。
竹岡●坂道だと一瞬クルマが下がっちゃうのよ。
編集部●エンジン排気量が1Lというのは気になりました?
九島●全然問題ないよ。むしろ、いまは排気量が小さい方がインテリジェンスがあるって時代。
竹岡●エンジン自体の軽さが効いてハンドリングもいいし、何の不満もない。手ごろないいクルマだと思うよ。
九島●うんそれは同意。それで中古車相場はいくらくらいなの。
編集部●まだ新しいクルマですし、中古車も販売店デモカーのような物件が多いこともあって、価格は手ごろというところまでは落ちてきていないというのが現状です。試乗車と同じような物件ですと280万円くらい。1年落ちで新車に比べて60万から80万円落ちというところです。
竹岡●けっこう高いんだね。その価格差だと新車と悩むかも。
九島●すぐに値落ちしてしまうのも、それはそれでブランド価値的に問題があるから(笑)。Q2はデザインに特徴のあるクルマだし、価格も大事だけど、個人的にはボディカラーにこだわって選んでもらいたいな。
竹岡●そうだね。運転しやすいクルマなのは間違いないから、アウディファンにかぎらず、デザインが気に入ったのならオススメです。
編集部●ありがとうございました。

シンプルで上質感の漂う室内に充実した先進安全装備を採用

 コンパクトクラスでありながらも装備は充実。フルデジタル液晶の「バーチャルコックピット」が採用されているほか、「スポーツ」の各モデルには、衝突被害軽減システムおよびアダプティブクルーズコントロールを標準装備。オプションの「セーフティパッケージ」を選択することで、さらに全方位の安全装備が装着される。

SUVルックの恩恵で居住性は快適

 ハッチバックに対してアドバンテージとなるのが居住性。前席だけでなく後席でも頭上や肩まわりの空間に余裕があり、膝前空間も確保されている。また、シート自体のサポート性能も必要にして十分なものとなる。

1L3気筒ターボの小排気量エンジンがメイン

 エンジンは1L3気筒ターボ(116馬力)と1.4L4気筒ターボ(150馬力)の2種類。トランスミッションはデュアルクラッチ式7速ATで全車前輪駆動となる。

標準状態でも十分な荷室空間フロアボードは高さが調整式

 ラゲッジ容量は標準状態で405LとハッチバックA3の380Lよりも大きい。6対4で分割可倒式の後席を倒すことにより、最大で1050Lまで拡大することができる。フロアボードは高さが2段階調整式となっており、下の段にすることで、高さのある荷物も収納可能。

試乗判定レビュー

※各項目に対して10点満点評価。 ※ナンバープレートは、はめ込み合成です。

竹岡 圭

  • 【10点】 ウディって奥様に乗せたいというご主人が多いブランドだったりするんですよね。となるとQ2はなかなかいい選択。アイポイントが高い分、A3のようなハッチバックやセダンより視界が開けていて乗りやすいし、サイズ的にも手ごろで奥様の日常生活のステージで非常に使いやすいモデルとなります。パッと出動できる機動力の高い1台です。

  • 【10点】今日試乗したモデルは女性の必需品であるシートヒーターが装着されていました(笑)。特徴的な装備はないですが、日常生活の範囲で使うには、必要にして十分だと思いますし、操作系もアウディシリーズ共通の感じなのでわかりやすいですよね。カジュアルな性格が強いQ2だと、質感的にも十分に満足できるレベルと言ってよいのではないでしょうか。

  • 【9点】ダウンサイジングターボエンジンは、想像以上にパワフルで必要にして十分なレベル。ハンドリングも変なクセがなくとっても扱いやすいクルマだと思います。ただひとつ不満なのは、小排気量エンジンのトルクと、Sトロニックと、アイドリングストップのマッチングがいまひとつなところ。ストップ&ゴーが多いところでは、いっそ切りたくなってしまうかも。

九島辰也

  • 【9点】まず目を引くのが個性的なスタイリング。シルエットはSUVのようでいながら土臭さを感じさせないQ2のスタイリングは、ありきたりの実用車に飽きたユーザーには新鮮に映るだろう。若い層をターゲットにした商品企画らしく過密な都市で使いやすいボディサイズはグッド。品質感は高く、それでいながら価格を抑えているのも嬉しいところだ。

  • 【9点】Qシリーズのエントリーモデルでありながらも、必要な装備はすべて用意されている。快適性にまつわるものはもちろん、ボタンひとつで乗り味をコントロールするアウディドライブセレクトや、オプションではあるが、ナビゲーション画面をメーターパネルに表示するバーチャルコックピットにも対応。これは試すと未来的な気持ちになれる代物だ。

  • 【9点】エンジンの排気量を心配する声もあるようだが、それはまったくの杞憂だと伝えたい。いまどきの小排気量ターボは低回転からしっかりとトルクを発揮するし、7速Sトロニックのおかげで加速はスムーズそのもの。唯一残念なのがアイドリングストップからの再発進で、ここだけは指摘しておきたい。全体としての仕上がりは良好でハンドリングも軽快だ。

グーワールド 編集部

  • 【10点】これまで若者やヤングファミリー向けのクルマといえばハッチバックを備えた2BOX車がメインで、SUVは格上のラグジュアリークラスというイメージでした。Q2はそんなクラスの枠組みを打ち破る存在で、ハッチバックと変わらない価格で登場しました。しかも高級ブランドであるアウディということで、路上での存在感も高く、満足できる買い物になるはず。

  • 【10点】スタートプライスを300万円以下に抑えるための存在であるベースモデルを別にすれば、標準装備だけでもかなり充実しています。アダプティブクルーズコントロールは10~250km/hまで対応する本格派で、10~65km/hの範囲で歩行者も検知。中古車を購入する際は、各種セットオプションの装着車がねらい目。さらに装備が充実しています。

  • 【9点】スペックからは想像できない快活かつ洗練された走りに驚きました。車体の軽さとサスペンションのセッティングのおかげか街中はもちろん、都市高速道路での移動も快適で、静粛性も十分に満足できるものでした。印象的だったのは乗り心地のよさ。とくに前席はもっと格上のクルマに匹敵するスムーズさ。中古車市場のほとんどが1Lですが、これで十分です。

アウディ Q2のモデル主要変遷やスペック情報はこちら

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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