【ジャガー XE】現行型のジャガーが100万円台!? 買い時になった英国製スポーツセダン

　ジャガーXFよりもひとまわり小型のXEは、欧州Dセグメントに属するモデル。BMW 3シリーズやメルセデス・ベンツ Cクラスがライバルと言えば分かりやすいだろう。日本での発表は2014年10月で、当初は400台限定「ファーストエディション」の受注を開始（発売は翌年）。ボディサイズは全長4680mm、全幅1850mm、全高1415mmとこのクラスのなかでは標準的だが、ボディの75%にアルミを用いるなど、XJから受け継がれた軽量な車体設計を基礎に持つのが特徴だ。外観は兄貴分のXFによく似ており、横長ヘッドライトを持つFRセダン。ファーストエディションでは200馬力の2.0L 直4ガソリンターボが搭載されたが、2015年6月に発表されたカタログモデルでは、180馬力の2.0L 直4ディーゼルターボ、340馬力の3.0L V6 スーパーチャージャーなども用意された。トランスミッションは8速ATが組み合わされ、一部グレードには4WDも設定されている。なお、ライバルの3シリーズやCクラスにはステーションワゴンやクーペなどの派生車種が存在するが、XEはセダンボディのみ。また高性能版として600馬力の限定車「SVプロジェクト8」が2017年11月に発表されたが、価格は2181万円と極めて高額なものとなり、MやAMGと比べて特殊な位置付けとなっている。

　ジャガーXEの改良遍歴を振り返ってみよう。正式発表に先駆けて2014年10月に発表された400台限定の「ファーストエディション」に続き、2015年1月には200台限定の「アドバンテージエディション」を受注開始。正式発表の前に初回限定モデルを投入するのは、ここ最近よく見られるマーケティグの手法だ。2015年6月には一般的なカタログモデルも正式発表となり、ガソリン、ディーゼルとも「INGENIUM（インジニウム）」と呼ばれる新世代エンジンが与えられた。当時の価格帯は477万円~769万円。2016年7月には2017年モデルが発表され、439万円のエントリーモデル「SE」が加わった。続く2017年11月には2018年モデルを発表。ここではガソリンエンジン出力が変更され、2.0Lターボは200馬力、250馬力、300馬力、さらに3.0L V6スーパーチャージャーは380馬力にまで高められた。そのほか、歩行者検知機能付きの自動ブレーキ（AEB）、車体の周囲の映像を表示する「サラウンドカメラシステム」を搭載するなど、安全面も強化されている。

　2018年10月には2019年モデルが登場。新グレードとして「300スポーツ」が登場したことがトピック。こちらには、300馬力の2.0Lターボが搭載され、スポーティな加飾が施されたのが特徴となる。また、全車にスマホとのコネクティビティ強化が施された。2019年8月に登場した2020年モデルでは、デザインの変更を含む大幅なマイナーチェンジが加えられた。LEDヘッドライトの導入に加え、室内にはレザーシートを全グレード標準装備化。さらにスポーツシフトセレクターも与えられ、内外装を一新している。エンジンラインアップは、2.0Lガソリンターボの200馬力仕様と3.0L V6スーパーチャージャーが廃止され、ガソリンは2機種（250馬力、300馬力）、ディーゼルは1機種（180馬力）に集約された。それらを踏まえ、年式別中古車平均価格を見ていこう。

　年次改良で進化を続けるジャガーXEだが、物件数は年式によって差がある。もっとも豊富なのは2019年式となっているが、こちらは平均価格が446万円とかなり高め。一方、もっとも安い2015年式は物件数が少なく買いにくい状況となっている。買い易いのは2016年式で、物件数と価格のバランスがよいので注目したい。具体的に見ると、走行距離3万km前後の低走行車でも、2016年式ならば200万円以下の物件が存在する。全体的にコンディション良好な個体が揃うので、安心して購入できる。

　ジャガーXEは、エンジン別に見るとガソリン2.0ターボ、3.0L V6スーパーチャージャー、ディーゼル2.0Lターボに大別できる。それとは別に装備内容によって「ピュア」、「プレステージ」、「ポートフォリオ」などを豊富だが、モデルイヤーによってラインアップは異なっている。ここではエンジン別に中古車平均価格をチェックしてみたい。

　エンジン別に見ると、ディーゼルモデルがもっとも豊富となるが、こちらは同排気量のガソリンよりも相場は高め。価格重視、とくに200万円台前半の予算で探すなら、ガソリン2.0Lターボがターゲットになりそう。パフォーマンス重視なら3.0L V6スーパーチャージャーもオススメだが、相場はかなり高め。なお、同じエンジン、同じグレード名でもエンジン出力が異なるケースがある。加えてモデルイヤーでも出力が異なる場合があり、物件の名称から具体的な仕様が判断できないケースことも多い。購入の際は、販売店に問い合わせるとよいだろう。

　新車時価格がおよそ500万円オーバーの高額モデルが、今では半額以下の予算でも買えるようになった。低予算で狙うならガソリン2.0Lターボがオススメで、200万円前後の予算でも購入可能。なお、ライバルの3シリーズ（先代・2016年式）の中古車平均価格260万円だから、同じ年式ならば同程度の予算で探せる。とは言え、ドイツ車は異なる個性を放つジャガーXEは、特有の魅力があるのはたしか。クルマ選びの候補に入れておくのも悪くないだろう