【スズキ イグニス】スポーティな人気のコンパクトカーが100万円以下で買える!?

　2015年10月に開催された東京モーターショーでお披露目されたスズキのコンパクトカーがイグニス。「イグニス」という名称は、海外向けの初代スイフトに使われた名称だ。ラリーファンなら、JWRC車両としてのイグニスを思い浮かべた人も多いはず。2代目以降のスイフトは日本、海外ともに名称が統一されたため「イグニス」のネーミングは一旦消滅している。しかし、2015年10月にまったく別のコンパクトモデルとして生まれ変わった。

　新しいイグニスは、Aセグメントカーと呼ばれるスモールクラスに属する。全長3700mm、全幅1660mm、全高1595mmのボディサイズはルノー トゥインゴやフィアット パンダに近いが、最低地上高は180mmとなり、全高も高めに設定される。ハッチバックとSUVのクロスオーバーという外観は、昨今のSUVブームの影響なのかもしれない。エンジンは、1.2L 直4ターボ（デュアルジェット）にモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドが搭載され、トランスミッションはCVTが組み合わされる。JC08モード燃費は28.8km/Lと、なかなか優秀な燃費性能を実現。駆動方式は2WDまたは4WDから選べる。街乗りはもちろん、ちょっとした悪路も得意なイグニスは、まさにコンパクトカーの万能選手だ。なお、デビュー当時の新車価格は138万2400円~187万5960円である。

　まずはイグニスの改良遍歴を振り返ろう。2015年10月にワールドプレミアされ、翌年2月に発売されたイグニス。グレードは、「ハイブリッドMG」、「ハイブリッドMX」、「ハイブリッドMZ」の3グレード構成だった。当初は日本市場のみの販売だったが、後に欧州やアジア各国でも販売されている。2020年2月に一部改良を受け、専用外観によりSUVテイストを強めた新グレード「ハイブリッドMF」が追加された。また、全車に内外装の改良を受け、内装の配色も一部変更。さらに、夜間乗車時に周囲を照らす「ガイドミーライト機能付オートライトシステム」など、快適装備も充実している。メカニズムはデビュー以来変わらないが、最新モデルはWLTCモード燃費が示されている（最大19.8km/L）。これらを踏まえ、年式別中古車平均価格を見ていこう。

　ここ1~2年で相場が下がり、特に2016年~2017年式なら100万円以下の予算でも探せる。走行距離が極端に伸びた物件は少なく、大半が5万km以下。相場の最低ラインはおよそ80万円で、新車時から50万円以上も安く買える状況となっている。なお、2020年改良モデルは、あまり流通していない。それゆえ2016年式（5年落ち）がねらい目の年式となるだろう。

　イグニスのグレード構成は、下から順に「ハイブリッドMG」、「ハイブリッドMX」、「ハイブリッドMZ」、「ハイブリッドMF」の4つ。いずれも1.2Lのマイルドハイブリッド車で、駆動方式は全車2WDと4WDが設定される。各グレードは装備内容が異なり、「ハイブリッドMX」、「ハイブリッドMZ」は、メッキフロントフォグランプベゼル、「ハイブリッドMF」は専用フロントバンパーが与えられる。また、タイヤサイズは「ハイブリッドMG」が15インチ、「ハイブリッドMX」以上のグレードは16インチを装着。インテリアは、「ハイブリッドMZ」と「ハイブリッドMF」は本革巻シフトノブが採用され、さらに「ハイブリッドMF」はシート表皮がレザー調となり、高級感を高めている。

　2020年の改良とともに追加された「ハイブリッドMF」を除き、どのグレードも十分な数の物件が流通する。特に多いのが上級モデル「ハイブリッドMZ」。ただし平均価格はもっともベーシックな「ハイブリッドMG」よりも20万円以上高く、中古車価格の最低ラインもおよそ100万円とやや高めである。新車時の価格がそのまま中古車にも反映されているため、予算に応じたグレードを選びたい。

　現行型のコンパクトカーが、新車価格よりも50万円ほど安く買えるイグニスは、中古車として魅力的。豊富な物件数と低価格、さらにコンディションのよい個体が揃うため、初めて中古車を買う人にもオススメできる1台となっている。価格重視なら2016年式がターゲット。グレードごとにメカニズムの違いは少ないから、購入する際は装備内容をしっかり把握して探すのがポイントだ。