このスズキ、ヨーロピアン！！　ヨーロッパ基準のコンパクト　スプラッシュ　debut

【本記事は2008年11月にベストカーに掲載された記事となります。】当面日本で販売する予定はありませんよ。確かスズキ広報はそういっていたハズなんだけどなあ……。スプラッシュが突如10月21日、日本でデビューいたしました。いつも突然なんだから、スズキは……。

スプラッシュをパッと見た時、「おおっ、これはなかなか面白いぞ」と思ったいっぽうで、「でも、スイフトとの棲み分けはどうするんだろ！？」と思いましたね。だって、スプラッシュは、基本的にスイフトをベースにオペルとの共同プロジェクトで誕生したクルマ。プラットフォームやらドライブトレイン（エンジン、CVT）などはスイフトと共通なのだ。ボディサイズは全長3715mm、全幅1680mm、全高1590mm。スイフトと比べると全長が40mm短く、全幅が10mm狭いのに対して、全高は80mmも高くなっている。ホイールベースはスイフトの2390mmに対して30mm短い2360mm。なんといいますか、スプラッシュは独特の、ちょっと寸詰まり感のあるフォルムをしておるわけですよ。スイフトが正統派コンパクトカーのフォルムなら、スプラッシュはちょっとハズした、パッケージング重視のコンパクトミニバンっぽい雰囲気。スッキリまとまっているスイフトよりも個性的な印象ですな。このディメンションだからして、スプラッシュはリアシートに座った時のヘッドクリアランスがとっても余裕タップリ。ま、スイフトのリアシートが窮屈ということもないのだが、頭の上に余裕があると、室内が広々感じるので、スプラッシュはなかなかに快適なのだ。また、リアシートは3人掛けなのだが、ちゃんと中央座席にもヘッドレストと3点式シートベルトが装備されているのはポイント高し。スイフトよりも室内幅は狭いんだけど、後席乗員の安全確保という点では、これら装備は無視できない。このあたり、ヨーロッパ基準なのだ。

スプラッシュはスズキの世界戦略車としてオペルとの共同プロジェクトで誕生したクルマ。スズキがオペルにOEM供給することを前提に開発が進められ、スズキのデザイナー、開発陣はヨーロッパに渡り、オペルの意向なども参考にしながら開発が進められたのだという。基本となる設計、試作、開発テストはスズキ主導で進められたが、ヨーロッパのユーザーが求める性能要件については、オペルの提案を積極的に取り入れながら開発されている。これがスイフトとの大きな違い。スイフトもスズキの世界戦略車として意欲的な開発がなされたクルマだが、あくまでもスズキの独自開発。スプラッシュは現在全量がハンガリーにあるマジャールスズキの工場で生産され、日本には輸入という形で上陸。スズキ車だが輸入車なのだ。国内仕様は日本で生産する動きもあったようだが、現在スズキの国内工場は生産キャパがめいっぱい。とても新たな車種を生産する余裕などないのが現状。スプラッシュは、逼迫するスイフトの需要をちょっとでも分散する、という狙いもあるようだ。スプラッシュはワングレードのみの設定。1.2Lエンジンを搭載する、スイフトでいえば1.2XGあたりに相当するグレードのみが販売されることになる。価格は123万9000円。スイフトよりちょっと高いのは、装備が充実していることと、輸入車だから、かな！？ 月販目標台数は500台。

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