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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.03

ハイブリッド専用車 レクサス初のFFサルーンのHS

ハイブリッド専用車レクサス初のFFサルーン

ハイブリッド専用車レクサス初のFFサルーン

【本記事は2009年8月にベストカーに掲載された記事となります。】「豊田章男社長に走りを磨き上げろとプレッシャーをかけられました」と古場博之チーフエンジニアもいうように、レクサスHS250hの走りはスポーティでドライビングプレジャーを味わえるものに仕上がっている。古場CE自信のポイント。すでに北米仕様のHS250hの試乗レポートをお届けしているが、「ハンドリングはシャープでダイレクト。乗り心地の面ではやや堅めに感じられたサスペンションチューニングも、ハンドリング面では優位にはたらいていて、コーナリングを楽しめる4ドアサルーン。サスペンションもキッチリ動いている。ただし、前述のように乗り心地はやや硬さを感じるものだった。動力性能的には車重が1640kgと重たいものの、システム出力は190psあり、2.5Lクラスの動力性能。充分パンチがあり、加速性能にストレスを感じることはなかった」と試乗したレポーターは伝えている。「愛車はMR-Sなんですよ。その前は初代MR2のスーパーチャージャーに乗っていました。ライトウェイトスポーツカーが好きなんです」のっけからなんではあるが、これ、HS250hの開発責任者、古場博之レクサスセンター製品企画主査の言葉。これが、このHS250hがどんなクルマかを知るうえでのキーワード。「私はもともとシャシー屋なんです。サスペンションの設計や、シャシーのデザインなどを長年やってきました。製品企画に移って、初めて1台任されたのがこのHS250h。これまでの経験を盛り込んだ1台に仕上げました」と古場CEは熱く思いを語ってくれた。「レクサスのセダンですから、それにふさわしい乗り心地や快適性は大切です。と、同時に、運転するドライバーが楽しめるハンドリング性能にも気を遣いました。さすがにMR-Sみたいな、ライトウェイトスポーツにはできませんけど、キビキビしたフットワークのいいハンドリングは作り出せたと思っています。早く試乗していただきたいですね」と古場CE。どうだろう。正直ビックリした。もっとこう、レクサスっぽい……、うーん、ちょっとクールなチーフエンジニア、をイメージしていたのだが、この古場CEは若くて熱い熱い!! BC読者と同世代のクルマ好きがそのままの勢いで自動車メーカーに就職して、念願のチーフエンジニアに上り詰めた、そんな感じの人なのだ。

レクサスブランドの活性剤となるか!?

2.4L、直4エンジン+モーター。レクサス初の直4エンジンだ

2.4L、直4エンジン+モーター。レクサス初の直4エンジンだ

HS250hは日本におけるレクサスブランドとしては初となるFFセダンで、初のハイブリッド専用車。4気筒エンジンを搭載するレクサス車という意味でも「初モノ」だ。「HS」とは “ハーモニアス・セダン” の頭文字だという。さまざまなものとの調和をはかるという意味。「250」は2.5Lクラスの動力性能ということを表わしているとのことだが、ずいぶんと控え目じゃありませんか!? RXでは3.5Lで450を名乗り、LSでは5Lで600を名乗っているのにHSは2.4Lで250とは……。それだけパフォーマンス方向ではなく、燃費重視のハイブリッドということなのだろう。全長4700mm、全幅1785mm、全高1505mmでホイールベースは2700mm。サイズ感としてはマークXに近い印象でカムリよりはひと回りコンパクト。レクサスISと比べると、全長はISよりも115mmHSが長く、全幅は10mm狭く、全高は75mm高い。HS250hの1505mmという全高は思いのほかに高く、実際にISなどと並ぶとアタマひとつ飛び出す感じでボリューム感がある。実際のサイズよりも大柄に見えるかもしれない。このボディにハイブリッド専用にチューニングされたアトキンソンサイクルの2.4L直列4気筒エンジン(2AZ-FXE型)を搭載し、プリウスなどと同じTHS IIでハイブリッドシステムをまとめている。このシステムは北米で販売されているカムリハイブリッドのものをベースに、現行プリウスにも使われる最新技術を用いより進化させたものである。●エンジン最高出力=150ps/6000rpm●エンジン最大トルク=19.1kgm/4400rpm●モーター最高出力=143ps(105kW)●モーター最大トルク=27.5kgm(270Nm)●システム出力=190psプリウスよりも600cc大きいエンジンを搭載し、モーターもバッテリーもパワフル。ちなみにプリウスはエンジンが99ps/14.5kgm、モーターが82psでシステム出力136psとなる。プリウスの1.5倍のパフォーマンスといった感じだろうか。10・15モード燃費は23.0km/L 、JC08モード燃費19.8km/Lとなる。

この燃費値をどのように判断するか!?

10・15モード燃費=23.0km/L。さて、この数字を見てどう感じられただろうか!?「えっ、そんなもん!?」、「たいしたことないじゃん」そんな声が聞こえてきそうだ。実は担当ウメキも最初HS250hのスペックを確認して真っ先に「ええっ、燃費悪いじゃない」と思ってしまった。が、冷静に2.4Lクラスのガソリンエンジン車の燃費を見渡すと、カムリ=11.4km/L、アコード=11.8km/L 、マークX250G=12.6km/L、ティアナ=12.0km/L 、アテンザ2.5L=12.8km/L。「プリウスの38.0km/Lというのがハイブリッドのスタンダードみたいに思われてしまうんですよね。でも、HS250hは動力性能的には2.5Lクラスです。エンジンだって2.4Lを積んでいます。10・15モード燃費は一般的な2.4~2.5Lクラスのガソリンエンジン車に対して約2倍の数字です。プリウスも、一般的な1.8Lクラスの約2倍の燃費。このクルマの燃費が悪いということはないと自信を持っていうことができます」と古場CEは語気を強めた。どうしても、ハイブリッド車ということで、絶対値で燃費を見てしまうが、排気量や動力性能を考慮しなければならない。

レクサス基準のインテリアは居住性もいい!!

キャメルイエロー&ブラックにミディアムブラウンのウォールナット本木目を組み合わせたインテリアカラーは、派手だけど豪華な印象

キャメルイエロー&ブラックにミディアムブラウンのウォールナット本木目を組み合わせたインテリアカラーは、派手だけど豪華な印象

インパネデザインは斜めに張り出したセンターパネルが印象的だが、メーターパネルの造形などは比較的オーソドックス。インテリアの表皮素材などは “さすが”レクサス基準、といえるもので、センターコンソール周辺に貼られた本革、本木目のセンターパネル、ソフトな素材のインパネ表皮、ドアトリムなど、高級感を感じる。シートは標準仕様はツルツルした素材のファブリック(これも、けっこう高級な風合い)だが、「バージョンI」、「バージョンL」ではセミアニリン本革シートが標準装備となり、インテリアカラーも落ち着いた「ウォーターホワイト」があるいっぽう、黄土色のシート&ドアトリムが派手な印象の「ブラック&キャメルイエロー」や「アイボリー&サドルタン」、「ブラック&サドルタン」など全10パターンの組み合わせが設定されており、好みでチョイス可能となっている。10色設定されているボディカラーと組み合わせれば、多彩な取り合わせが楽しめる。ボディカラーはシルバー、ホワイトのほかは基本的にはダーク系のシックな色合いが中心だが、そんななか、薄いブルーの「ムーンライトオパールクリスタルシャイン」がこのクルマにはよく似合っていると感じた。斜めになったセンターパネル上部にはカーナビ画面が設置され、センターパネル下側に配置された、レクサスRXシリーズで初採用された、パソコンのマウスのようなリモートタッチでカーナビの各種操作をする。このリモートタッチ、馴れれば使いやすいとの評価も聞くが、初めてさわった印象では、今ひとつ操作に慣れることができず、戸惑ってしまった。カーナビ操作でよく使う現在地ボタンとマップの縮尺変更ボタンは独立させたプッシュボタンで操作するほうが簡潔でいいのでは!? と感じたが……!?さて気になる価格だが、最もベーシックなグレードが395万円、225/45R18サイズのタイヤ、専用チューンサスペンション、前後スポイラーなどを装備したスポーティ仕様「バージョンS」が415万円、本革シート、本革&本木目ステアリング、本木目パネルなどが装備された豪華仕様「バージョンI」が453万円、バージョンIにさらにプリクラッシュセーフティ、後方プリクラッシュセーフティ、レーンキープアシスト、ヘッドアップディスプレーなどを盛り込んだフル装備仕様の「バージョンL」が535万円という設定。価格帯はレクサスISとバッチリかぶっている。FRスポーツセダンをとるか、FFハイブリッドセダンを選ぶか!? HSvsISの比較詳細は次ページ。

車格はどっちが上なの!? HS250hIS250

HS250hは日本におけるレクサスとしては初の直列4気筒エンジンを搭載したFFサルーン。ということで、日本への導入に向けては、トヨタ社内でも多くの論議があったのだという。「一部の役員からは、4気筒のFFでレクサスの質感が表現できるのか!? と否定的な意見もありましたが、なにくそという気持ちで、レクサスクォリティに仕上げてやろうと頑張りました」(古場CE)ハイブリッド専用車でありながら、価格は395万円からスタートと、レクサス最廉価。これまではIS250が399万円で最廉価だったのだが、車両価格で4万円、HS250hが安くなっている。価格帯で見ても、HS250hが「バージョンS」=415万円、「バージョンI」=453万円、最上級の「バージョンL」=535万円となるのに対し、IS250は「バージョンS」=414万円、「バージョンL」=444万円という価格帯で絶妙に拮抗する。HS250hのバージョンLはプリクラッシュセーフティやレーダークルーズコントロール、レーンキープアシスト、ヘッドアップディスプレイなどの高価な装備がフル装備された最上級グレードなので、ちょっとここでは無視しておくことにする。 標準グレード同士で装備を比較すると、HS、ISともほぼ同一の装備内容となっていることがわかる。オーディオやカーナビは両車ともに標準装備でクルーズコントロールは通常タイプのものが標準装備となっており、レーダークルーズコントロールを装着する場合は、プリクラッシュセーフティとセットでオプションとなるのも同じ。オプション価格が14万7000円で両車共通というのも面白い。「バージョンS」同士で比較しても本革シートのオプション選択が増える程度で装備内容はほぼ同じ。装備による上下関係はHSとISにはない。IS250はV6エンジンを搭載するFRスポーティサルーン。2.5L、V6エンジンは215ps、26.5kgmを発揮し、IS350にはかなわないとはいえ、V6らしいシャープな吹け上がりが気持ちのいい、スポーティな走りが自慢。対するHS250hは2.4Lの直4エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドでシステム出力は190ps。車格的にはISのほうがワンランク上に位置づけられるが、ハイブリッド分でほぼ同列に並んでいる、ということになる。やはりエンジンフィールなどはV6エンジンのほうが一枚上手である。室内の雰囲気はどうか!? これはもう、両車とも充分ハイクォリティで勝敗つかずと判断する。インパネ表皮の素材感やドアトリムの手触りなど、両車ともにソフトで高品質。インテリア全体の質感も同レベルだ。IS250とHS250hは、ピラミッド型のヒエラルキーの関係ではなく、動力装置をV6にするか、ハイブリッドにするかの違いの、横並びの関係なのだ。10・15モード燃費は、ハイブリッドのHSが23.0km/Lなのに対し、IS250は11.8km/Lと倍以上の差だ。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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