車とお金
更新日:2021.03.24 / 掲載日:2017.06.19

迷ったときのアドバイス!購入お悩み相談室

迷ったときのアドバイス!購入お悩み相談室

クルマを買うとき、購入後の満足度を高め、納得のいくカーライフを送るためには色々な点で迷い悩むだろう。今回は中古車選びで直面しがちな代表的な悩みのポイントを挙げ、迷ったときはどう選ぶべきかを指南したい

中古車選びは迷いも多い
正しい選択で満足度を向上

いざクルマの購入を考えたとき、ほしいクルマがしっかりと絞り込めている人は少なく、多くの場合は、漠然とこういった条件のクルマのなかから・・・といった程度でクルマ選びはスタートするハズだ。
しかし条件に合致するのは1車種ではないだろうし、ましてや中古車の場合、同じ車種でも先代型や先々代型といった具合に、歴代モデルのなかでも悩まなければならない。さらにいえば、新車と違って同じ状態の個体はなく、そこでも迷うことになるのだ。
今回の企画は、多くの人が悩みがちなポイントを挙げ、迷った場合はどう決断を下すと、より満足のいくクルマの購入ができるかを指南するものだ。
たとえば、もしミニバン狙いということが決まっていても、同じ予算で選ぶなら車格が上のクルマがいいか、下のクルマがいいか。もしくは、価格や車種の条件にマッチするクルマが見つかったとき、「修復歴あり」だった場合はどうするべきか、という具合だ。
当然、その人の目指すカーライフのスタイルによって答えは異なるので、それぞれのメリット、デメリットをしっかりと確認して、自分の場合は何が適切かを見極め、購入後の満足度を高めてほしい。

悩みポイント1 購入予算は車両代に目一杯使う? それとも・・・少し残るように買うべき?

クルマを買うときにまず最初に考えるのが予算だろう。
そのとき迷うのは目一杯の予算を使うか、余るような価格のクルマを選ぶかだ。
双方にメリットがあるので自分の生活に合う選択をしてほしい

私が相談にのります

渡辺陽一郎さん

カーライフジャーナリスト
渡辺陽一郎さん
自動車専門誌の編集長を務めたあとにフリーランスへ。購入のスペシャリストとして雑誌やWebで活躍する。

クルマを買うならまず予算を決めよう

クルマを買うならまず予算を決めよう

車種選びを始める前に、預金残高などから無理のない予算を決めることが大切だ。中古車もローンで購入できるが、将来の支払い能力に依存する借金だから、なるべく現金で買いたい。予算を明確にした上で、それに合った支払い総額(車両本体価格+諸費用)の中古車を検討する。
また用途に応じて選ぶべき車種も変わるので、予算と併せて使用目的も改めて明らかにしておきたい。

どうしても欲しいクルマがある場合以外は、 ある程度余裕をもって購入金額を決めよう!

予算が多いほうが選択肢は広がる

年式や走行距離が同程度であれば、予算を増やすことで車種やグレードを上級化できる。例えばトヨタのミニバンなら、ヴォクシーからヴェルファイアにグレードアップできたりする。
また同じ車種で考えると、予算を増やせば、高年式で走行距離の短い中古車が手に入る。購入可能な中古車の選択肢が広がるわけだ。
注意したいのは人気車と不人気車では、年式の変化に伴う中古車価格の変動が異なることだ。ミニバン、SUV、スポーツカーなどの人気車は、全般的に高値安定型で低年式になっても値落ちが少ない。現行型あるいは先代型といった型式が同じなら、3年落ちと5年落ちの価格差が小さい。このような車種では、少し予算を増やしても高年式の車両を選ぶほうがトクになる。
逆に不人気車は、年式が下がると買い手が付きにくい。年式の変化に伴う中古車価格の下落が大きく、同じ車種の同じグレードでも、5年落ちは3年落ちに比べて大幅に安く買えることがある。
従って人気車は高年式、不人気車は6~7年落ちが割安だ。それ以上に古くなると、車両によって走行距離の格差が大きくなり、点検や手入れの仕方によってコンディションの差も開く。個体差が目立って一定の傾向を見い出しにくいが、欲しい車種が決まっているなら年式による相場の違いは確認したい。そして買い得な年式を選ぶ。
またクルマの購入では満足感も大切だ。例えば長年にわたりスカイラインシリーズのR32型スカイラインGT-Rに憧れていたなら、中古車を買って夢を実現できる。新車価格は89年当時でも400万円を軽く超えたが、今なら250万円前後で相応に満足できる中古車を買える。GT-Rは高値安定型の典型で、低年式の割には際立って高価だが、大人になって経済力が身に付き、若いころからの夢をかなえられるのは素晴らしいと思う。
その一方で購入後の出費も考えたい。クルマは所有するだけでも税金と自賠責/任意保険料がかかり、月極駐車場を利用するユーザーも多い。長距離ドライブの機会が多ければ、ガソリン代や高速道路の通行料金も高まる。先の項目で述べたように、中古車選びをする前に予算と併せて使用目的を明確にして、購入後の維持費を算出しておくことも大切なことだ。

メリット 車格が上のクルマを検討できる

  • icon 日産 セレナ(先代型)

    日産 セレナ(先代型)

    中古車価格帯:142.1~226.8万円

  • icon 日産 セレナ(先代型)

    いわゆるMクラスミニバンのセレナ。豪華さなどではエルグランドに劣るが大人が乗車定員目一杯で乗っても問題ない。

  • icon 日産 エルグランド(現行型)

    日産 エルグランド(現行型)

    中古車価格帯:225.6~506.8万円

  • icon 日産 エルグランド(現行型)

    日産のミニバンでいえばセレナの上位に位置するのがエルグランドだ。価格は上がるが、動力性能、居住性なども向上。

メリット 同一車種ならより新しいクルマが選べる!

  • icon トヨタ プリウス(先代型前期)

    トヨタ プリウス(先代型前期)

    中古車価格帯:76.7~150.5万円

  • icon トヨタ プリウス(先代型前期)

    同世代でも大きなマイナーチェンジを挟むと前期型はお買い得に。プリウスのように走行性能は、ほぼ同等なことも多い。

  • icon トヨタ プリウス(先代型MC後)

    トヨタ プリウス(先代型MC後)

    中古車価格帯:96.6~209.7万円

  • icon トヨタ プリウス(先代型MC後)

    新しいほうが価格が上がるが、マイナーチェンジ等で商品力も上がっていることが多い。プリウスの場合内外装も変更。

ただし!クルマには維持費がかかる

車検代

車検代

車検の基本点検料金は業者によって異なるが、一般的な金額は3万円前後。これに加え、車検代行手数料(1万円前後)、自賠責保険料(2万5830円/24カ月)、自動車重量税(2万4600円/1001~1500kgの車両で2年分)、印紙代など(1500円前後)が加わり総額は9~10万円だ。さらにパーツの交換料金も加わる。

保険代

保険代

必ず加入する自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)の料金は、車検を受ける時に納める。中古車の場合は車検期間に相当する2年分で小型/普通乗用車は2万5830円、軽自動車は2万5070円だ。これに任意保険料も加わる。任意保険料は加入の仕方によって異なるが、小型乗用車で平均すると1年間に6~7万円になる。
※金額は2017/06/19時点のものです。

税金代

税金代

購入時の自動車取得税は、型式に応じた取得価格に基づいて納める(取得価格が50万円以下の車両は非課税)。自動車税は、購入時には年度末までの未経過相当額を支払うのが一般的だ。購入後は自動車税は毎年納めて(1.2~1.5Lで3万4500円/1.6~2Lは3万9500円)、車検時には前述の自動車重量税を支払う。

ガソリン代

ガソリン代

レギュラーガソリンの価格は、現時点では1L当たり約135円。実用燃費はJC08モードの約80%だ。新車時の燃費数値が15km/Lとなる2LエンジンのミニバンやSUVなら、実用燃費は12km/Lで、1km当たりの燃料代は11.3円になる。1年間に5000kmを走れば燃料代は年額5万6500円、1万kmなら11万3000円だ。

メーカー保証があれば、購入後の 故障にも対応でき、負担が軽減される

新車にはメーカーの保証が付帯されている。一般保証は初度登録から3年間/走行距離が6万kmという内容が多く、どちらかを満了した時点で保証期間が終わる。一般保証の範囲は幅広く、消耗品を除いた電装品などの各種機能が対象だ。特別保証もあり、エンジン、トランスミッション、足まわりなど走行性能に関係するメカニズムが対象で5年間/10万kmが多い。購入した中古車が新車の保証期間内に収まる場合、新車の販売店に持ち込んで有償の点検を受けると、保証継承の手続きが可能になり、メーカー保証を継続的に受けられる。
また中古車販売店にも、独自に3カ月/3000kmといった保証期間を設けている場合がある。特に修理工場を併設した中古車店であれば、短期間の修理も可能で、安心して使うことができる。

  • メーカー保証があれば、購入後の故障にも対応でき、負担が軽減される

    たとえば現行型ステップワゴンの場合、2015年4月の登場なので、距離だけチェックすれば、どれもメーカー保証の範囲内だ。

  • メーカー保証があれば、購入後の故障にも対応でき、負担が軽減される

    中古車店の保証は、お店独自のものなので、クルマそのものだけでなく、保証の内容を見てお店選びもよく考えてほしい。

※すべての価格は参考価格です。
※中古車市場データはグーネット5月調べ。

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迷ったときのアドバイス!購入お悩み相談室

悩みポイント2同じジャンルで悩んだらクラスが上の車種を買うか?それとも・・・下の車種を買うか?

使う予算が決まった後は車種選びだ。例えばミニバンを買うなら、同じ金額ならクラス上を狙うか、下の車種を狙うかという迷いが生じる。年式や装備、使い勝手などが異なるため、必ずしもクラス上がいいわけではない

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  • 青山尚暉さん

    モータージャーナリスト
    青山尚暉さん
    あらゆる車種の居住性や積載性を測定してデータ化している。人間だけでなくペット目線のクルマ選びも強い。

  • 青山尚暉さん

クラスが違えば広さなどの絶対条件が変わるが、もうひとつ重要なのはグレードだ。内外装の装備や質感などが異なってくる。

クラスが違えば広さなどの絶対条件が変わるが、もうひとつ重要なのはグレードだ。内外装の装備や質感などが異なってくる。

中古車購入時に予算が決まっていて、その範囲内でクルマ選びをするとき、当然クラス上の車種であれば年式が古くなり、クラス下なら年式の新しい車種が狙える。重要なのはクラス上でも下位グレードだと期待通りの満足度が得られず、逆にクラス下でも上位グレードなら装備面などで満足度が高い可能性がある。つまり車種、グレード、程度、走行距離もさることながら、欲しい装備、安全装備の有無&充実度の見極めが選択のポイントとなる。またマイナーチェンジ、フルモデルチェンジの情報収集も不可欠だが、マイナーチェンジ前のモデルでも内容に不満がなければ買い得感アリ。しかし長く乗るつもりなら予算の見直しも要検討だ。

例えば、予算150万~180万円でミニバンを購入したいが選択に迷った場合・・・

  • icon ホンダ フリード(先代型)

    ホンダ フリード(先代型)

    中古車価格帯:77.9~189.5万円

  • icon ホンダ フリード(先代型)

    同じ価格なら下のクラスのほうが新しい年式が狙える。また、同じ車種でも装備充実の上級グレードを選択できる。

クラスが上

質感を重視するならクラス上を選択!

予算が決まっていてクラス上を選択すべきケースは、インテリアの高級感、質感、装備の充実度にこだわる年齢層の高いユーザーだ。特にインテリアは車格によってコストのかけかた、見映えの差が一目瞭然。ハイクラスであればシートを含め使われている素材がまるで違う。例えばシート、ステアリングが本革か否かでも日々の運転中の気分、満足度が変わってくる。それは人気車、不人気車を問わない。

  • 質感を重視するならクラス上を選択!

  • 質感を重視するならクラス上を選択!

    車格が変わって違いが感じられるポイントがインテリアの素材。乗る度に身体が触れるため、落ち着きを求めるならクラス上がよい。

長距離走行が多いならクラス上を選択!

例えば10年落ちのハイクラスで2.5L~3Lのクルマと、3年落ちの1.5Lクラスが同じ中古車価格だったとする。街乗り専用ならともかく、長距離、高速走行、多人数乗車する機会が多いなら、迷うことなくパワー、トルクに余裕あるクラス上を狙うべき。車格が上なら動力性能だけでなく、乗り心地、静粛性、快適装備でも上回る。同じ車種でも排気量、パワーが上のグレードを選ぶのも同じ理屈だ。

  • 長距離走行が多いならクラス上を選択!

  • 長距離走行が多いならクラス上を選択!

    日本は100km/hまでだから、パワーはなくても・・・は間違い。普通に高速を走っていてもゆとりのあるエンジンのほうが疲労は少ない。

安全装備はクラス上が充実

  • 安全装備はクラス上が充実

    斜め後方の死角にいるクルマを検知し車線変更の安全を確保する装備なども上級車に多く採用。安全性を重視するなら上のクラスの検討を。

    長く乗るなら自動ブレーキなどを含む先進安全装備の有無、充実度は見逃せないポイントだ。同メーカーの先進安全装備でもクラス、グレードによって差があり、エアバッグの数が違い、クルコンもACC(アダプティブクルーズコントロール)か否かで使い勝手は激変する。例えばオデッセイ。2015年1月以降のモデルは自動ブレーキ、ACCを含むホンダセンシングを搭載済みだ。

  • 安全装備はクラス上が充実

    斜め後方の死角にいるクルマを検知し車線変更の安全を確保する装備なども上級車に多く採用。安全性を重視するなら上のクラスの検討を。

クラスが下

維持費の面ではクラス下の方がメリット有り!

  • 乗用自動車税額表

    維持費で考えればクラス下、エンジンの排気量が小さいほうが税金面、燃費で有利だ(ハイブリッドカーは例外)。自動車税は1001cc~1500ccと1501cc~2000ccで年5000円の差があり、当然排気量が小さいほうが燃費性能に優れる傾向にある。狙い目は動力性能に余裕ある1500cc以下のHV、ダウンサイジングターボだが、後者は国産車には少ない。

  • 乗用自動車税額表

運転が得意ではない人はクラス下の方が無難

同じ予算であえてクラス下を選んだほうがいいケースもある。それは運転に不慣れな人。同予算でクラス上の大きなクルマより、全長・全幅ともにコンパクトなボディサイズで取り回し、駐車がしやすい車種を選ぶと心理的にも楽。ただしバックモニターは不可欠。車種としては5ナンバーサイズでもより車幅の狭いパッソ、視界抜群のソリオなどが買い得かつお薦めできる。

  • 運転が得意ではない人はクラス下の方が無難

    ボディサイズだけで決まらないので、カタログでチェックしてほしいのが最小回転半径だ。数字が小さいほうが運転は容易。

  • 運転が得意ではない人はクラス下の方が無難

    女性を中心に駐車が苦手という人は多い。当たり前だがボディが小さいほうが駐車はラク。日々のストレスも少ないはずだ。

Topic 013列目まで使うことが想定されるなら大きいほうが有利

ミニバン購入時には3列目席の実用性がポイント。3列目席を常用するなら長時間の着座でも不満がなく、後席エアコンの吹き出し口を完備したMクラスボックス型以上が望ましい。が、3列目席は子供専用席、緊急席と割り切るならフリードやシエンタなどのSクラスでも十分。価格面、燃費性能でも有利で経済的でもあるからだ。

  • Lサイズミニバン

    Lサイズミニバン仮に大人の男性が乗車定員目一杯に乗ってもLクラスミニバンなら余裕の広さ。

  • Sサイズミニバン

    SサイズミニバンSクラスミニバンは3列シートだが大人が3列目席で長時間移動するのは厳しい。

Topic 02荷室や後席の広さは車格だけでは決まらない

  • 荷室や後席の広さは車格だけでは決まらない

    ボディ形状などが影響するため居住性や荷室は車格だけでは決まらない。家族構成などを考えた上で、自分に必要な広さを実車で確認しよう。

    後席の広さ優先で中古車選びをするなら容量系軽自動車に注目。例えばタントなどの後席ひざ回り空間はクラウンの倍ほどあり、フロアもフラットで足元はゆったり。ラゲッジも後席格納時にフラットになる車種なら、下手な中型ワゴンよりフロアが低く広く使いやすいので車格を超えた実用性があったりする。

  • 荷室や後席の広さは車格だけでは決まらない

    ボディ形状などが影響するため居住性や荷室は車格だけでは決まらない。家族構成などを考えた上で、自分に必要な広さを実車で確認しよう。

※すべての価格は参考価格です。
※中古車市場データはグーネット5月調べ。

迷ったときのアドバイス!購入お悩み相談室

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  • 近藤曉史さん

    近藤曉史さん
    クルマのことはDIYでなんでもこなすメンテナンスのスペシャリスト。クルマのコンディションチェックも得意。

  • 近藤曉史さん

悩みポイント3 同じ車種なら年式は新しいほうがいい?

当然、製品としての完成度やコンディションは新しい方が有利!

最近は長くなってきているが、フルモデルチェンジの間隔は4年毎というのが目安だ。では、その間はずっと同じ内容で販売されるのかというと、けっしてそのようなことはない。マイナーチェンジや一部改良、仕様変更などで内容はアップグレードされることがほとんどだし、目に見えないところをアナウンスなしに改良することもある。日々進化しているといっても過言ではない。新車を買うなら、出てすぐに買うのではなく、こなれてきた1年後ぐらいがちょうどいいという意見もあるほどだ。
実際、自動車メーカーはユーザーからの声をディーラー経由で吸い上げて、細かなアップデートを行なっていく。また生産現場も作り慣れてきて品質が安定してきたりもする。
さらにマイナーチェンジなどでは、飽きられないために機能をアップさせたり、装備を追加したりして、つねに新鮮さを保つように手を加える。
当然、性能の向上もある。スポーツカーなら最高出力がアップしたり、エコカーなら燃費が向上するなど、よくなることはあっても悪くなることは決してない。やはり、クルマの魅力というのは年式が新しくなるに従って増すものとまず考えていい。

しかし、年式が古いほうがいい場合もある

メリット 購入価格が抑えられる

よほどなにかの理由でプレミアムが付かない限りは、基本的には古くなるほど安くなる。ただし、実際のところは1年違うと大きく程度が変わるわけでもないし、装備も同じだったりすることも多い。予算に限りがあるなら、年式を少し古くして検討してみるのも手だ。価格と年式の関係を頭に入れておくといい。

メリット デザインやボディカラーが変更されている

マイナーチェンジですべてがよくなるわけではない。例えばグレードや装備、ボディカラーの整理で、欲しいものがなくなったり、ときにはデザイン変更で形そのものが変わってしまうこともある。販売不振などによるテコ入れが主な理由だったりするのだが、この場合は年式の古いものを探すしかない。

トヨタ エスティマ

登場から10年以上経過した現行エスティマは、ビッグマイナーチェンジで外観を大きく変更。この例のようにデザインが変わると前期型が好きという場合もあるだろう。

スズキ ハスラー

スズキ ハスラーはマイナーチェンジでボディカラーが整理された。写真左のカラーがなくなり、右のカラーが追加された。つまり古い年式でしか選べない色があるのだ。

前の世代でしか選べないクルマも

  • icon 日産 エクストレイル ディーゼル

    日産 エクストレイル ディーゼル

    先代型にラインナップされていたクリーンディ-ゼル仕様は、アクティブ派のみならず、評価が高い隠れた人気モデルだ。

  • icon 日産 エクストレイル ディーゼル

    装備やメカなどが先代型限りで終わり、新型ではなくなってしまうことがある。例えば、クリーンディーゼルの先駆けだったエクストレイルも、新型ではディーゼル自体が消滅した。またスポーツグレードが消滅する場合も。マーチの12SRやアクセラスポーツのマツダスピードなどは新型には継承されなかった。爽快な走りを楽しむなら先代を狙うしかない。

悩みポイント4 修復歴ありのクルマってどうなんだろう?

修復歴ありのメリットとデメリットをしっかり知ろう

修復歴と聞くと、事故などで損傷したクルマを修理して、うわべだけをきれいにして売っているイメージを抱くかもしれない。もちろん、強く購入を希望しないのであれば、避けたほうが無難なのは前提としてはある。
ただし、メリットもある。修復歴ありのクルマは修復歴なしの車両と比べ、まったく同じ内容だとしても価格が安い場合が多い。修復というのはそれだけで印象が悪く、リスクになる可能性もあるため、それは当然だろう。では、修復歴ありのクルマは絶対に避けるべきなのだろうか。
そんなことはなく、重要なのは修理がしっかりされているか否か。それを見抜くために、素人でも確認できるところはチェックしておくべき。
まず、全体の印象を見る。問題あるクルマはどこか雰囲気が悪い。また下まわりを覗いたり、エンジンルームやラゲッジのパネル部分を確認しておく。もちろん、エンジンをかけてミッションの入りなども確認しておきたい。必ず試乗もしよう。
そしてスタッフには率直に質問してみる。問題がなければ、修復した場所や直し方などを丁寧に説明してくれるはず。そのうえで納得できれば、不安はかなり軽減されるだろう。

そもそも修復歴って何?

  • そもそも修復歴って何?

    修復歴ありのクルマは骨格部にまでダメージを負った、ということだ。ただしその程度には大きな幅がある。

    板金塗装をするとすべて修復歴と思いがちだが、こすった程度では修復歴にはならない。基準がしっかりあり、フレームやフロアパネルなど、クルマの骨格となる部分の修復を行なった場合のみ修復歴ありとなる。

  • そもそも修復歴って何?

    修復歴ありのクルマは骨格部にまでダメージを負った、ということだ。ただしその程度には大きな幅がある。

購入を検討するならココは要確認

  • 走り系のクルマはなるべく避ける

    走り系のクルマはなるべく避ける
    いわゆるスポーツタイプのクルマを選ぶ人は、走りを楽しむ目的で購入することが多いだろう。細かなコンディションも気になるだろうから修復歴ありは避けたいところ。

  • 必ず試乗しエンジンの調子を知る

    必ず試乗しエンジンの調子を知る
    例え街乗り中心だとしても、エンジンはクルマの心臓部とも言われるだけに調子を見るべきだ。可能な限り試乗して、音や振動などに違和感がないかをチェックする。

Owner’s Voice

修復歴アリでしたが、好調を維持しています。

展示場に1台だけ安いクルマがあり、ボードの情報を見たところ、修復歴ありとの表記。購入するべきか・・・正直迷いましたが、試乗をしっかりさせてもらい、お店の方からも修理内容について説明を受け、問題がないことを確認。想定していた額より安く買えて、とくに問題もないので十分満足しています。

Goo鑑定を使って修復の有無や程度をしっかり確認!

ホントは修理をしているのではないだろうか?という疑問を持ち、修復歴の有無が気になってしまうのはよくある話。そういった時、心強いのが第三者による査定サービスだ。Goo鑑定では専門の資格をもった鑑定師が店頭に並ぶ中古車を徹底チェック。その鑑定内容は多岐にわたり、「そこまで見ているの!」という声もよく耳にするほど。さらに修復歴の有無のみを判断するだけでなく、ダメージの程度までを鑑定しているので、中古車を選ぶ際の基準として活用してみると良いだろう。

  • Goo鑑定を使って修復の有無や程度をしっかり確認!

  • 修復歴の鑑定項目

悩みポイント5 選ぶのは走行距離が短いクルマがいい?

新車からの経過年数と走行距離とのバランスが重要 人間と同じで適度な運動が大切

距離が短ければ新車に近い、と思いがちだが必ずしもそれは正解ではない。年数が経っているのに距離が短いクルマはほとんど運動しない人間と同じようなもの。

距離が短ければ新車に近い、と思いがちだが必ずしもそれは正解ではない。年数が経っているのに距離が短いクルマはほとんど運動しない人間と同じようなもの。

極端なことを言うと、ひとつとして同じ程度のものがないのが中古車だ。まさに千差万別。それだけに、単純に走行距離が短いものが程度がいいとは限らないし、逆に距離がかさんでいても調子がいい車両もある。
人間と同じで、ずっと寝ていれば調子がいいわけではなく、適度に運動したり、ストレスがあったほうが健康にいいのと同じで、このバランスの見極めが、中古車購入成功のカギと言っていいだろう。
とはいえ、走行距離がそこそこあるものがすべて調子がいいとは限らないのが難しいところ。人間に例えると、激しい運動が身体に良いというわけではないことと一緒だ。クルマなら、定期的にツボを押さえたメンテナンス。そして丁寧な操作が大切になってくる。メンテナンスが疎かで、急発進や急ブレーキなど急が付く操作をされていたクルマは、走るほどに劣化が大きく進んでしまいガタが出やすいのは当然だ。
では、どこで今までの履歴を見ればいいのだろうか?まずは記録簿でのメンテナンス履歴の確認。タイヤの減りやホイールの状態も参考になる。そして試乗をできるだけしてみて、体感でも確認する。異音や振動、加速や減速がスムースかなどを確認するのだが、この際、可能なら複数台を見てまわって試乗できるといい。そうすると目安ができ、自分なりの程度の善し悪しがわかるようになってくるし、年式に対して適切な程度が見えてくる。
単純に価格や年式、走行距離だけに捕らわれないで、購入がしやすくなるだろう。

適正距離と共に記録簿でメンテの状況をチェック

  • 適正距離と共に記録簿でメンテの状況をチェック

    今までの整備記録が記された、いわばカルテのようなもの。どういった点検や修理、メンテをしたかがわかる。なくても大きな問題にならないが、あったほうが安心できるのは確か。

  • 適正距離と共に記録簿でメンテの状況をチェック

Owner’s Voice

走行距離が少し長めだと思いましたが、購入後も快適です!

走行距離が10万kmを超えていたので、程度が気になりました。記録簿を確認すると、定期的にメンテナンスや整備を受けており、内装もキレイで大切に乗られていたことが分かりました。ある意味、思い切って購入しましたが、その後トラブルもなく快適に利用しています。

過走行気味のクルマでも以下をチェックすれば選んでもOK!

 過走行の目安は1年に1万kmと言われている。それ以上だと走り過ぎとなるのだが、最近のクルマは品質が飛躍的に向上しているだけに、距離だけで程度を判断できないこともある。そもそもクルマはある程度定期的に使われていたほうが調子はいい。クルマも含めて機械というのは、メンテさえしっかりすれば性能は戻るし、好調を維持できるように作られているのだ。

COLUMN

EVやHVは距離に応じてバッテリーが劣化する

電気自動車やハイブリッド車など、いわゆる「クルマの電動化」は今後ますます進むだろう。当然中古市場にも多く出まわるので、独自のチェックを行いたい。

電気自動車やハイブリッド車など、いわゆる「クルマの電動化」は今後ますます進むだろう。当然中古市場にも多く出まわるので、独自のチェックを行いたい。

徐々に増えてきているのが、EVやHVの中古車。エコカーとして当たり前の存在になってきているだけに、今後もさらに増えていくのは確実だ。これらの中古車を購入するときに、気を付けなくてはならない大きなポイントがひとつある。それが要のバッテリーの状態。最近ではヘタリの少ないリチウムイオンバッテリーを採用したクルマも増えてきているが、それでも劣化のスピードがゆっくりなだけで、確実に性能は落ちていく。

電気自動車の場合は、バッテリーの劣化で起こるのが航続距離の低下。満充電にしてメーターに表示される残り航続距離をチェック。

電気自動車の場合は、バッテリーの劣化で起こるのが航続距離の低下。満充電にしてメーターに表示される残り航続距離をチェック。

目安としては、10万kmで70%ぐらいに性能が落ちるとされている。EVで考えると、150km走れたものが100kmぐらいしか走れなくなる計算だ。これだと正直辛い。
それでもエコ性能やランニングコストの安さ、鋭い加速性能など、魅力は多いだけに中古でリーズナブルに買いたい人は多いだろう。まず確認するのは走行距離。そして走行可能距離をメーターの表示で確認する。
走行距離が少ないものを買えればいいのだが、予算の都合もある場合、まずメーカー保証が残っているかを確認する。保証が残っていれば、劣化がひどい場合に対応してもらえる可能性もある。また、バッテリー交換をした状態で納車してもらえないかを交渉してみよう。全額でなくても、少しの負担でリフレッシュできる可能性もある。
そして要確認は購入後について。メンテナンスはディーラーでしかできないこともあるため、万が一の事態の対応についても確認しておこう。

まとめ

クルマだけではなく、カーライフを楽しむように選ぶことが大切!

クルマだけではなく、カーライフを楽しむように選ぶことが大切!

クルマは購入するときがもっとも大きなイベントだと考える人も多いだろう。中古車といえども非常に高額な買い物なのだから、それも当然といえる。
しかし、一部のコレクターを除いては、クルマは乗って、走って、移動することで本来の価値が出るものだ。
購入する際に迷った場合は、その後にどういうカーライフを送るのかをじっくり考えると決断しやすい。多人数で移動したいのなら居住性を重視、毎日のように足で使うなら燃費や取り回し性能を重視といった具合。そうやって決めれば、購入後の満足度も上がるだろう。

※すべての価格は参考価格です。
※中古車市場データはグーネット5月調べ。

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グーネットマガジン編集部

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グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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