車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2020.04.06 / 掲載日:2015.04.03

世界トップレベルの燃費を誇る新世代コンパクト

世界トップレベルの燃費を誇る新世代コンパクト

トヨタのハイブリッドコンパクト、アクアが昨年マイナーチェンジを受けた。新グレードを追加し魅力をアップ。
新旧アクアともに中古車市場でも注目度は高い。今回はそんなアクアの詳細に迫っていく。

トヨタ アクア Xアーバン(CVT)

  • トヨタ アクア Xアーバン(CVT)

    新車価格帯:176万1382円~204万6109円 (G’s除く)

  • 主要諸元
    平成27年式
    トヨタ アクア Xアーバン(CVT)
    全長×全幅×全高 4030×1695×1490mm
    ホイールベース 2550mm
    トレッド前/後 1465/1460mm
    車両重量 1090kg
    総排気量 1496cc
    エンジン 直4DOHC+モーター
    エンジン最高出力 74ps/4800rpm
    エンジン最大トルク 11.3kgm/3600-4400rpm
    モーター最高出力 61ps
    モーター最大トルク 17.2kgm
    JC08モード燃費 33.8km/L
    サスペンション前 ストラット
    サスペンション後 トーションビーム
    ブレーキ前/後 Vディスク/ドラム
    タイヤ前後 175/60R16

成功を運命づけられた超低燃費の申し子

ハイブリッド車(HV)王国トヨタの中でも、その看板モデルと言えば、初の量産車として平成9年に初代が登場以来、世界中にその名が認知されているプリウス。しかし、日本で現在ベストセラーに君臨するのは、弟分のアクアだ。
デビューは東日本大震災のあった23年の12月。生産は奇しくも関東自動車(翌24年、トヨタ自動車東日本に改称)の岩手工場で、アクアはトヨタ初のコンパクトHVというだけでなく、東北復興の一翼という重要な使命も担って登場した。
ラクティスと同じホイールベースのコンパクトカー用プラットフォームをベースに、クラス初の本格的なハイブリッドシステムを搭載。1.5LのTHSII(トヨタハイブリッドシステムII)は2代目プリウスからさらに効率を高めるとともに、システムの小型・軽量化によってコンパクトカーへの搭載を果たした。HVバッテリーは補機用(12V)、燃料タンクとともに後席下に搭載。
小粋なデザインのボディは特徴的なトライアングルシルエットをプリウスから踏襲し、クラストップレベルの空力性能も両立。コンパクトカーならではの軽量ボディとも相まって、燃費はプリウスの世界最高を更新するJC08モード35.4km/L、旧10・15モードでは40km/Lの大台を達成した。
アクアはほどなくマイルドHVとして先行したホンダ・フィットハイブリッドに代わり、コンパクトHVの頂点に君臨。東北地方の期待にも見事こたえたのだ。
デビューから3年たった26年には初のマイナーチェンジ。スポット溶接増し打ちによるボディ剛性向上、サスチューニングの見直し、前後フェンダーへのエアアウトレット追加による空力向上など、走りの面もレベルアップが図られた。
熾烈な燃費競争の中、現在もそのトップにあり続けるアクア。その名のとおり、今や国内ユーザーにとってなくてはならない存在と言っていいかもしれない。

RIVAL

トヨタハイブリッドカーのほかの選択肢は?

icon トヨタ プリウス

トヨタ プリウス

JC08 モード燃費30.4~32.6km/L 新車価格帯:223万2000円~343万5428円(全グレード)

1クラス上の兄貴分は言わずと知れたHVの代名詞
1.8Lのハイブリッドシステムを搭載。現行の3代目は平成21年に登場した。今年フルモデルチェンジがウワサされているが、システム出力136馬力の性能と30km/L超を誇る燃費のバランスは現在もクラストップレベルだ。

icon トヨタ ノア ハイブリッド

トヨタ ノア ハイブリッド

JC08 モード燃費23.8km/L 新車価格帯:285万円~297万円(ハイブリッドのみ)

ベストセラーミニバンのハイブリッドモデル
人気ミニバンがクラス初の本格ハイブリッドシステムをついに搭載。旧型に比べて10.2km/L、同型ガソリンモデルに比べても7.8km/Lもの差をつける圧倒的な低燃費が自慢。新開発低床フロアにより、車内はフルフラット。

icon トヨタ SAI

トヨタ SAI

JC08 モード燃費22.4km/L 新車価格帯:330万1714円~433万286円(全グレード)

レクサスHSと兄弟のミドルサイズセダン
SAI(サイ)はレクサスHS250hと基本コンポーネンツを共用するミドルセダン。システム出力190馬力の2.4Lハイブリッドシステムを搭載する。デビューは平成21年12月で、25年には今の外観にビッグチェンジ。

HISTORY

年次改良を重ねて性能アップを実現

平成23年12月アクアを発売開始
平成25年5月一部改良
平成25年11月一部改良
平成26年12月マイナーチェンジ

平成25年5月の一部改良は若干の装備変更のみ。その半年後にはメカニズムに初めて手が入り、燃費アップやサスペンションのチューニング変更、静粛性向上が図られた。初のマイナーチェンジでは空力性能の向上やボディ剛性の強化とともに、再びサスチューンを見直した。

NEW MODEL

クロスオーバー風の新モデルを追加

アクア Xアーバン(上)/アクア S(下)

クロスオーバー風の新モデルを追加
昨年12月のマイナーチェンジでは新意匠のバンパーやバイビームLEDヘッドライト(オプション)などにより、フロントマスクがより精悍に。専用のバンパースポイラーやルーフモールを備え、最低地上高を20mm高めたクロスオーバー風の新グレード「Xアーバン」も登場した。

ECO

JC08モード燃費37.0km/Lの超低燃費

JC08モード燃費37.0km/Lの超低燃費
1.5Lアトキンソンサイクルエンジンは、先代プリウスから約70%の部品を新設計。ハイブリッドシステムは小型・軽量化とともに効率を大幅に高めた。JC08モード燃費は現行で最高37.0km/L。軽の新型スズキアルトに追いつかれたが、現在も量産車世界一の低燃費を誇る。

SALE

2年連続で新車販売台数が第1位

2年連続で新車販売台数が第1位
平成23年12月に発売されるや、翌24年には軽を含む年間販売ランキングで飛ぶ鳥を落とす勢いだったプリウスに次ぐ2位に。25年にはプリウスを抜いてベストセラーに輝いた。26年には軽のタントに総合トップの座を奪われたものの、登録車では2年連続1位の座を獲得している。

SAFETY

小さくても高い安全性能を実現

小さくても高い安全性能を実現
衝突被害軽減ブレーキの採用はまだだが、それ以外は安全装備も充実している。VSC(横滑り防止装置)、ヒルスタートアシスト、運転席・助手席エアバッグは全車標準。サイド&カーテンエアバッグはオプションで装着できる。

BODY COLOR

豊富なカラーラインアップ

豊富なカラーラインアップ
標準ボディはシャイニーデコレーション専用色を合わせて計14色のボディカラーを設定。Xアーバンはフロントバンパーやルーフモールなどに3色のパーツカラーも揃え、計33パターンとよりどりみどりの選択が可能だ。

SPORTS

硬派な走りを求めるユーザーにG’sも設定
トヨタ開発のコンバージョンシリーズ「Gスポーツ」(通称G’s)は、下まわりの補強で剛性アップしたボディに25mmローダウンの専用チューンサス、17インチタイヤで武装。迫力のフロントフェイスにアルカンターラ採用のスポーティシートなど、内外装もスポーツムード満点だ。

硬派な走りを求めるユーザーにG’sも設定

新車価格帯:237万7963円(G’s)

硬派な走りを求めるユーザーにG’sも設定

ベース車は標準タイプのトップグレードG。スポーツモデル定番のアルミペダルは標準だ。ロゴ入りの赤いG’s専用パワースイッチはスマートエントリーとセットオプション。

※すべての価格は参考価格です

世界トップレベルの燃費を誇る新世代コンパクト

スポーティで高品質なインテリア

マイナーチェンジを受け、インテリアの素材を一部見直し。クオリティに磨きが掛けられた。コンパクトカーながらも実用性は十分で、あらゆるシーンで活躍してくれる。

スポーティで高品質なインテリア

ユニークで先進的なインパネデザイン

インテリアデザインもエクステリアと同じく、「エコ・ファン」がコンセプト。インパネはエコカーの日常に新しい時代の風を吹き込むべく、現代感覚のユニークな造形がつくり出されている。
プリウスシリーズと同様にセンターメーターを採用しながら、水平に薄くワイドな全体の造形はアクアならでは。とくに目を惹くのはセンタークラスターで、運転席エリアと助手席エリアを重ね合わせた大胆な構成だ。オプションのタッチトレーサーディスプレイも先進的で、指で触れたステアリングスイッチをメーターに表示する。一方、シフトレバーはオーソドックスなフロア式、パーキングブレーキは手動式で、こちらはBセグメントハッチで一般的なレイアウトを採っている。
マイナーチェンジではセンタークラスターなどにピアノブラック塗装を施し、質感を向上。Sにはブリリアントレッドとブルーブラック、Gにはディープブラウンの内装色を新設定し、グレードごとの個性を際立たせている。

ユニークで先進的なインパネデザイン

助手席前にはオープントレイを装備。インテリアの設定も標準モデルはブリリアントレッド(写真上)、ブルーブラック(同下)などグレードに応じて計5つと多彩だ。肌や髪にやさしい「ナノイー」エアコンも設定
※写真は一部マイナーチェンジ前。

MC前モデル プリウスよりも小さなボディと低燃費で一躍主役に躍り出たアクア

平成23年12月、新型ハイブリッドカーのアクアが登場。プリウスよりもワンサイズ下のボディを持つので、燃費性能はプリウスよりも上まわる。スポーティなデザインや軽快な走りも大きなアピールポイントだった。

  • トヨタ アクア S(CVT)

    中古車参考価格帯:90万~200万円 (マイナーチェンジ前、G’s除く)

  • 主要諸元
    平成24年式 
    トヨタ アクア S(CVT)
    全長×全幅×全高 3995×1695×1445mm
    ホイールベース 2550mm
    トレッド前/後 1470/1460mm
    車両重量 1080kg
    総排気量 1496cc
    エンジン 直4DOHC+モーター
    エンジン最高出力 74ps/4800rpm
    エンジン最大トルク 11.3kgm/3600-4400rpm
    モーター最高出力 61ps
    モーター最大トルク 17.2kgm
    JC08モード燃費 35.4km/L
    サスペンション前 ストラット
    サスペンション後 トーションビーム
    ブレーキ前/後 Vディスク/ドラム
    タイヤ前後 175/65R15

  • トヨタ アクア S(CVT)

    ドアミラー付け根部のエアロスタビライジングフィン。気流に小さな渦を発生させ空力で安定性を高める。

  • トヨタ アクア S(CVT)

    エアロスタビライジングフィンはリヤコンビランプにも。気流の小さな渦がボディを左右から押さえる。

2度の一部改良で質感や快適性も向上
平成23年12月にデビューしたアクア。ヴィッツより全長が長く高さを抑えたボディは、スタイリッシュなフォルムとクラストップレベルの室内空間を両立。ハッチバック車として非常に優れたCD値0.28の空力性能も実現していた。
グレード設定は当初からG、S、Lの3つ。そのうえでスマートエントリーパッケージ、LEDヘッドランプパッケージなど、ユーザーが必要に応じて装備を選べる多彩なパッケージオプションを揃えた。
25年5月には、Gにブラックソフトレザーセレクションを追加。Lを除く全車にスーパーUVカットガラス(フロントドア)などを装備し、アクセントカラーの変更など室内の質感向上も図った。
同年11月には、JC08モード燃費が35.4km/Lから37.0km/Lに向上し、世界トップの座を奪還。乗り心地向上をねらったサスチューン見直しや遮音材の追加などによる静粛性向上、ドアミラーのオート格納やフロントドアガラスの撥水といった機能追加も行った。

2度の一部改良で質感や快適性も向上

従来のコンパクトカーより1クラス大きなフロントシートを採用。リヤもゆとりの室内長とシートサイズで快適な座り心地を実現した。インパネは直線や円弧を大胆に組み合わせたデザインで、先進性の表現と機能性を両立。

MARKET DATA マーケットデータ

マイナーチェンジで初期型はリーズナブルに
平成26年にマイナーチェンジを受け、初期型アクアが安くなってきた。平成24年式では、もっとも数が多い「S」で143万円、平成25年式では159万円が相場で、今後はさらに価格が下がると考えられる。走行距離別に見ると、1~3万kmの範囲では平成24年式が149万円、平成25年式で163万円。マイナーチェンジ前がターゲットだ。

グレード×年式別相場

平成24年平成25年平成26年平成27年
L124万円138万円160万円154万円
S143万円159万円168万円178万円
G151万円166万円180万円192万円

走行距離×年式別相場

平成24年平成25年平成26年平成27年
1万km未満152万円168万円182万円191万円
1万km~3万km149万円163万円168万円
3万km以上138万円152万円175万円
  • 年式

    年式
    もっとも割合が多いのがデビュー翌年の平成24年式。年末に発売されたので平成23年式の車両はごくわずかだ。

  • 走行距離

    走行距離
    実用車ゆえ、デビューは最近でも走行距離が伸びた車両も見かける。しかし、中心となるのは1~3万kmの範囲。

グレード

グレード
グレードは「L」「S」「G」の順に豪華仕様となるが、もっとも多いのが中核の「S」。「L」はかなり少ない。

戸田治宏氏

IMPRESSION
自動車ジャーナリスト戸田治宏の◯と×

GOOD

エコランを意識すれば30km/Lの超燃費も現実的
1.5Lハイブリッドシステムは軽量コンパクトなボディと相まって、加速性能は1.8Lガソリンなみの力強さ。EV走行は中速域のアクセルオフでも可能で、郊外路で丁寧なアクセルワークをすれば30km/Lの超低燃費も現実的だ。後席は頭上高の余裕が少ないが、ニースペースはクラストップレベルの広さを備える。標準タイヤ車はハンドリングも基本的に軽快。

BAD

パワートレーンに対してシャシーは魅力がいまひとつ
シャシー性能はパワートレーンに対して見劣りする。オプションで195/50R16タイヤを装着できるが、グリップばかりが目立ちハンドリングの一体感に乏しい。マイナーチェンジで標準タイヤ車はサスの動きがよくなったが、それでも乗り心地が改善されたレベル。また、HVバッテリーの容量が小さい分、超低燃費のスイートスポットはプリウスより狭い。

IMPRESSION

※すべての価格は参考価格です

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グーネットマガジン編集部

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