中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.29 / 掲載日:2015.05.15

3列シート車 徹底ガイド ミニバン・SUVのおすすめモデルを比較

使い方にマッチした選択がカーライフを豊かにする 3列シート車 徹底ガイド

不動の人気を誇る『3列シート車』だがボディタイプごとに実用性はまるで違う。ハイルーフ、ロールーフのミニバン2車と3列シートを備えたSUVを持ち出し、タイプの異なるモデルの3列シートにスポットを当ててチェックする。

  • 解説 カーライフジャーナリスト 渡辺陽一郎

    解説する人 カーライフジャーナリスト 渡辺陽一郎

  • 解説 カーライフジャーナリスト 渡辺陽一郎

    車両解説から市場動向まで、クルマ業界全域に精通するジャーナリスト。ユーザー目線での解説に定評があり、使う人の立場に立って3列シート車の実力をチェック。

状況に応じて使い分けられる利便性の高い3列シート車

『Goo-net』の中古車検索総合ランキングによると、20台中3列シートのミニバンが30%以上を占めている。そこで、ハイルーフとロールーフのミニバン、3列シートSUVを取り上げて機能を比べてみたい。
3列シート車の人気が高い理由として、まずはファミリーユーザーを中心とした根強い需要がある。多人数で乗車できて、3列目のシートをたためば大きな荷物も積める。そこでミニバンの開発者に尋ねると、「子供が自転車で学習塾に出かけた後、雨が降り始めたら、親がクルマで迎えに出かけて自転車も積んで帰宅する。なのでミニバンなどの3列シート車が多く選ばれる」という。
中古車では、3列シート車の新車価格が高いことも注目される理由だ。2Lのハイルーフミニバンは、価格が比較的安いグレードでも、新車になると230~240万円。子育ての期間中は出費が重なるから、クルマ関連の費用は抑えたい。そこで中古車に目が向く。
またミニバンでは目新しさよりも実用性が重視され、今はフルモデルチェンジを行っても、機能は大きく変わらない。安全装備や燃費は新型車になると向上するが、居住空間や荷室の広さ、シートアレンジなどは変化が乏しい。ミニバンの機能が熟成されたことで、「中古車がオトク」と考えるユーザーが増えた。
3列シート車は新車の販売台数が多く、中古車の流通量も豊富だ。自分に最適な1台を見つけられる。

なぜ3列シート車が支持されている?

ハイルーフミニバンはバラエティに富んだシートスライド&アレンジ機構を備えたモデルが多い。

ハイルーフミニバンはバラエティに富んだシートスライド&アレンジ機構を備えたモデルが多い。

理由1 みんなでワイワイと乗れる
3列シート車の最大の魅力は7~8人での多人数乗車ができること。家族や友人たちと楽しく旅行やドライブにでかけられ、スライド機構や多彩なシートアレンジ機構を備えたモデルならばより充実したカーライフをサポートしてくれる。

3列目を収納したラゲッジルームは、自転車やキャンプ道具など大きな荷物でも簡単に積載できる。

3列目を収納したラゲッジルームは、自転車やキャンプ道具など大きな荷物でも簡単に積載できる。

理由2 荷物をたくさん載せられる
ほとんどの3列目シートは収納(折りたたむ)することが可能。収納方法はモデルにより異なるが、シートを収納することでラゲッジルームが拡大する。乗車定員は減るが大きな荷物が積載できるので、状況によって使い分けると便利だ。

大抵のハイルーフミニバンは、クルマから降りなくても1列目から3列目まで移動することができる。

大抵のハイルーフミニバンは、クルマから降りなくても1列目から3列目まで移動することができる。

理由3 子育て世代に最適な実用性
3列シート車はファミリー層を狙って開発されたモデルが多い。子育て世代のニーズに応えた便利な機能や装備を備えているのが特長で、クルマから降りずに1列目から3列目まで移動できたり、2列目が反転するモデルも存在する。

ファミリーカーの王道!ハイルーフミニバン

ハイルーフミニバンとは?

アレンジや収納方法など3列目の扱いやすさを追求
ミニバンは3列シート車の中心的な存在だ。その中でもとくに高い人気を得ているのがハイルーフミニバンである。
全高は1680mm以上で(最も背の低いホンダオデッセイシリーズの現行型オデッセイアブソルートが1685mm)、フラットフロア構造を採用する。床面全体が、車両後部の下側に搭載される燃料タンクをカバーできる位置まで持ち上げられている。
なので3列目の床だけが高まるということはなく、床と座面の間隔も1/2列目に近い寸法を確保できる。3列目に座っても膝の持ち上がる窮屈な姿勢になりにくく、車内での移動(ウォークスルー)もしやすい。つまりハイルーフミニバンは、床を持ち上げたことで居住性が向上し、結果的に天井も高くなった。
ただし床が高いと欠点も生じる。重心が高まり、ボディは重くなるから、走行安定性や燃費が悪化しやすい。乗り降りもしにくい。
そこで設計の新しいミニバンは、薄型の燃料タンクなどを開発して、フラットフロア構造と低床設計を両立させるようになった。
その一方で、高い床による見晴らしのよさを求めるユーザーも少なくない。高い天井で車内は広く、窓が大きいため遠くの景色も見やすいから、開放感は抜群だ。ハイルーフミニバンならではの醍醐味といえるだろう。
こういった特徴は、20年くらい前に発売されたハイルーフミニバンも備えていた。セレナステップワゴンエルグランドなどの初代モデルも、3列目シートの造りは現行型に近い。だから年式の古い中古のハイルーフミニバンを購入しても十分に満足できる。
そしてハイルーフミニバンでは、3列目をたたんだときに得られる広い荷室も魅力になる。高い天井により、自転車のような大きな荷物も積みやすい。2列目までたためるベンチシート車なら、さらに広くフラットな荷室が得られるため、車内で宿泊するような使い方も可能だ。

icon 乗れて運べて使える最広の移動空間 トヨタ アルファード

トヨタ アルファード

【中古市場データ】 相場価格 現行型:357.8万~547万円 / 先代型:185.1万~509.6万円 ※データは先代型

SAMPLE トヨタ アルファード

トヨタ アルファード

ミニバンの使い勝手にサルーンの質感を融合させたラージサイズミニバン。飛行機のファーストクラスを思わせる贅沢な2列目シートを設定し、極上の快適空間を味わわせてくれる。

ハイルーフミニバンのPOINT

POINT 01 利便性と乗降性のよいスライドドアを備える

POINT 01 利便性と乗降性のよいスライドドアを備える
全高が1680mmを超えるハイルーフミニバンでは、後席のドアがすべてスライド式を採用している。開閉時にドアパネルが外側に張り出さず、開口部も広がるために乗降性が非常によい。

POINT 02 ミドルサイズ以上ならフル乗車でも快適

POINT 02 ミドルサイズ以上ならフル乗車でも快適
ミドルサイズ以上なら3列目でも大人が長時間快適に座れる空間を確保している。ここ数年では2列目の快適性を追求したモデルが数多くラインナップされている。

POINT 03 見晴らしのよい開放的な運転視界

POINT 03 見晴らしのよい開放的な運転視界
運転視界が高く、前方の視認性に優れる。ボディは四角く、ミドルサイズ以下なら全幅1700mm未満なので車幅感覚が掴みやすい。運転しやすいのも特徴のひとつ。

3列シートCheck!!

1列シート 2列シート 3列シート Check!!

頭上も足もとも余裕たっぷり

頭上も足もとも余裕たっぷり

座面A 幅(全体)105cm
B 長さ48cm
背もたれC 幅(全体)114cm
D 高さ58cm
E フロアから座面 35cm
渡辺氏座り※F 頭上10cm
G ひざまわり22cm

※渡辺氏の身長は171cm。数値は1列目と2列目を渡辺氏の適正ポジションにして計測

乗降性

乗降性

スライドドアを備えたハイルーフミニバンはドアの開口部が広いので、3列目の乗降性に優れる。ミドルサイズ、ラージサイズならば乗降時に無理な姿勢を強いられることもない。

着座姿勢が自然で長距離移動も快適
×シートが大きく格納操作が面倒

居住性

居住性

ボディサイズが大きいこともあり、ミドルサイズミニバンの2列目並みの居住性が確保されている。窮屈さや圧迫感はまったくなく、1時間以上のロングドライブでも不満はない。

快適性

快適性

3列目の広さと快適性はロールーフミニバンとSUVを圧倒的に上まわる。取材したアルファードでは、3列目の膝先空間はジェイドの2倍以上だ。床と座面の間隔も十分にある。

ラゲッジCheck!!

ラゲッジCheck!!

A 幅91cm
B 奥行き(標準)40cm
C 奥行き(3列目倒し)148cm
D 高さ122cm
E 開口部の高さ117cm
F 開口部の幅124cm
G 地面とラゲッジ下端の距離61cm
  • 自転車も楽々に積載可能

    自転車も楽々に積載可能

シート収納

シート収納

3列目をたたむと自転車も積める
×リヤゲートを開くと後方へ大きく張り出す
シート収納

ハイルーフモデルの3列目収納は写真のような跳ね上げ式や床下収納式のほか、背もたれを前に倒すだけのモデルもあるので、実車で必ずチェックしたい。

厳選 オススメのモデルをクローズアップ

icon トヨタ ヴォクシー

トヨタ ヴォクシー

【中古市場データ】相場価格 現行型:210.5万~304.6万円 / 先代型:79.2万~232.8万円

レバーを引くだけで3列目の折りたたみから跳ね上げまで行える『ワンタッチスペースアップシート』はヴォクシーノアの大きなメリット。

icon 日産 セレナ

日産 セレナ

【中古市場データ】相場価格 現行型:122万~245.2万円 / 先代型:41.1万~152.3万円

ミドルサイズミニバンのスタンダードモデル。ロングスライド機構を備えた3列目は、どんなシチュエーションにも対応する柔軟性を持つ。

icon ホンダ フリード

ホンダ フリード

【中古市場データ】相場価格 現行型:95.7万~205.9万円

コンパクトサイズのボディに3列シートを納めたスモールミニバン。巧みなパッケージングにより3列目の居住性もしっかりと確保している。

ハイルーフミニバン まとめ

ハイルーフミニバン まとめ

3列目まできっちりと活用する人に最適
3列目のシートまで快適だから、多人数で乗車して長距離を移動する使い方にピッタリ。内装の豪華な車種も多い。3列目をたたんで、自転車などを積む用途にも適する。またフロントマスクに厚みがあるので、外観の存在感に魅力を感じて購入するユーザーも多い。外観を際立たせるエアロパーツを装着したグレードも豊富に揃っている。

※すべての価格は参考価格です
※中古車市場データはGoo-net4月調べ

使い方にマッチした選択がカーライフを豊かにする 3列シート車 徹底ガイド

スタイリッシュ!ロールーフミニバン

ロールーフミニバンとは?

使用頻度が1年に数回なら合理的な選択といえる
ミニバンの主力は天井の高い車種だが、全高を1680mm以下に抑えたロールーフモデルも用意される。
このタイプはハイルーフミニバンに比べて3列目シートが窮屈だ。フラットフロア構造を採用しないため、3列目の床は、燃料タンクの張り出しで高まる。1/2列目は快適だが、3列目に座ると膝が持ち上がる。天井が低いから頭上の空間も狭い。
そこでロールーフミニバンには、3列目を補助席と割り切ったモデルが多い。シートが小さく、多人数の長時間乗車には適さない。
その代わり重心が低く、ボディは軽いから、ハイルーフミニバンに比べて走行安定性、動力性能、燃費では有利になる。
また3/4代目オデッセイ、2代目の最終型ストリームなどは、全高が1550mm以下だから立体駐車場も利用しやすい。価格は新車、中古車ともに同サイズのハイルーフミニバンよりも安い。
このようにロールーフミニバンは、3列目シートが窮屈で荷室もあまり広くないが、ハイルーフミニバンの欠点を解消させている。
選び方としては、3列目を使う機会が1年に数回で、短距離の移動に限られるなら、ロールーフミニバンの選択が合理的だろう。3列目が極端に窮屈な車種は推奨できないが、リヤウインドウとの間に相応の空間があれば、片道30分程度の移動なら大人の多人数乗車も可能だ。
また今はステーションワゴンの車種数が減り、5ナンバー車はコンパクトな車種の選択肢が少ない。そこで5ナンバーのミドルワゴンの代わりに、ロールーフミニバンのウィッシュなどを買うユーザーもいる。荷室に補助席を備えたワゴンともいえるだろう。
近年では新車のロールーフミニバンは売れ行きが下がり、多くの車種が廃止された。しかし中古車であれば今でも手に入る。ストリーム、イプサム、ガイア、OEM車になる前のラフェスタなどは、ワゴンとしても使いやすい割安なミニバンだ。

icon 丁度よい実用性を持つ都市型コミューター ホンダ ジェイド

ホンダ ジェイド

【中古市場データ】 相場価格 現行型:272万~324.8万円 ※相場グラフデータ無し

SAMPLE ホンダ ジェイド

ホンダ ジェイド

全高を抑えたワゴンタイプのボディ形状に3列目シートを備えたホンダの新型ミニバン。ハイブリッドエンジンを搭載しスポーティな走りと優れた燃費性能を両立している。

ロールーフミニバンのPOINT

POINT01 ハイルーフに比べるとリーズナブルな価格設定

POINT01 ハイルーフに比べるとリーズナブルな価格設定
ハイルーフミニバンに比べると全体的に価格が安いのがポイント。リヤ側のドアが横開き式なら、電動開閉機能も不要になり、価格をさらに安く抑えられる。中古車価格も連動して下がる。

POINT02 運転感覚はセダンやワゴンに似ている

POINT02 運転感覚はセダンやワゴンに似ている
低重心で横風の影響も少なく、走行安定性に優れる。3/4代目オデッセイなどはボディ剛性が高く、サスペンションも熟成されていたからスポーティな走りを楽しめる。

POINT03 立体駐車場が利用できる

POINT03 立体駐車場が利用できる
全高1550mm以下の車種であれば、立体駐車場を利用しやすい。また全高が1600mm前後なら、天井に手が届きやすいために洗車もラクだ。ワゴン風でスポーティに見える。

3列シート Check!!

1列シート 2列シート 3列シート Check!!

大人が乗るなら頭上空間に注意

大人が乗るなら頭上空間に注意

座面A 幅(全体)82cm
B 長さ43cm
背もたれC 幅(全体)85cm
D 高さ58cm
E フロアから座面 21cm
渡辺氏座り※F 頭上5cm
G ひざまわり10cm

※渡辺氏の身長は171cm。数値は1列目と2列目を渡辺氏の適正ポジションにして計測

乗降性

乗降性

ロールーフは2列目を前方にスライドさせて3列目へアクセスする。ジェイドは2列目シートの座面まで跳ね上げて空間を確保している。3列目シートを備えたワゴンと考えたい。

シートが小さく床下へ簡単に格納できる
×頭上と足もとの空間が狭く着座姿勢は窮屈

居住性

居住性

小学生くらいの子供が座るには十分なスペースだが、大人の男性が座るにはかなりタイト。取材車のジェイドでは3列目の頭上をガラスエリアとすることで圧迫感を軽減している。

快適性

快適性

大人が乗車して長距離移動するには厳しいが、最寄り駅までのような短距離乗車なら問題ないだろう。ロールーフミニバンの購入時は必ず3列目に座って確認してから決断したい。

ラゲッジCheck!!

ラゲッジCheck!!

A 幅100cm
B 奥行き(標準)31cm
C 奥行き(3列目倒し)105cm
D 高さ76cm
E 開口部の高さ90cm
F 開口部の幅98cm
G 地面とラゲッジ下端の距離68cm
  • シートを収納すればワゴン的実用性

    シートを収納すればワゴン的実用性

シート収納

シート収納

たたんだシートが張り出さない荷室
×室内高が乏しく大きな荷物は苦手
シート収納

ロールーフミニバンのほとんどの車種は前倒し収納を採用している。シートを収納すれば張り出しや段差の少ないフラットな荷室となり、高い実用性を披露する。

厳選 オススメのモデルをクローズアップ

icon ホンダ ストリーム

ホンダ ストリーム

【中古市場データ】相場価格 74.1万~162.6万円

運転のしやすさと7人乗れる居住性を両立させた都市型ミニバンのパイオニア。中古価格も手ごろでロールーフミニバンの入門用にも最適。

icon トヨタ プリウスα

トヨタ プリウスα

【中古市場データ】相場価格 142.4万~252.3万円

プリウスシリーズのプリウスαは3列目は非常にタイトで「3列仕様のステーションワゴン」という表現がピッタリなモデル。2列シートの5人乗り仕様もラインナップする。

icon ホンダ オデッセイ

ホンダ オデッセイ

【中古市場データ】相場価格 現行型:168.9万~278.4万円 / 先代型:126.6万~241.3万円

現行型でハイルーフ化されたが、先代&先々代ではロールーフボディを採用。3列目の足もとは広々としてロールーフながら快適性は高い。

ロールーフミニバン まとめ

ロールーフミニバン まとめ

ワゴン+3列目と割り切りが必要
多人数で長距離移動したり、自転車などを積む用途には適さないが、少し広めの荷室が欲しい人にはピッタリだ。3列目はたたんで使うのが基本。稀に短距離を多人数で移動するときにシートとしての機能を発揮する。3列目をほとんど使わず、大きな荷物も積まないのに、ハイルーフミニバンを買うのはムダが多い。ロールーフが適する。

アウトドアで大活躍!3列シートSUV

3列シートSUVとは?

3列目と荷室の使い勝手はロールーフミニバンに近い
「なぜSUVに3列シートがあるの?」と疑問を持つ読者諸兄も多いだろう。もともとSUVは悪路を走る作業車で、劣悪な環境の中を多人数で移動するニーズも根強かった。そこでSUVの荷室に補助席を装着して、乗員が座れるようにした。
なので1950年代から生産を開始した三菱ジープには、3列シートのロングボディも用意された。初代パジェロも、83年に3列シートのワゴンを加えている。今回取材したのは、4代目になる現行型パジェロの3列シート仕様だ。
また近年では、北米市場でミニバンの人気が下がり、ミニバンに代わるファミリーカーとして3列シートを備えたSUVが注目されている。
北米で売られるSUVは、ボディが大柄で3列目にも相応の広さがあるが、日本車の場合は補助席だ。エクストレイルやランドクルーザーも3列目のシートを設定するが、サイズが小さく、床と座面の間隔も足りないから座ると膝が持ち上がる。
今回の計測結果を見ると、パジェロの3列目は、たたんだ時の荷室空間を含めてジェイドに近い。パジェロのボディサイズはアルファードと同等だが、SUVだから空間効率は下がる。そこで3列目と荷室はコンパクトなジェイドと同程度になった。
ただしSUVでは外観の個性、運転の楽しさ、悪路の走破力などが重視され、3列目の狭さは欠点にはならない。つまり付加価値の一種だが、ロールーフミニバンのように、1年に数回、短距離を多人数で移動する使い方には適している。
とくに趣味性の強いクルマに乗りたいユーザーには魅力だろう。使う機会の少ない3列目のために、背の高いミニバンを買うのはもったいない。その点、3列シートのSUVなら、ムダを抑えながら趣味性と実用性を両立できる。
たとえ3列目を使う機会がなくても、「イザというときに安心」という魅力は大きい。オフロードSUVの優れた走破力と同様だ。

icon タフに使える機能性に3列シートをプラス 三菱 パジェロ

三菱 パジェロ

【中古市場データ】 相場価格 現行型:71万~359.8万円 / 先代型:42.8万~200.7万円

SAMPLE 三菱 パジェロ

三菱 パジェロ

世界でも指折りのオフロード性能を誇る本格SUV。ボディはロング(5ドア)とショート(3ドア)の2ラインナップがあり、ロングボディには3列シートを採用している。

3列シートSUVのPOINT

POINT01 高性能4WDシステムにより悪路の走破性に優れる

POINT01 高性能4WDシステムにより悪路の走破性に優れる
ミニバンの特徴は多人数の乗車や大きな荷物の積載だが、SUVは悪路の走破だ。パジェロなどのオフロードSUVは、専用の4WDシステムと足まわり、十分な最低地上高によって走破力が高い。

POINT02 生活感を感じさせないスタイリング

POINT02 生活感を感じさせないスタイリング
悪路の走破を目的にデザインされたSUVの外観は、昔から野生味が感じられた。あくまでも機能の結果だったが、今ではこのスタイルが注目されて人気を集めている。

POINT03 ボディ形状が影響して運転感覚が掴みにくい

POINT03 ボディ形状が影響して運転感覚が掴みにくい
乗用車ベースのシティ派と、悪路向けに開発されたオフロード派で、乗り心地や運転感覚に違いがある。ミニバンのようにボディが四角くないので慣れが必要となる。

3列シートCheck!!

1列シート 2列シート 3列シート Check!!

3列シート前提の設計ではない

3列シート前提の設計ではない

座面A 幅(全体)58cm
B 長さ42cm
背もたれC 幅(全体)78cm
D 高さ46cm
E フロアから座面 21cm
渡辺氏座り※F 頭上12cm
G ひざまわり0cm

※渡辺氏の身長は171cm。数値は1列目と2列目を渡辺氏の適正ポジションにして計測

乗降性

乗降性

2列目シートを前倒しにして、その間から乗り降りするのはロールーフミニバンと同じ。違いは車高が高いため降りるときは楽だが、乗るときは登るように乗り込んでいく。

SUVでもイザというときは多人数乗車
×シートサイズが小さく着座姿勢も窮屈

居住性

居住性

常用目的で設計されていないためシートのサイズは小ぶり。収納性を考慮してか背もたれの高さが乏しいため、長時間の着座には不向き。快適性はロールーフミニバンに近い。

快適性

快適性

パジェロはボディが大きいので頭上と横方向にスペースはあるものの、前後方向はひざが2列目の背もたれに当たってしまっている。3列目はスライド機構も備わっていない。

ラゲッジCheck!!

  • ラゲッジCheck!!

  • ラゲッジCheck!!

    実用性を考慮した造りが魅力的

A 幅101cm
B 奥行き(標準)26cm
C 奥行き(3列目倒し)99cm
D 高さ111cm
E 開口部の高さ102cm
F 開口部の幅116cm
G 地面とラゲッジ下端の距離71cm

シート収納

シート収納

ワゴンと同等の容量があり実用的
×荷室の床が高めで積載性に要注意
シート収納

パジェロはシートを出した状態ではラゲッジが狭く、3列目は収納した状態で使うのが基本といえる。床下収納を採用し、シートを取り外すこともできる。

厳選 オススメのモデルをクローズアップ

icon トヨタ ヴァンガード

トヨタ ヴァンガード

【中古市場データ】相場価格 126.1万~268.4万円

高級SUVをコンセプトに開発されたミドルサイズSUVで、7人乗り3列シート仕様も設定。3列目の居住性は同クラスの中では優れている。

icon 三菱 アウトランダー

三菱 アウトランダー

【中古市場データ】相場価格 現行型:149.5万~238万円 / 先代型:70.2万~178.8万円

現行型の3列目シートは必要十分な居住性を確保しているが、先代型の3列目はシートの構造やスペース的にも補助席的な使い方となる。

3列シートSUV まとめ

3列シートSUV まとめ

個性的な3列シート車が欲しいなら狙いめ
多人数乗車の可能な車種としては、まずはミニバンを連想する。しかし移動距離が短ければ、3列シートのSUVでも実用性に不満は生じないだろう。個性的な車種も選びやすい。生産を終えたヴァンガードやクロスロード、先代型アウトランダーなど、3列シートSUVは中古車市場に数多く流通している。購入のしやすさもメリットだ。

結論 3列シート車 徹底ガイド

3列目の使用頻度を熟考して決める
大勢乗せてたくさん積む機能を重視するならハイルーフミニバンだが、3列目とラゲッジの使用頻度が少ない場合は、ロールーフが使い勝手と価格の両方で合理的だ。カッコよさや走りなどの趣味性を求めるならSUVも検討したい。

※すべての価格は参考価格です
※中古車市場データはGoo-net4月調べ

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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