カーライフ
更新日:2022.08.26 / 掲載日:2022.08.26

キャデラック XT6に惹かれたワケ【自動車ジャーナリスト九島辰也が解説】

文●九島辰也 写真●キャデラック

 SUVに何を求めるかにもよりますが、個人的にはちょっといい感じのモデルを見つけた気がします。登場以来ずいぶんとご無沙汰していたキャデラックXT6です。
 何がいい感じなのかを説明すると、まずはキャデラックというブランドです。かつて高級車として名を馳せていたことで良いも悪いもイメージが出来上がっていましたが、最近はそれらが払拭されました。90年代はヤンチャなユーザーが多かったですからね。フルスモークのキャデラックがウィンカーを出せば、誰もが道を譲るほどでした。
 ですが、もはやそういったオラオラ感はドイツ車へ移行。マットブラックのジャーマンフルサイズSUVが街を闊歩しています。まぁ、母数が多くなればそういうクルマが増えるのはしょうがないんでしょうが。

 なので、今のキャデラックは高級感はそのままにそれほどヤンチャなイメージはありません。根っからのアメリカ車好きとか、あえてドイツ車を外して選んだような雰囲気がします。もっというならアメリカに住んでいた経験からキャデラックを選んだような。ちょっとかっこいいでしょ!

 そしてXT6ですが、このデザインがすごくいい。全体的にスクエアでアウトドアブームの今にピッタリ。それでいてフロントマスクはイマドキで、しっかりとアイデンティティを主張するグリルとLEDライトがバランスよく並びます。個性の強すぎないオーセンティックなスタイリングだと思いますね。
 さらに言えば、サイズもここまでは許容範囲。全長5060、全幅1960mmとなります。キャデラックのSUVといえばエスカレードを思い浮かべますが、あちらは少々大きすぎ。全長は5400mmですから。それに全幅は2メートルを超えます。停める場所が限られますよ。
 というサイズなので、キャビンは広く3列目シートも用意されました。前から2/2/2の6名乗車。しかも2列目がキャプテンシートだったので余計広く感じました。

 3列目を倒すとカーゴは広くなります。普段はこれですね。そしてさらに積む物が増えれば2列目まで畳んでください。今回は家具を運んだのですが、「こんなに積めるの?」ってほどたくさん載せられました。お見事!

キャデラック XT6

 では、パワートレインを見てみましょう。エンジンは3.6リッターV6で、最高出力314psを発揮します。組み合わされるギアボックスはトルコン式9速AT。シームレスな加速が味わえます。駆動方式はFWDがデフォルトで、スイッチ一つでAWDに素早く切り替え可能。雨の日の高速道路はAWDが安定感のある走りを提供してくれることでしょう。ドライブモードはこの他にスポーツ、オフロードが設定されます。

 実際に走った印象も良かったです。大きさを感じさせないキビキビした走りは見た目以上。コーナリングも軽快です。それにスポーツモードでアクセルを踏み込むとエキゾーストサウンドが思いのほか激しくなります。ここに少しだけ昔のイメージを垣間見ました。う〜ん、こういうのもワルくない。
 ということで、今回はひょんなことからステアリングを握ったXT6をものすごく気に入ったのでご紹介しました。プレミアムSUVは今ドイツ車が席巻していますからこんな裏ワザもいいのではないでしょうか。フルサイズセダンのイメージとは違う進化した今のキャデラックにご注目ください。

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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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