輸入車
更新日:2023.02.04 / 掲載日:2023.02.04

フォルクスワーゲン 新型ゴルフ8「R」サイズの違いがもたらす2つの個性

新車価格:ゴルフR 639万8000円/ゴルフR ヴァリアント 652万5000円

VOLKSWAGEN GOLF R【グーワールド コラム/ニューモデル】

文●大音安弘 写真●ユニット・コンパス
問い合わせ:フォルクスワーゲン・カスタマーセンター TEL:0120-993-199 URL:https://www.volkswagen.co.jp
(掲載されている内容はグーワールド本誌2023年3月号の内容です)

ハッチバックとワゴンで性格が分かれた新型「R」

 ゴルフVIIIの最終兵器「R」が投入された。かつてゴルフのスポーツモデルといえば、GTIと相場が決まっていたが、ゴルフⅣに「R32」が設定されて以来、ダブル主演となり、それぞれ独自の進化を遂げてきた。そんな2台の最大の違いは、駆動方式にある。GTIがFFに対して、Rは4WD「4MOTION」を搭載する。パワーソースも異なるが、ゴルフVI以降、エンジンのダウンサイジング化により、Rの特徴であった3.2L V6エンジンは廃止され、GTI同様に2.0L直4ターボに換装された。しかし、4WDの高いトランクションを活かし、よりパワフルなスペックが与えられている。
 ただ2台が深化する度に、性能よりも価格が意識された感は否めず、高性能なGTIよりも高価なRを選ぶ人は限られた。何しろ、いずれも刺激的なスポーツモデルであることには変わりはないのだ。そんなRの存在を際立たせたのは、意外にもステーションワゴン「ヴァリアント」の登場にある。先代となるゴルフⅦより仲間入りしたRヴァリアントは、貴重な高性能ワゴンとして注目を集めた。しかし、先代ヴァリアントのボディは、リアオーバーハングを伸ばしたものであり、ホイールベースは共通。Rとしてのパフォーマンスでは、ハッチバックに譲る形になっていたことは否めない。その最適解を導き出したのが、最新型ゴルフVIIIだ。ハッチバックはショート、ワゴンはロングとホイールベースを専用化。それは明確な走りの違いへと結びつく。ハッチバックは、新兵器である後輪トルクベクタリングを活かし、より刺激的なコーナリングマシンに。逆にワゴンは、シャープなコーナリングは受け継ぎながら、車体の動きの安定感が増し、路面からの突き上げもしなやかにいなす大人な味付けに仕上げた。もちろん、性能やメカニズムは共通なので、ヴァリアントも心躍る存在には違いなく、さらにファミリーカーや趣味の相棒などの広い守備を持つ。ただ昨今の新車価格の高騰もあり、Rは、より高価に。その点だけがファンを大いに悩ませそうだ。

ブルーをアクセントカラーに取り入れたスポーティなコックピット。ファブリックとマイクロフリース生地のセミバケットシートは、スポーツウェアのようにフィットする。大型化されたパドルシフトもR専用アイテムだ。
レースモードでは、バータイプのタコメーターとなるレーシングカーのような表示演出も追加。
専用サスと後輪トルクベクタリング付き4WDで走りを強化。写真の19インチとDCCはオプション。
フォルクスワーゲン ゴルフ R ヴァリアント

 ロングホイールベースのワゴンボディと+60kg増の車重以外、装備と性能はハッチバック同等となるスポーツワゴン。一見、ただのゴルフヴァリアント。その実態は、現代版、羊の皮を被った狼だ。

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大音安弘(おおと やすひろ)

ライタープロフィール

大音安弘(おおと やすひろ)

1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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