輸入車
更新日:2024.01.05 / 掲載日:2024.01.05

[フォルクスワーゲン ID.4×5つ星の宿]ゆとりの小旅行を演出するEVの魅力

文と写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2024年2月号「2024年はちょっと背伸び[輸入車で行く旅の優越]」記事の内容です)
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。

もてなしの心を受け継ぐ5つ星の宿を電気自動車で訪ねる

 いま、電気自動車を購入し愛車にするということは、ちょっと背伸びした選択肢になるのかもしれない。充電設備といったインフラや利用するためのサービスもまだ発展途上にあり、まだ自分には早いと思っているクルマ好きも少なくないだろう。しかし、そういう状況だからこそ、電気自動車に乗るという行為はこれまでにない刺激的な体験になるという考え方もある。なにしろ、これまで慣れ親しんできたエンジンがなくなり、モーターとバッテリーだけになるのだ。その乗り味を体験してみたいと思うものだろう。
 欧州諸国は気候変動に対する関心が高く、電気自動車へのチャレンジが早かったこともあり、いま日本で買える電気自動車は輸入車のほうが選択肢が豊富という状況だ。性質上、どうしても高価なモデルが多いが、VWから登場したID.4は、SUVスタイルで514万2000円からと価格もかなり現実的。そこで今回は、ID.4を使っての1泊2日の小旅行に出かけてみることにした。
 目的地は山梨県甲府市の常磐ホテル。藤井聡太竜王・名人の活躍で大いに盛り上がる将棋のタイトル戦が開催される会場としても有名な老舗だ。都内からの距離は140km程度、時間でいえば休憩込みで2時間半程度なので1泊の旅行先としてちょうどいい。ID.4には航続距離435kmの「ライト」と618kmの「プロ」があるが、今回はより航続距離に余裕のある「プロ」をチョイス。計算的には充電なしで往復可能だ。

フォルクスワーゲン ID.4 プロ

 VWらしい、多くの人たちのためのBEVとして登場したID.4。77kWhの駆動用バッテリーを搭載する上級モデルの「プロ」は、一充電走行距離は618km(WLTCモード)を走行。

フォルクスワーゲン ID.4 プロ(CVT) ●全長×全幅×全高:4585×1850×1640mm ●ホイールベース:2770mm ●車両重量:2140kg ●バッテリー総電力量:77kWh ●定格出力:70kW ●最高出力:204ps/4621-8000rpm ●最大トルク:31.6kgm/0-4621rpm ●新車価格:514万2000円〜648万8000円(ID.4 全グレード)

今回訪れた背伸びスポット[常磐ホテル]いつまでも変わらないもてなしの老舗ホテル

 創業90年を超える老舗である常磐ホテル。敷地内には3000坪もの広大な日本庭園を備え、その景色は露天風呂からも楽しむことができる。甲府エリアを代表する宿泊施設として、これまで数多くのVIPが逗留してきた。将棋のタイトル戦も実施されることでも知られている。

DATA
TEL:055-254-3111(受付時間:9:00〜17:00)
住所:山梨県甲府市湯村2-5-21
URL:https://tokiwa-hotel.co.jp

宿泊している間に充電できるから心からリラックスできる

 冬季はヒーターを使用することから電気自動車にとっては電費的に若干不利。だが、逆をいえばそういった状況で安心して使えるかどうかこそ知りたいというもの。まだ朝の寒さが残るなか、エアコンの温度設定を23度にして東京を出発した。ルートは首都高速から中央道へ。
 ID.4は電気自動車として専用設計されていて、クルマを走らせるためのメカニズムがコンパクトに収まっている。そのため外から見るよりも室内は広い。電気自動車になったVWは、走りの世界にも新境地を切り拓いている。アクセルペダルの動きに即座にそしてスムーズに反応するところや従来とはレベル違いの静粛性は、乗れば誰でも感じられるはず。中央道に入ってからは、「トラベルアシスト」の機能によって、ステアリングに手を添えているだけで、システムが前走車との距離と走行レーンをキープしてくれた。
 甲府昭和ICを降り、街中を15分も走れば目的地の常磐ホテルに到着。国の内外を問わず多くの賓客をもてなしてきた宿だけに、重厚でありながらも、どこか心を安らげてくれる懐の深さを感じる。驚いたのが、ファサードに電気自動車のための充電設備が備わること。時代の変化をいち早くキャッチして適応していく進取の精神に、一流とは何かを教わった気がする。チェックインをすませ、名物である日本庭園を散策する。この庭園にも、日本を代表する文豪やVIPにまつわるエピソードが多数残されている。
 今回の旅程であれば充電せずとも往復は余裕で可能。だが、滞在中に充電できることでドライブの可能性はさらに広がり、心にはゆとりが生まれた。変わり続けることで価値を高め続ける。VWと老舗ホテルに共通する、人々の心をつかむ秘訣のようなものを感じた旅となった。

3000坪の日本庭園と温泉が旅人を癒やす

 開業は昭和4年で、皇室御用達の宿として知られる常磐ホテル。3000坪ものスケールを活かした日本庭園は世界的にも評価が高い。正面玄関からロビーに入ると額縁庭園(写真上)が迎えてくれる。囲碁や将棋のタイトル戦が行われる会場としても有名で、館内には貴重な資料や写真も展示されており、訪れたファンの想像力を掻き立ててくれる。また、離れ客室での「お篭りステイ」や個室食事処など、時代に合わせた対応を行うなど、時代の潮流を捉えたもてなしを心がけている。

常磐ホテルはポルシェやアウディオーナーを対象にした充電ネットワーク「デスティネーションチャージングステーション」に参加しており、該当ブランドのモデルは無料で充電設備を利用することができる。
プレミアムブランドが電気自動車を発売する流れにいち早く対応し、常磐ホテルでは普通充電器4基を用意。利用料金は1回1000円。プラグインHVについては無料で充電を利用可能となっている。
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グーネットマガジン編集部

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