新車試乗レポート
更新日:2024.05.04 / 掲載日:2024.05.04

買いたいと思ったランクル70【九島辰也】

文●九島辰也 写真●トヨタ

 新型ランクル70に乗りました。メインはランクル250のテストドライブでしたが、比較車両として70と300が用意されていました。ラッキーです。
 場所は愛知県にある“さなげアドベンチャーフィールド”。トヨタお膝元のオフロードコースです。ランクル300の発表時もここでしたし、それ以外にも何度も訪れている場所なので親しみがあります。知っていますか?ここには“四駆神社”があるんです。四駆乗りの方はぜひ一度お参りください。

ランドクルーザー 70 AX

 それはともかく、ランクル70には想いがあります。昨年11月29日の発売日にディーラーへ買いに行ったからです。もちろん、ご想像の通り購入できなかったのは言わずもがな。秒で撃沈です。人生初のトヨタディーラー詣の帰り道に手にしていたのは契約書ではなく、刷り上がったばかりのカタログでした。う〜ん、虚しい。

 では2014年の時の復刻版の時は反応しなかったのに今回なぜ購入しようと思ったかというと、理由は2つあります。一番は顔。丸型ヘッドライト好きにとって前回のモデルは枠外でした。それとグリルセンターのTOYOTAマークがいいです。USトヨタ車みたいでカッコいい。そして2つ目はエンジン。今回は2.8リッター直噴ターボのディーゼルを搭載しますが、前回はガソリンユニットでした。この手のクルマに乗るならディーゼルですね。トランスミッションは前回MTで今回はATになりますが、それはどちらでも構いません。大きな問題ではないでしょう。

高剛性ラダーフレームを採用する

 そんなランクル70をオフロードコースで走らせるとその実力は予想以上でした。電子デバイスをフル活用しての走破性は機械式四駆機能よりも勝る傾向がありますが、70の基本スペックは負けていません。というか、ポテンシャルはかなり高いといえます。トラクションのかかり方もそうですし、アングルの深さなんかもそうです。それにフロントのデフロック機構まで付いているのですから精神的に安心。ステアリング操作は効かなくなりますが、「最終的にこれがあれば脱出できる!」という頭があります。これまで30年近く北米やヨーロッパ、アフリカ大陸と世界中のオフロードコースを巡ってきましたが、その機構に何度か助けられたことがあります。フロントデフロック機構は身を持って体感した上で語る最強の四駆システムです。

 試乗会の会場に置いてあったランクル70はベージュと白でした。お約束のボディカラーですね。でも個人的に買おうと思っていたのは黒。オフローダーとしては珍しいですがカスタムベースと考えればなんでもできます。それにレア度も上がります。でもってバンパーレスなどマイナス方向に手を入れます。その方がクラシックさが増しますから。で、タイヤとホイールも入れ替え。ホイールはインチダウンしてタイヤは肉厚にします。まぁ、そもそも16インチですからそのままでもいいですが、デザイン的に替えたいですね。黒テッチンかセンターライン、アメリカンレーシングあたりがいいかと。想像しただけでワクワクします。いくらでも妄想は膨らみますが、手に入らないのでこれくらいにしておきます。

 プレゼンテーションでは興味深い話もありました。それは300系、250系、70系のポジショニング。それぞれ「象徴」、「生活・実用」、「普遍」となるそうです。言いたいことはわかりますが、ワードセンスはイマイチかと思います。せっかく新開発したランクル250に「生活」という言葉を当てはめられてはガッカリです。生活臭があるのか?

 それはともかく、ランクルファミリーは人気真っ盛り。買いたくても買えないのが実情です。それも時代ですね。不遇な時代をくぐり抜けてきたからの光明だとも言えなくありません。なのでトヨタさん、はしゃいでください。そしてランクル70を手に入れた方はランクルライフを楽しんでください。応援しています。

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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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