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介護車両に注目のニューウェーブ登場
 今回は前回お知らせした第38回東京モーターショーの情報を引き続きお届けしよう。今年の東京モーターショーは商用車と福祉車両を中心とした展示となった。乗用車メーカーはそれぞれに趣向を凝らしたパーソナルユース、もしくは施設などの送迎用を中心にしたモデルの展示を行ったが、商用車メーカーの福祉がらみの展示もなかなか興味深いものが多かった。
 世のなかがバリアフリーに向けて大きく動き出しているということもあり、パーソナルなものだけではなく、パブリックな移動体もどんどん福祉車両的な形態を強めてきている。
 こうした社会的なインフラがそろってこそ、一般の福祉車両も多くが認められるようになるのだろう。
Text:諸星陽一/Photo:中村宏祐
参考出品車
タント・フロアリフト
 究極のパーソナル系福祉車両とでも言える大胆な発想で造られたのが、タントをベースとした車いす乗車用のクルマ。従来はスロープを使って車内へエントリーしていたものを、ボディのフロアそのものを低く設定することによってスロープなしでの乗車を可能にしている。
 ノーマルのタントとは異なり、リヤサスペンションをフルトレーリングアームとすることでこの方式を可能としているが、まだコンセプトカーの域を出ていない。実際に走らせるためには、リヤまわりのボディ剛性の確保をはじめ、さまざまな課題が残されているという。

●車内も完成度の高い状態に造り上げてある。従来の考え方だと、左右が空きすぎていて不安感があるが、これなら安心。
●このようにスロープは使わず、フロアそのものが下がって車いすを収納するシステムを採用している。
車いす対応ノンステップバス
クセニッツ・シティII
 バスタイプの福祉車両。車いすを最大6台まで搭載が可能なフロアを持っている。サイドドアのほかにもリヤ側のドアからのエントリーも可能だ。写真を見てもらえばわかるように、乗降時は車体が下がり、エントリーがしやすくなっている。ボディそのものがかなり車高の高い設計となっているので、健常者は座らずに立って乗るという考えで導入すれば、短距離の路線バスとして使うことも十分な可能性を秘めている。 ●乗り込みも段差のないスロープタイプ。車いす利用者でなくとも使いやすい仕様だ。
コミュニティバス
トランスポーターT1N・コミュニティバス仕様
 すでに世界で100万台以上の累計生産が行われているメルセデス・ベンツのトランスポーターT1Nをベースとしたマイクロバスモデル。
 フロアセンター部分を低く設計することで車いすに乗った人の乗車スペースを確保するとともに、健常者の乗降性も向上している。フロアがこれだけ低いながらも、駆動方式はFRのままで、整備性も高くなっている。すでに市販が行われているモデルで、その活躍にも定評がある。
●エントランス部分は低くフラットな設計。羽田空港に向かうモノレールを思わせる設計だ。
大型観光リフト付バス
ガーラ・ハイデッカー
 普通の人でもバスの高い座席に乗ると、風景が一変し世界が変わる。このモデルはハイデッカーという座席が高く見晴らしのいいバスをベースに、車いすでの乗車を可能としたもの。サイドに設けられた大型のドアを開けると、通常は荷室となる部分にリフトがあり、そのリフトを使ってハイデッキ部分に車いすを乗せることができる。普段はどうしても視線が低い位置にある車いす使用者だけに、気軽に旅行に行けて、こうした特別な世界が味わえるのは非常にうれしい。 ●前方部分は普通のバス。後方に車いすスペースが設けられている。改造次第では、台数の増加も可能なはずだ。