購入後のメンテナンスで快適なカーライフを
取
材
協
力
J-TRASY・日本トレーディングシステム
埼玉県新座市片山3-10-59 TEL:048-480-5888
福祉車両のメンテナンスはクルマ本体のメンテナンスと、福祉車両としての機能部分のメンテナンスに分けられる。
福祉車両の場合、クルマ本体の故障は、普通のクルマ以上に困難な事態を引き起こすので、ふだんのメンテは思った以上に大切だ。とは言っても特別なことは不要。現在のクルマはめったなことでは止まるようなことはない。しかし、タイヤに関してはランフラットタイヤ(パンクしても走行可能なタイヤ)を除き、大きな進化はしていない。スペアタイヤを含めて、タイヤ空気圧は気をつけてもらいたい項目だ。
また、1回の走行距離が短いクルマは、エンジン内部で発生した水分が蒸発しきらないでオイル内にとどまることもある。こうなるとオイルの劣化は激しくなるので、規定の距離に達しなくても、規定の期間(6カ月など)で交換していくことが大切。基本の部分をきちんとやっていくことで、クルマは順調に走り続けてくれるものだ。
J-TRASY・日本トレーディングシステム
新中孝信
氏
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福祉車両に早くから取り組み、さまざまな方面へのアドバイスなども行っている新中氏。今回はメンテナンスについて伺った。
車いす仕様車・スロープタイプ
可動部分への異物混入は要注意
福祉車両は普通のクルマと違って、さまざまな可動部分が存在している。そして車いすで乗り込むタイプのクルマの場合は、車いすのタイヤが石などを運び込んでしまうことも多い。クルマのシートに移乗するタイプに比べて、車いすごと乗るタイプはとくに車内のメンテナンスが大切だ。
メンテナンスといっても、工具を使ってやるような難しいものではなく、基本は掃除だ。可動部分に石噛みなどが起きないように、車内をこまめに掃除すればいい。
もし複雑な部分に石などの異物が挟まっていて簡単に取れないときは、無理をせずに購入店などで取り除いてもらうといい。
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スロープの折り曲げ部分に石などが挟まると、スロープが変形する恐れがある。引っかかりを感じたら無理をしないこと。
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車いすを固定するためのレールなどが付いているクルマは、そのなかに石が入り込むことも多い。ふだんから注意していることが大切。
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ロック装置にスムーズに収まらなくなった場合、ロック装置よりも本体のゆがみが考えられる。むやみに調整しないで、原因追究が大切。
リフト昇降タイプ
日ごろのチェックでトラブルは防げる
手動で展開するスロープタイプに比べ、リフト式モデルは電動部分が多く、それだけにトラブルが発生しやすい。また、シートが上下するタイプに比べ、リフトタイプは昇降距離が長く、福祉車両のなかではもっともトラブルを起こしやすい機種ということになる。
たいがいのトラブルはゴミや可動時に発生した金属粉などが原因となることが多い。これらも掃除で大抵のトラブル回避は可能。右の写真のように長いウォームネジが付いているものは、ネジ部分のグリスにゴミがたまりやすい。パーツクリーナーなどでグリスごとゴミを取り除き、再度グリスアップ(シャシーグリスでよい)してやるといい。このとき絶対に動かしながら作業しないこと。非常に危険だ。難しいと感じる人は、ショップなどに依頼したほうがいい。
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上側のレールには、使っているあいだに削れた金属粉が付着している。この粉がウォームに付着すると、ウォームが傷ついてしまう。
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可動部分に合わせて動くようになっているコード類。どうしても折れ曲がる箇所が発生し、そこが断線するなどの不具合が起きやすい。
リフトアップシートタイプ
メカの露出部分に衣服やタオルを巻き込まないように
リフトアップシートは電動部分が多いわりには不具合が起きづらい装置だ。しかし、メカニズム部分が露出している部分などに、衣服やタオルなどを噛み込んでしまうと、思わぬトラブルを引き起こす。噛み込んでしまった場合は、全部を除去することが大切。この際も、けっして可動中は手を入れないこと。車内にシートを収めたときは、完全にロックしてから使用すること。
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リフトシートタイプは、各部がカバーされているので自分でのメンテナンスがやりづらい機種が多い。無理をしすぎないことが大切。
福祉車両全般
作動不良の放置は悪化を進めるだけ
ちょっと動きが変だけど、ショップに持っていくと出費がかさむから……と躊躇するのはだれでも持っている気持ちだ。しかし、その躊躇が大きなトラブルの元にもなりかねない。たとえば、単純なオイル不足で不具合だったものなどは、給油すれば何の問題もなかったものが、そのまま使ったために本体が壊れてしまうなんてこともある。「気になったらショップに」は基本中の基本だ。
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自分のクルマが正しい動きかどうか? わからないときは、展示場などに行って、同一車種や似ている車種を動かしてチェックしてみるといい。
TEXT:諸星陽一 PHOTO:石橋道尚