EVENT 第33回 H.C.R.2006レポート WELFARE TOPIC
安全性と操作性がさらに向上
より使いやすくなった周辺機器
 福祉機器展だからこそ、一気に見ることができるのがクルマに関する周辺機器。クルマそのものは、各メーカーの展示場やディーラーなどを訪ねれば見ることができる(地域によってはそれもむずかしいこともある)が、細かな周辺機器はやはりこうした展示会でないと、なかなか実物に出会いづらい。
 今回は会場を取材しているあいだに見つけた展示品のなかから、厳選した製品を紹介していこう。
 福祉車両の発展と普及に伴って、周辺機器もさまざまなものが登場している。アイデアに満ちたたものから、次世代を感じさせるものまで、そのバリエーションは増える一方。
 取材をしていても、楽しさを増す製品でにぎわっていたと感じた。
住友ゴム工業 ダンスロープ・プロ
住友ゴム工業
ダンスロープ・プロ
 グラスファイバーおよびカーボンファイバーを採用することによって、圧倒的な軽さを実現しているスロープ。長さが70cmと85cmのものはグラスファイバー、125〜255cmのものはカーボンファイバーが採用される。いずれのモデルも耐荷重は300kgと余裕のある設計なので、車いすの乗員と介護者2人が乗っても安心して使うことができる設定だ。
住友ゴム工業 ダンスロープ・プロ ●コンパクトに2つ折りにすることが可能。持ち運びしやすいように、ストラップも装着されている。重量は3.5〜13.5kgと、大きさを考えると軽い。
カーメイト
車いす積み降ろしキャリア
 1ボックスタイプのクルマは、車いすを車内に収納するためには、それなりの高さまで車いすを持ち上げなくてはならない。これを補助する装置は、数多くのタイプがあるが、いずれも電動などで高価なうえに、作動がおそく手間取ってしまう。この車いす積み降ろしキャリアは、レバーを引き出して足台を乗せて操作するだけの簡単なもの。圧倒的に早く作業が終わる。
カーメイト 車いす積み降ろしキャリア
ニッシン特装 補助ステップ
ニッシン特装
補助ステップ
 福祉車両用のさまざまな装置を開発しているニッシン特装からは、手すり付きの3段ステップが出展されていた。これは1ボックスカーのスライドドア部分に装着し、手すりをもって引っ張るだけで3段のステップが展開できるというもの。同社では、このほかにも手すりのない3段ステップや、床下収納タイプでドア開閉に連動するタイプなども用意される。
シンエツ
回転リフト「あい」
 リフト付き車でクルマに車いすを乗せる場合、通常はクルマに対して車いすを一直線上に配置する必要がある。しかしこの回転リフト「あい」は、左側から直角に乗せることを可能にしたモデル。動作は、写真の状態からリフトアップ。その後、回転。スライドさせて車内にアクセスするというもの。すべてが電動でなく、力の必要なリフトアップのみを電動とすることで、リーズナブルな価格設定を実現している。
シンエツ 回転リフト「あい」
泰平電機 Q`STRAINT「車椅子固定装置」
泰平電機
Q`STRAINT「車椅子固定装置」
 今、大きな問題となっているのが福祉車両に乗っているときの衝突安全性。今回の福祉機器展で見つけた製品のなかで、その安全性を高めてくれそうなのが、Q'STRAINTの製品。同社はさまざまな拘束装置の開発を行っていて、車いすの固定だけではなく、車いすに乗った人のためのシートベルトもさまざまなタイプを製造している。衝突実験などもしており、ウェブページで情報を公開していることも信頼できる証だ。
泰平電機 Q`STRAINT「車椅子固定装置」 ●さまざまな拘束装置を開発するメーカー。英語での表示となってしまうがhttp://www.qstraint.com/で、各種のデータを公開している。
スズキ
燃料電池セニアカー「MIO」
 今やすっかりと市民権を得たセニアカー。静かに街なかを移動できるモビリティとして、高齢者の愛好者が増えている。しかし、最大の問題は充電が必要ということ。出先でバッテリーが上がってしまうと、立ち往生してしまう。このMIOはメタノールを使った燃料電池での走行が可能なセニアカー。メタノール4Lで40km以上の走行が可能と、参考出品車ではあるが、実現してもらいたいモデルだ。
スズキ 燃料電池セニアカー「MIO」 ●走行状態や燃料の残量なども液晶パネルに表示される。近未来的なデザインだが、こうしたモデルが実現する日が待ち遠しい。
スズキ 燃料電池セニアカー「MIO」
TEXT:諸星陽一 PHOTO:中村宏祐