第34回 H.C.R.2007 レポート WELFARE TOPIC
クルマ以外の分野へ進出著しい自動車メーカー
 トヨタやホンダがロボットを開発していることからも察しがつくように、自動車メーカーはクルマ以外の分野へと、次々に進出を果たしている。
化石燃料の枯渇が危ぶまれるなか、将来を見越しての新分野への取り組みとも取れるが、それだけが理由ではない。自動車メーカーが持つ幅広いノウハウは、さまざまな分野への転用が可能で、それを生かすために、多様なチャレンジをしている。なかでもモビリティ(移動)商品の開発は、自動車メーカーがの基本でもあり、クルマというアイテムからは離れるとしても、かなり近い位置にある分野と言える。クルマ以外のモビリティを考えたとき、福祉機器は大きな可能性を秘めたアイテムとなりうるのだ。
出展メーカーの展示品
ホンダ
装着型歩行アシスト 歩行アシスト技術 (参考出品)
 ホンダのブースで展示、体験デモンストレーションがされていた歩行アシスト装置。筋力が衰えたために歩行が困難となったときに、外部からモーターの力でアシストすることで、楽に歩けるようにしたもの。
 まだまだ、実験段階のアイテムではあるが、実際に体験した人の話を聞くと、ビックリするくらい楽に歩けるという。装置そのものの小型化が可能となれば、スーツの内側への装着もできるだろう。障害の程度によっては、車いすからの脱却も可能となり、より自由な生活が送れるようになる。
ホンダ 装着型歩行アシスト 歩行アシスト技術 (参考出品)
ホンダ 装着型歩行アシスト 歩行アシスト技術 (参考出品) ●人の筋肉の動きをアシストするタイプなので、違和感の減少が課題。
ホンダ 装着型歩行アシスト 歩行アシスト技術 (参考出品) ●しっかりと固定するため、空気を注入して、装置と身体(腰部と脚部)を密着させる。
ホンダ 装着型歩行アシスト 歩行アシスト技術 (参考出品) ●可動部を関節と同じ位置に合わせることが装着のポイント。商品化される可能性大?
 
スズキ
MIO(ミオ) 燃料電池セニアカー (参考出品)
 昨年の国際福祉機器展にも展示されていたスズキの燃料電池式セニアカーがアップデートされていた。基本的な機能は前回同様だが、航続距離を従来の40kmから60kmに延長、大型のアームレストを装備して運転姿勢が楽になる工夫も施されている。また、写真には写っていないが、カセット式の燃料補充装置も開発。充電の必要のない燃料電池式の利点を生かし、よりイージーでクイック、長距離の移動を可能にしている。
スズキ MIO(ミオ) 燃料電池セニアカー (参考出品)
スズキ MIO(ミオ) 燃料電池セニアカー (参考出品) ●ハンドル両端を球状にすることで、大きな舵角も楽に操作できるようにしている。操作性も毎年進化している。
トヨタ関連企業
ATOLIS All Toyota Life System
 ATOLIS(アトリス)とはトヨタグループの住宅関連部門14社が共同で展示を行ったブース。トヨタグループのなかにはトヨタホームに代表される住宅部門があり、それぞれの得意分野で福祉機器に関連する展示がされていた。住宅そのものはもちろん、電動車いすやPHS端末、簡易トレーニング機、寝具……とトヨタ関連だけでも十分に福祉機器がそろってしまう雰囲気。巨大企業体ならではの充実度を見せてくれた。
トヨタ関連企業 ATOLIS All Toyota Life System ●トヨタブースの隣に配置されたアトリスのブース。数多くの人が興味を持って訪れていた。
PHOTO&TEXT:諸星陽一