ワクチンの接種は進んでいるとはいえ、いまだにコロナ禍の中で不要不急の外出は自粛するように言われています。そこで問題になってくるのが、愛車を点検に出すべきかどうかです。

ここではコロナ禍におけるマイカーの点検方法について詳しく見ていきます。また、車検についてはコロナ禍の状況下でも、原則期限通りに通さないといけないと思ってください。

新型コロナウイルスの対策は、各業界で進められています。車検や車のメンテナンスの世界でも感染対策は進められているので、ここにまとめました。

車の点検はコロナ禍で必要か?

車の点検はコロナ禍で必要か?
コロナ禍で不要不急の外出は避けるように言われている現在、ディーラーや整備工場に車の点検に出すのが果たして適切かどうかについてまずは見ていきます。

点検の中には12ヶ月の法定点検や車検があり、どちらかによって対応は変わってきます。法定点検であれば、自分でも対処可能です。

ただし、車検は定期的に受けるように義務付けられているため、コロナ禍でも従来通りと考えましょう。

12ヶ月点検は自分でできる

自家用車の場合、12ヶ月ごとに法定点検を受けるように求められます。車検の場合強制ですが、12ヶ月点検については行っていなくても検挙されることはありません。

また、法定点検は工場で行わないといけないというルールはなく、素人でも可能です。車検と比較して点検項目が少ないため、知識があまりない方でもチェックできるものが多いです。

例えば「ドアが正常にロックできるか」「ホーンが鳴るか」などで単純なものが大半を占めます。このような点検は自分でも行えるでしょう。

新型コロナが流行していて、感染リスクが高まっている状況ではわざわざ工場に持ち込む必要はありません。できる検査項目は自分でチェックすれば十分です。

車検は期間内に受けないといけない

車検は期間内に受けないといけない
自家用車の場合、初回は3年後、それ以降は2年に1回のペースで車検を受けることが義務付けられています。

車検については期限を過ぎた車両を公道で運転するのは違法行為です。車検切れの車を公道で運転した場合、6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金となります。これにプラスして違反点数6点の行政処分もついてきますので、少なくとも30日間の免許停止処分が課せられます。

車検は原則、期間の延長は認められていません。

例えば、ケガや病院で入院していて、物理的に車検に出せなかった場合でも猶予されないこととなっています。

一部、不可抗力で、やむを得ない事情であれば特例として延長が認められる場合もあります。ただし、これは大規模な自然災害やウイルスまん延による自粛などの特殊な事例と考えてください。

過去に何度か延長措置も

2020年新型コロナウイルスが流行しだした時には、特別に車検期間の延長が認められました。

2021年9月までの時点でこれまで4回、車検期間の延長が認められています。

最初は2020年2月28日~3月31日までに期限の来る車両が対象で、4月30日まで延長されました。

次に4月8日~5月31日までに期限の来る車両が対象で、6月1日まで延長されました。ただこの延長は、もともとは日本全国が対象でしたが、首都圏、関西圏、福岡県に限定されました。

3回目は4月17日~5月31日までの車が対象で、先ほどの都府県以外の地域の車になります。延長は上と同じで6月1日まででした。

4回目は先ほどの2回目と3回目を再延長する措置でした。7月1日まで延長するというもので、全国一律です。

延長に伴う次回の有効期限に注意

延長に伴う次回の有効期限に注意
もし新型コロナに伴い車検期間が延長された場合、次の有効期限がどうなっているか確認しましょう。

例えば、2020年2月28日が有効期限だった車を保有していたとします。最初の猶予の対象になるので、4月30日までに車検を通せば問題ありません。そのため、4月22日に車検を通したとすると、2年後の4月22日が有効期限となります。

いつものペースとは変わってくるので、注意が必要です。

猶予期間中、車を運転してもいいのかと不安に感じている方もいるかもしれません。本来であれば、車検の有効期限切れの車を公道で走行させれば違法になります。

しかし、猶予が認められれば車検期限も同様に延長されます。車検切れになっても、猶予期間内であれば公道を運転しても違法には当たりません。

国土交通省のホームページをチェックする

2021年9月時点ではコロナ禍に伴う車検の延長はありません。しかし、新型コロナウイルスはどんどん変異株が出てきていて、感染力の強いものが今後出てくる可能性もあります。

また、新型コロナウイルスがまん延して感染爆発が起きれば、新たに延長措置の取られる可能性もゼロではありません。延長措置が取られるようになればニュースでも報道されるはずなので、最新情報をチェックしましょう。

延長が決定すれば、国土交通省のホームページでもその旨の通知が出るはずです。定期的に国土交通省のWebサイトをチェックして、最新情報を入手しておいてください。

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業界におけるコロナ感染対策の取り組み

業界におけるコロナ感染対策の取り組み
車検は原則、コロナ禍の状況でも受けなければなりません。しかし、感染者数が増加傾向にある中で、お店に行くのは怖いという方もいるでしょう。

そのようなお客さんの立場にたって、業界でも感染対策の取り組みをいろいろと行っています。感染防止のガイドラインなども設けているので、その業界の取り組みについてここでは見ていきます。

従業員の通勤対策

新型コロナは人を介して感染するとされています。よって、対人の接触機会を減らせば、感染リスクも低減できるでしょう。

そこで、業界では時差通勤やローテーション勤務の推奨を進めています。ラッシュアワーで混雑する時間を避けて通勤するだけでも、感染リスクは減らせます。

また、電車やバスなど不特定多数の利用する公共交通機関を利用しないで済む方法も、推奨しています。自家用車で通勤できる人はこれを認めるなどの対策です。

さらに、週休3日制の導入を進めている店舗も見られます。出勤回数を減らすことで感染リスクの低減を目指すのが狙いです。

業務時の注意点

業務時の注意点
勤務中の感染対策に関するガイドラインも作成されています。まず義務付けているのが、勤務中のマスク装着です。

また、新型コロナの感染対策として、ソーシャルディスタンスは広く知られるようになりました。2メートル以上離れれば飛沫感染をかなり低減できるということで、接客する際には可能な限り距離をとるように指導されています。

手洗いをすることで、手に付着したウイルスを体内に取り込むことが防止できます。店員に定期的な手洗いを指導する店舗も、少なくありません。

しかし中には手洗いのできない状況もあると考えられます。その際には消毒薬を携帯し、こまめに手指消毒するように指導されています。

休憩スペースの対策

ディーラーなどの従業員は、勤務時間中ずっと仕事をしているわけではありません。シフトなどで休憩に入るシステムになっているところが多いはずです。

そこで、休憩スペースにおける注意点も、業界のガイドラインの中でまとめられています。休憩スペースに入る前や出ていくときには、手洗いを徹底することが掲載されています。

中には複数の従業員が同時に休憩をとることもあるでしょう。その際にはソーシャルディスタンスを確保すること、できるだけ多くの人がスペースに入らないように休憩時間をずらすように指導されています。

屋内の休憩スペースの場合、ウイルスがいつまでも滞留する恐れがあります。そこで、定期的に換気をして、空気の入れ替えをすることが求められています。

トイレの対策

お店のトイレは不特定多数が利用するので、感染リスクが高いです。そのため、トイレの清掃を定期的に行うようにガイドラインでは指導されています。

また、便にもウイルスの含まれている可能性もあるようです。そこで水洗する際にはトイレのふたを閉めて、便が飛び散らないような対策が取られています。

トイレの手洗い場にはハンドドライヤーを設けているお店も少なくありません。しかし、ハンドドライヤーの風でウイルスが飛散する可能性があるので、利用を中止するように言われています。

そのため、ペーパータオルの利用が義務付けられました。同じタオルを複数が使用することで、これが感染経路になる恐れが出てくるからです。

設備への対策

設備への対策
新型コロナは、飛沫感染のほかにも接触感染にも注意と言われています。ウイルスのついたものを手で触れて、顔をいじることで粘膜からウイルスが体内に侵入するためです。

そこで、不特定多数が触る設備や器具については、こまめに消毒するように指導されています。特にドアのノブや電気のスイッチ、電話、テーブルなどが消毒の対象です。

また、ディーラーの場合、整備工場が併設されているところも多いでしょう。メカニックが作業するにあたって、それぞれが固有の工具を使用するように指導されています。

工具を共有してしまうと、感染者の触った工具を別の人が使用することで、感染拡大する恐れがあるからです。もしどうしても共有するものがあれば、使用のたびに消毒をするように求められます。

従業員に対する啓蒙活動

新型コロナに対する意識には個人差があります。「恐ろしい病気」と思っている方もいれば、「ただの風邪程度」と認識している方もいるでしょう。

新型コロナに対する意識を店内のスタッフで共有する必要があります。そのためには、定期的な啓蒙活動を進めるべきです。

新型コロナの感染拡大が店内で起きた場合のリスクについて、共有しましょう。その上で、感染防止対策の徹底の重要性を理解させることです。

また店内で気を付けていても、私生活がいい加減であればそこで感染する恐れがあります。日常生活において不要不急の外出自粛などの行動変容を促すようにも、ガイドラインでは指導されています。

コロナの車内における感染リスクについて

コロナの車内における感染リスクについて
不要不急の外出は自粛できても、仕事で車を運転する必要のある方は多いでしょう。実は車内でコロナに感染してしまうパターンも考えられるので、注意が必要です。

もし車の運転する頻度が多ければ、車内における感染対策も考えていかなければなりません。具体的にどのような対策をすればいいかについて、以下にまとめました。

短時間のドライブでも危険

ちょっと近所まで運転するのであれば、感染リスクは高くないと思っている方もいるでしょう。しかし近年の研究によると、たとえ短時間の運転でもウイルスが車内にまん延する可能性のあることがわかりつつあります。

アメリカのマサチューセッツ大学とブラウン大学がウイルス感染リスクについて共同研究しました。その結果、15分間の短時間の運転でも車内にウイルスがまん延すると最大3時間生存することがわかりました。

車を運転する際は窓は閉めっぱなしにするという方も多いかもしれません。窓が閉めっぱなしだと、車内は密閉された空間になり、ウイルスがずっと車内にとどまり続けることになるわけです。

もし誰か一人でも感染者がいれば、同乗者も感染してしまうリスクが高まります。

コロナへの車内における感染対策とは?

コロナへの車内における感染対策とは?
たとえ短時間でも車内で感染してしまう可能性のあることは、研究結果でも明白です。しかし、それでも複数人で運転しなければならないという方もいるでしょう。

その場合、感染リスクを低くするための対策を講じてください。具体的にどのような感染対策があるかについて以下で紹介します。

全ての窓を開けて換気する

前述した15分間ドライブしただけでも3時間ウイルスが生存すると発表した研究の中で、どうすれば安全かについても調査が行われました。その中で1時間あたりの空気交換量が最大だったのは、すべての窓を開けた状態にすることでした。

感染対策としてこまめな換気が効果的とよく言われます。車内の対策についても同様であることが、上の研究結果でも明白になりました。

空気の入れ替えを行えば、たとえ車内にウイルスがいても車外に飛ばせます。感染リスクもそれだけ低減できるわけです。

新型コロナではエアロゾル感染といって、呼吸によって放出されたウイルスをほかの人が吸い込むことで感染する可能性が指摘されています。しかし窓を開けっぱなしにした場合、ドライバーのエアロゾルは0.2~2%しか後部座席に達しないという研究結果も出ていて、安全性が高まります。

除菌・消毒の徹底

コロナへの車内における感染対策とは? 除菌・消毒の徹底
車内におけるウイルス対策ですが、基本的には屋内での対策と一緒と思ってください。まずは除菌・消毒対策をすることです。

今ではドラッグストアに行くと、いろいろな除菌グッズが販売されています。そこで運転する際には除菌シートで拭いたり、スプレーを吹きかけたりするのを習慣化しましょう。

特に家族など複数の人が運転する際には、運転前に消毒をしっかり行うことをおすすめします。ハンドルやカーナビなどのボタン、ドアノブ、シフトレバー、シートなどは拭くように心がけてください。

除菌シートの中にはボックスタイプのものも出ています。ボックスタイプのものを車内に置いておき、運転する前に拭き取りをして感染対策を進めましょう。

加湿対策

車内に加湿器を設置するのも感染対策としておすすめです。新型コロナウイルスはエンベロープウイルスの一種で、乾燥した環境の中では生存力と感染力が高まると言われています。

加湿器で湿度をあげることによって、コロナ感染を抑制する可能性が期待できます。車専用の加湿器がありますので、カー用品店でチェックしましょう。

ただし加湿器を使用すると、フロントガラスが曇る恐れがあります。前が曇って見えなくなると危険なので、こまめに拭き取るようにしてください。

また、カビの発生リスクも高まるので注意が必要です。結露が発生したのであれば、早めに拭き取ってカビ対策を進めましょう。

咳エチケットの徹底

咳エチケットの徹底
咳やくしゃみで飛沫が飛ぶことで、周りの人を感染させてしまう恐れがあります。車内の場合、どうしてもくっついて座る必要があるので飛沫リスクがいつもよりも高めです。

そのため、まずはマスクの装着を心がけましょう。マスクを装着する際には鼻から顎までしっかり覆って、隙間ができないように調整してください。

もし咳やくしゃみがしたくなったのであれば、上着の内側もしくは袖で口元を覆います。手で覆うと、手にウイルスがついたままベタベタ車内を触ることでウイルスが広がる恐れがあるからです。

またティッシュやハンカチがあれば、こちらで口を覆うのもおすすめです。ティッシュを使ったのであれば、速やかにごみ箱に捨てて処分しましょう。

業者にお願いする方法も

ディーラーではお客様のために感染対策のサービスを行っているところも少なくありません。いつも利用しているディーラーがウイルス対策を行っているのなら、こちらを利用するのもおすすめです。

車の専門家がウイルス対策を行っているので、素人の私たちの講じる対策よりも高い効果が期待できます。

例えばクレベリン施工サービスを実施しているお店があります。車内にクレベリンで加工するメニューです。

クレベリンは15分で99%のウイルスを除去する効果があると言われています。

クレベリンはウイルスのほかにも、車内のリフレッシュ効果も期待できます。値段はディーラーによって異なりますので、依頼する前に確認しておきましょう。

まとめ

①法定点検は必ずしも業者でお願いする必要はない
②車検は原則期限通り高感染状況によっては延長される場合もありうる
③業界でも感染対策に関する取り組みのガイドラインを設けている
④車内では加湿や除菌などの感染対策を徹底すること

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