中古車を購入する場合、自分が欲しい車の値段はどのくらいなのか、相場が気になるものです。また、相場をあらかじめ知っておくことで、より有利に購入することが可能になります。
この記事では、中古車の市場価格の調べ方、価格が決まる要因、安くて良質な車を見つけるためのコツなどを解説します。
見つけた車をより有利に購入するテクニックも紹介しますので、中古車を購入する際は、参考にしてください。
中古車価格の相場を把握しておこう!
中古車を購入する際は、自分が欲しいタイプの中古車の一般的な価格相場が気になるという方も多いでしょう。しかし、たとえ同じ車種でもその値段は販売店や時期、品物ごとに大きく異なることがあります。
予備知識がないままやみくもに調べても、そのように値段が違う理由が分からず混乱するかもしれません。
ここでは、中古車の市場価格には全体的にどのような特徴があるのか、そして市場価格はどのような要素で決まるのかを見ていきます。それを踏まえた上で、安価で良質な中古車を見つけるための心構えなども解説します。
中古車の市場価格の特徴について
最初に中古車の市場価格にはどのような特徴があるのか、その概要を説明していきます。
また、シーズンによって中古車の需要は変動するため、それによって値段が変わるのも特徴的です。
中古車の市場価格の価格帯には、大きな幅があります。
中古車は新車より安いとはいえ、購入する際は金額的にどのくらい必要になるか気になるところでしょう。
しかし、中古車の価格は車種やボディタイプなどの細かい内容によって変わってきます。また、年式・走行距離・人気のボディカラーや購入のタイミングによって変動するので一概には言えません。
そのため、インターネットで特定の車種の価格を調べてみても、サイトによってまちまちなのが現実です。
例えば、普通自動車の中古車価格は、あるサイトでは最低で20万円と書いてあるのに、別のサイトでは150万円と書いてあることもあります。同じく軽自動車も、20万円だったり100万円だったりとはっきりしません。
しかし、見方を変えれば、1種類の車種でもその価格帯の範囲内であればさらに安く購入できるかもしれないということです。ボディカラーを人気のカラーから不人気そうなカラーに変更するだけで、さらに安くなる可能性もあります。
中古車の市場価格は、年式、走行距離、車種、車両本体の状態などの要素によって決まります。また、市場の需要と供給のバランスにも影響されるため、市場全体の在庫数が変動すれば、それもまた価格変動の要因になりえます。
例えば、販売店で人気車種の在庫を多く抱えても、何らかの理由で需要が落ちれば価格は下がるでしょう。一方、全体の流通量は常に変動するものなので、タイミングによってはそれまで安かった車が急に高騰して入手できなくなることもあります。
新車発売時に人気モデルとして大ヒットした車の場合は、しばらくすると中古車の流通量が増えます。そのため、時間が経つごとに中古車価格は下落するでしょう。
反対に、新車時に人気がなく出荷量が少ない車でも、後に希少車として中古車価格が跳ね上がったりもします。
そして、中古車の場合は車検の残り期間が長いものほど価格が高くなる傾向です。車検のタイミングで車を買い替えるオーナーは多くいるため、こうした要素も価格に影響してきます。
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中古車の市場価格を決定づける要素について
ここまで見てきた通り、中古車の市場価格は流動的で価格帯の幅も広いため、全体で見ると捉えどころがないように感じられるかもしれません。
しかし、市場価格を決定づける細かな要素を一つずつ見ていくと、ある程度のパターンを見出すことができます。
中古車は、年式が古ければ古いほど安くなる傾向があります。
年式とは、その車が製造されて新車として最初に運輸(支)局に登録された年月のことです。つまり、年式が古ければその車は老朽化が進んでいると見なされます。
また、一般的に車の走行距離と年式は比例するものなので、両者はワンセットで中古車価格に影響を及ぼします。年式が新しくても走行距離が極端に多ければ、その車両は酷使されていると見なされて安くなることもあります。
前述した通り、車の年式と走行距離は一般的に比例するもので、ワンセットで中古車価格に影響します。
走行距離の目安は、1年で1万㎞とされており、走行距離10万㎞、つまり年式10年で中古車の価格は大きく下がります。
また、年式と走行距離のバランスも重要です。年式に対して極端に走行距離が長くても、老朽化が進んでいると見なされます。
反対に年式が古いのにほとんど走行していない車も、放置されていたことで老朽化が進んでいると見なされて中古車価格は安くなります。
人気のボディカラーやグレードの車の場合、少し古い車でも価格が高くなることが多いです。
中古車市場では、ボディカラーやグレードの需要によって価格に差が出ることが多いため、人気の高いものであれば、車の売却時に極端に値下がりすることはないでしょう。
ボディカラーについては、日本で特に人気が高いのが「ブラック」「ホワイト」「シルバー系」です。これらは三大カラーとも呼ばれています。
派手ではない、定番のカラーだからこそ人気が高く、販売店にとっても売りやすくなっています。
中古車の価格は時期によっても変動するので、売却は価格が高い時、購入は安い時にするのも一つの手です。
例えば、4月は新生活を始める方が増えますが、その直前には新車・中古車ともに需要が高まり、市場価格も上昇します。
反対に、市場価格が下落するのが年末年始の時期です。その理由は、クリスマスからお正月にかけてのイベントで費用がかかるといった理由から、車を買うのを控える方が多いからです。
さらに、先述した車の「年式」は1月1日を境に1年古くなるので、車によってはそのタイミングで価格が大きく下落するでしょう。
また、3月の決算期や9月の中間決算期の直前は、中古車価格が下がりやすいとされています。販売店側は決算に向けて多少無理をしてでも販売台数を増やそうとするからです。そのため、この時期は値下げ交渉も比較的しやすいと言われています。
他にも、夏や冬のボーナスの時期は新車・中古車ともに需要が高まります。また夏ならドライブ向けのオープンカー、冬なら走破性の高いSUVがそれぞれ需要が高まるでしょう。
車の価値が確実に下落する大きな要因として、事故歴・修復歴の有無があります。
事故歴・修復歴のある車というのは、過去に事故に遭遇したなどの理由で、大規模な修理を施した車のことです。安全性・機能面に関わるパーツが故障しやすくなっている恐れがあることから、値段が安くなります。
他にも、水没車といって過去に洪水や冠水によって泥水に浸かったことで故障のリスクが高くなっている車も、値段が下落しやすいです。
一見、大きな問題がないのに値段が極端に安い中古車は、こうした履歴があるかもしれないので、購入する際は注意しましょう。
安価で良質な中古車の見つけ方
ここまでで、中古車の市場価格の特徴や価格を決定する細かな要素について解説してきました。
以上の内容を踏まえた上で、ここからは安価で良質な中古車を見つけるためには、どのような点に着目すればいいのか説明していきます。
言うまでもなく、「安くて高品質の中古車」という都合のいいものはほとんど存在しません。値段が安いものには、安くなるだけの理由があります。
大切なのは、安値になっている理由は何なのかをきちんと知ることです。もしも年式の古さから安値になっているとしても、その車に長く乗るつもりがないのなら、年式や走行距離はあまり気にならないかもしれません。
このように、車が安値になっている理由(品質)と、値段の安さが自分にとってちょうどいいものかどうか、そのバランス感覚を前もってつかんでおくことが大事です。
良い中古車を探すためのポイント
中古車探しで「優良物件」を見つけるには、中古車の市場価格が変動するポイントを把握した上で、値段と品質のバランス感覚をつかんでおく必要があります。
以下では、良い中古車を見つけるために、さらに注意すべき点を解説します。
良い中古車を探す場合、その車の持ち主が、メンテナンスをこまめに行っていたかどうかはきちんと確認しましょう。
極端な例ですが、法定点検にも出さずに、故障や異常が起きてもほったらかしだったような車両は、すぐに故障する恐れがあります。
しかし、車を少し見ただけで、きちんとメンテナンスがなされていたものかどうかを見極めるのは、プロでも至難の業です。
そこで重要な手掛かりになるのが、記録簿(メンテナンスノート)です。正式には「定期点検整備記録簿」といいます。
この記録簿には、12ヶ月点検や24ヶ月点検の記録の他、修理や部品交換などのメンテナンスの履歴が細かく記載されています。
多くの場合、車検証や自賠責保険証などと一緒にダッシュボードに収納されているでしょう。整備記録簿からは、整備を行った工場、修理歴、車の状態など様々な情報が得られます。
中にはこの記録簿を紛失している中古車もありますが、そうした車には手を出さないほうが安全です。
前述の通り、外見は問題ない車でも、事故歴・修復歴や水没した履歴が隠れていることがあります。こうした車を購入するのは大きなリスクがありますので、極端に値段の安い車についてはきちんと履歴を確認すべきです。
事故歴・修復歴、水没歴がある車は、第一に安全面でのリスクを抱えています。例えば、まっすぐに走れない、ブレーキのような機関部に異常がある、エンジンに水が入ったことで故障しやすくなっているなどの不具合が起こる恐れがあります。
修理するとしても、こうした車の修理はエンジンを丸ごと交換しなければならないなど大規模になることも珍しくありません。値段が安いからと車を購入したのに、その後の修理代が高額になってしまうことも考えられます。
大切なのは、点検整備記録簿をチェックしたり、販売店員に確認したり、きちんと試乗したりして、その車の正確な情報をつかむことです。
車は売却しても車検の有効期限はリセットされません。そのため、中古車は次回の車検までの有効期限が残っている「車検あり」のものと、車検が切れている「車検なし」の2種類に分類できます。
車検なしの車は、購入しても車検を通さなければ公道を走れないので、車検費用の分だけ値段が安くなっています。
車検ありの車でも購入後、間もなく車検の有効期限が切れるというケースもあるので、購入時は次の車検までの期間もチェックしましょう。
中古車は、新車よりも故障する可能性が高くなります。そのため、販売店側で、車に保証をきちんとつけてくれるかどうかを確認するようにしましょう。
保証がついていない、もしくは極端に保証期間が短いような中古車は、販売店側も文字通りその車の品質を保証できないということになります。
その上、値段が安いとなれば、なおさらその車は故障するリスクが高いと言えるので、できれば最低でも6ヶ月程度の保証がついた中古車を選ぶようにしましょう。
中古車を購入する場合は前もって予算を決めておき、どの程度の品質であればいくらまで払ってもいいか、大まかでもいいので決めておきましょう。
また、これは新車・中古車に共通することですが、車を購入するとその後の税金や保険の支払い分なども発生するので、年間のランニングコストも考慮することが大切です。
その車を自分が使い続ける最も長い期間を想定した上で、その期間内の全体的な費用を算出しておくのがベストです。
後は収入とのバランスを見ながら、短期・長期の費用のやりくりについても考えておきましょう。
その車は街乗り用なのか、長距離や悪路を走るのか、乗車人数は多いのか少ないかなど、車の用途をはっきりさせておくのも大切なことです。
もし街乗り用であれば軽自動車で済みますし、家族が多いのであればボディサイズの大きい車のほうがいいでしょう。
車の用途を考えておかないと、自分に合った車を絞り込む段階で時間がかかってしまいます。
また、欲しい車のイメージがはっきりしていたほうが、販売店のスタッフも対応がしやすくなるので、購入までの流れがスムーズになるでしょう。
車の購入時は、車両本体価格だけではなく、年間の維持費のことも考える必要があります。また、購入時は車両本体価格以外にも諸経費がかかります。
諸経費は、車両価格の1~2割程度かかるのが普通です。そのため、こうした費用のことも考慮して車を選ぶようにしましょう。
良さそうな車を見つけたものの、もう少し値段を安くしてもらいたいという場合、お店側に値引き交渉をしてみるのも一つの手です。
例えば、3月や9月などの決算期は、お店側も少し無理をしてでも売り上げを伸ばそうとするので、そうしたタイミングを狙えば値引き交渉に前向きに応じてくれることもあります。
中古車でも、人気の車種などはリセールバリュー(再販売価格)が高いことがあります。
しかし、リセールバリューの高い中古車は、購入する時点で既に高価格であることが多いのです。それでも、車を売却する時に買取価格が高くなれば、次の車を購入する際の費用にあてることができます。
リセールバリューが高い車の特徴は、人気のボディタイプ、ブラックやホワイトといった定番のボディカラーの車などがあてはまります。
車の査定は何社に依頼するべき?
カーリースを利用する方法も
中古車を利用したいものの、状態が悪い車をつかまされるリスクは避けたい、注意点が多すぎて自分には難しいという場合は、カーリースの利用を検討してみましょう。
カーリースは、本体価格や維持費を全てまとめた上で毎月分割して支払っていくやり方で、頭金が不要というメリットもあります。
リース会社で提供する車はきちんとメンテナンスが行われているものが多く、新車だけでなく中古車を格安で扱っていることもあります。
ただし、中途解約する際に解約金がかかるなどのデメリットもあるので、メリットとデメリットを把握して利用しましょう。