中古車の購入契約は原則として解除できません

中古車の購入契約は原則として解除できません
中古車の購入契約が成立した後で解除することは、販売店にも何らかの損失があることが多いです。契約成立した後でどうしても契約を解除したい場合は、何らかのペナルティを負うことで解除できる場合もあります。

もしも契約解除したいからといって購入代金を支払わずにいると、最悪訴えられる可能性もあるため、よく考えた上で契約しましょう。

中古車の契約成立後は解除できないのが基本です

中古車の購入を契約した後、何らかの理由でやはり購入を見送り、契約を解除したいという場合もあるでしょう。しかし、原則として中古車の購入に関する契約が成立してしまった後でのキャンセルは、出来ないのが普通です。

キャンセルできないからこそ契約に重みがあります。よく考えて契約しましょう。

契約書を確認しましょう

契約した際、契約書に契約後のキャンセルについての項目について記載があれば、その項目に従いキャンセルすることは可能です。例えば、契約後キャンセル代として購入代金の10%を支払えばキャンセル可能となっている場合は、それに従うだけで問題なくキャンセルできます。

ここで、「すぐにキャンセルしたのに、キャンセル料を払うなんて嫌だ」と思ってしまう人もいるかもしれませんが、もしこの場合に払わないでいると、契約を一旦結んだ以上は訴訟に発展し、賠償請求をされてしまう可能性もあるため注意しましょう。あらかじめ良く契約書を確認してから契約することが重要です。

また、店によってはキャンセル料などなくキャンセルできる場合もあります。

中古車にはクーリングオフ制度が適用されません

契約解除と言うと、クーリングオフ制度を思い浮かべる人もいるでしょう。しかし、残念ながら中古車にはクーリングオフ制度は適用されないこととなっています。

そもそもクーリングオフ制度とは、通販あるいは訪問販売などで、よく商品を理解したり吟味したりしないまま購入契約を結んでしまい、後悔することのないように設けられた制度です。一方で、中古車の契約の場合は自分で中古車販売店を探し、欲しい車をよく吟味して、その中から一台を選んで契約するのが当たり前となっています。

そのため、中古車の購入契約はクーリングオフ制度の根幹である「よく商品を吟味しないまま購入してしまう」という問題には当てはまらないのです。

とにかく営業トークなどに流されず、自分の欲しい車をじっくりと選び、契約についてよく確認した上で、誠実に購入に踏み切るのが自分の身を守ることにつながります。

キャンセルするなら契約前にしておきましょう

キャンセルするなら契約前にしておきましょう
契約してしまった車は、原則としてキャンセルできません。しかし、逆に言うなら契約してさえいなければ、車の購入をキャンセルすることは可能です。

実際のところ、担当者と口約束で「購入する」と言ってしまうケースもあり、これが実質の契約となることもあります。しかし、口約束である以上は書類などはまだ作成していないため、契約したという証拠がありません。

そのため、やろうと思えば口約束段階でならキャンセルが可能です。ただし、不誠実な態度をとると担当者との信頼関係も壊れてしまいます。

同じ店で別の中古車を買いたい場合など、購入をやめることを丁寧に謝り、キャンセルに至った理由もしっかりと筋を通して説明した方が良いでしょう。

契約日には明確な定義があります

人によっては、そもそも契約日が明確でない場合もあるかもしれません。口約束から購入までのやり取りが次々と進み、今自分が契約しているのかいないのか、そもそもわからないこともあるでしょう。

実は、車の購入に当たる一連の流れのうち、いつを契約日とするかは明確な定義があります。

  • 自動車の引き渡し(納車)が行われた日
  • 自動車の名義登録が完了した日
  • 注文により販売店が修理・改造・架装を開始した日

このうち、いずれか早い日とすることとなっています。

中古車を購入すれば、当然名義変更して車の名義を購入者に変えなければいけません。しかし、名義登録にはわずかとはいえ費用や手間もかかります。

また、中古車にオプションで何かを追加した場合など、車に何らかの手を加える場合は当然その分お金がかかるでしょう。このように、キャンセルするにしても一旦お金がかかるような手続きを販売店側が進めてしまえば、キャンセルによって店側にその分損失が出てしまいます。

このような損失をキャンセルによって出さないためにも、自動車の名義登録が行われた日や、販売店が修理改造などを開始した日など、具体的な行動に出た日を契約日としているのです。もし、契約解除したい場合は、購入予定だった車が今現在どの状態にあるのかによっても変わってくるためできるだけ早く連絡しましょう。

契約日のルールは民間で決められています

車の契約日をいつとするかについては、法律で決められているわけではなく民間のルールによって決められています。実際、多くの販売店がこれに従っており、優良な販売店で購入すれば必ずこのルールになっていると考えてよいでしょう。

逆に、もしこのルールに従っていない店の場合は、協会の加盟店などでない可能性もあるため、いざという時のトラブルなどに巻き込まれやすくなります。そういった意味でも注意が必要です。

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契約した後でもキャンセルできるケースがあります

基本的には、契約前ならば解除可能で、契約成立してしまったら契約書に記載がない限りはキャンセルできない、ということになります。しかし、例外として契約した後でもキャンセル可能な場合があります。

例えば以下のような特殊なケースです。

購入者が未成年だった

車の購入は、未成年の場合は親の同意がなければ不可能です。そのため、親の同意のないまま車の契約をしようとしても、契約は成立しません。

この場合、親の同意とは「購入していいよ」というような口約束ではなく、実印や印鑑証明書など明確な書類が必要です。書類を提出していない場合、親の同意がないものとして契約は無効となります。

車に契約前の説明とは違う不具合が見つかった

そもそも販売する車に、事前の説明とは異なる瑕疵が見つかった場合も販売店側の責任として契約解除することができます。まれにある例ですが、事故車と呼ばれる修復歴がある車を、修復歴を偽って事故車でないとして売った場合も、もちろん契約解除することが可能です。

ただし、当然ですが、中古車ということで事故車を含め、もともと何らかの不具合を抱えている車もあります。その点について説明を受けていた場合はこの契約解除できる例には当たりません。

あくまで事前の説明とは異なる状態であった場合に適用されます。

トラブルに巻き込まれないように対策しましょう

トラブルに巻き込まれないように対策しましょう
契約解除となるとなにかとトラブルに巻き込まれることも多くなります。そのため、あらかじめトラブル対策の知識を持っておくことも大切です。

契約してしまった以上キャンセルはできないのが普通ですが、だからといって悪質な店にあたった場合、その不当な要求までのむ必要はありません。

不当なキャンセル料は支払う必要はありません

悪質な販売店の場合、キャンセルは可能であるものの、キャンセル料として明らかに法外な額を請求してくるケースもあります。一般的に、キャンセル料は車の代金の約10%が相場です。

また、名義登録や車のオプション追加など、キャンセルまでに発生した損害の実費を上回るほどの高額な請求は、法律で認められていません。そのため、例えば契約して数時間しか経っていないうちにキャンセルしたにも関わらず数十万円を請求されたなどの例では、キャンセル料を支払わずに済ませられるケースもあるため覚えておきましょう。

ただし、これはあくまで不当な請求の場合です。不当と認められない程度で、やや高額のキャンセル料を請求される可能性はあります。

あらかじめキャンセル料をよく確認した上で契約を結びましょう。

信頼できる販売店を選びましょう

キャンセルをスムーズに行うためにも、できるだけ最初から信頼できる店を探しておきましょう。悪質な店だと言った言わないの水掛け論になったり、高額な費用を請求されたり、面倒なトラブルを呼ぶことにもなりかねません。

また、実際に車に事前に説明がなかった不具合が見つかったのでキャンセルしたい、というような正当なキャンセルであっても、なにかと理由をつけて受付てもらいにくくなります。信頼できる販売店を選ぶには、まず購入前によく店の雰囲気を確認しておくことが大切です。

店員は信頼できそうな人か、こちらの質問にすぐ答えてくれるか、また店内の掃除は行き届いているかなど、細かい部分が店の体質を表します。安さに惹かれて購入すると痛い目を見ることもあるため、店選びは大前提として慎重に行いましょう。

(まとめ)中古車の購入契約は解除できる?

1.中古車の購入契約は原則として解除できません

いったん契約してしまうと、中古車であっても契約解除は難しいことです。店側が何らかの実損を被ることもあります。

どうしても契約解除したい場合は何らかのペナルティを負うことになるでしょう。一方的なキャンセルは損害賠償に発展することもあります。

2.中古車の契約成立後は解除できないのが基本です

中古車は、契約を成立させた後でキャンセルすることは基本的に無理です。自分で吟味して選ぶものであることから、クーリングオフ制度の対象にも当てはまりません。

キャンセル料などを支払ってキャンセルできることもあるため契約書を確認しましょう。

3.キャンセルするなら契約前にしておきましょう

契約後にキャンセルは難しいですが、契約前ならキャンセルは可能です。契約日がいつとなるかは納車した日、名義登録した日、修理や改造などに着手した日のいずれか早い日となるよう、民間のルールで決まっています。

手遅れにならないうちに連絡しましょう。

4.契約した後でもキャンセルできるケースがあります

契約後でも無条件でキャンセルできるのはやや特殊なケースです。未成年が親の同意なく契約しようとしたケースや、あらかじめ説明されていたのと違う状態の車であったなど店側に明らかな過失があるケースでは契約そのものが無効となります。

5.トラブルに巻き込まれないように対策しましょう

契約の解除ではトラブルが起こりがちです。あらかじめトラブルになっても誠実に対応してくれそうな、信頼できる販売店を選びましょう。

また、もし不当な高額のキャンセル料を請求された場合は、素直に支払う必要はありません。実損以上の請求は無視できます。


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