中古車を買取業者に売却する際、いくつか必要書類の提出が求められます。それは事務手続きなどで必要になるからです。
必要書類の中の一つに、今回紹介する納税証明書があります。ここでは納税証明書とはどのようなものかについて紹介していきます。
中には、納税証明書を捨てたなど紛失して手元にないという人もいるかもしれません。その場合の再発行手続きのやり方についてもまとめましたので、参考にしてください。
買取時に必要な納税証明書の基礎知識
中古車売買の必要書類の一つに、納税証明書があります。そもそも、この納税証明書とはどのような書類なのでしょう?
ここでは、納税証明書とはどのようなものかについて見ていきます。
また、なぜ中古車売買時に提出を求められるのか、その理由についても解説します。
納税証明書とは、正式名称「自動車税納税証明書」と言います。文字通り自動車税の納税を証明するための書類です。
自動車税は毎年4月1日時点で車を保有している方に対して課税される税金です。4~5月ごろに自動車税の納税申請書が届きます。
その納税申請書を持って銀行やコンビニなどに行って納税手続きをすると、受領印の押された半券が戻ってきます。この半券が自動車税納税証明書です。
小さい紙きれのようなものなので、ついどこかにやってなくしてしまうという方も少なくありません。しかし、この半券が自動車税を滞納することなく納めた証明書となります。
公的書類の効力もあるので、きちんと保管しておきましょう。
中古車売却時に納税証明書は必要か?
納税証明書は、車を売却する際の必要書類の一つになっていることが多いです。
中古車販売店のホームページで必要書類を掲載しているところを見ると、ほとんどに納税証明書が明記されています。
しかし、法的に見ると車の売買時に納税証明書を提出することは義務付けられていません。そのため、公的なルールでは中古車売却時に納税証明書を絶対に提出する必要はないということです。
納税証明書が必要なのは中古車業界の事情によります。以下で詳しく説明します。
車両の名義変更手続きをするにあたって、納税証明書は必須の書類ではありません。しかし、多くの業者で売却時には提出するように求められます。
これはトラブルを回避するためです。
もし自動車税を滞納している車両を引き取って、中古車として別のお客さんに販売したとします。すると次のオーナーに対して、滞納している自動車税の支払いが請求されてしまいます。
そのため、「どうなっているのか?」と購入したお客様との間でトラブルが発生するでしょう。
このような滞納トラブルを避けるためにも、業者はきちんと納税がされているかを確認する必要があります。よって、納税証明書を提出するように求められるわけです。
納税証明書は車売却時に必要ですが、この傾向は近年変わりつつあります。それは納税確認の電子化が導入されたからです。
平成27年4月から国土交通省と都道府県のシステムを連携させ、その結果、コンピューターを使って個別の車両で自動車税が納税されているか確認できるようになりました。
こちらで確認できれば、納税証明書を提出する必要はありません。
ただし、納税証明書の提出については今のところケースバイケースで、都道府県によって対応が異なるのが現状です。そのため、納税証明書は提出する必要があると考えておきましょう。
納税手続きをして、返却された半券は紛失しないようにきちんと保管しておいてください。
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納税証明書がない場合の対処法について
納税証明書が中古車売却時に必要だけれども、なくしてしまって手元にないという方もいるでしょう。
その場合でも心配はありません。納税証明書は再発行してもらうことが可能です。
ここでは納税証明書の再発行手続きをどのようにして行うのかについて解説するので、いざというときの参考にしてください。
自動車税納税証明書の再発行手続きは普通自動車と軽自動車で受付場所が違います。
- 普通自動車・・・「自動車税事務所」もしくは「自動車税管理事務所」
- 軽自動車・・・「市区町村役所の納税課」
自動車税事務所は都道府県ごとに設置され、自動車税管理事務所は運輸支局場内に用意されています。まずは最寄りの自動車税事務所、自動車税管理事務所がどこにあるのかインターネットなどで調べてください。
自動車税事務所、自動車税管理事務所、役所は、平日の日中しか受付を行っていません。そのため、仕事をしていると立ち寄れないという方もいるでしょう。
その場合は郵送で手続きできる自治体もあります。都道府県によって対応は異なるので、Webサイトで確認してみてください。
納税証明書の再発行手続きをする際には、必要書類がいくつかあります。
必要なものは以下の3つです。忘れずに持参しましょう。
- 車検証
- 本人確認書類
- 印鑑
都道府県によって必要ない場合もありますが、この3つを持っていけばほぼ確実に再発行手続きできると思ってください。
本人確認書類は、顔写真入りの公的な書類が好ましいです。運転免許証やパスポートなど、いずれか1つを用意します。
印鑑については認印でもかまいません。実印ではないので、印鑑証明も必要ないです。
再発行してもらうにあたって、手数料がかかります。都道府県によって異なりますので、お住まいの自治体がいくらなのか、事前にホームページなどで確認するといいでしょう。
多くの自治体では400円前後となっていますが、車検用の納税証明書は無料としている自治体もあります。
クレジットカード払いで納付する場合
自動車税の納税方法ですが、キャッシュレスで支払える場合もあります。都道府県によってはクレジットカード払いができるところがあるようです。
ネットから支払いができるので納税証明書は発行されません。そのため、クレジットカード払いをした時の納税証明はプリントアウトで対処しましょう。
ネットで支払った場合、支払い確認のページが画面に表示されます。この画面をプリントアウトして必要書類として提出すれば問題ありません。
クレジットカード払いの場合、支払い確認が取れるまで少し時間がかかる点に注意が必要です。2週間くらいかかるとされています。
自動車税を納税した直後に売却しようと思っているのであれば、2週間くらい経過してから手続きを進めましょう。
クレジットカードを持っているのであれば、自動車税納税にも活用するといいでしょう。
ショッピングしたときと同じように、支払った税額に合わせてポイントを貯められます。また、キャッシュレスで納税できるのもメリットの一つです。
カード払いであれば、ネットで手続きできるので、24時間いつでも自分のタイミングで支払いができます。仕事で忙しくてコンビニや銀行まで支払いに行けない時にもおすすめです。
一方で、注意点もあります。お手持ちのカードによっては納税できない可能性が考えられます。また、支払い完了の確認までに一定期間が必要なのもデメリットといえます。
決済アプリで納付する場合
スマホ決済アプリを使って普段ショッピングしている方もいるでしょう。そのスマホ決済でも
納付書に印刷されているバーコードを読み取ることにより自動車税を納めることができます。
スマホ決済で納税した場合、こちらも納税証明書は発行されません。もし買取業者で納税証明書を提出するように求められた場合には、税事務所で手続きすれば発行してもらえます。
ただし、自動車税の納付確認は電子的に行えます。そのため、納税証明書の提出は不要というお店もありますので、前もって確認しておきましょう。
スマホ決済を利用した場合も、納付確認ができるまで時間がかかります。その点も留意して売却手続きを進めてください。
スマホ決済で自動車税を納税すると、カード払い同様ポイントが発生するのはメリットです。どの決済アプリを使っているかで還元率は変わってきますが、だいたい0.5~2.5%相当のポイントがもらえることが多いです。
カード決済の場合、手数料を取られる可能性があります。スマホ決済の場合は手数料が発生しないので、余計なコストがかからないのもメリットの一つです。
ただし、スマホ決済は日本全国で利用できるわけではありません。自分の住んでいる地域では対応しているかどうか、前もって確認しておく必要があります。
また、納付確認できるまで時間がかかるのもデメリットの一つです。クレジットカード払いと同様に納付してから2週間程度かかると考えておきましょう。
車の査定は何社に依頼するべき?
自動車税が未納でも売却は可能?
自動車税が未納の状態では、車は売却できないと考えてください。
ほとんどの買取業者で、売却時に納税証明書の提出が求められます。納付確認の電子化も進められているため、未納の状態で車を売却しようとしても、納付の有無はすぐに確認できます。
一部、自動車税未納の状態でも車を買い取ってくれるお店もあるようです。しかし、その場合は査定額から自動車税分を差し引いた金額で買い取るということになるでしょう。
いずれにしても、自動車税は支払わないといけません。納付書が自宅に届き次第、速やかに納税してください。
中古車買取時に必要な書類
車を売却する時は、納税証明書以外にもいくつか必要書類があります。必要書類に不備があると、売却手続きが進みません。
では、どのような書類が必要なのでしょうか?
ここで必要書類についてまとめましたので、売却を検討している方は準備を進めていきましょう。
車検証は正式名称「自動車検査証」と言いますが、車を売却する際に必要な書類です。
車検証は自動車の身分証明書ともいうべきアイテムです。車検証には車両に関するさまざまな情報が記載されています。
車内で保管するよう義務付けられているので、ダッシュボードの中などに入っていることが多いです。
もし車内を調べても見つからなければ、再発行手続きが必要です。
再発行手続きは、ナンバーが登録されている陸運局(例:足立ナンバーであれば足立の陸運局)で受け付けています。
中には自分で手続きするのが難しい場合もあるかもしれませんので、その場合には買取業者の担当者に相談してみましょう。お店によっては再発行手続きを代行してくれる場合もあります。
もし代行をお願いする場合は「委任状」が必要となります。
自賠責保険の証券も必要書類の一つです。
自賠責保険は公道で車を運転する際、加入が義務付けられています。もし自賠責保険に加入していない車を公道で運転すると、処罰の対象となります。
次の車のオーナーになる方とのトラブルを回避するためにも、自賠責保険に入っていることを証明する書類が必要です。
自賠責保険の証券も、車内で保管されていることが多いです。車検証と一緒に車のダッシュボードに入っていることが多いので、確認してみましょう。
もし証券を紛失してしまったのであれば、加入している保険会社に連絡します。再発行には1週間くらいかかるので、早めに手続きを進めてください。
普通自動車を売却する際には、実印を用意する必要があります。
軽自動車を売却する場合には、実印ではなく認印でも構いません。
実印として登録するためには、印鑑に関する条件がいくつかあります。大きさは、正方形で一辺8mmよりも大きく、25mmよりも小さいものでなければなりません。
また材質についても条件があり、変形してしまうような材質のものはNGです。具体的にはゴム印やスタンプは実印として認められないこととなっています。
輪郭がない、一部欠けている部分があるような印鑑も実印として登録できないので注意しましょう。
普通車を売却するときには、実印が必要です。そして実印であることを証明する印鑑登録証明書も必要になるので、準備しておきましょう。
印鑑登録証明書は、住んでいる市区町村役場で発行してもらえます。印鑑登録証明書の発行自体は即日で行えます。
印鑑登録証明書を発行してもらうためには、印鑑登録手続きが必要です。もし印鑑登録をしていなければ、登録手続きをまず済ませましょう。
印鑑登録と印鑑証明の同日発行も可能です。その際、免許証などの「顔写真付きの証明書」が必要になります。その他の必要な持ち物については住んでいる市区町村役場のホームページで確認しておきましょう。
売却する際、リサイクル券も提出するように求められます。
自動車リサイクル法によって、車を所有する際には廃車費用を前もって支払う決まりになっています。きちんとリサイクル料を支払っていることの証明になるのが、リサイクル券です。
グローブボックスの中などに保管されている場合が多いので、確認してください。
紛失してしまった場合、リサイクル券の再発行はできません。この場合、自動車リサイクルシステムから代用の書類をプリントアウトする形になります。
自分で手続きをする際、車体番号や登録番号などが必要です。車検証に記載されているので、車検証を手元に置いて手続きを進めるといいでしょう。
買取業者に車を売却する場合、名義変更手続きは業者に代行してもらうことがほとんどです。この代行をお願いするにあたって、委任状を作成する必要があります。
委任状については、お店のほうで用意している場合が多いです。白紙の委任状を出されるので、所定の場所に住所と氏名を記入して実印で押印して提出する形になります。
もしお店で用意していないようであれば、自分で委任状を作成しなければなりません。委任状は国土交通省のホームページに用意されているので、ダウンロードしてプリントアウトしましょう。そして所定の箇所に住所と名前を記入して押印します。
これは全員が必要な書類ではありませんが、車検証に記載されている住所と現住所が一致していない場合は住民票も提出しなければならないかもしれません。
例えば、引っ越をして間もないので、車検証の住所変更手続きをしていないと、このようなことが起こりえます。
住民票があれば、前の住所と現住所が記載されているため、車検証と印鑑登録証明書の整合性を証明できます。
住民票はお住まいの市区町村役場で発行してもらえます。住民票発行の際には手数料がかかりますので注意してください。
このように余計な手続きをしなければならないので、もし引っ越しをしたら車検証の住所変更手続きを速やかに済ませておきましょう。