車検証は車に関する手続きにおいて様々な場面で使う書類です。そのため、紛失してしまった場合は再度入手できる方法を知っておく必要があります。
この記事では、車検証の再発行方法を知りたい人に向けて、必要な書類や手続きの流れを詳しく解説します。
この記事を読めば車検証を失くしてしまったとしても再発行の手続きをスムーズに進められるようになるでしょう。
車の車検証は再発行が可能
車検証は失くしてしまったとしても再発行できます。そのため、トラブルが発生したとしても落ち着いて対処しましょう。
車検証は紛失してしまうと、車を公道で運転できなくなってしまいます。それほど重要な書類ですが、保管方法を誤ってしまえば紛失することもあるでしょう。そこで再発行の手続きや準備すべき書類を知っていれば、落ち着いて対処できます。
とはいえ、紛失しないように日々注意しておきましょう。車を購入すると車の説明書とともに車検証入れもディーラーからもらえます。そのため、常に車に保管しておき、紛失しないように対処しておくことが重要です。
車検証とは?
車検証は、国が定めた安全基準を満たしていることを証明するための書類です。公道で走行するためには欠かせない書類であり、運転時には必ず携行するようにしましょう。紛失したまま走行すると道路運送車両法違反になります。
ここでは、運転時には常に備え付けておかなければならない理由や、紛失時の注意点について紹介します。
車検証の携行は道路運送車両法によって義務付けられています。携行せずに公道を走行すると法律違反に該当し、50万円以下の罰則が科される可能性があります。
また、原本を携行しておかなければなりません。コピーでの代用は認められておらず、コピーを携行していたとしても罰則の対象に含まれます。
書類の備え付けだけでなく、車検満了日を示す「検査標章」も掲示しておかなければなりません。
車検証を車内に保管しておく場合、通常は助手席前にあるグローブボックスに収納しておくのが一般的です。車種によってはドアポケットやトランクルームの空きスペースに収納されているケースもあります。
紛失した場合は、速やかに再発行の手続きを進めましょう。紛失したまま公道を走行してはいけません。もし運転してしまうと法律違反となり、罰金を科される可能性があるためです。
再発行の手続き方法はいくつかあります。例えば、ディーラーや代行業者に依頼する方法や自分で運輸支局や関係各所へアクセスして手続きを進める方法です。
業者に依頼すれば実際に準備するものは少なく簡単に手続きができますが、費用がかかる点に注意しましょう。なるべく安く済ませるためには自分で手続きすることをおすすめします。
手続きが完了するまでの間は公共交通機関を利用しましょう。
車検証の再発行にかかる費用
車検証を再発行するためには手数料が発生します。また、業者に代行してもらう場合、代行手数料も発生する点に注意しましょう。
手数料は普通自動車であっても、軽自動車であっても350円です。普通自動車であれば運輸支局の窓口で、軽自動車であれば軽自動車検査協会の窓口で支払いましょう。運輸支局の場合は必要金額分の自動車検査登録印紙を購入しなければなりません。
ディーラーに対応してもらう場合は、およそ1万円以上必要になるようです。業者によって金額は異なるものの、費用を抑えたい場合は自分で処理できるようにしましょう。
車検証の再発行に必要な書類
車検証を再度発行するために必要な書類にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、それぞれの書類の役割や入手方法について詳細に説明します。
申請書は再度書類を発行してもらう際に必要な書類です。事前に記入できる部分があるため、手続きを進める前に記載しておくとスムーズに進められるでしょう。
入手場所は、運輸支局(普通自動車)もしくは軽自動車検査協会(軽自動車)の窓口です。各所のインターネット上からでもダウンロードできるため、窓口に赴けない場合はインターネットを利用しましょう。
普通自動車か軽自動車かでフォーマットが異なるため注意が必要です。
理由書は再発行する理由が紛失や盗難によるものの場合に提出が必要な書類です。また、普通自動車である場合に必要ですが、軽自動車の場合は必要ありません。運輸支局での手続き時に使います。
「なぜ車検証を再発行しなければならないのか」を記入する書類であるため、汚れてしまったり、破れてしまったり、書き損してしまった場合は提出しなくても構いません。
書類自体は、運輸支局の窓口で入手するかホームページからダウンロードできます。ただし、地域によって書式が異なっていたり、ホームページからダウンロードできなかったりする場合がある点に注意しましょう。
検査登録印紙は、再発行時に発生する手数料分の収入印紙を指します。手数料納付書に貼付し提出しましょう。運輸支局の窓口で購入できます。
収入印紙の購入が必要なパターンは、普通自動車の車検証を再発行する場合に限られており、軽自動車の場合は該当しません。軽自動車の場合は軽自動車検査協会の窓口で手数料を支払いましょう。金額はどちらであっても350円です。
身分証明書として利用できる書類は、運転免許証であったり健康保険証であったり、本人確認できる書類を準備しましょう。また、パスポートや外国人登録証明書なども利用できます。
本人以外が申請する場合、つまり代理人が申請する場合は、代理人の身分証明書も必要です。誰かに手続きを代わりにしてもらう場合は注意しましょう。
また、本人確認できなければ再発行申請が受理されない可能性があります。
車検証が汚れてしまったり、破れてしまったりした場合に再発行してもらう際には、手元にある車検証を提出しなければなりません。そのため、「汚れた車検証は新しくするため、もう捨てていいだろう」といって破棄しないように注意しましょう。
しかし、紛失によって再発行する場合は用意できないため、状況によって要・不要は異なります。
手続き上、変化した部分もあるため紹介します。2021年より以前は申請時に印鑑が必要でした。印鑑は実印でなく、認印でも問題ありません。書類に押印箇所があり、申請書と委任状のどちらにも押印しなければなりませんでした。
しかし、役所での手続きに押印が省略されるようになってきています。2021年以降は押印が不要となったため、印鑑がなくても申請できるようになっています。
軽自動車の車検証の再発行では必要な書類が異なる
これまでは普通自動車および軽自動車の両方に共通するような書類を紹介しました。しかし、軽自動車は必要な書類が一部異なります。
例えば、申請書は「軽第3号様式」といった名称です。これは、普通自動車における自動車検査証再交付申請書に該当します。申請場所も運輸支局ではなく、軽自動車検査協会になるため注意しましょう。
汚損や破損の場合に再発行する場合は、現存する車検証を提示しなければなりません。手続きを進める場合は手数料が350円ほどかかるため注意しましょう。
また、誰かに手続きを代行してもらう場合、委任状ではなく申請依頼書を準備しなければなりません。こちらも、協会の窓口もしくはホームページでダウンロードできます。ただし、本人確認書類は不要です。
車検証を再発行する方法
車検証を紛失した時に再度交付してもらうためには、自分で手続きするケースと代行業者に依頼するケースがあります。それぞれのケースで申請方法や窓口が異なりますが、内容を知っていれば自分にあった方法が分かります。
ここでは、再発行時の具体的な手続き方法について紹介します。
自分で処理する場合、申請場所はナンバープレートを確認しましょう。記載されている管轄地域の運輸支局もしくは軽自動車検査協会で手続きします。
もし、管轄の窓口が分からない場合は、国土交通省や協会のホームページに住所等が公開されています。
基本的に平日しか受け付けてもらえません。具体的な対応時間は、8時45分~11時45分と13時~16時までです。
当日は、再発行申請書や理由書、本人確認書類など必要な書類を準備して訪問しましょう。申請場所で手数料となる収入印紙を購入できます。手数料納付書に印紙を貼付し、持参した書類とともに窓口へ提出すれば手続きは完了です。
手続きから発行まで、およそ30分~1時間程度で済みます。整理番号を呼ばれたら窓口へ行き、新しい車検証を受け取りましょう。
平日に自分で対応できない場合は、代行業者に依頼しましょう。業者に依頼すれば時間はかかるものの、自分で書類の準備や手続きのために管轄の運輸支局や軽自動車検査協会へ行く必要はありません。
とはいえ、代行手数料が発生する点は理解しておきましょう。相場は4,000円~5,000円とされていますが、依頼する業者によって値段は異なり、中には10,000円ほど請求するものも少なくありません。そのため、依頼する前に料金を確かめておきましょう。
代行してもらえれば、再発行手続きに必要な書類準備の手間は省けますが、委任状や理由書、本人確認書類は自分で準備しなければなりません。
とはいえ、引っ越ししたことで管轄地域から離れてしまったり、仕事が忙しくて時間が取れなかったりする場合に代行業者は強い味方です。
車検証の再発行の流れ
自分で手続きする場合であっても、代行業者に依頼する場合であっても、基本的な再発行の流れは押さえておくと良いでしょう。
自分で手続きを進めるのであれば、スムーズに物事を進められます。また、業者に頼む場合であっても、不要なサービスがないか判断する必要があるため、過剰な手数料の支払いを避けられるかもしれません。
正しい知識を身につけるためにも、ここでは具体的な手続きの流れについて紹介します。
まずは必要な書類を入手するところから始めましょう。提出しなければならない書類は運輸支局もしくは軽自動車検査協会にて手に入れられます。もし、直接出向けない場合は各役所のホームページにてダウンロードできるため、パソコンとプリンターがあれば自宅でも準備できます。
記載例が窓口やホームページに用意されているため、参考にして必要事項を記入してください。後述する印紙を貼付しなければならない手数料納付書についても、窓口もしくは自宅で記入しておけばその後の流れもスムーズです。
準備した手数料納付書へ収入印紙を貼付しましょう。
印紙は再発行用の手数料として購入しなければなりません。運輸支局内に販売窓口が用意されており、そこで買えます。
必要書類を準備できれば、窓口へ提出しましょう。不備があれば職員から訂正指示をもらうため、指示に従って訂正します。
提出から交付までの目安時間はおよそ30分~1時間です。ただし、月末は繁忙期です。そのため、窓口に長蛇の列ができていたり、交付まで長い時間待たなければならなかったりします。
もし速やかに済ませたい場合は月末を避けましょう。
窓口で呼ばれたら、新しい車検証を受け取ってください。この時、記載されている内容にミスがないか必ず確かめましょう。
車検証を再発行するときの注意点
車検証を紛失してしまった場合、速やかに再発行してもらわなければなりませんが、いくつか注意点があります。
焦ってしまい誤った行動をとってしまえば、最悪の場合に罰則を受けなければならないリスクがあります。落ち着いて行動することでリスク回避できるため、正しい知識を身につけておくと良いでしょう。
ここでは、再発行時に守るべきポイントについて紹介します。
車検証がなければ運転してはいけません。国の基準に適合している車かどうか、保証できないためです。法律上でも公道での走行は禁じられています。
そのため、手続きを進めるためには公共交通機関を利用するか、違う車を利用しましょう。
もし、紛失したまま公道を走ってしまうと道路運送車両法66条の違反となり、50万円以下の罰金刑に処されます。
車検証が破れてしまったり、汚れてしまったりしたことで再発行してもらわなければならない場合、手元にあるのであれば提出しなければなりません。
そのため、たとえ使えなさそうだとしても破棄しないように注意しましょう。また、提出した車検証は回収されます。
自賠責保険証は車検証とともに保管しておくことが多い書類です。もし、車検証ケースごと紛失してしまった場合、あわせて紛失している可能性が高いため、書類の有無を必ず確かめましょう。
もし気付かずに車検証のみを再発行してもらったとしても、車を公道で運転できません。自賠責保険は強制保険として加入が義務付けられており、携帯しなければ運転できないと法律で定められているためです。紛失したまま運転してしまえば、自動車損害賠償保障法の違反として30万円以下の罰金が科されます。
できる限りこれら2つの書類のどちらかがなくなっていないか、必ず確かめるようにしましょう。