購入した車にもう乗らなくなった場合や、故障で処分が必要になった時に、ディーラーに相談していいか悩む方もいるでしょう。

この記事では、廃車とディーラーの関係性について解説します。

ディーラーに廃車を依頼したい場合や廃車専門業者に依頼したほうがいい場合などケースごとに対応を紹介します。

自分にあった場所で廃車手続きを行いましょう。

車を廃車にする際にディーラーへの連絡は不要

車を廃車にする際にディーラーへの連絡は不要
ディーラーで車を購入する場合、担当者と関係を築きながら納車まで手続きを進めます。

納車時には温かくお祝いしてもらえることもあり、定期的にコミュニケーションを取ってもらえる場合、廃車や車を手放す際に「連絡したほうがいいのでは?」と後ろめたさを感じるかもしれません。

しかし、ディーラーで車を購入したからといって必ず報告する必要はありません。ローンの支払いがある場合や次の車もディーラーで購入する場合は報告が必要ですが、他のメーカー車に乗り換えたり中古車を購入したりする場合は不要です。

基本的にディーラーへの連絡は不要ですが、今後同じメーカーで車を買う予定がある場合や円滑なコミュニケーションを継続したい場合は、無理のない程度に連絡するのがおすすめです。

廃車の際にディーラーに連絡するケース

"廃車の際にディーラーに連絡するケース
車に乗らなくなった、車体が全損して乗れない状態になった時は廃車を検討します。

しかし、廃車はディーラーだけでなく中古車販売店や廃車専門業者でも行えるため「ディーラーに連絡する必要はあるんだろうか」と悩む人も多いでしょう。

ここからは、廃車を決めた場合にディーラーに連絡が必要なケースを2つ紹介していきます。

ローンが残っている場合は連絡して完済する

ローンが残っている場合、廃車手続きを行えないため完済とディーラーへの連絡は必須です。

車をローンで購入した場合、所有者が自分ではなくローン会社やディーラーになっているケースがあります。廃車は所有者か所有者の委任を受けた人しか手続きを行えないため、このままでは申請を進められません。

まずはローンを完済し、所有者を自分に変えることが大切です。ローンの残高を確認して一括で支払える場合は返済を済ませると名義を自分に変更できます。

しかし、返済が難しい場合は借り換えを行ったり、そもそも廃車手続きを一度中止したりする必要があるでしょう。

今後もよい関係性を築きたい場合は連絡がおすすめ

負債がない場合でも、ディーラーの担当者と密にコミュニケーションをとって今後もよい関係性を築いて行きたい場合は連絡を入れておくと親切です。

他の業者で廃車手続きを行う場合でも「今回は廃車にするけど、また車を買うときはよろしくね」と一言伝えておくだけでも相手の反応は変わります。

万が一の事故や、やむを得ない事情で廃車する場合は、その旨を伝えておくと、不必要に営業をされないでしょう。

また、車が好きで普段からディーラーに車を見に行き、様々なメーカーの情報収集を行っている場合も廃車連絡を入れてみましょう。ひょっとしたら次の車候補になるお得な情報を聞ける可能性があります。

廃車する際、ディーラーに連絡を入れる必要はありますか?
ディーラーで車を購入し、他の業者で廃車手続きを取る場合、連絡は必要ありません。ただし、ローンを払いきっていない場合は例外です。ローンを組んでいる間は完全に車が自分のものになっていないため廃車手続きができない可能性があります。ローン残高が残っている場合は必ずディーラーに連絡したり完済したりしてから廃車手続きをとりましょう。

【流れを解説】廃車はディーラーでも可能

【流れを解説】廃車はディーラーでも可能
ここからは、ディーラーで廃車を行う際の手続きを紹介します。

ディーラーで廃車手続きをして、新車を購入する場合は、廃車と購入が同時進行するため見通しを持ちましょう。

ディーラーの担当者が十分配慮してくれますが、廃車と納車のタイミングに注意が必要です。

①ディーラーに連絡して廃車の申請を行う

まずはディーラーに連絡し、廃車を相談します。購入時の担当者が分かる場合は、その人向けに連絡すると話がスムーズです。

廃車は購入から年月が経って行うケースがほとんどなので、担当者が店舗を離れている可能性があります。しかし、顧客情報が残っているため問題ありません。

多くの場合、廃車手続きは予約が必要なため期間にゆとりを持って連絡しましょう。

②ディーラーで車を購入する場合の手続き

乗り替えの場合、廃車と同時に車を購入します。

ディーラーで廃車手続きを行う場合は、あわせて新車を購入するケースがほとんどです。

欲しい車種がすでに決まっている場合は廃車相談の際に連絡し、まだ車種が決まっていない場合は担当者と相談しながら決定しましょう。

カタログを見るだけでなく、実際に試乗して決めると乗り心地を確認できるため後悔なく選べるでしょう。

③納車日を元に廃車日を決定する

車種が決まったら購入の手続きに進みます。

手続きを進める中で納車日が決まるため、その期日にあわせて廃車日を決定します。

ディーラーで廃車するメリットは廃車から次の車の手配までスムーズな点です。自分で廃車の段取りを考えなくとも旧車と新車の乗り替えがロスなく行えます。

担当者から伝えられたスケジュールで廃車手続きを進めましょう。

④廃車に必要な手続きをとる

スケジュールが決定したら廃車に必要な書類を揃えていきます。必要書類はディーラーの担当者から説明されます。

なお、廃車手続きには「永久抹消登録」と「一時抹消登録」がありますが、ディーラーの場合は永久抹消登録です。

参考までに、下記に一般的な廃車手続きに必要な書類を記載します。

  • 車検証
  • 印鑑証明書(発行日から3ヶ月以内のもの)
  • 印鑑
  • 申請書(第3号様式の2)
  • 対象車の解体報告記録がなされた日や移動報告番号
  • (代理人が申請する場合)実印が捺印された委任状

永久抹消登録は車体を解体した後に陸運支局や軽自動車検査協会に申請を行います。その理由は、車体を残したまま廃車申請を行うと車の悪用や転売が懸念されるためです。

なお、永久抹消登録は車を今後完全に乗れなくする手続きです。それに対し、一時抹消登録は登録を抹消するものの車自体は保管しておける手続きです。

いずれも公道の走行が不可になる手続きに違いはありませんが、一時抹消登録は今後乗る見込みがある場合に申請します。

ディーラーの場合は新車購入を目的に廃車手続きをとる人が多いため、一時抹消登録はあまり見かけない手続きでしょう。

⑤引き渡し

廃車手続きと新車購入手続きが済むと車の引き渡しを行います。

当日は必要な書類を持参して所定の場所へ向かいます。なお、稀なケースではありますが、車が自走できない状態の場合は別途レッカー手配が必要です。

ディーラーの場合、廃車費用はどれくらいかかりますか?
代行費用として1万円〜5万円程度かかる可能性があります。しかし、ディーラーで次の車を購入する場合は特典として免除になったり、下取りとして相殺されたりする可能性もあります。
愛車の買取相場を知ることで高く売ることができます 愛車のかんたん査定はこちら

ディーラーに廃車を依頼するメリットとデメリット

ディーラーに廃車を依頼するメリットとデメリット
ディーラーに廃車依頼するケースはあまりありませんが、次の車の購入方法や都合によっておすすめの人もいます。

ここからは、ディーラーで廃車手続きをとるメリットとデメリットを紹介します。

メリット

ディーラーへ廃車依頼するメリットは、下記の2つが挙げられます。

  • 廃車から納車までのスケジュール調整がスムーズ
  • 安心して依頼できる

ディーラーは各メーカーの公式店舗のため、取り扱う情報や手続きがクリアです。そのため、廃車手続きでトラブルが起きにくいでしょう。

また、ディーラーで車を購入する場合は納車日にあわせて廃車手続きを行えるため、自分で段取りを組まずに済みます。

仕事が忙しくても説明取りに手続きを進めればいいため、ストレスを感じにくいでしょう。

デメリット

廃車におけるディーラーのデメリットは、下記の2つが挙げられます。

  • 費用が発生する
  • 他社メーカーの車を持ち込みにくい雰囲気がある

ディーラーで廃車手続きを行う場合、費用が発生するケースがほとんどです。費用は数万円の幅があるため各店舗で確認が欠かせません。

車をディーラーで購入する場合は、キャンペーンやキャッシュバックで費用を抑えられる可能性もあります。

また、他社メーカーの車をディーラーに持ち込む場合は「断られるのでは…」と不安を感じます。他社メーカーだからといって断られるケースはありませんが、やはり頼みにくさは感じられるでしょう。不安な場合はまず電話で相談するのがおすすめです。

中古車販売店に廃車依頼する場合

中古車販売店に廃車依頼する場合
ここからは、ディーラー以外の廃車方法を紹介します。

まずは中古車販売店で廃車する場合のメリットとデメリットを見ていきましょう。

メリット

中古車販売店で廃車手続きをとるメリットは、下記の2つが挙げられます。

  • 中古車購入も一貫して行える
  • メーカーを問わず安心して廃車依頼できる

次に乗る車が中古車の場合、中古車販売店で廃車を行えばまとめて手続きが可能です。担当者も次の車の手配を考慮しながら廃車手続きを進めてくれます。

また、中古車販売店は様々なメーカーを取り扱っているため廃車時に車種やメーカーを気にする必要はありません。

中古車販売店の公式サイトを確認し、自分が気になる車種を扱っている業者に廃車手続きと見積もり依頼を出してみましょう。

デメリット

中古車販売店で廃車手続きをとるデメリットは、下記の2つが挙げられます。

  • 廃車に費用が発生する可能性がある
  • 中古車の見極めが難しい

中古車販売店はディーラーと比較して低コストで廃車可能です。無料で手続きを代行してくれる業者もあるため複数社を確認しましょう。

なお、中古車は取り扱いが多いメリットがある反面で自分にあった車の見極めが難しいデメリットもあります。

ネット上で見て購入すると決めたとしても、乗った時に違和感をおぼえたり、不備に気づいたりする可能性もあるため、車選びに慣れていない場合は現地で実物を確認しましょう。

廃車専門業者へ廃車依頼する場合

廃車専門業者へ廃車依頼する場合
ここからは、廃車専門業者に依頼する場合のメリットとデメリットを紹介します。

廃車専門業者の場合、費用を抑えて廃車手続きが可能です。

メリット

廃車専門業者で手続きをとるメリットは、下記の2つが挙げられます。

  • 無料で依頼できる
  • 今後車に乗らない場合は手続きが楽

廃車専門業者に依頼する場合は無料で頼めるケースがほとんどです。そのため、廃車にかかる費用をおさえたい場合に適しています。

また、完全に車を手放す場合にディーラーや中古車販売店で廃車手続きを行うと営業トークがあったり気を遣ったりしますが、廃車のみ専門にする業者であれば後のことは気にせず手続きが可能です。

デメリット

廃車専門業者で手続きをとるデメリットは、下記の2つが挙げられます。

  • 車を購入する際は手続きが煩雑
  • 業者の見極めが大切

廃車と同時に新しく車を購入する場合、手続きを2箇所で行うため煩わしさを感じる可能性があります。

また、廃車専門業者は多いため、相談時の対応がよく、手続きを丁寧に説明してくれるところを選ぶ力が必要です。

事前に複数社に相談したり口コミを参考にしたりして情報収集が欠かせません。

他のメーカーの車をディーラーで廃車手続きできますか?
他のメーカーでも廃車手続きは可能です。しかし、持ち込みの際に人目が気になる場合は中古車販売店や廃車専門業者への依頼がおすすめです。まずは依頼予定のディーラーに相談して不安を解消しましょう。

【タイプごとに解説】ディーラーでの廃車がおすすめな人

【タイプごとに解説】ディーラーでの廃車がおすすめな人
ここからは、ディーラーで廃車手続きがおすすめの人を具体的に紹介します。

いつも同じメーカーの車を購入していて手続きをひとまとめに終わらせたい場合に適しています。

同じメーカーで車を買う人

同じメーカーの車を愛用している場合、ディーラーで廃車手続きを行うと意思疎通や手続きがスムーズです。

例えば、「このメーカーの車はいつも乗り心地がいいし、会社の考え方にも共感を持てる」と特定メーカーのファンである場合は、車のやりとりを一貫して任せると安心できます。

また、車が好きで常に最新車種をチェックしていて、ディーラーとまめに連絡を取っている人の場合も関係性ができあがっているためおすすめです。

新車購入と廃車を一括で終わらせたい人

廃車と車の購入を同時に行う場合、中古車販売店や廃車専門業者に依頼すると数か所でやり取りをするため手続きや連絡が煩雑です。

ディーラーは車の購入を考えている場合かつ車の乗り換えに関する作業をコンパクトに終わらせたい場合に適しています。

【タイプごとに解説】中古車販売店での廃車がおすすめの人

【タイプごとに解説】中古車販売店での廃車がおすすめの人
ここからは、中古車販売店での廃車手続きがおすすめの人を紹介します。

自分に当てはまるケースがあれば、ぜひ中古車販売店で手続きを進めましょう。

中古車を購入する人

廃車後に中古車の購入を検討している場合は、中古車販売店で手続きを行いましょう。ディーラーと同様に廃車と購入の手続きを一貫して行えます。

また、中古車販売店の場合は廃車だけでなく買取の選択肢もあります。もしも廃車予定の車がまだ使える状態の場合、買取査定に出して資金にする方法がおすすめです。

車の購入にはお金がかかるため売却で資金を用意して少しグレードの高い車を購入したり、スタッドレスタイヤ購入の足しにしたりしましょう。

なお、買取査定の場合は複数社での見積もりがおすすめです。一社のみの場合は相場が分からず、安く買い取られてしまう可能性があります。

3〜5社に査定依頼を出して相場を確認し、高値での買取が可能かつ対応がよい業者を選びましょう。

できるかぎり初期費用を抑えたい方

初期費用をバランスよく抑えたい方は中古車販売店での手続きがおすすめです。

例えば、「子どもの学費がかかるから車は必要最低限の費用で購入したい」「子どもにお金がかからなくなったらまた好きな車に乗ろう」と考えている場合に適しています。

中古車販売店では廃車手続きを無料や低価格で行え、車を新車と比較して安く購入できます。展示会や試乗でのみ使われた新古車に出会えるチャンスがあるのも中古車販売店の魅力です。

廃車ではなく買取を検討すればより費用を抑えられるでしょう。

【タイプごとに解説】廃車専門業者で廃車がおすすめの人

【タイプごとに解説】廃車専門業者で廃車がおすすめの人
ここからは、廃車専門業者での手続きが適している人を紹介します。

費用を抑えたい場合や今後車を使用しない人におすすめの選択肢です。

車に今後乗る予定がない人

今後一切車を運転しない場合や明らかに長期間乗らない場合は廃車専門業者での手続きがおすすめです。

例えば、高齢で運転に自身がなくなり免許の返納を予定している方や、長期間海外への移住・転勤が決まっている場合は業者で永久抹消登録するのが適しています。

車に乗る予定がないにも関わらず保有していると、自動車税がかかったり自宅を空けている期間に窃盗やいたずらの被害に遭ったりする可能性もあります。

なお、一時抹消登録も廃車専門業者では手続き可能です。海外赴任の期間が3年程度の場合や今後車を誰かが乗る場合は一時抹消登録が適しています。

費用を抑えたい人

廃車専門業者では無料もしくは低価格で廃車手続きが行えます。

必要書類を揃えるために数百円の発行費用はかかりますが、解体や手続きはコストを抑えて行えます。

ただし、車が自走できずレッカー移動が必要な場合は別途レッカー代がかかる可能性もあります。レッカー代については業者ごとにサービスが異なるため、依頼する前に確認しておきましょう。

まとめ

①ディーラーでも廃車手続きはできる
②ただし、ディーラーで廃車する時は費用がかかる点がデメリット
③新車購入時にキャッシュバックやキャンペーンをやっていると廃車にかかる費用をうまく調整できる
④中古車を購入する場合は中古車販売店での廃車手続きがおすすめ
⑤費用を抑えて廃車手続きを完了させたい場合は廃車専門業者への依頼がおすすめ
⑥ディーラーで車を購入して他の業者で廃車手続きを取る場合、ディーラーへの連絡は不要
⑦しかし、ローンが残っている場合は必ずディーラーに連絡したり完済したりしてから廃車手続きをすること

※本記事は公開時点の情報になります。
記事内容について現在の情報と異なる可能性がございます。
車の査定は何社に依頼するべき?
愛車の買取相場を知ることで高く売ることができます 愛車のかんたん査定はこちら