不要になった自動車は売却するか、知り合いへ譲るか、廃車として買取ってもらうか、などの処分方法が挙げられます。

廃車手続きを進めようと考えているものの、スペアキーを失くしてしまい、そのまま手続きを進めても問題ないか悩んでいる方もいるでしょう。

この記事では、スペアキーを紛失した状態で廃車買取をしてもらえるか、種類による査定額の差、買取時のポイントなどを紹介します。

買取時に準備が必要なもの、廃車手続きの種類や流れなど、基本事項も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

スペアキーを紛失した場合でも廃車手続きは可能

スペアキーを紛失した場合でも廃車手続きは可能
結論、スペアキーを失くしてしまっても廃車手続きは可能です。買取業者に依頼する際も手続き上、問題ありません。しかし、査定で減額される場合があります。

減額の大きさはスペアキーの種類によって異なりますので、自分が所持しているキーが何であったかを事前に確認しておきましょう。

車を買取に出す際は、査定額に影響する部分を整備しておくことで、大きな減額を避けられる可能性もあります。そのため、ポイントを一緒に押さえていきましょう。

スペアキーを紛失したまま廃車買取を依頼する場合

スペアキーを紛失したまま廃車買取を依頼する場合
ここからは、スペアキーを紛失した車を買取に出す際のチェックポイントを紹介します。

手続き自体に影響はないか、査定額は変動するか、再販売時の需要はあるか、などが気になる方はぜひ参考にしてください。

スペアキーがなくても買取ってもらえる

基本的に自動車を運転するときはメインキーのみを使用します。メインキーを紛失したり、壊してしまったりしない限りスペアキーを使用する機会はほとんどないでしょう。

自動車を売却するまで一切使用しなかったという方も多いのではないでしょうか。使用機会が少ないため、紛失しやすいともいえます。

廃車買取時にスペアキーがないのはよくあるこで、買取を拒否されることはないと考えられます。

スペアキーがないからと言って慌てて作り直さず、まずは買取を依頼する業者にスペアキーがない状態でも問題ないか確認してみましょう。

JAAIの査定基準で減額が行われる

一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)が公表している査定基準によると、スペアキーの紛失は減額の対象となっています。そのため、買取ができなくなるわけではありませんが、査定額に悪影響を与えるといえるでしょう。

なるべく高値での買取を希望する方は、スペアキーを失くさないよう購入時に保管場所を決めておいたり、買取を依頼する際に探しておいたりしましょう。

買取現場ではさほど重視されない

先述した減額についてはあくまで査定基準です。実際の現場ではスペアキーの有無をそれほど重視していない場合もあります。

そのため、紛失による減額があるかどうかは業者によって異なりますので、事前に影響があるか問い合わせておきましょう。

実際に自動車を購入してもスペアキーを一切使用しなかった経験を持もっている方も多いのではないでしょうか。

つまり、再販売時にスペアキーの有無が買い手の購入意欲に影響を与える可能性は低いと考えられます。そのため、JAAIの査定基準よりも減額が少なく済むパターンも多く、紛失してもあまり慌てる必要はないでしょう。

買取査定に出す前にスペアキーを作り直した方がいい?
スペアキーがなくても買取自体は行ってもらえるため、新しく作る必要はありません。一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)の査定基準では、スペアキーの有無で減額が生じるとありますが、あくまで基準のため実際の査定は現場の判断に委ねられます。新しくスペアキーを作成すると減額よりも費用がかかってしまう可能性もありますので、作り直す必要はないでしょう。

廃車買取でスペアキー以外に準備が必要なもの

廃車買取でスペアキー以外に準備が必要なもの
ここからは、廃車買取でスペアキー以外に準備が必要なものを紹介します。

納得のいく金額で買取してもらえるようにポイントを押さえておきましょう。

点検記録簿

自動車を廃車買取に出す際は、ディーラーや工場などで点検した記録の書類である「点検記録簿」を用意しましょう。

点検記録簿を提出すると定期的に点検が行われていたと証明ができます。廃車買取を依頼するまでの間、自動車が問題なく走行できていた証拠になるため、査定時に必ず提出しましょう。

純正パーツ

自動車を新車購入時の状態からカスタムしている場合は、買取依頼前に純正パーツへ戻しておきましょう。

買い取った自動車を再販売する際、需要があるのは純正のままの車両です。高価な社外パーツをつけていても査定額のアップはあまり望めません。反対に、通常の査定額より低い価値をつけられてしまうリスクもあります。

そのため、自動車のカスタムが好きな方でも、廃車買取時に純正パーツに戻せるよう純正品はとっておいてください。純正パーツに戻して自動車を廃車買取に出せば、査定額がアップするだけではなく社外パーツを新しく購入した自動車に再利用できます。

廃車買取の依頼時に修理歴や事故歴は申告が必要ですか?
廃車買取時は修理歴や事故歴を必ず申告しましょう。基本的に隠していてもプロの査定士が自動車をチェックすれば、ほとんどの場合で発覚します。虚偽がばれると減額はもちろん評価が厳しくなることにつながりかねないので、正直に伝えましょう。
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スペアキーの種類による減額の差

スペアキーの種類による減額の差
ここからは、紛失したスペアキーの種類による減額の差を紹介します。

スペアキーの種類や機能によって減額の幅が変動しますので、違いを把握して自分が所持していたスペアキーがどれに当てはまるかチェックしてみてください。

シンプルなキーの場合

特殊な機能が備わっていないシンプルなキーであれば、減額は少なく済むでしょう。

キーとしての役割だけを持つ製品は、複製も容易に行えると考えられます。そのため、もしスペアキーを複製するとなった場合でも業者や買い手側の負担も少なく済みますので、減額は少ないか業者によっては減額自体されない可能性が高いでしょう。

廃車買取前にスペアキーがないと気づいても、シンプルなキーであればさほど気にする必要はないといえます。

イモビライザー付きキーの場合

イモビライザー付きキーの紛失は減額に多少影響すると考えられます。

イモビライザーとは、キー内部に記憶されたIDと車体IDが一致するとエンジンがかかる仕組みのキーです。そのため、差し込むキー部分だけを複製してもエンジンをかけられません。つまり、簡単に合鍵を作成できない作りになっています。

イモビライザー付きキーを紛失したまま廃車買取に出すと、キーを複製した後にディーラーでキー内部のIDに車体IDを登録する作業が発生します。複製費用が高くなりがちのため、査定額にも影響を及ぼすと考えられるでしょう。

スマートキーの場合

様々な機能が備わったスマートキーを紛失した場合は、大きく減額される可能性があります。

スマートキーとは、鍵穴に差し込まずにドアの開錠や施錠、開閉が行えるキーのことです。両手が塞がっていてもポケットやバッグにキーを入れたままボタンを押したりタッチしたりすると操作が行えます。

スマートキーもキー内部に記憶されたIDと車体IDを利用しているため、複製には手間と費用がかかります。とくにキーレスでエンジンをかけられる製品は再発行費用が高いため、査定額にも大きな影響を与えると考えられるでしょう。

スペアキーを作り直してから買取に出して、減額を抑えようと考える方もいるでしょう。しかし、スペアキーの作成費用は査定時の減額よりも高いことが多いため、複製はせずにそのまま買取依頼したほうがよいでしょう。

廃車買取時に査定額を下げないためのポイント

廃車買取時に査定額を下げないためのポイント
ここからは、スマートキーの有無以外に押さえておきたい廃車買取時に査定額を下げないためのポイントを紹介します。

外装と内装をきれいに保つ

へこみや傷み、タバコ、ペットの臭いはマイナス査定になる可能性があるため、日ごろから外装や内装の清掃を心がけましょう。

ボディに目立つ傷やへこみなどがついてしまうと減額対象になるため、日常的に安全運転を心がけてください。

また、内装は新品への交換が難しいため、汚れやにおいが染みついてしまうと査定に悪影響を及ぼします。タバコを吸う方は、においや灰による焦げ跡などがつかないよう注意が必要です。ペットを飼っている方もにおいが付きやすいため、こまめに消臭して対策を立てましょう。

査定を複数社に依頼する

低い査定額で買取を決定しないためにも、複数社に査定をお願いしましょう。

1社だけの査定では適正価格で提示されているか判断ができません。買取金額は査定する業者やスタッフによって多少変動します。また、業者がもっている販路によっても査定額は変わるでしょう。

そのため、廃車買取時になるべく高い価格で手放したい場合は、複数社で査定を行い1番条件がよいと感じた業者で手続きを進めましょう。

純正パーツに戻す

廃車買取に自動車を出す際は、購入時の純正パーツに戻してからがおすすめです。

自動車好きの方なら、社外パーツでカスタマイズを楽しむことも多いでしょう。しかし、中古車として販売する際は社外パーツよりも純正パーツが付いた車両が好まれます。

社外パーツの種類によっては高い評価を受ける可能性がありますが、基本的には純正パーツの付いた自動車の需要が高いと把握しておきましょう。

そのため、買取時も純正パーツが評価されやすいといえます。社外パーツでカスタマイズしている場合は廃車買取前に純正パーツへ戻すようにしましょう。

廃車買取を依頼する前に洗車した方がよいですか?
洗車は査定額に影響しませんが、汚れがひどい場合は洗車した方がよいでしょう。査定士も人間ですので、汚れがひどいと印象を悪くする可能性もありますし、汚れを傷やへこみなどと間違えてしまう可能性もゼロではありません。洗車してチェックしやすい状態にしておけば査定士も気持ちよく確認を行えます。

スペアキー紛失時の解決方法

スペアキー紛失時の解決方法
ここからは、紛失したスペアキーを見つけるための解決方法を紹介します。

廃車買取時に必須なわけではありませんが、多少なりとも査定額に影響を与える可能性があるため、まずはスペアキーを探してみるのもよいでしょう。

自分の行動を振り返って探す

まずは、紛失に気付いた時点から行動をさかのぼって思い出していきましょう。最後に触れたのはいつか、保管場所はどこに決めていたかなどを振り返ってみて心当たりのある場所を探してみてください。

ただし、スペアキーはあまり使用頻度が高くないため、最後に使用したのがいつか思い出せない場合もあるでしょう。紛失したままでも廃車買取を断られるわけではないため、思い出せる範囲で探してください。

誰かに貸していないか確認する

家族で自動車をシェアしている場合、誰かがスペアキーを持ったままになっていないか確認しましょう。

自分で探しても見つからない場合、他の方が所持している可能性も考えられます。また、家族が友人や知人などに貸している可能性もゼロではありません。

知らないところで貸し借りが行われていないかの確認もおすすめします。

ペットが隠していないか確認する

犬や猫などを飼っている方は、ペットがサークルやソファのすき間などに隠していないか念のため確認しましょう。普段から小物類をくわえて持ち運ぶ癖のあるペットの場合、いつもの隠し場所をチェックしてみてください。

警察に届け出をする

どうしてもスペアキーが見つからない場合は、警察に遺失届を出すのも一つの手段です。

スペアキーを外に持ち運ぶ可能性は低めですが、外出先で落とした可能性がある方は、警察へ届け出ておくとよいでしょう。

届出時には、紛失した日時や場所、鍵の特徴など、分かる範囲で詳細に伝えてください。届出をして受理番号を受け取り、スペアキーが見つかった際は受理番号の控えで遺失物の受け取りができます。

廃車手続きの流れ

廃車手続きの流れ
ここからは、廃車買取で行われる手続きの概要を紹介します。

初めて廃車買取を利用する方は、大まかな流れを把握するための参考にしてください。

永久抹消登録

永久抹消登録とは、自動車の登録を永久的に抹消する手続きのことです。手続き前に自動車を解体するため完全に乗れなくなります。

まず車の解体を行い、解体を証明できる各書類を業者にもらった上で手続きを進めます。

主な必要書類は下記のとおりです。

  • 印鑑証明書(発行日から3ヶ月以内)
  • 実印
  • (代理人が申請する場合のみ)実印が捺印された委任状
  • 対象車の解体報告記録がなされた日や移動報告番号
  • 車検証
  • 申請書(第3号様式の2と記載があるもの)

印鑑証明書は自治体の窓口やコンビニのマルチコピー機を利用して発行できます。提出可能な発行期間が決まっているため手続きのタイミングにあわせて準備しましょう。

また、所有者が手続きを代理人に依頼する場合は委任状が必要です。廃車を担当する業者が準備してくれる場合がほとんどですが、国土交通省の公式ホームページでもダウンロードできます。必要書類は地域の運輸支局によって異なる場合もあるため、まずは管轄の運輸支局に確認しましょう。

永久抹消登録を行うと、自動車税だけではなく自動車重量税の支払い義務もなくなります。また、支払いすぎていた税金は還付を受けられます。

なお、自賠責保険や任意保険は加入している会社で解約手続きする必要があります。永久抹消登録完了後は忘れずに連絡して手続きを進めましょう。

一時抹消登録

一時抹消登録とは、自動車の登録を一時的に抹消する手続きのことです。入院や長期出張など何らかの理由でしばらく車に乗らない場合に行います。

廃車手続きではありますが、自動車自体は解体せずに残しておけます。しかし、車検証とナンバープレートを返却するため、一時抹消登録を完了させた自動車を公道で走行させてはいけません。

車に再び乗る場合は、中古車新規登録を行う必要があります。

主な必要書類は下記のとおりです。

  • 印鑑証明書(発行日から3ヶ月以内)
  • 実印
  • (代理人が申請する場合のみ)実印が捺印された委任状
  • 手数料印紙(検査登録印紙)
  • 車検証
  • 申請書(第3号様式の2と記載があるもの)

一時抹消登録の場合も印鑑証明書や車検証が必要です。ただし、解体はしないため報告記録等は必要ありません。

自治体や条件によって必要書類が若干異なるため、管轄の陸運支局への問い合わせがおすすめです。

一時抹消登録でも自動車税の支払いが必要なくなるとともに、支払い過ぎている分の還付金が受け取れます。そのため、維持費を抑えたい方におすすめの手続きです。

自動車税の還付は手続きが完了すれば受け取れます。ただし、自賠責保険や任意保険は別途自分で解約手続きを行う必要があるため注意しましょう。

まとめ

①スペアキーを紛失したままでも廃車買取は行える
②紛失したスペアキーの種類によって査定額に影響を及ぼす
③廃車買取前にスペアキーを作り直す必要はない
④シンプルなキーよりもイモビライザー付きキーやスマートキーの方が査定に影響を与えやすい
⑤査定額を下げないために純正パーツを取り付けておく

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