車を維持するには、税金や保険料など諸々の費用がかかってきます。中でも日々車を動かすための費用に直結しているのが「ガソリン代」です。
ガソリン代は景気や地域による価格差の他、車の燃費によっても大きく違ってきます。また維持費の中でも結構な額を占めるのでできれば削減したいものです。
車種ごとのガソリン代を比較しながら、ガソリン代の節約術を知って生活に取り入れていきましょう!
車の維持費は税金と保険と燃料費と整備費
車の維持費は下記の4つになります。
・税金
自動車税と軽自動車税は毎年1回、自動車重量税は車検ごとに徴収されます。
・保険
強制保険の自賠責保険が車検時、任意保険は毎月もしくは年1回納めることになります。
・燃料費
毎月のガソリン代です。
・整備費
車検費用や数年ごとのオイル交換、タイヤ交換などのメンテナンスにも費用がかかってきます。
車の維持費の内訳やどの位の費用がかかるかを知っておくことは車選びをする上でも大事だと言えるでしょう。

- 税金のうち軽自動車税は一律1万800円です。自動車重量税は重量0.5tごとに課税される税金で、年間3300円となります。
- 保険料のうち自賠責保険は年間1万円、任意保険料は運転者の年齢や補償内容によって違いはありますが年間8万円程です。
- ガソリン代は燃費にもよりますが平均して年間8万円となります。
- 整備費用として車検は2年に1回ですが、1年に換算すると2万5000円位です。オイル交換などのメンテナンスや点検料も年間で約1万5000円と換算できます。
駐車場代なども含めトータルで軽自動車は、年間35万円前後の維持費が必要となります。

- 税金のうち自動車税は車の排気量によって金額が異なります。排気量が大きいと税額が高くなるため、普通車の場合3~10万円程度です。自動車重量税も車の重量によって金額が変わり、1万5000円~2万5000円位となります。
- 保険料ですが、自賠責保険料は年間だと1万1000円程です。任意保険は車のグレードや補償範囲などによって幅はありますが、8~10万程度が平均額になります。
- ガソリン代は平均して年間10~15万円です。
- 整備費用として車検費用は年に換算すると3万~3万5000円、オイル交換やタイヤ交換などのメンテナンス費用は約2万円です。
駐車場代なども含めトータルで普通車は、年間約43万~50万円の維持費が必要となります。車の排気量が多く、重量が重いほど税金や燃料費がかかるので年間維持費は高くなるのです。
車の重量や排気量などで税金や保険料、車検基本料などが違ってきます。そのため、一般的に軽自動車のほうが普通車よりも維持費は安いと言えます。
普通車であっても、燃費が悪い車体が大きいとその分、ガソリン代や税金がかさむので維持費は高くなるでしょう。車種にもよりますが維持費を比較すると、軽自動車よりも普通車のほうが6~15万円ほど高い計算になります。
維持費を抑えるなら燃費の良い軽自動車や普通車でもコンパクトカーを選ぶのが良いと言えるでしょう。
車の維持費でガソリン代が占める割合
車のガソリン代は全体の車の維持費のうち約2~4割程を占めると言われており、ガソリン代を負担だと感じている人も少なくありません。もちろん車の使用頻度や年間走行距離、燃費などで車によって人によって差はあります。
しかし、ガソリンは景気に左右されて価格変動が起こりやすく、今よりもガソリン代が高くなる可能性も十分にあり得ます。今は維持費の2割程度であっても、将来的にもっと増えるとも考えられます。
その時になって慌てて対策をするよりも、できる限り早くガソリン代の節約術を実践しておくことをおすすめします。
軽自動車は排気量が低く、重量も比較的軽い車が多いのが特徴です。燃費は車によって、走行距離も使う頻度によって違うので一概には言えません。
しかし、一般的な燃費15㎞/ℓ、年間走行距離1万㎞、単価1ℓあたり128円で計算すると概ね1年で8万円程かかる計算になります。月々6700円程かかる計算です。
もちろん軽自動車でも重量が小型の普通車並みに重くて排気量が低い車もあります。重い車をパワーが弱いエンジンで動かすとなると燃費が悪くなるので、もっとガソリン代がかさむ可能性があるでしょう。
普通車でもエコカーなど燃費の良い車なら、軽自動車並みのガソリン代で済む場合もあります。しかし、ミニバンやSUVなど重量が重く、エンジンを動かすのに多くのエネルギーが必要となる普通車は燃費がさほど良いと言えません。
また、スポーツカーは加速を重視した設計になっているので、加速すればその分エンジンに負荷がかかり、ガソリンが消費されるので燃費が悪くなります。普通車といっても車種によってガソリン代は大きく違ってくるのです。
軽自動車と同様に一般的なガソリン単価1ℓ128円、年間走行距離1万㎞、燃費が12㎞/ℓで計算すると年間約11万円、月々9200円位のガソリン代となります。
燃費8㎞/ℓの燃費が良くない車で計算すると、ガソリン代は年間約16万円、月々1万3000円程度です。遠距離通勤など月間走行距離が多いと更に月々のガソリン代が加算されてしまいます。
更にガソリン単価が10円上がるだけでも、数千円単位でガソリン代が上がってしまうでしょう。

普通車よりもガソリンの消費量がかなり抑えられるので月間ガソリン代が大きく違ってきます。環境にも優しく、エコカー減税の対象車となっているので税金も安くなり維持費削減につながるでしょう。
ただ、ガソリン車に比べると車両本体価格が高いというデメリットもあります。しかし、長い目で見ると維持費の中でも多額に金額を占めるガソリン代を大きく減らせるので、上手に車選びをすれば結果的にお得になることもあるでしょう。
中古車はある程度走行距離があり、部品の劣化が見られエンジンの性能が落ちていると思われがちです。結果燃費が悪く余計にガソリン代がかさむというイメージがあるでしょう。
しかし、中古車でも年式が比較的新しく、走行距離が少ない車を選べば性能もさほど悪くありません。中古車でもエコカーなど燃費の良い車種を選ぶことで、新車並みの燃費が期待できるとも言えます。
ガソリン代を節約するには
ガソリン代を節約するには「車選び」が重要なカギとなります。
燃費の悪い車を所有していると、どうしてもガソリン代はかさみます。そのため、燃費の良い車への乗り換えが効果的です。
更にエンジンがより多くのエネルギーを要する負担のかかる運転を控え、エコ運転を心がけましょう。また、オイル交換など定期的なメンテナンスも燃費悪化を防ぎます。
車の所有にこだわらないならカーリースという手段も有効的です。
燃費の良い車への買い替え
ガソリン代を考える上で「車の燃費がどの位か」が大事なポイントとなります。
燃費の差により年間ガソリン代は大きく違ってくるからです。1ℓあたり10㎞を切る燃費の車はガソリン代の負担が大きいと言えます。逆に1ℓあたり20㎞を超える燃費の車はかなり燃費が良いため、ガソリン代が少なくなったと感じるでしょう。
もちろん、車の使用頻度や走行距離は人それぞれなので一概には言えません。しかし、毎日遠距離通勤で車を使う場合などは、燃費の良い車を選ぶことで経済的な負担を軽減させることにもつながります。
・スズキ「アルト」
燃費の良い軽自動車というと、スズキ「アルト」がまず挙げられます。グレードや2WD、4WDにもよりますが、最大37㎞/ℓの高燃費を実現するとされています。軽量級で走りを滑らかにし、エンジンの動力を効率よく伝達するCVTを採用しているのもポイントです。
・マツダ「キャロル」
最大37㎞/ℓの燃費が期待できます。減速時のエネルギーを溜めて、バッテリーに使うエネチャージ機能が搭載されているのも特徴の一つです。
・ダイハツ「タント」
28㎞/ℓとかなり燃費の良い車として人気があります。
軽自動車の燃費は渋滞が少ない郊外と、信号や渋滞が多い市街地では変わってきます。停車後加速をすると燃費が落ちてしまうので最大燃費を維持することはできない点は頭に入れておきましょう。

車が大きい分、燃費もさほど良くないと思われますが、燃費の良いミニバンもあります。
・日産「セレナe-POWER」
燃費27.2㎞/ℓだとされています。エンジンは発電用としてだけ使用し、モーターのみで100%駆動することで、、バッテリー発電のみでエンジンが動くシステムを搭載しており、低燃費を実現しています。
・ホンダ「オデッセイ」
ハイブリッド車は、燃費26㎞/ℓです。モデルチェンジが繰り返され燃費向上、安定走行性能に磨きがかかってきています。同じく、ホンダ「ステップワゴン」ハイブリッドは、燃費25㎞/ℓを実現しています。
・トヨタ「ノア」や「ヴォクシー」
ハイブリッド車は、低燃費ミニバンとしておすすめです。

SUVは他の車種に比べるとどうしても燃費は悪くなります。しかし高性能エンジンを搭載し、高燃費化を図るなど技術の開発により燃費が良い車も出てきているのでチェックしておきましょう。
・トヨタ「C-HR」
ハイブリッド搭載で最大燃費25.8㎞/ℓを実現できるとしています。
・トヨタ「レクサスUX250h」
燃費22.8㎞/ℓです。これまでの加速、停止のタイミングを分析し、渋滞などを予測してベストなタイミングで充電されるという高性能のハイブリッドを搭載しています。
・トヨタ「RAV4」
ハイブリッド車で最大21.4㎞/ℓの燃費が実現できると言われていて、根強い人気を誇っています。
・トヨタ「プリウス」
燃費の良い普通車のセダンタイプというと、ダントツでトヨタ「プリウス」になります。もはやハイブリッド車というとプリウスという印象を持っている人も多いかもしれません。
プリウスの最高グレードだと燃費は39㎞/ℓにもなると言われています。
・トヨタ「カローラ」や「カローラツーリング」
こちらも低燃費車として有名です。ハイブリッド車だと29㎞/ℓの燃費を実現すると言われています。
・ホンダ「GRACE」
燃費34㎞/ℓと低燃費を可能としているのです。低燃費ながら力強い走りができるモーターとシステムが搭載されているので走りにこだわる人も満足できるでしょう。

燃費でいうとやはりハイブリッド搭載のほうが断然有利であり、紹介する車は全てハイブリッドタイプでの燃費になります。
・トヨタ「アクア」
グレードの高いタイプで38㎞/ℓの燃費をたたき出します。
・日産「ノート」
燃費37.2㎞/ℓとなっています。安全性能に優れ、走りに安定性があるといった特徴もポイントです。他にもアイドリングストップなど低燃費に重きを置いた機能が搭載されています。
・ホンダ「フィット」
低燃費であり、乗りやすい車としておすすめです。37.2㎞/ℓとノートと同じ位の燃費の良が売りであり、燃費向上を図るための機能やシステムが搭載されています。
車検付きメンテナンスパックは必要なのか?費用対効果を徹底解説!
エコ運転がおすすめ
車の発進や停止には多くのエネルギーが消費されます。
アクセルを深く踏み続ける、急に強くブレーキを踏むといった運転の仕方はエンジンに大きな負荷がかかり、燃費悪化につながります。アクセルを踏み込む時間を短くするためにも、必要以上に加速しないエコ運転を心がけましょう。
また、上り坂を走るとかなりガソリンを消費します。上り坂に入る前に十分加速し、上っている最中はアクセルを踏み過ぎないなど運転の仕方も工夫してください。
また、車の重量も燃費に関係してきます。不要な荷物は下ろす、必要最低限の人数で乗車することも大事です。
他にもエアコンの稼働率が高いと燃費も悪化するので、車内を十分換気し適切な風量、温度管理に努めましょう。
燃費向上にはメンテナンスが必要
車のメンテナンスを定期的に行うことも燃費向上につながります。
エンジンの潤滑油となるエンジンオイルは、エンジンを動かすたびに汚れます。汚れるとエンジンの性能低下を招き、燃費を悪くします。半年ごともしくは5000㎞ごとに交換しましょう。
また、タイヤの空気圧チェックも大事です。タイヤの空気圧が低いと、道路との摩擦が大きくなります。タイヤを動かすのに余分にエネルギーが必要となるので燃費悪化につながるからです。
他にもオイルエレメント交換などのメンテナンスも忘れないようにしましょう。
タイヤへの摩擦力を少なくする低燃費タイヤへの交換も有効的です。
車のガソリン代が気になるならカーリースという選択肢も
ガソリンは燃料となるので維持費の中でも削るのに限界があります。
維持費そのものを削減するには車を所有せず、必要な期間だけ借りる「カーリース」を利用するのも一つの手です。
リース会社によっては「契約満了時に車が所有できる」「決められたリース期間を超えたら乗り換え、返却も可能」といったサービスを行っている所もあります。より利用しやすくなっていると言えるでしょう。
車検付きメンテナンスパックは必要なのか?費用対効果を徹底解説!
中古車への乗り換えもおすすめ
より燃費が良くエンジン性能の良い車に乗り換えたいなら、中古車も選択肢の一つに入れてみるのも良いでしょう。
中古車でも比較的新しく、エンジン性能が良い車は探せば見つかります。しかも、新車よりも初期費用が抑えられるので、ローンを組むにしても返済額の負担が減るかもしれません。また、今乗っている車を車買取業者により高く買い取ってもらえれば購入資金に充てられます。
家族構成や生活スタイルの変化によっても必要な車のタイプは変わってきます。乗り換えのベストタイミングを逃さないように情報収集を十分行い、賢く乗り換えることが大事です。