車の維持費は結構かかるので、1人暮らしで生活費を払いながら車を所有できるか不安な人も多いでしょう。
車の維持費は車種によって違いはありますが「税金」「保険料」「ガソリン代」など様々な費用が含まれます。生活費も家賃や光熱費などがかかってきます。
そこで車の維持費と購入時に組んだローンの返済に1人暮らしの生活費を加算して、生活していけるのかを徹底検証してみました。
手取りでどの位収入があれば車が維持できるのかについても合わせて見ていきましょう。
車を購入し、使用し続けるのに必要な経費とは?
車を所有するにはまず、購入代金が必要です。車種や車の年式などによって価格には大きな差があります。
ただ、車を乗り続けるには購入資金だけでは終わりません。税金や保険料、ガソリン代などの燃料費やメンテナンス費というような「維持費」がかかります。
どういった項目でどの位の費用がかかるのか、所有する前に把握しておく必要があります。
車の維持費の内訳は4つあります。
車の排気量ごとに金額が決まっている自動車税・軽自動車税と、車の重量によって税額が決まる自動車重量税がかかります。
自動車税の料金
年間約3万~11万円程度です。
軽自動車税の料金
一律1万800円です。
自動車重量税の料金
車検時にまとめて納めますが、0.5tごとに金額が増えていきます。
約9000円~5万円位になります。
法律で加入が義務付けられている「自賠責保険」は、車検時にまとめて支払います。
自賠責保険の料金
軽自動車と普通車では金額が多少異なりますが、大体2万5000円前後です。
「任意保険」は自賠責保険ではカバーしきれない事故の補償ができるので、ほぼ全員のドライバーが自由意思で加入します。車種や年式、ドライバーの年齢や補償範囲によって保険料にはかなりの開きがあります。
任意保険の料金
一般的に年額約5万~15万程度になるでしょう。
燃料費はガソリン代で、さらに自宅などに駐車スペースがない場合は駐車場代がかかります。
ガソリン代は燃費やガソリン価格、車をどの位走行させるかによって大きく違ってくるので一概には言えません。
法律で規定されている2年に1回の車検や、法定点検にかかる費用が含まれます。またオイルエレメントやタイヤなどの交換も、半年から数年に1回必要です。
車検の料金
1回、約5万~15万円です。
法定点検の料金
約9000円~3万円程かかります。
部品交換の料金
年間、約4~7万円かかる計算をしておきましょう。
軽自動車の年間維持費はどの位なのか見てみましょう。
・税金
自動車税は一律1万800円です。自動車重量税は3300円となります。
・保険
自賠責保険は2年に1回で約2万2000円、任意保険は約7万円位はかかるでしょう。
・燃料費
燃費によって違ってくるので一概には言えません。一例として燃費17.5㎞/ℓで年間走行距離1万㎞として、ガソリン単価130円/ℓで算出してみると年間、約9万円程になります。
・メンテンナンス費
車検費用は2年に1回で約4万円、諸々のメンテナンス費用を約1万5000円と考えます。
そうすると1年のトータル維持費は約23万円、月間維持費は約2万3000円と算出できるのです。さらに駐車場を借りるなら月々の駐車場代も加算されます。
もちろんもっと燃費の良い車で走行距離も短ければ、そしてガソリン単価が安ければ維持費も少し下がります。
普通自動車の年間維持費についても見ていきます。
・税金
自動車税は排気量によって違ってくるので、約6万~11万円まで差が出ます。自動車重量税も重量によって税額が異なるため、約1万~5万位の範囲です。
・保険
自賠責保険ですが、普通車は税額がほぼ同じで2万5000円程になります。任意保険は約8万~15万程になるでしょう。
・燃料費
そして気になるガソリン代ですが、普通車でも燃費は車種によって様々です。そこで一例として燃費10.5㎞/ℓ、年間走行距離1万㎞でガソリン単価130円/ℓとして計算してみると、年間で約15万円の計算となります。
・メンテナンス費用
車検費用は約6万円で、諸々のメンテナンスが年間約3万円と考えます。
そうすると1年のトータル維持費は約39万円、月額は3万2500円となるでしょう。駐車場を借りれば別途費用が発生します。
燃費の良いコンパクトカーならもう少し維持費を抑えられる可能性があります。
車購入にはある程度まとまったお金が必要となるので、ローンを組む人も少なくありません。車のローンの種類は2つあります。
- 信販会社系の「ディーラーローン」
- 銀行や信用組合などの金融機関系の「マイカーローン」
いずれにしても、ローンを組んだらローン返済も毎月の支出にかかってくるということを頭に入れておきましょう。
ローン返済期間や返済額は購入額や個々の経済状況によって違いがありますが、概ね10年以内に返済するのが一般的で、返済額は数千円~数万円と幅があります。
一人暮らしにかかる費用の内訳
1人暮らしで車を所有できるかどうかを考える上で、まずは1人暮らしにかかる月の生活費をきちんと算出しなければなりません。
※都市部と地方では物価などにも違いがあり一概には言えないので、あくまでも参考程度としてみてください。
・家賃
約4万~7万円が相場です。
・食費
約3万円
・水道光熱費
約1万円
・スマホなどの通信費
約5000円
・外食などの交際費や雑費
約3万円
したがって月々の生活費は約11万5000円~14万5000円位になる計算です。
家賃以外にも食費がもう少しかかる、光熱費や通信費がかかる、逆に交際費や雑費など他の支出はかからないという人もいるでしょう。
固定費は計算しやすいですが、食費などの変動しやすい費用は、家計簿をつけて月にどの位かかるをきちんと計算してみると良いです。また、医療費や被服費、保険料などが含まれる人はその分も計上しておいてください。
1人暮らしの場合、自分の収入で車を維持できるかどうかを判断するためには、自身の雇用形態も重要なポイントとなります。
雇用形態によってはボーナスの有無、税金や保険料などが給与から天引きとなるか、そうでないかなど違ってくるからです。
正社員の場合は、社会保険を会社が半分負担することになります。非正規社員だと自分で加入しなければならないので、負担額が増える上にボーナスなしの会社だと月々の収入だけが全てとなり、家計に余裕がなかなか生まれにくいでしょう。
車を所有するとなると、毎月の大体の維持費の他に故障による修理代などが急に必要となる場合もあります。車を所有して毎月カツカツの状態で家計をやりくりするとなると、いざという時に困ることにもなりかねません。
車を所有、維持していくのにかけられる費用は毎月の手取りの「約4分の1」までの金額だと考えられています。
手取りがかなり少なく、生活するだけでギリギリの状態だと車の所有はかなり難しいと言えるでしょう。逆に手取り額の4分の1で車の維持費もローンも返済できるということなら、まず維持していけるはずです。
また正社員の場合、基本的に年に2回はボーナスが支給されることが多いです。生活費が削れずに手取り額だけでは車が維持できなくても、ボーナスがあれば多少補填できます。
一人暮らしで車維持費を捻出するには?
1人暮らしでも上手く家計をやりくりし、維持費や購入費が比較的安い車種を選ぶなど、工夫次第で車の所有が可能となるので検討してみましょう。
まず、一番大事なのが収入に見合った車種を選ぶことです。いくら乗りたい車でも、所有して生活ができなくなってしまうと結局手放すことになります。
また、初期費用を安くしローン返済を減らすために「中古車」を選ぶのもおすすめです。
さらに生活費の中でも家賃は削りやすいので、家賃の安い物件への引っ越しの検討や、副業OKの会社なら収入自体を増やすという手もあります。
収入に見合った車を選ぶ
自分の収入に合わない高い車を選ぶと、ローンが返済できなくなり車を手放すことにつながります。まずは、収入に見合った車を選び、お金が貯まってから買い直すのがおすすめです。
税金や保険料が安い軽自動車の中でも、燃費の良い車を選ぶことで維持費を抑えることができるのです。
例えば手取り18万円として、月の生活費を約12万円とします。軽自動車なら月額維持費が約2万3000円、ローン返済を月1万円として、車にかかる費用が約3万3000円で差し引いても2万5000円は残ります。さらに駐車場代を月5000円支払っても2万は残るので貯金もできる計算となるでしょう。
車にかかる費用から考えると、手取り16万円以上あれば軽自動車なら維持できる計算になります。初めは軽自動車や排気量や重量の少ないコンパクトカーを選べば、1人暮らしでも車を維持していくことは十分可能だと考えられます。
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新車よりも中古車なら初期費用が安く済む
車を購入しようとすると、どうしてもきれいな現行モデルの新車に目が行ってしまいがちです。しかし、現行モデルはなおさらですが、新車は車両本体価格が軽自動車でも高いので、ローンを組んで購入してもローン返済で家計が圧迫されます。毎月少額の返済だと返済期間が長期に渡り、その間金利分も余分に支払うことになるので損です。
そこで、中古車なら新車ほど車両本体価格も高くないので、ローンで購入しても上手に返済計画を立てれば無理なく生活していけるはずです。そのうえ、ローン返済額が少なければ返済期限を短くすることもできます。
中古車販売店では、自社がローンの貸主となる自社ローンを提供している販売店もあります。その場合、「金利が0%」というローンもあり、そうなると余分に支払わなくていいのでかなりお得です。
また、中古車でも3年落ち位の比較的年式が新しく、走行距離も短い状態の良い車を見つけましょう。さらに燃費が良ければ維持費もさほど上がりません。
タイミングが合えば展示車など、中古車の価格で購入できるきれいな車が見つかる場合もあります。前に人が乗った中古車だと敬遠しないで、根気よく探すことで新車並みの中古車が手に入るかもしれません。
車の維持費の分だけ家賃を抑えた一人暮らし物件を選ぶ
車を所有するには、生活費そのものを減らし車にかけられる費用を捻出するというのも有効的な手段です。
生活費の中でも食費は体の健康に関わることであり、食べるという楽しみを減らすのはあまり良いとは言えません。光熱費や通信費も固定費なので節約にも限界があります。そうなると生活費の中で削るとすれば「家賃」でしょう。
交通の便の良い場所というのは家賃がどうしても高くなります。車を所有すれば、交通の便は気にしなくてもよくなるはずです。少し郊外のやや交通の便が悪くて家賃の安い物件への引っ越しも検討してみましょう。ただ、車を所有すると余分に駐車場代がかかることも考えておくことが大切です。
収入を増やして車維持費に使えるお金を捻出する
車にかかる費用を捻出するために、収入を増やすというのも考えてみましょう。生活費を削ることができなければ、支出を抑えることも難しいものです。
景気悪化に伴い、副業を可能としている会社も増えてきました。維持費は捻出できるけれどローン返済はできないなら、期限を決めてローン分だけ副業で稼ぐという手もあります。
特に手取り15万円以下の場合は、車のローンを支払って車を維持すると計算上では生活できなくなります。月々のローンの支払いを副業が賄うか、副収入が一定額でないから不安な場合は車購入費用を貯めてから車を購入するのが無難です。
平日の夜や休日にアルバイトをするのもいいですが、自分の得意分野があればクラウドソーシングなどで仕事を受注して、在宅ワークをするのも効率的です。
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レンタカーやカーリースもおすすめ
車の購入資金がなくて、ローン返済も厳しい経済状況なら車が必要な時だけレンタカーを借りることもできます。ただレンタカーを長期的に契約するとかえって高くついてしまいます。
自分の車を所有するということにこだわらなければ、カーリースを利用するのもおすすめです。
リース代には税金などの維持費も含まれており、ローンで車を購入してローン返済と維持費をダブルで支払うよりは安く済むのです。新車を決められた期間乗れるので、色々な車に乗ってみたいという人にも適しています。
交通の便がよい都市部なら車なしでも住める
1人暮らしで車を所有する際、居住地周辺で交通の便が良いかを考えてみましょう。
東京や大阪、名古屋などは電車やバスなどの路線も多く交通の便が良く、交通量も多いのでかえって車が不便に感じることもあります。都市部へ引っ越すなら車なしでも生活に困りません。
しかも、家賃や駐車場代も高く、無理して車を所有しても家計が破綻する可能性があります。また、電車の方が便利で思ったほど車に乗らない可能性もあるのです。
一方で地方都市では電車やバスが走っていても路線が少なく、車がないと不便に感じることもあるでしょう。住む場所の交通環境や交通事情によって車の必要性も違ってきます。
車を手放すなら買取専門業者に高く買い取ってもらおう
1人暮らしで車は不要となったら、少しでも高く買い取ってもらうとお得です。車を手放す際にディーラーに下取りしてもらうケースもありますが、下取り額は期待できないのが現状です。
まずはネットで自分の車の中古車市場での相場を調べて、どの位で売れそうかを把握します。さらに、複数の車買取専門業者に査定を依頼し、査定額を比較してみましょう。
上から高い査定額を付つけてくれた業者3社ほどに連絡して、実地査定を行います。実地査定後に査定額を比較し、査定員と交渉しながら最終的に相場価格に近い額の業者に買い取ってもらえたらベストです。
中古車市場で人気の車種は需要が多いので、買い取ってもらえる可能性も高いでしょう。さらに、モデルチェンジ前や中古車の需要が高まる2、3月なども絶好の買取タイミングとなります。
計画的により高値で売れるように下調べをしておきましょう。