車に乗り続けるのにかかる維持費は、都会と地方では金額に差が生じると考えられています。なぜなら都会は物価や地価が高く、ガソリン代や駐車場代などが地方よりも高額になるからです。

しかし、交通網が発達した都会でも車があれば、色々と便利な面があるのも否めません。

そこで、都会で車を所有する場合、地方より維持費がどの程度高いかを見ていきましょう。また、都会で車を所有することのメリットとデメリットや、車を維持する場合の節約法なども解説していきます。

車にかかる維持費

車にかかる維持費
車を継続的に使用するには維持費がかかります。維持費は「税金」「保険料」「燃料費」「メンテナンス費用」に分けられます。

車の税金とは?
車の排気量によって決まる自動車税または軽自動車税と、車の重量によって決まる自動車重量税の2つがあります。
車の保険料とは?
法律で加入が規定されている自賠責保険と、任意保険である自動車保険の2つがあります。
車の燃料費とは?
車を動かすために必要なガソリン代や駐車場を借りる場合は駐車場代、高速道路を利用するなら通行料金などです。
車のメンテナンス費用とは?
車検や法定点検にかかる費用、故障の際の修理代が含まれます。加えて、オイルエレメントやブレーキパット、タイヤなどの部品代や交換にかかる工賃なども含まれます。

車購入時にローンを組んだら返済も毎月かかる

車購入時にローンを組んだら返済も毎月かかる
車を所有するには、まず購入費としてまとまったお金が必要です。準備できなければ、ローンを組んで分割で少しずつ返済することになります。

ローンを組むと金利がつくので、最終的に車両購入価格を上回る金額を支払います。

毎月車にかかる費用は「維持費」に加え「ローン返済金」も上乗せされるので、人によっては経済的な負担が大きくなるでしょう。

車には結構なお金がかかることを購入時には念頭に置いて、生活するうえで車を所有するかどうかを慎重に考えたほうが良いです。

都内と田舎での車の月間維持費を比較

都内と田舎での車の月間維持費を比較
都内と地方では車の維持費に差が生じると考えられています。維持費の中でも税金や保険料などは金額が決まっているので違いはありません。

都内と地方で金額に差がでる維持費とは?
都内と地方の維持費で違うのが「燃料費」「駐車場代」「メンテナンス費用」です。

都会は物価が高いので1ℓあたりのガソリン価格も地方より「数円~数十円」高くなります。

また、土地代も高騰しているので、都内の駐車場代は月額2~5万円ほどかかると言われています。地方なら月額5000~1万円が平均なので、その差は「1万5000円~4万円」ほどです。

また、メンテナンス費用も整備にかかる部品代や工賃などが、都内だと物価高に応じて地方より高くなってしまいます。都内と田舎で車の月間維持費を比較すると、平均で「約5万~10万円」ほど都内のほうが高くなると言われています。

もちろん車を使用する頻度が高いとガソリン代がかさみ、メンテナンスの回数も増えるのでもっと維持費がかさんでくると考えられるでしょう。

都会で車を持つことのメリット

都会で車を持つことのメリット
都会は公共交通機関が発達しているので、移動に困らないかもしれませんが、車があると以下のようなメリットがあります。

  • 大きな荷物を乗せられる
  • 子供を連れての移動が楽
  • 目的地までダイレクトに向かえるので効率的
  • 時間や天候に関係なくどこへでもいつでも移動できる
  • プライベートな空間が保てる
  • ドライブが気分転換になる

それぞれのメリットについて詳しくご説明します。

荷物が多くても子連れでも移動が楽

荷物が多くても子連れでも移動が楽
車があれば買い物や旅行時の移動に便利です。

大型スーパーなどでまとめ買いができ、旅行時も荷物の量をあまり考えなくてもいいので、色々持っていけて現地でも楽になります。

そして、子供がいる家庭では本当に車は重宝します。子供を乗せてベビーカーを積んで移動できるので、電車に乗る際に抱っこしながらベビーカーをたたむ苦労もありません。子供が突然泣き出しても周りに気を遣うことなくストレスも軽減されるでしょう。

また、子供の通学や習い事などの送迎にも役立ちます。大きめの車なら自転車を積むこともできるので、自転車通学の子供を迎えに行くにも効率的です。

さらに普段の予防接種や歯医者などの通院もスムーズにできます。具合が悪くなった場合、救急を受診する際も車で移動できれば親子とも負担が減るはずです。

子供の人数が多いと、その分移動時に親にかかる負担はどんどん増えます。車に乗せれば移動中に多少子供から目を離しても、即危険ということもないので多少安心はできるでしょう。

目的地までの移動に無駄がない

目的地に行くのに、交通事情によっては電車やバスの乗り継ぎを繰り返さなければならない場合もあります。

さらに、目的地が駅やバス停などから離れていると、そこから長距離を歩くか、結局はタクシーを使わなければいけなくなります。

目的地によっては公共交通機関を使うことで、回り道なり余分な労力と時間を消費することにもなりかねません。

その点、車があれば目的地までダイレクトに到着できるので、移動に無駄がなくとても効率的だと言えるでしょう。ナビがついている車も多いので、道に迷うことなく目的地に行けるというのもメリットだと言えます。

時間や天候に左右されず行動できる

時間や天候に左右されず行動できる
公共交通機関を利用しての移動は、電車やバスの発着時間に合わせて移動しなければならず、時間を気にしていなければなりません。

特に電車などの本数が少ない地域だと、乗り遅れたら次の電車が来るまでに大幅なタイムロスとなります。また、終電がなくなると困ることになるでしょう。

さらに、雨や雪の日は服やくつ、荷物が濡れてしまうので移動がより大変になります。

車での移動は自分の都合のいいように時間調整ができるので気楽です。さらに雨や雪が降っても濡れる心配もないです。途中で寄り道ができるなど時間に追われず、余裕を持った移動ができるのでストレスもありません。

待ち時間も車の中で過ごせる

待ち合わせをしていて、時間より早く着きすぎることもあるでしょう。季節や天候がら外で待つのが辛いからと、近くのカフェなどに入ってしまうと余計な出費につながります。

車で行けば待ち時間も車内で過ごせるので気楽なうえに、経済的とも言えます。さらにプライベートな空間を保てる場所として、車を活用している人もいるのです。

忙しい毎日でなかなか一人になれない環境にいても、車に乗ってしまえばほっと一息つけるという人もいるでしょう。

また、車を運転してドライブに出かけるだけで、いい気分転換になってストレス発散につながるという場合もあります。

都会で車を所有することのデメリット

都会で車を所有することのデメリット
都会で車を所有、継続しようとすると以下のようなデメリットがあることも忘れてはいけません。

  • とにかくお金がかかる
  • 駐車場が探しにくくスペースが狭い
  • 電車移動が増えて車が必要となる回数が少ない

それぞれのデメリットについて詳しくご説明します。

維持費が家計を圧迫する

車を維持していくには、思った以上の出費が毎月かかります。使用頻度が少なくても、税金や保険料、車検費用などは同じようにかかります。

特に、都市部では物価や地価が高いので、ガソリン代や駐車場代も地方よりかかるのが一般的です。その上、家賃や食費などの生活費も地方より高くなるので、車にかかる費用が家計を圧迫することにもなりかねません。

しかも、車を購入してローンを組むとなると返済が数年続くので、場合によっては車を持つことで生活が困窮することもあるでしょう。

駐車場が少ない、スペースが狭い

都市部はアパートやビルなどが密集しているので、駐車場としてのスペースを確保しにくいと言えます。そのため、借りられる駐車場を見つけるのにも苦労するかもしれません。

外出先のデパートや観光施設なども駐車場が限られており、駐車するために待たなければならなくなるので、その点は時間のロスです。

さらに、スペースが狭いので、ミニバンやセダンなどの大きなタイプの車は駐車しづらいでしょう。裏路地など道が狭いエリアも多く、運転が不慣れな人だと辛いかもしれません。

さらに、車だと渋滞が起こると立ち往生してしまう、というデメリットも生じます。

交通機関が発達しているので必要性を感じない場合も

自宅や職場、学校周辺など生活エリアで公共交通機関が発達していると、車なしで目的地まで行けてしまえます。そのため、敢えて車は必要ないと考える人もいるはずです。

その場合は、荷物が多い時や大きな物を買いに行きたい時だけ、車を使えれば済むかもしれません。そんなときは、レンタカーなどを借りればいいと思います。

車を所有して毎月出費に苦しむよりは、公共交通機関のほうが安くつくし、車がなくてもさほど不便だと思わない人もいるでしょう。

車以外の移動手段でかかる費用

車以外の移動手段でかかる費用
車以外の移動手段というと、「電車」や「バス」などの公共交通機関がまず挙げられます。

通勤や通学にどの位の交通費がかかるのか考えてみましょう。

例えば、電車で直線距離にして10㎞の範囲を通勤するのにかかる費用は、都内だと月に約1万4400円です。定期を購入すればさらに3000円ほど安くなります。

大阪や北海道では約1万程です。もちろん移動距離がもっと長いと交通費は加算されていきますが、車の所有、維持していくのにかかるお金と比較すればかなり安く済むことが分かります。

また、必要な時にタクシーやレンタカーを使うとします。タクシーを週に2回5000円分使っても2万円、レンタカーを月に4回ほど借りたとしても約3、4万円の出費で済むのです。

費用だけで考えると、都会では車を所有しないほうがやはり経済的だと言えるでしょう。

都会での車の維持費 節約方法

都会で車を持つならば、できる限り維持費を節約したいものです。おすすめな節約方法としては以下になります。

  • 税金や保険料を抑えるための車選びをする
  • メンテナンスは定期的に行う
  • 普段からエコ運転に気を付ける
  • 家族の人数や用途に合わせて期間限定で車を所有する
  • 所有にこだわらず、カーシェアリングやカーリースを使ってみる

それぞれの節約方法について詳しくご説明します。

家計に見合った維持費の安い車に乗る

家計に見合った維持費の安い車に乗る
車の維持費は、家計の中でも大きな割合を占めます。都会だと物価も高いので維持費の高い車に乗ると生活が困窮し、結局は車を手放さなければならなくなるかもしれません。

そのため、できる限り「維持費の安い車」を選ぶことが大事です!

維持費のうち、税金や自動車保険料は車の排気量や重量で金額が変わり、排気量が小さく重量が軽い軽自動車やコンパクトカーは、税金も安いので維持費が抑えられます。さらに、ガソリン代は走行距離にもよりますが、維持費の2~3割を占めます。

少しでも節約できるように「燃費性能の良い車」や、ハイブリッドカーなどの「エコカー」を選ぶのもおすすめです。

ディーゼル車や電気自動車などのエコカー減税対象車なら、燃費基準などに応じて税金の減額率が決まっており、減税となるのでお得です!

メンテナンスやエコ運転が燃費向上につながる

メンテナンスやエコ運転が燃費向上につながる
車を頻繁に使うとオイルが汚れ、タイヤの空気も徐々に減ってしまいます。そうなるとエンジンに負荷がかかり、車を動かすのに余分なガソリンが消費されてしまい燃費が悪くなってしまうでしょう。

オイル交換やタイヤの空気圧チェックなど、こまめなメンテナンスも燃費悪化を防ぐことにつながるのです。

また、日頃の運転の仕方も維持費に大きく関係してきます。

車はアクセルを一気に踏み込むことでエンジンがフル稼働するのでガソリンがぐっと減ります。発進時はアクセルをゆっくり踏んで、走行中は急発進急ブレーキを防ぐためにも十分な車間距離を保ちましょう。

信号が変わりそうになったらアクセルから足を離して減速してください。上り坂では特にアクセルを踏み込みがちです。上りに差し掛かる前に加速しておくと、強く踏まなくてもある程度坂を上がっていけます。

他にも不要な荷物を積むとその分車の重量が増し、燃費が悪くなるので下ろすのも効果的です。

エアコンもガソリンの消費につながるので適切に使用することが大事です。

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ライフスタイルに合わせて車を所有する

ライフスタイルに合わせて車を所有する
都会で車を所有するにしても、長期間になるとどうしても購入費と維持費で車関係の出費が高くつきます。ライフプランを考えて車がどうしても必要な時期だけ所有すると決めれば経済的です。

また、維持費の高い排気量が大きく、重量の重い車を所有するのはどうしても維持費がかかってしまいます。そこでライフスタイルに合わせて所有する車の車種を変えるだけでも、生涯的に見ると維持費節約につながると言えるでしょう。

例えば、独身時代は車を持たず、結婚して家族が増えたらまずはコンパクトカーに乗ります。さらに家族が増えるようならミニバンに乗り換え、上の子が独立したら再びコンパクトカーに乗り換え、夫婦2人だけになったら車を手放すというような感じです。

車を新車で購入しても途中で買い替えることになるので、どうせならその時の生活に最適な車を選べるように考えましょう。

カーシェアリングやカーリースの利用

カーシェアリングやカーリースの利用
車を購入し、維持し続けるには毎月の出費がかさみます。

車の使用回数が少ないなら、車を敢えて所有しないというのも節約法の一つだと言えるでしょう。

決められた月会費を払えば、使いたい時に車が借りられる「カーシェアリング」を利用する人もいます。

カーシェアリングとは?
ネットで希望時間や車種を予約し、時間になったらカーステーションで車を借りり、時間分だけ料金を支払うというシステムです。
カーシェアリングの料金とは?
会社によって使用料に差はありますが、一般的に月額約1000円で利用料金は15分約200円となります。週に1、2回で計5~8時間借りれば基本的に車を所有するよりは安く済むと考えられます。

また、車を購入しないで、一定期間借りる「カーリース」も経済的です。

カーリースとは?
希望の車種をリース会社が購入し、維持費を含むリース代を毎月支払えば、契約期間内で新車に乗り続けることもできるシステムになっています。

契約終了後は車を返却するので財産にはなりませんが、ローンを組んで金利が上乗せされた返済金と維持費を支払うよりはリーズナブルでしょう。

今の車を査定、買取に出し中古車に乗り換えれば維持費を軽減する

今の車を査定、買取に出し中古車に乗り換えれば維持費を軽減する
新車を購入する際には、購入資金を準備するかローンを組むかを選べます。ただローンを組んでも維持費と利息分がプラスされたローン返済金が毎月の支出となるので、経済的に苦しくなる場合もあるかもしれません。

新車ではなく「中古車」を購入すれば、少なくともローン返済分の負担は軽くなるはずです。

中古車というと部品が劣化し、燃費が悪いというイメージがあるかもしれませんが、必ずしもそんな車ばかりではありません。

初年度登録から3年落ちまで位の年式の新しい、走行距離が5万㎞未満の状態の良い中古車なら維持費も抑えられます。ハイブリッドなどのエコカーも新車なら高額ですが、中古になると価格も下がるので手に入れやすいでしょう。

中古車でも丁寧に扱い、メンテナンスを欠かさなければ燃費の良い状態で長く乗ることができて経済的です。

まとめ

①都会で車を所有すると、ガソリン代や駐車場代が地方より高いので維持費が跳ね上がります。
②車があると買い物や子供連れでの移動などが楽になります。
③時間や天候を気にせずに外出できて、目的地までダイレクトに迎えます。
④都会は駐車場が少ないなど車所有者には不便な面もあるでしょう。
⑤都会で車を持つなら維持費の安い車を選ぶ、エコ運転をするなどの対策で維持費が節約できます。
⑥車の使用頻度が少ないなら、カーシェアやカーリースの利用も経済的です。

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