車を買取に出す場合は、ベストなタイミングも考慮に入れる必要があります。
買取価格はいつでも同じというわけではなく、時期によって異なります。そのため、より高値で買い取ってもらえるタイミングを狙うのがおすすめです。
車を買取に出すのにベストなタイミングというのはいつなのか、詳しく解説するので見ていきましょう。
また、買取にベストな車の状態も知っておくことで、高値で買い取ってもらえる可能性が高まります。
車の価値は年数の経過とともに下がる
一般的に車の価値は新車登録時がピークで、そこから年数が経過すれば下がっていくのが一般的です。
年数による価値の下落は大体決まっています。新車登録から1年経過すると購入価格の約30%、3年経過で約45%、5年経過で約60%も下落するとされています。
例えば、250万円の車であれば1年で約175万円、3年で約137万円、5年では約100万円になる計算です。少しでも高く売りたいなら、できる限り早いほうがいいと言うことになります。
車の買取にベストなタイミング
車の買取は、買取先が見つかれば基本的にいつでもできます。しかし、車種や年式などの条件が同じであっても、タイミングによっては買取価格が変わる可能性があります。
車買取には、需要が高まる時期や販売店が利益を出すために積極的に販売する時期などのタイミングがあるため、1年の中でも買取価格が上がる時期と下がる時期があります。
ここからは、買取価格が上がる時期について説明していきます。
ボーナス時期や販売店の買取キャンペーン期間中なども買取価格が上がりやすいのでおすすめです。
1年のうちで中古車の需要が高まるのは、1~3月です。
4月は進学や就職、転勤や転職などで新生活をスタートさせる時期でもあります。新たな環境で通学、通勤する際に車を必要とする方もいるでしょう。そのため、車の購入者が増えます。
4月からの新生活をスタートさせる前に中古車を購入して準備しようという動きが高まり、1~3月に中古車の需要が高まります。
車買取業者も中古車の購入者が増えるということを見越し、在庫数を増やすために積極的な買取を行うでしょう。そのため、買取価格がアップする可能性が高いです。
中古車販売店では、1年の中で3月に決算期、9月末に中間決算期を迎えます。そして、決算期までに1台でも多くの中古車を販売し、利益を上げておきたいと考えています。
積極的に中古車を売る動きに変わるため、少しでも多くの在庫を確保しておかなければなりません。そのため、9月に入ると中古車の買取価格がアップしやすくなります。
夏のボーナスが支給された後、つまり7月も中古車はよく売れる時期だとされています。これは、買い手の懐事情によるものです。
中古車といっても高い買い物になるため、大きな収入を得ないと、なかなか手が出せない方が多いです。そのため、ボーナスの支給を待ってから購入するという傾向があります。
中古車の需要が高くなると買取価格も上がりやすいため、7月も車を買取に出すベストタイミングだと言えるでしょう。
車の買取店では、不定期ですが買取強化キャンペーンを開催しています。買取額を通常よりも数%上乗せした形で買い取ってもらえるなど、店舗によってキャンペーンの内容は様々です。
さらに、買取に出せば抽選で家電などの豪華商品がもらえるキャンペーンなどが行われることもあります。
また、毎月買取強化対象となる車種を決めて、該当車種に関しては高く買い取ってもらえるというキャンペーンを行う買取店もあります。自分の車種が買取強化の対象となれば、高額買取のチャンスもあります。
こういった買取店のキャンペーン期間中も車を買取に出すベストタイミングになるので、情報を集めておきましょう。
季節によって需要が高まる車種に違いがあります。
例えば、4月の新生活を迎えるにあたって中古車を購入する方というのは、運転免許を取りたての新米ドライバーが多いです。初めて購入する車としては、リーズナブルで乗りやすく、小回りが利く車が好まれます。そうなると、軽自動車やコンパクトカーの需要が高まる傾向にあります。
他にも、夏や冬はお盆や年末年始などの長期休暇があります。そのため、キャンプなどのアウトドアや長距離のドライブなどに出かける方が増えます。また、冬だとウインタースポーツをするためにゲレンデに出向く際に雪道を走る機会もあるでしょう。
そういった場合、SUV車やワゴン車といったアウトドア向けの車の需要が高まる傾向にあります。そのため、買取価格がアップする可能性が考えられます。
車の買取価格は売値の何割が基本なの?
車の買取に不向きなタイミング
次に、車の買取価格が下がる時期を説明していきます。
4月に入ると新生活に中古車が必要な方は、ほぼほぼ購入を済ませています。つまり、1~3月で中古車の需要が急激に高まった後、4月に入ると中古車の需要が低下していくということです。
中古車を欲しがる人が減少するため、買取店側も在庫を多めに確保する必要がなくなります。あまり売れる時期ではないのに在庫を抱えると、むしろ管理費などで余計な経費がかかることになるので、買取を控える動きになります。そのため、同じ車種でも1~3月よりは安い価格での買取となってしまうでしょう。
また、4月1日時点での車の所有者には、自動車税(種別割)が課税されます。そのため、4月中に車を買い取ってもらったとしても、税金は納めることになります。
ただし、買取店によっては自動車税(種別割)の分まで買取額を上乗せしてくれたり、代理で自動車税を納付してもらえる代わりに1ヶ月分だけ買取額から差し引かれたりするなどの対応をしてくれます。売却のタイミングによって対応が異なりますので、確認するようにしましょう。
ボーナス時期や決算期は、中古車が欲しいという方も多い上に、販売店は利益を上げるために1台でも多く売ろうとするため、買取業者も在庫確保に努めます。
しかし、その時期を終えると中古車の需要も下がります。そのため、今度は残った在庫を販売しようするでしょう。
新たに在庫を増やそうという動きにならないため、同じ車種であっても買取価格は下がる傾向にあります。
12月は冬のボーナス時期に当たります。大きな収入を得たので、車を購入しようと考える方も増えるでしょう。
しかし、冬のボーナスは夏のボーナスに比べると支給額も少ないという企業が多いです。その上、冬はお正月の準備や帰省のための交通費などで何かと出費がかさむ時期でもあります。そのため、ボーナスが支給されても中古車の購入に充てるという方は少ないです。
また、年が明ければ中古車の需要が高まる1月になるのでそれまで少し待とうという方も多く、買取価格が下がると言われています。
車を買取に出すかどうかの判断基準
車を買取に出すか、もう少し乗ってから出したほうがいいか迷う方もいるでしょう。
買取に出すかどうかは、年式や走行距離といった車の状態もポイントとなります。また、車検の有効期限やモデルチェンジの時期、税金の支払期限などのタイミングも考慮したほうがいいでしょう。
このように色々な条件を踏まえた上で、自分が一番得をするタイミングを見つけることが大切です。
また、モデルチェンジの時期や車検の有効期間、納税時期なども考慮しましょう。
車の年式も、買取価格に大きく影響してきます。新車登録から年数が経過すると、どんどん車の価値は下がります。中でも新車から5年目になると、購入価格の半分以下にまで買取額は下がると言われています。
7年、10年も経過すれば、ほとんど価値がないとみなされる場合も多く、車の状態によっては買取額が0円となってしまうかもしれません。
高く売りたいなら、区切りとなる年式5年、10年を超える前に買い取ってもらったほうがいいでしょう。
走行距離も車の価値を算出する上での一つの基準となります。
一般的に、走行距離の平均は1年で1万㎞となっています。つまり、3年で約3万㎞、5年で約5万㎞というのが標準です。
ただし、通勤や通学などで遠距離を毎日のように車で走るという場合は、走行距離がかなり多くなってしまうでしょう。逆に近場への買い物くらいしか車を使わないという場合は、平均値よりも走行距離は少なくなるでしょう。
走行距離が標準よりも多いと、その分エンジンへの負担が大きいので故障のリスクも高まるとされています。
ただし、走行距離は年式とのバランスも大事です。走行距離が少なくても年式が古いと、長期間運転していない可能性が考えられます。車を長期間動かさないのもエンジンにはよくありません。
そのため、走行距離が標準よりも多いケースや、少なくても年式が古いケースは買取額が下がる可能性があります。
また、査定する際は、一般的に走行距離5万㎞、10万㎞を区切りにしていることが多いです。それらを超えて大台に乗ると買取額が下がる場合もあるので注意しましょう。
車は数年に1回、モデルチェンジが行われます。このモデルチェンジには、「マイナーチェンジ」と「フルモデルチェンジ」の2種類があります。
マイナーチェンジは、2~4年ごとに行われ、主に車の外装や内装を変えるものです。
一方、フルモデルチェンジは、4~6年周期で行われ、エンジンや車の構造まで全てを変えます。
車はモデルチェンジすると、現行モデルが一つ前のモデルになってしまうので価値が下がります。それは、どうしても新しいモデルに目が行くので、購入意欲が高まるからです。
中古車市場でも同様にモデルチェンジの前後では買取額が変わってくるため、モデルチェンジの前に買い取ってもらったほうが高く売れる可能性が高いでしょう。
モデルチェンジに関する情報は、メーカーのWebサイトなどで確認ができるので、情報収集しておくことをおすすめします。
車にかかる費用の中でも、大きなウェイトを占めるとされているのが車検です。
車検の費用は、税金や保険料などの法定費用、部品交換費用、業者へ依頼する場合の代行費用などがかかるので、車検基本料などを合わせると数万~十数万円かかります。
車検を受けてから買い取ってもらっても、車検にかかった費用分を買取額に上乗せしてもらえる可能性は低いのが現実です。そのため、車検を受けないで買い取ってもらったほうが、車検費用を負担しなくても済みます。
ベストなタイミングは、車検の有効期限が切れる2ヶ月前までに買取を済ませることです。あまりにギリギリまで待つと、何かトラブルが起きて買取が遅れた時に車検が切れてしまう可能性があります。
もちろん、車検が切れた車でも買取は可能ですが、買取額が下がる可能性がある上に、公道を走行できないのでレッカーなどを手配して運搬する必要があるので、余分な経費がかかってしまいます。
毎年4月1日時点における車の所有者には、自動車税を課税する義務があります。そのため、5月中に納付書が所有者の住所に届き、期限までに納付しなければなりません。
課税される前のタイミング(3月)までに買取を済ませれば、自動車税を納める必要がなくなります。
また、新車登録から13年以上経過すると税金額が増えるので、注意しましょう。
車の買い替えは、ライフスタイルの変化に合わせて行っていくことも大事です。
例えば、結婚後に夫婦それぞれ普通車に乗っている場合、1台を軽自動車に買い替えると維持費が安くなります。
また、子供が生まれたら、チャイルドシートを装着しなければならないので、ミニバンなどの車内が広い車に買い替える必要も出てくるでしょう。逆に子供が独立して大きな車が不要になったら、今度はミニバンをコンパクトカーや軽自動車に買い替えると維持費が抑えられます。
ライフスタイルが変わるタイミングで、早めに買取の準備をしておくと安心です。
車の買取価格の相場を調べておこう
車を買い取ってもらう前に、自分の車は中古車市場でどの位の価格で買い取られているかをチェックしておくことも大切です。
現在の買取価格だけではなく、過去のデータや未来の予測買取価格を確認できるサイトもあります。メーカーや車種、年式や走行距離などを選ぶだけで買取額がグラフとなって表示されるので、買取額の推移が分かりやすいでしょう。
買取を急いでいないなら、高く売れる時期に狙いを定めるのが得策です。買取相場をチェックしおけば、今買い取ってもらったほうがいいか、少し先のタイミングまで待ったほうがいいか見極めやすくなるでしょう。
車の買取価格は売値の何割が基本なの?
買取査定は複数の業者に依頼したほうがいい
車の買取価格は、車種や年式、走行距離など条件が同じ車でも、買取業者によって異なる場合が多いです。それは、得意とする車種の分野が買取業者ごとに違うことや売れる車種が業者ごとに違うなどの理由があるからです。
実際に自分の車がどの買取業者なら高く売れるかは、査定してもらわないとはっきり分かりません。始めから査定依頼を1社のみにすると他の買取業者の買取額が分からないので、本当はもっと高値がついていた可能性もあります。
少し手間と時間はかかりますが、複数社に査定を依頼して買取額を比較したほうが、一番高く車を売却できるでしょう。
早めの準備が大事
車の買取は、タイミングを逃すと買取価格が大きく違ってしまう場合もあります。
次のタイミングを待っていると年式が古くなり走行距離も多くなるため、車の価値が下がってしまいます。また、タイミングを逃さないために焦って買取業者を決めると逆に損することにもなりかねません。
効率よくお得に買い取ってもらうためには、早めの準備がポイントとなります。
買取先はすぐに見つかるわけではありません。査定のスケジュールも業者によっては少し先まで空いていないこともあります。そのため、買取のベストタイミングよりも2~3ヶ月前ぐらいから準備しておくことが大切です。