自分好みの車にするには様々な方法がありますが、車を手放す時のことも考えて改造を行う必要があります。
自分好みの車に仕上げて行くと買取の需要が少なくなるかもしれません。ずっと手元に置いておく場合は良いですが、将来的に売却をするのであれば、買い取ってもらう時のことも考えて改造を行いましょう。
車はどのように改造するといいの?買取に出すときの影響とは?
他人と同じ車でも、自分好みに改造したいと思う方もいるでしょう。ここからは、車をどのように改造するといいのか、メリットとデメリットも含めて詳しく解説していきます。
また、改造したことによって車を買取に出す際にどのような影響があるのか、改造車の買取価格を高くする方法についても紹介します。
改造車とは?
改造車とは、ベースとなる車両に対して外観や内装を改良したり、車の走行性能を変化させるボディ・足廻り・エンジンなどに改良を加えたりした車両のことです。
外観の改造は、アルミホイールやエアロパーツなどの取付けを行うことによって一新させることができます。また、空力による車の安定性向上や、軽量のアルミホイールを装着することによってバネ下重量が軽くなり、運動性能を向上させる効果があります。
内装の改造は、車内の質感アップ、静寂性の向上や使い勝手の向上などがあります。特にオーディオを中心とした改造も奥が深く、デッドニングといった音に対する補強を行うなど、種類も様々です。
運動性能を向上させる改造は、車の3要素である「走る・曲がる・止まる」を突き詰めることで、その車の本質を大幅に変化させることができます。
エンジン出力アップ、ボディの軽量化、剛性アップにより「走り」の質を変化させることができます。
また、駆動装置(LSD)の交換により、車の安定性向上やコーナーリングスピードの向上をすることができます。これが「曲がる」です。
「止まる」ことに関しては、ブレーキ容量を増やすなどして制動力の強化を行います。走る・曲がること以上に車を止めることは最も重要なことであり、改造内容に合ったブレーキの性能アップが必要となります。
改造には大小様々ありますが、法律に抵触する改造は行わないことや構造変更を行って公認を得ることが必要です。
車を改造することで法律に抵触するようであれば、公道を走らせることはできません。
例えば、足廻りの部品も規制緩和により、純正パーツだけではなく市販メーカーのパーツも自由に選択し取付けを行うことができるようになりました。
しかし、何でも好きに行って良いわけではありません。最低地上高(地面から1番車の低い位置に搭載している部品までの距離)を確保することや、最低地上高をクリアーしてもハンドルを目一杯切ることができず、タイヤハウスにタイヤが当たるといった走行に弊害が生じる改造は行えないこととなっています。
違法改造の状態で公道を走ることは、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられることになります。また、改造を行ったお店や違法改造車を取扱うことでも状況によっては処罰の対象となる可能性があり、入店を拒否されるかもしれません。
改造部位に対して、必要な書類を揃えて陸運局への持ち込み検査に適合すれば、改造内容が車検証へ記載され、公道を走ることができます。万が一、公道で止められることがあっても、車検証を提示し確認が取れれば問題はありません。
道路運送車両法の保安基準は、公道を走る「車」に対する法律です。保安基準は第1条~第73条まであり、公道を走行するナンバーの乗り物に対して定められています。
例えば、自動車には様々な形状や大きさがありますが、寸法規制から大型車、普通車、軽自動車などに分類されるところから始まります。
車の形状に対しても、歩行者保護の観点により鋭利な形状などは認められず、形状の角は丸みを帯びている必要があるなど細かな決まりがあります。これは、自動車製造メーカーやアフターパーツを製造するメーカーなどが対象です。
しかし、保安基準は法律を守るにあたり、細かく設定値を記載してしまうと抜け道ができてしまうため、要点は抑えつつも大まかな感じで書かれています。
改造を行う際には、その部分が保安基準に適合しているのかどうかを、住んでいる地域にある陸運支局に問い合わせて確認を行う必要があります。
改造内容の問い合わせについては、簡単なものなら電話で済む場合もありますが、勝手な解釈により無駄な労力や費用を費やす可能性を防ぐため、現車を持ち込んで改造内容を確認してもらい、アドバイスを受けたほうが確実です。
改造を行う際に1番に考えなければならないことは、保安基準に適合しない改造をしないことです。
また、改造を行ったことが原因で他人を巻き込む事故があってはならないため、保安基準に適合しているかどうかの確認を行った上で申請を行うことが必要です。
安易に取付けた部品が外れて歩行者に当たり、不幸にも亡くなってしまった場合には後悔してもしきれません。そのため、改造に関しては信頼できるお店で作業をしてもらうことをおすすめします。
また、元の状態へ戻せないような改造には慎重な判断が必要です。
例えば、パーツを取付けるために交換できない部位に穴を開けてしまえば、もう元に戻すことはできません。さらに、穴あけによる強度不足や水漏れ、養生不足による錆の発生など、後処理はとても重要になります。
そのため、車を改造する際は信頼と実績のあるお店にやってもらいましょう。
車の買取価格は売値の何割が基本なの?
改造によるメリットとデメリット
車を改造するメリット・デメリットについて、それぞれ解説します。
改造するメリットは、自分の思い描いた車へと愛車が生まれ変わり、それを実感すること、満足感を得られることです。
対するデメリットは、自分好みに仕上げた車を手放す際、査定額が思った以上に低い可能性があることです。
自分好みの車に改造することで、車のニーズは低くなります。しかし、同じ価値観を持つ方が見つかればその価値を分かってもらえるので、高い価格で売却できる可能性があります。
改造車にはどんな種類があるの?
改造車は個人で仕上げることもできますが、改造を専門に行っているお店に任せる事で、仕上がりも格段に変わってきます。
改造車の種類は沢山ありますが、今回は「ドレスアップカー」「チューニングカー」「コンプリートカー」の3つを詳しく紹介していきます。
ドレスアップカーとは、ベース車両にエアロパーツを取付けて、雰囲気を変えた車のことです。
「純正ベース車の雰囲気を大きく変えたい」「純正パーツを活かしたデザインパーツを取付けて雰囲気を変えたい」といった、様々な要望に応え、ドレスアップメーカーから様々なパーツが販売されています。
また、オリジナルパーツの販売やコンプリートカーの販売を行っているショップもあります。
ドレスアップの一例として、車高の調整が挙げられます。スタイルを突き詰めて行くと、極限まで車高を落としたいと考える方もいるでしょう。
しかし、地面との隙間が数センチとなると、その状態で車を走行することはできません。「見せる仕様=停車している時」であり、走行をする際には最低地上高を確保した状態まで車高を上げる必要がありますので注意しましょう。
チューニングカーとは、主にエンジンの出力アップを行った車のことです。
エンジンの出力を上げるには、エンジン内部により多くの空気とその空気量に見合った燃料を入れることで出力は上がりますが、コンピューターでの制御が必要となります。
エンジンには、スポーツ走行を想定したエンジンや燃費を重視したエンジンがあります。燃費を重視したエンジンでは、いかに少ない燃料で効率よく燃やすことができるかを突き詰めているため、出力アップには向いていません。
またエンジンの出力を上げる方法として、「空気と燃料を多く入れれば良い」とお話ししましたが、それを行うためにはエンジン部品の交換や加工が必要となります。
例えば、エンジン内部部品には耐久性・軽量・バランスの取れた部品(ピストン・コンロッド・フライホイールなど)を使用することやスムーズな空気の取り入れと効率の良い燃焼ガスを排出させる必要があります。
また、チューニングは「走る・曲がる・止まる」をトータル的に行うことが重要です。
エンジン出力を上げれば、その力を受け止めるボディ・駆動部・足廻りと、完全に車を止めるためのブレーキ強化が必須となります。
コンプリートカーとは、自動車メーカーや専門ショップが、車1台分のオリジナルエアロパーツ・アルミホイール・車高調整キット、特別仕様シートや内装加飾などを行った状態で販売されている車のことです。
個々にパーツを購入して取付けを行うよりは、お値打ちに購入することができます。
コンプリートカーは全てをエアロパーツで揃えられているので、デザインが完成されています。一体感のある仕上がりはとても綺麗です。
また、コンプリートカーを購入されたお店で乗り換えを行う場合は、下取価格も高くなる傾向にあります。
車の買取とは?
車の買取は、自動車ディーラーとは別に買取を専門としているお店に車を査定してもらい買い取ってもらう方法です。
現在乗っている車の型式・年式・走行距離・内外装の傷や修理歴などの情報をもとに、全国に流通している同車種から情報を照らし合わせて査定額を算出します。
売れ筋の車であれば、査定額が上がる可能性もあります。また、他店舗の買取価格の提示があれば、それよりも高く買い取ってくれるお店がほとんどです。
買取専門店は沢山ありますので、1店舗だけではなく何軒かのお店で査定を行い、価格の競合をした上で自分の条件にあったお店を選ぶことをおすすめします。
車を新しく購入する場合、まずは現在乗っている車をどうするのか考えましょう。
自動車ディーラーへ下取りに出すのか、買取専門店に出すのか、悩むと思いますが、結論から言うと買取専門店での査定額のほうが高い傾向にあります。
買取専門店は買い取った車を整備してそのまま販売できますが、自動車ディーラーでは、新車販売と下取り車とのバランスを取る必要があるため、新車からの値引きをすると利益が無くなることから、下取りする車をできるだけ安く買い取り、中古車として販売することで利益を得ています。
そのため、まずは買取専門店で査定を行うのがおすすめです。愛車の価値を知った上で自動車ディーラーを訪れて下取価格を確認し、どちらがお得になるのか比較しましょう。
車の買取価格は売値の何割が基本なの?
改造車の買取は不利?
改造車は、ノーマル車に比べると買取価格が低くなる傾向にあります。その理由は、一般的に改造車を好む人の割合が少ないからです。
自分好みに仕上げた車は、自分にとっては価値のあるものでも、他人にとっては必要ない可能性があります。
また、購入者側の心理として、色々と手が加えられている車はどのように使用されてきたのかが想像しにくいです。そのため、改造されていない車のほうが選ばれやすいです。
車の査定を行う際、修復歴のある・なしによって大きく査定額が変わってきます。
改造により車体部品を取り外したとしても、その箇所によっては査定時に理由を聞かれる可能性があります。なぜなら、フレームやパネル類に手を加えると、修復歴ありとして事故車扱いになる可能性があるためです。
ポイントとしては、普段触らない部分のボルト頭部に工具を掛けた跡がある、または塗装されているボルトの塗装が剥げているなどが挙げられます。
また、パネルの合わせ部分などは水漏れしないようにシール材が打ってありますが、改造のためにこれらを剥いでやり直すと修復したとみなされる可能性がありますので、注意が必要です。
改造車でも高額査定になる
高額査定が出る改造車とは、ベース車両に人気がある、最新モデルである、走行距離が少ない、事故歴がない、外装や内装に傷や汚れがない、人気のボディ色である、といった条件が挙げられます。
プラスとして人気のパーツが取付けられている場合は、査定額アップに繋がるかもしれません。
特にコンプリートカーは人気があります。自動車メーカーや専門ショップが製作した車は、取付けや加工の処理も綺麗で、後付け感がない仕上がりです。買取専門店としても一般に公表されて販売されている車であるため、仕様も分かり、安心して買取を行うことができます。
しかし、自作パーツや様々なメーカーのパーツが組み合わされて取付けられている場合には、素性が分からないことや取付け状態も隠れた部分は判別しづらいため、査定額としては下がる可能性があります。
希少価値の高い車は、すでに生産が終了している可能性が高く、その時代の法規で作られた車であるため、現在と同じような仕様の車を製作することはできません。現存している希少車であるからこそ、価値が上がるわけです。
これから電気自動車にシフトしていく中で、エンジン搭載モデルのハイパワースポーツカーの人気は上がっていくことでしょう。
また、何年も放置された車をレストアすることで無から価値を生み出すお店もありますので、旧車に興味がある方は一度探してみてもいいかもしれません。
人気パーツなどは大量生産ができないため、生産が追いつかない場合があります。入荷待ちの状態が続いていても、ネット上で探せばパーツが販売されていることもあります。しかし、あえて高値で取引きされていることも多いため、元の価格を確認し、適正な価格で購入することをおすすめします。
また、市場で手に入りにくい人気パーツが取付けられてる車であれば、査定アップに繋がる可能性は高いです。しかし、そのパーツの価値を分かっているお店に査定してもらうことが必要となります。
知識やノウハウがあるお店であれば、十分にその価値が分かっていますので、そのお店に相談しつつ、他のお店でも査定を行うと良いでしょう。
改造車としての査定が低く、ノーマル車へ戻しても査定額が上がらないこともあるでしょう。その場合は、取付けられていたパーツを個々に、パーツ買取専門店へ持ち込んだり個人オークションなどに出品したりすることで、多少でも値が付く可能性があります。
同様のパーツがネットでも流通しているのであれば、個々の部品価値を生み出すことができます。
改造車の価値を1番分かってくれるのは、チューニングカーやドレスアップカーの製作・販売・買取を行っている専門店です。
その専門店に取付けてもらったパーツがある場合は、他専門店よりもその価値を分かってもらえるので、査定額がアップする可能性は高くなります。
他の専門店にも足を運んで査定をしてもらい、1番高い査定額を出してくれたお店に買い取ってもらうことがベストです。
しかし、思い入れの深い車であるほど、次に乗るオーナーにも大事に乗ってもらいたい思いもあるでしょう。信頼できるお店にその旨を話しておくことも必要です。
自分の好みの車に仕上げても、時が経って手放す時に改造しているところをどうすれば良いのか悩むところです。
そんな時は、まず現状のままの価値を調べましょう。現状で手放すほうが良いのか、純正に戻すほうが価値が上がるのかはお店での査定によって決まります。
しかし、個別に自分の車を欲しい人に譲るほうが高値になる可能性はあります。知人を通じて譲る、お店で店頭に並べてもらい売却を待つ、オークションに出すなど、今の時代でできる方法を検討し、自分の納得の行く方法で次のオーナーへ引き継ぎましょう。