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12月は、1年のうちでも忙しい時期だとされています。特に年末が近づいてくると忙しさだけではなく、イベントも目白押しとなり、何かとお金を消費する機会が多いかもしれません。
そんな年末に車の乗り換えや買い替えのタイミングを迎えると、「年末に車を売るのは得なのか?損なのか?」と疑問に思う方もいるでしょう。
そこでこの記事では、年末の車買取事情について詳しく解説していきます。
年末の車買取査定の傾向を徹底検証!
実のところ、車の買取査定に出す時期として年末を選ぶこと自体は、可もなく不可もなく無難な選択だとされています。
しかし、年末は「買取におすすめ」という意見から「やめたほうがいい」という意見まで、主張が真っ二つに分かれているのが現状です。
そこで今回は、年末に車を買い取ってもらうのはどうなのか、様々な角度から検証していきます。
車の買取を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
年末に車を買取に出すと「損をする」という主張とその根拠について
年末の車買取に関しては、様々な見解があります。そのため、損をするか得をするのか、はっきりと言い切れないのが現状です。
そこで、まずは年末に車を買取査定に出すと「損をする」つまり、安く買取査定される可能性があるという意見と、その理由について見ていきましょう。
中古車の査定額は、たとえ同じ車でも時期が変われば少なからず上下することがあります。
時期で車の査定額が上下する理由は様々ですが、一つの原因として考えられるのが、需要と供給のバランスが1年の中で変化することです。
年末は冬のボーナスという大きな収入機会がある半面、様々なイベントが目白押しで出費の機会も多くなってきます。結果として、消費者のお財布の紐が堅くなり、大きな買い物となる車の需要が落ちこみます。
そういった理由から、査定額がなかなか伸びてこないとされています。
ただし、出費が増えてくるのは「年末」と言っても12月下旬のいよいよ年の瀬が押し迫ってきた時期です。その反面、冬のボーナスは12月初旬には各ユーザーに行き届いていることが多いため、この主張にはややズレがあるとも考えられます。
事実、日本自動車販売協会連合会が毎年発表している月別の中古車登録データを見てると、2022年12月の中古車登録台数は約26万7千台です。
需要が一番高くなる3月を除くと、他の月も概ね27~28万台程度であるため、12月だからと言って極端に需要が落ちているわけではないことが分かります。
1年の中で車が最も高く売れるとされているのは、1月中旬から2月末にかけてです。この時期は3月の大需要期に備え、各車業者がこぞって供給(在庫車)を確保すべく、普段より買取査定額を上げて積極的に買取を行います。
そのため、査定額が上昇しやすいのですが、本題である年末は車業者が供給(在庫車)の確保に動き始めるより、1ヶ月程度前の時期に当たります。
しばらくすると、業者が懸命に仕入れをしなければならない時期がやってくるため、1ヶ月前の年末にいつもより高い査定をして無理に買取をする必要はありません。
そのため、1年のうち車が一番高く売れる可能性がある時期の直前に当たる年末には、車を買取査定に出すべきではないとされています。
しかし、中古車は生鮮食品などと違い、早く仕入れたからと言って腐ってしまうわけではありません。高く買い取られる時期の後ならともかく、その直前であれば査定額にそれほど影響は出ないのではないか、という意見もあります。
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年末に車を買取に出すと「得をする」という主張とその根拠について
ここまで、車の買取相場は年末に下がるという意見もあるが、必ずしもそうとは言い切れないということを説明してきました。
そこで次は、年末に車を買取に出すと「得をする」という主張とその根拠について見ていきましょう。
年末に車を買取査定に出したほうがいい理由として多く挙げられているのが、その車の年式が1年新しいと評価されるからというものです。
確かに、車の年式はその査定額を決めるうえで、走行距離と並ぶほど重要な評価材料の一つとなっています。そのため、年式が1年違うだけで査定額が大きく上下することがあります。
特に、故障や不具合が増え始めるとされている「10年目」とその1年前の「9年目」、自動車税が増税される「13年目」とその1年前の「12年目」では、査定額に与える影響が大きいので意識しておきましょう。
ただし、年末も差し迫ってくると、転売時には1年年式が進むからとして大した評価につながらない可能性も多いにあります。そのため、年式が1年得をすることを狙って年末に買取査定に出すのであれば、できるだけ早め(11月いっぱいが目安)を心掛けたほうがよいでしょう。
年末は車を買取に出すべきではないという理由の中で、年末は中古車の需要が落ち込むとされていることを挙げました。そして、月別の中古車登録台数データをもとに、それが根拠としてはやや弱いことを指摘しました。
このデータと12月の中古車事情を併せて考えると、一部の車種・タイプの需要は、年末になっても堅調であることが予想できます。
なぜなら、年末年始は家族が一堂に会う機会が多いため、ワンボックスやRVなどといったファミリー層向けの車種が売れやすく、それが全体的な需要を下支えしていると考えられます。
つまり、ファミリー層向けの車種であれば、年末でも高い買取査定額を引き出すことができる可能性があるということです。
反対に、個人向けの軽自動車やコンパクトカー、事業者向けの貨物自動車などは、やはり春の繁忙期に需要が集中しています。そのため、自動車やコンパクトカーといった車種・タイプについては、年末が買取に向いているとは言いにくいでしょう。
結局のところ年末は車の買取に適したシーズンなの?
ここまでで、年末は車の買取に向いていない・向いているという、それぞれの理由を紹介してきました。しかし、どちらも「決定打」と呼べるほどではありません。
そこでここからは、年末の買取がおすすめなのかどうかということを、もう少し詳しく掘り下げて見ていきましょう。
年末に車を買取査定に出すと年式が1年得をするため、タイミングが合えば年が変わらないうちに売ってしまったほうがよいのは確かです。
特に、新車から数えて4回目の車検、つまり9年目の車検満期が迫っている場合、年末は買取査定に出す絶好機だと言えるかもしれません。
なぜなら、4回目の車検が満了する前にその車を売ってしまえば、車の査定額がガクンと下がってしまう「10年落ち」を避けることができるからです。
正直なところ、9年落ちの車と10年落ちの車では各部品の傷み具合や消耗品の消耗度合いに大した違いがあるわけではなく、どちらが故障しやすいということもありません。
しかし、10年落ちになった時点で、中古車市場におけるニーズがぐんと下がってしまうため、車検満期が来る前に素早く買取に出したほうがよいでしょう。
なお、同じような理由で、走行距離が10万kmを超えている車より9万9千kmの車のほうが高く買い取ってもらえる可能性があります。そのため、年式の経過と一緒に、その車の走行距離も気にしておきましょう。
年末は中古車の需要が他の月より極端に落ちるわけではありません。また、1年で最も車の買取相場が上昇する1月や2月からは外れているといっても、わずか1ヶ月程度ですから、業者の買い控えの影響が極端に出るとも考えにくいでしょう。
そのため、年末でも需要が落ちにくい家族向けの車種・タイプや、10年落ち・10万km寸前の車に関しては、年末に買取に出して問題ありません。むしろ、他の時期より高く売れる可能性もあります。
ただし、ほとんどの車の場合は、すぐにやってくる1月や2月まで待ったほうが買取額は期待できます。「数日で車検が切れてしまう」「安全な走行に支障がある」といった、差し迫った事情でもない限り、それまで待ったほうがいいでしょう。
新車もしくは車検が2年ついている中古車(ちょうど1年車検が残っている中古車も同様)を購入した場合、必然的に次の車検を受けなければならないタイミングも年末、または年明け早々にやってきます。
この時、1~2ヶ月後にやってくる1年で一番車が高く売れる時期まで、車検を受けて待っていようと考える方もいるかもしれません。
確かに、車検を受けた状態で早春の買取額が上がる時期を迎えれば、車検切れの車を年末に売るより高い買取査定額を望めます。
しかし、プラスされる査定額が車検費用を上回ることはまずないため、車検を受けてまで待つ金銭的メリットはないとされています。
もし年末に車検が切れる車の買取を早春まで粘るなら、車検を通さずにバスや電車で通勤するなど、他の移動手段でしのぐしか手はないでしょう。
また、車検が切れると車を動かせなくなるため、業者に来てもらったり、積載車で運ぶことになったりと手間が増えることも考えておかなければなりません。
年末に車を買取に出すときのコツと注意点
ここまでで、年末が車を買取に出す時期として適しているかどうかに加え、どんな車なら年末に買取に出しても問題ないか、車検が迫っている場合はどう対処すべきかなどについて解説してきました。
最後に、年末に車を買取に出す時のコツと注意点について説明していくので、参考にしてください。
年末は、車を売る側のユーザーにしても買い取る業者側にしても、何かと忙しい時期です。
特に売る側としては、買取手続きが遅れて、乗り換え用の車の納車や売却益の入金が年始にずれ込むと、年末年始の予定が狂って無駄な出費が発生したり、余計な手間や時間がかかってしまったりする可能性があります。
例えば、年末に買取に出した車の手続きが遅れ、その影響で買い替え用の車の納車が年末から年始にずれ込んだとしましょう。
この時、買い替えた車で帰省する予定だったら、車がないため年末で混み合った公共交通機関に頼らざるを得ないかもしれません。場合によっては帰省自体が困難になることも考えられます。
そのため、年末に車を買取査定に出す時は、書類の準備や次に乗る車種の選定など、できるだけ早め早めに準備を行うようにしましょう。
前述した通り、年末は非常に忙しい時期です。そんな年末にも関わらず、車を買取査定に持ち込んできたユーザーに対し、買取業者は「何かの事情で早く車を売りたくて焦っている!」という印象を持つことがあります。
この時、買取業者は実際にユーザーが焦っているかどうかに関わらず、「早く売却先を決めないと査定額が下がってしまう」などといった常套句を使ってくることがあります。
しかし、年末に限らず売る時期が遅くなる(車が古くなる)と、その車の査定額が下がるのは実は当たり前のことです。その上、買取に出した時期が年末であれば、後少しで1年のうち最も高く車が売れる買取のピークがやってくるため、粘れば下がるどころか買取額がUPする可能性もあります。
年末に車を買取査定に出した時、業者がユーザーの焦りを利用して常套句を使ってきても、慌てずに自分たちの都合に合った売却を心掛けましょう。
「急いで車を買い替える必要がある」「早急にお金を用意しなければならない」など、特別な事情がない限り、車検期限が残っているのであれば、最も査定相場が上がる春先まで手放さずに待つのも一つの手です。
車検の残期間も重要な査定ポイントであるため、長く残っているほうが、査定時のプラスになるのは確かです。しかし、車検が1~2ヶ月程度長く残っているより、1年で最高の売り時に買取査定してもらったほうが、多くの売却益を得られる可能性が高くなります。
ただし、年をまたぐと9年落ちから10年落ちになる車やもう少し走ると10万kmを超えてしまう車の場合は、年内もしくは10万kmを超える前に売却したほうがお得になるケースもあります。
こういった境界線上にある車の最適な買取時期を見極めるのは困難かもしれません。そのため、こういう車の場合は、買取査定担当者に「年末と春先のどっちで売ったほうがお得だと思いますか?」とストレートに聞いてみてください。相手も商売なので、どっちがいいか正直に言ってくれないかもしれません。
こうやって聞いてきた時点で、「春先は高く車が売れる」ということを知っているユーザーだと解釈され、足元を見られる心配が少なくなるでしょう。
買取に出す時期・タイミングに関わらず、まったく同じ条件の車であってもその買取相場は、店舗や業者によって異なります。
そのため、複数の業者に査定依頼をして見積もりを比較したうえで、競合によって査定額の引き上げを図るのがおすすめです。
年末は何かと気が焦ってしまって複数の業者での買取査定の見積もり比較や価格交渉を怠り、「これでいいや」と妥協してしまうこともあります。
しかし、様々な要素が絡んできて買取相場が不安定な年末は相見積もりと競合で買取額が大きく変わるので、早めに動きだして少しでも高く売れるよう手を尽くしましょう。
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