軽自動車のホイールサイズを変更したらどうなるのでしょう?今より見た目が良くなったり、乗りやすくなったりするのか気になるという方もいるかもしれません。

今回は、軽自動車のホイールサイズを変えた時のメリットとデメリットを説明します。

こちらを参考にした上で、本当に自分がホイールサイズを変更するべきなのかどうか検討してみてください。

軽自動車のホイールサイズの違いによるメリットとデメリットを理解しておきましょう

軽自動車のホイールサイズの違いによるメリットとデメリットを理解しておきましょう
軽自動車であれ普通自動車であれタイヤを交換する時には、正しくタイヤを選ぶための決まりがあります。決まりを理解した上で、自分の軽自動車に合うタイヤのホイールサイズを選びましょう。

また、ホイールサイズを変更すると、見た目だけではなく車の走行性能などにも影響します。メリットだけでなくデメリットもあるため深く考えずに選んでしまうと、燃費などで後悔することになりかねません。

決まりだけでなくメリットとデメリットをしっかり把握しておくことが大切です。

一般的な軽自動車のホイールサイズ

以前の軽自動車では12インチ~13インチが中心と言われていましたが、最近では14インチが主流になりつつあります。15インチは、通常のインチアップの他にはスポーツタイプの軽自動車のホイールとして使用されていることもあります。

軽自動車のホイールサイズは基本的に15インチまでで、16インチ以上になると普通自動車のホイールサイズです。

ただし、13インチや16インチを使用する軽自動車もあるため、ホイールを購入する際には必ず自分の車に合ったサイズかどうかを確認するようにしましょう。

ホイールを購入する上で、「PCD」の確認が必要です。

PCDとは?
ホイールの各ボルト穴の中心点を結んでできた円の直径を表したものであり、単位はmmとなります。

軽自動車の場合、まれに5穴の車種もありますが、通常は以下の数値です。

  • ボルト穴:4穴
  • PCD:100mm
車のタイヤサイズを確認するには

タイヤのサイズを確認する方法は2つあります。

タイヤを見る

タイヤの側面には、タイヤサイズが記載されています。

運転席ドアの内側を見る

タイヤのサイズと、規定の空気圧が表示されたシールが貼ってあります。

車は車種によってサイズや重量も異なるため、タイヤのサイズや適正空気圧もそれぞれ違います。自分の車にあったタイヤサイズを確認するようにしましょう。

ホイールサイズを確認するには

ホイールを購入した時の書類が残っている場合には、そこにホイールサイズが記載されているかもしれません。

書類がない場合、ホイールに施されている刻印やシールで確認することができます。刻印やシールの位置は製品によって違いますが、リム裏などに表記されていることが多いです。

その場合、ホイールからタイヤを外さなければホイールサイズを確認することができません。外すためには専用の器具が必要で、知識や技術のない個人で行うことは危険です。

ホイールサイズが不明の場合は、タイヤショップや自動車整備工場に持って行って確認してもらうか、実測しておおよそのサイズを把握することができるでしょう。

ホイールサイズを変えても同じサイズのタイヤを選びましょう

ホイールサイズを変えても同じサイズのタイヤを選びましょう
軽自動車のタイヤを交換する場合、ホイールサイズが変わっても、タイヤ全体の外径はほぼ同じサイズのタイヤにする必要があります。

もしタイヤのサイズを変えてしまうと、いろいろな不具合が生じてしまいます。以下では、タイヤのサイズを変えたことによる影響をいくつか紹介します。

走行距離メーターが狂ってしまう

オドメーターは、走行距離を測るメーターのことです。タイヤが1回転するたびに、その1回転分の距離を加算して走行距離を測っています。

タイヤの外径が大きくなった場合は、スピードメーターの表示速度が実際より低く表示され、オドメーターは実際の走行距離より少なく表示されてしまいます。

タイヤの外径が小さくなった場合は、スピードメーターの表示は高く表示され、オドメーターは多く表示されることになるのです。

つまり、タイヤの大きさが変わってしまうと、メーターの値と実際に走った距離がどんどんずれてしまいます。走行距離を自分で修正することは、不可能です。

また、走行距離は単にどれくらい走行したかを見るだけではありません。車のパーツのメンテナンス時期を把握する目安にしたり、車を売る際には査定金額の目安として利用されたりします。

走行距離メーターが狂うことにより、様々な不具合や悪影響が生じることになるでしょう。

車の規格に合わなくなってしまう

車にはそれぞれ適切なサイズのタイヤが装着されています。サイズを自分で勝手に変えてしまうと車のボディに合わなくなってしまいます。

タイヤが取り付けられなかったり、取り付けられたとしても走行中にタイヤが当たって車が破損したり、タイヤが外れたりして大きな事故につながりかねません。

また、太いタイヤをつけると、車からタイヤがはみ出てしまうことがあります。タイヤとホイールが車体へ接触することや、車枠やフェンダーからはみ出すことは、道路運送車両の保安基準 第18条で禁止されています。車からタイヤがはみ出ると、車検にも通すことができません。

タイヤを交換する際には、元のタイヤのサイズとなるべく近いサイズを選ぶようにしましょう。ただし、数ミリ程度の誤差であれば問題ありません。

標準タイヤの負荷能力を下回ってしまう

タイヤ1本で支えることができる負荷重量が決まっていますが、その最大負荷能力を示した指数のことを「ロードインデックス」と言います。

自動車メーカーが指定している標準タイヤは積載量や乗車定員数にあわせて選定されています。

過積載やタイヤの負荷能力を超えて使用をすると、タイヤの損傷やバーストなどで事故につながり大変危険です。

標準タイヤのロードインデックスを下回らないように気をつけましょう。

タイヤの摩耗による影響も留意が必要です

タイヤを長く使っていると、当然のことながらタイヤは摩耗してきます。摩耗することにより多少外径が変わってきてしまうため、走行距離が長くなればなるほどメーターと実際の走行距離には差が生じてくることになります。

タイヤの摩耗で生じる走行距離の差は1万km走ったとしても数十㎞程度と考えられるので、現実的にはそんなにタイヤの摩耗による影響を気にしなくてもいいかもしれません。

しかし、古いタイヤを使い続けていると車の乗り心地や燃費が悪くなるだけでなく、傷ができたりスリップしやすくなったりするなど、安全にも関わってきます。

タイヤが摩耗してきていると感じたら、早めに交換するようにしましょう。

ホイールサイズの変更を「インチアップ」「インチダウン」と呼びます

ホイールサイズの変更を「インチアップ」「インチダウン」と呼びます
ホイールとは、タイヤの内側からはめ込む車輪状のものです。

リムとは、ホイールの一部でタイヤが組み合わされている部分のことです。リム径はタイヤの内径とも言えます。

ホイールサイズを変更すると、これまでのタイヤは装着できなくなるためタイヤも変えなければなりません。(ドーナツのサイズはそのままに穴の大きさを変えるようなものだと思えば、イメージしやすいでしょう。)

ホイールサイズの変更は以下の2つがあります。

インチアップ

ホイールのサイズを上げてリム径を大きくすることです。扁平率の低い(薄い)タイヤを装着することになります。

インチダウン

ホイールのサイズを下げてリム径を小さくすることです。扁平率の高い(厚い)タイヤを装着することになります。

ホイールサイズを変更するためには、その車に適したタイヤのサイズを把握することが重要です。

インチアップもインチダウンも1インチなら問題ないとされています。しかし、2インチ以上になると、その車の車種や方法にもよりますので、確認するようにしましょう。

インチアップは2インチ程度に抑えましょう

軽自動車の走行性能を上げたり、自分の車をドレスアップするために軽自動車のホイールサイズをアップさせたりする方もいます。この場合、1インチのアップで十分だとされています。

軽自動車はもともと普通自動車と比較するとコンパクトに作られているため、1インチアップしただけでも見た目がとても変わります。

それでも、もっとホイールサイズを上げたいと思う方もいるかもしれません。その場合であっても、2インチ程度がインチアップの限界でしょう。

2インチ以上上げてしまうと、普通自動車のタイヤのホイールサイズと近くなってしまいます。そうなると、取り付けられなくなることも考えられます。

まずは1インチ上げるか下げるところから、お好みのホイールを探してみましょう。

それでは、インチアップとインチダウンそれぞれのメリット・デメリットを説明します。

インチアップのメリット①見た目が美しくなる

インチアップのメリットの1つ目は、見た目がスタイリッシュになりドレスアップ効果を高められることが挙げられます。

インチアップをすると、ホイールサイズを大きくなるため黒いゴム部分の面積が減り、中央のホイール部分が際立ちます。そのため、必然的に見た目が良くなるのです。

ホイールのデザインにはいろいろなものがありますので、自分好みの素敵な軽自動車にカスタマイズすることができるでしょう。

インチアップのメリット②走行性能の安定性が増す

インチアップのメリットの2つ目は、カーブやブレーキでのグリップ力が向上し、走行性能の安定性が増すことです。

タイヤの幅が大きくなれば接地面積が大きくなり、角やカーブで曲がりやすくなります。ハンドル自体は重くなってしまいますがブレが少なくなるので、安定した走行ができるようになるでしょう。

また、ホイールが大きくなると、車体を支える力も大きくなり、ホイールに入る空気の量も増えることになります。その結果、ブレーキが冷えやすくなり制動力が増すなど、全体的な走行性能が向上するとされています。

インチアップのデメリット①走行音が大きくなる

インチアップのデメリットの1つ目は、走行音が大きくなることです。

ホイールサイズが大きくなると、同時に音も大きくなりやすくなります。

インチアップした結果、扁平率が下がります。タイヤが路面と接する面積が大きくなったぶん音も伝わりやすくなるので、どうしても大きくなってしまうのです。

インチアップのデメリット②振動が伝わりやすくなる

インチアップのデメリットの2つ目は、振動が伝わりやすくなることです。

ホイールが大きくなった分だけタイヤのゴムの部分が少なくなるので、タイヤが走行している時の衝撃を吸収しにくくなります。そのため、車に乗った時に騒音や振動を感じやすくなり、乗り心地が悪くなるでしょう。

日常的にでこぼこした道を走る場合や長時間車に乗ることが多い場合には、インチアップをすることが本当に必要かしっかり検討することをおすすめします。

インチアップのデメリット③ハンドル操作が重い、燃費が悪くなる

インチアップのデメリットの3つ目は、ハンドル操作が多少重くなることです。

タイヤが路面に接する面積が大きくなるのと比例して抵抗も大きくなります。ブレは少なくなりますが、転がり抵抗は強くなり、結果的に燃費の悪化を招くことがあります。

軽自動車は燃費の良さを重視して購入する方も多いため、燃費が気になるのであれば、タイヤを元に戻すのも一つの手段です。

どれくらい燃費が変わってくるかはそのタイヤによって異なりますが、タイヤによっては最大で3割ほど燃費が悪化することもあると言われています。

インチアップによる燃費の低下を最小限に食い止めたいなら、省燃費タイヤをはじめとしたグレードの高いタイヤを購入することをおすすめします。

インチダウンのメリット①乗り心地が良くなり、走行音も小さくなる

インチダウンのメリットの1つ目は、走行する時の音が小さくなり、乗り心地もマイルドになることが挙げられます。

タイヤの扁平率が高くなり、厚みが出るため、路面からの衝撃を吸収しやすくなります。

インチダウンのメリット②雪道や濡れた道で滑りにくくなる

インチダウンのメリットの2つ目は、雪道などの路面でも滑りにくくなることです。

接地面が小さいと面積あたりに受ける車体の重量が増えて接地圧が上がるため、タイヤの溝はより排水し、滑りにくくなります。

ただし、アイスバーンのようなグリップ力が求められる場面では、逆に滑りやすくなるので注意が必要です。そのため、雪国に住んでいるなど、凍結した路面を走る機会がそれなりに多いのであれば検討が必要でしょう。

インチダウンのメリット③費用面

インチダウンのメリットの3つ目は、燃費が良くなることです。

厚みのあるタイヤは接地面が小さくなることから転がり抵抗も小さくなり、その結果として燃費も良くなります。

また、扁平率の高いタイヤとホイールは多くの場合、価格が安いのも利点となります。タイヤ関係の整備を安価に抑えたい場合には有効と言えるでしょう。

インチダウンのデメリット①見た目が地味になる

インチダウンのデメリットの1つ目は、見た目のスタイリッシュさが損なわれ地味になってしまうことが挙げられます。

ホイールが小さく扁平率の高いタイヤはオフロード車向けのデザインが多く、車種によっては見た目が自分の好みとは、かけ離れたものになってしまう可能性があります。

インチダウンのデメリット②走行性能の低下

インチダウンのデメリットの2つ目は、走行性能が悪くなることです。

タイヤが路面と接する部分が小さくなることは、ブレーキやカーブでのグリップ力の低下を招きます。

また、インチダウンで扁平率が高くなることにより、タイヤのたわみ、よれが発生しやすくなります。そのため、コーナリング性能も低下してしまうのです。

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普通自動車のタイヤの流用の際の注意点

普通自動車のタイヤの流用の際の注意点
以前の車のために購入したタイヤが未使用で残っていたり、つけたいタイヤのホイールサイズが大きかったりした場合、軽自動車でも普通自動車のタイヤを流用することはできないかと悩まれるかもしれません。

結論から言うと、その軽自動車にあっているサイズ、規格のタイヤであれば利用することが可能です。

通常、軽自動車のほとんどは14インチのホイールを採用していますが、普通自動車の場合の多くは16インチ以上のホイールサイズとなっています。

タイヤのサイズがあっている限りは、ホイールが大きくなる分にはインチアップの範囲ですので問題ありません。しかし、タイヤの中にはサイズはあっていたとしてもブレーキなどに干渉してしまい、軽自動車に普通自動車用のタイヤをつけようとしても難しい場合があります。

普通自動車用のタイヤを軽自動車で使用したい場合には、まずは店舗などプロに相談するのが無難と言えるでしょう。

全体の規格が合っていることが大切です

全体の規格が合っていることが大切です
ホイールサイズは大きくしたり小さくしたりすることができるため、ある程度自由が利きます。しかし、タイヤにはホイールサイズ以外にも他に様々な規格があります。

例えば以下です。

  • タイヤの幅
  • ボルトの穴の数
  • ボルトの位置に関わるPCD(ホイールのボルト穴の中心線を結んだ時にできる円の直径)の数値
  • インセットの数値(ホイールの中心線に対してどれだけ取付位置がずれているか)

これらの規格がすべて同じ、もしくは取付可能な範囲でないとタイヤの交換ができません。

自由が利かない部分については、よく確認しておきましょう。

ホイールナットの形状にも注意しましょう

ホイールナット(ホイールを固定するナット)は、メーカーやホイールの種類によってサイズや形状が異なります。

ホイールに合致しない形状のホイールナットを取り付けた場合、固定力が弱くなりホイールから外れてしまうこともあるでしょう。

タイヤやホイールと同じく、ホイールナットのサイズにも表記ルールがありますので、これを確認することで自分のホイールに適合するホイールナットを探すことが容易になります。

ホイールのサイズ変更はプロに相談するのがおすすめです

ホイールのサイズ変更はプロに相談するのがおすすめです
車にあまり詳しくない方がホイールのサイズ変更を検討される場合、必ずタイヤ専門店などプロに相談して決定するようにしましょう。

ホイールサイズの変更を間違えてしまうと、車検に通らないだけでなく、整備不良で法律違反となる可能性があります。また、車の持っているせっかくの性能を活かしきれないかもしれません。

タイヤとホイールの購入や装着には時間や費用がかかります。安い買い物ではない上に、それなりに長い期間使用するものです。後で悔いが残らないよう、規格・デザイン・性能など、総合的に検討するようにしてください。

ホイールのサイズを変更したら空気圧も確認しましょう

ホイールのサイズを変更したら空気圧も確認しましょう
インチアップ、インチダウンどちらの変更であったとしても、タイヤサイズを変更した後は空気圧が適正かどうかを確認するようにしましょう。

タイヤには適正空気圧が定められていますが、元の純正タイヤと交換した後のタイヤとでは適正空気圧が異なっている場合があります。

また、インチアップによりタイヤが元のものより薄くなっていると、ゴムのクッションを空気で補わなければならないため、空気圧をその分高くしなければなりません。

さらに、空気圧が不足したまま走行すると燃費が悪化するだけでなく、タイヤも損傷する可能性があり、走行中にタイヤが破裂するなどの危険もあります。

危険を避けるためにも変更直後だけでなく、定期的にガソリンスタンドなどでチェックしてもらうのがおすすめです。

まとめ

①軽自動車のホイールサイズの違いによるメリットとデメリットを理解する
②原則として同じサイズのタイヤを選ぶことが大切
③ホイールサイズの変更は「インチアップ」「インチダウン」と呼び、それぞれメリットとデメリットがある
④普通自動車のタイヤの流用には注意するべき点がある
⑤ホイールサイズを変更したい時はプロに相談するのがおすすめ
⑥ホイールサイズを変えた後は空気圧も確認する

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