軽自動車のユーザー車検の費用は、法定費用のみで多くても4万円位だとされています
軽自動車のユーザー車検とは、業者を通さずに自分で車検手続きを行う方法です。自賠責保険料と自動車重量税、検査手数料の法定費用はかかりますが、通常の車検よりもかなり費用を節約できるのがメリットだとされています。
自賠責保険は強制保険で、車購入時に加入し、車検時に更新されます。自動車重量税は軽自動車の場合は一定課税ですが、エコカー減税の実施により対象車両は税金が安くなります。
ユーザー車検は、費用が安いですが、業者による整備点検を行わない分、安全面での不安が残るといったデメリットも生じます。
ユーザー車検は業者に依頼しないで自分で検査場に車を持ち込んで車検を受ける方法です
軽自動車の車検というと、ディーラーや整備工場、カー用品店などに依頼するという方法が一般的でしょう。しかし、業者を通さないで自分で車検の手続きを行う方法もあり、ユーザー車検と言います。
業者に頼んでも、最終的に軽自動車検査協会に車を持ち込んで検査を受けます。ユーザー車検の場合、この手続きを車の所有者自らの手で行うことになるのです。
通常は、業者に依頼すると車検の前に、自動車に故障や不備がないか点検、整備を行います。点検整備を業者を通じて行わないで、ダイレクトに車検を受けることになるのが、ユーザー車検です。
ユーザー車検の費用は、基本的には車検そのものにかかる法定費用となります。法定費用は具体的には、自賠責保険料と自動車重量税、車検の手数である印紙代の3つです。
自賠責保険は強制保険で、次回の車検までに期間分を前払いする形で保険料を納めます。自動車重量税はエコカー減税制度導入により、軽自動車を購入した時期によって金額が異なります。
検査手数料は、軽自動車に関しては1400円です。ユーザー車検で必要な費用は、一般的に大体3万5000円~4万円前後だとされています。
カー用品店やディーラーなどの業者に依頼するよりも費用は1万円~3万円ほどは節約できるでしょう。
軽自動車の売買をする際の必要書類とは?
自賠責保険料と自動車重量税は必要です

自賠責保険は、軽自動車を公道で走らせる上で加入することが法律で義務付けられている強制保険です。自賠責保険の保険期間は、車検の有効期限よりも1日でも長くないと、基本的に車検証は交付されません。
通常、軽自動車は車検有効期限が2年なので、自賠責保険の保険期間も24ヶ月もしくは25ヶ月とされています。ただし、軽自動車を新車で購入すると、始めの車検までは3年なので保険期間は37ヶ月の設定になります。
自賠責保険料は、毎年1月に行われる自賠責保険審議会で決定されます。保険料が前年の額のまま据え置きになる場合もありますが、年度によっては高くなる、安くなるというケースもあるでしょう。
車種によっては違いますが、保険料は全国共通で、どの保険会社で加入しても変わりません。
自動車重量税というのは、軽自動車は自家用か事業用かという区分や登録からの年数などによって課税される税金です。普通車の場合は、車の重量に応じて課税される金額が異なります。
しかし、軽自動車の場合一定額です。車検時に納付書に重量税に相当する金額に印紙を購入して貼り、納付書を提出する形で納めます。
そして、軽自動車を廃車にする際に、手続きを行い、条件を満たしていれば重量税は還付されます。軽自動車の重量税は2021年の4月まではエコカー減税が施行されているため、対象となるエコカーに場合は重量税が安くなります。
エコカー減税の対象などは細かく分けられているので一概にはいくら位とは言えませんが、大体1200円位から1万円位です。
愛車の重量税がいくら位になるかをネットの軽自動車の重量税計算ツールなどを利用して調べてみましょう。
ユーザー車検は費用が節約できるのが大きなメリットです
ユーザー車検のメリットというと、やはり費用が安くなるという点でしょう。通常、業者に車検を依頼すると、まず手数料がかかります。
更に、整備工場で点検、整備して劣化箇所を補修してから検査場に車を持っていくのが通常です。そのため、点検整備費用や部品を取り換えた場合は、部品代に車検費用が上乗せされるので結果的に車検費用が高くなってしまうでしょう。
一方ユーザー車検の場合は、こういった点検、整備を行わずにそのまま検査場に自ら車を持っていく形になるので、費用が節約できるというわけです。そして、自分で検査場に車を持っていき、立ちあうことで自身の愛車の状態を詳しく知ることができるというメリットもあります。
軽自動車検査協会での車検は、平日の昼間のみ実施しています。ほとんどの検査場では、8時45分から15時45分まで、4ラウンドまで時間を区切って車検を行います。
土日や祝日などは休みとなっているので、平日会社勤めをしている人だと、休みを取らなければなりません。また、年末年始やゴールデンウィークなどの長期休みの前は混雑しやすく、予約が取りにくい場合もあります。
更に、車検で車の現状がわかっても整備してもらえるわけではありません。検査には通るけれど、劣化により交換したほうが良い部品があっても、基本的にはそのままです。
そのため、車検に通ってもしばらく経つと車を故障してしまう可能性もゼロではありません。つまり、安全は保障されないのです。
そして、安全基準に満たない場合は車検が通らないというリスクもあります。車検前に自身で愛車を点検、整備するという人もいるでしょう。
ただ、見落としがある、車に詳しくないので簡単に済ますといった場合、いざ検査場で車の部位をチェックすると自分では事前に気が付かなかった故障や劣化が見られることも考えられます。そうなると、基準をクリアしなかった項目に関しては、再度整備し直して車検を通さなければならなくなり、二度手間になってしまうというわけです。
ユーザー車検は必要書類を準備し、検査日を予約するところから始めましょう

ユーザー車検は、居住地を管轄する軽自動車検査協会に車を持ち込み、必要書類を持参して受けることができます。車検を受けられる台数は決まっているので、いきなり行って受けられるものではありません。
事前予約が必要となります。ネットもしくは電話予約が可能です。
検査当日は、決められた時間までに検査場に車を乗り入れ、受付で書類を提出します。検査場では、基本的に係員の指示に従って車を操作すればよいので、さほど難しくはありません。
例えば、ブレーキをかける、ライトを点灯させるなど普段運転している時にも行う操作なので問題ないでしょう。検査は、まず車検証の内容と車が同一であるかをチェックし、車のボディや灯火などの外観検査から始まります。
そして、検査場に車を入れてタイヤの横滑り量を見るサイドスリップ検査、前後輪などのブレーキ検査、実際の速度とスピードメーターに誤差がないかの検査などが行われます。更に、ヘッドライトの光量、光軸の検査、排気ガス内の有毒ガスの濃度検査、車両の下部などの下周りの検査で終了です。
最後に総合判定ボックスに必要書類を提出し、問題がなければ合格の押印がなされます。新しい車検証と共に合格のステッカーが渡されるので、失くさないうちにフロントガラスの指定部分に貼っておきましょう。
また、問題があったらその部分を是正し、再度検査を受けることになります。1回の検査申請で3回までは再検査が受けられます。
軽自動車のユーザー車検にはいくつかの書類が必要となるので、事前にきちんと準備しておきましょう。まず、自動車検査証(車検証)です。
ほとんどの場合、助手席側のダッシュボード内のファイルに収納されているので確認しておきましょう。更に、軽自動車税納税証明書も必要です。
毎年4月下旬頃に自宅に軽自動車税納付書が郵送で届き、金融機関などで納付した際に受領書と一緒に受け取る用紙です。自賠責保険証明書もいります。
自賠責保険は車購入時に次の車検期間まで加入し、保険料も前払いしてあるので車検証と一緒に収納されているはずです。ユーザー車検を受ける前に更新しなければなりません。
そして、認印も準備しましょう。定期点検整備記録簿は、12ヶ月の法定点検などを受けた際に内容を記録した用紙です。
自身で事前に点検整備を行う場合はネットからもダウンロードできるので用意しておきましょう。
軽自動車の売買をする際の必要書類とは?
(まとめ)軽自動車のユーザー車検の費用はどの位なの?
軽自動車のユーザー車検は業者に依頼しないで、手続きを自分で行うことでかかる費用が結構削減できるというメリットがあります。自賠責保険料と自動車重量税、手数料などの法定費用はかかりますが、数万円は安くなるとされています。
ユーザー車検は、業者を通さないで自分で車検の手続きを行います。かかる費用は自賠責保険料、自動車重量税、検査手数料の法定費用と呼ばれる費用のみです。一般的に3万5000円~4万円位だとされています。
自賠責保険料は車の購入時と車検時に、加入もしくは更新が行われます。基本的に前払いで保険料を納めます。保険料は毎年審議会で決定します。
自動車重量税は、軽自動車の場合一定額ですが、エコカー減税の適用を受け、対象車は税金が安くなります。
ユーザー車検は業者に依頼しない分、車検にかかる費用が節約できるのが最大のメリットだと言えるでしょう。ただし、専門業者の整備点検を受けずに車検を通すので、安全性が保証されないなどのマイナス面があるのも否めません。
ユーザー車検では、ネットか電話でまず検査日を予約し、当日書類を持参して車を持ち込みます。検査場では係員の指示に従い検査を進めます。
車検証や自賠責保険証明書など必要書類が色々とあるので、漏れがないように確認して準備しましょう。