お手持ちの軽自動車の売却を検討している方もいるでしょう。軽自動車を売却する際、買取価格が気になるところです。

軽自動車の買取価格を考えるにあたって「残価率」を把握することが大事です。

この記事では、残価率の算出方法や自分で相場を調べる方法について紹介するので、買取価格を推測する際の参考にしてください。

軽自動車の残価率の相場は?

軽自動車の残価率の相場は?
軽自動車の残価率の相場は以下の通りです。

3年落ちの車両…50~60%程度
5年落ちの車両…40~50%程度
7年落ちの車両…20~30%程度

全ての軽自動車が上記の通りになるわけではありませんが、決して低くないことがわかります。状態の良い車両であれば、意外と高額買取も期待できるでしょう。

このように年数が経過すればするほど、残価率は下がる傾向が見られます。高値で軽自動車を売却したいのなら、早めに査定に出すのがおすすめです。

軽自動車の残価率は年式と走行距離が重要

軽自動車の残価率は、同じ車種でも変わってきます。車両の状態はどれ一つとして、同じ状態ではないためです。車両のコンディションが良好な車であればあるほど、残価率も高くなる傾向が見られます。

状態の良し悪しを決める要素として大きいのが「年式」と「走行距離」です。年式が古い軽自動車の場合、それなりに走り込まれてきた車両と推測できます。また走行距離の多い車両は、エンジンや消耗品の負荷も大きく劣化の進んでいる可能性が高いでしょう。

外装や内装の傷や汚れなどの状態ももちろん残価率を決める要素の一つです。しかし、車のコンディションを左右する年式と走行距離は、残価率を決める大きな要素と考えておきましょう。

そもそも残価率とは?

残価率とは読んで字のごとくで、対象の車両にどれだけの価値が残っているかを数値化したものです。

軽自動車は新車で購入した段階が、最も価値の高い状態なのが一般的です。時間の経過とともに、徐々に残価率は下がっていきます。汚れや傷もつきやすくなりますし、部品の劣化や消耗も進んでしまうのでどうしても価値が下がってしまうわけです。

残価率は車の状態以外にも、さまざまな要因を加味して算出されます。年式や走行距離が重視される一方で、ブランドや車種なども要素の一つです。有名メーカーで、人気のある車種やモデルの場合、残価率はなかなか下がりません。

他にも事故歴の有無なども残価率に大きな影響を及ぼすので、軽自動車を購入するときに残価率を意識して、安全運転を心掛けることが高額買取のためのコツです。

普通車と比較して高い?

普通車と比較して高い?
軽自動車の残価率を見てみると、普通車と比較して総じて高めと考えてよいでしょう。車種や年式などによってもちろん変わってきますが、全体的に見れば普通車よりも残価率は高めです。

ネットを見てみると、車種別の残価率のランキングを紹介しているサイトがあります。このランキングを見ても、軽自動車が上位にいることも珍しくありません。

5年落ちの残価率のランキングを見ると、上位にきている車種は70%前後の数値を出しているものもいくつかありました。5年落ちの車種における残価率の目安が40~50%ですから、かなり高いことが分かると思います。

残価率の算出方法

残価率の計算方法はシンプルです。買取価格を新車価格で割って、100を掛けて算出できます。

具体的な事例で見ていきましょう。新車価格が200万円の軽自動車があったとして、その買取価格の相場が120~150万円だったと仮定します。

この場合、残価率を出す計算式は以下の通りです。

<買取価格が120万円の場合>
120万円÷200万円×100=60%
<買取価格が150万円の場合>
150万円÷200万円×100=75%

つまり、この軽自動車の残価率は60~75%が相場と考えられるわけです。

もしこの軽自動車が3年落ちだった場合、全体的な相場は50~60%です。よって、この軽自動車は相場と比較して残価率が高い、言い換えればリセールバリューが高い、高額買取の期待できる車種になります。

自分で計算する場合は買取価格の相場を調べる

自分で計算する場合は買取価格の相場を調べる
自分の愛車の残価率を算出するためには、軽自動車の買取価格相場を把握しなければなりません。現在ではインターネットを利用すれば、買取価格のおおよその相場は把握できるので簡単に残価率の算出が可能です。

例えば、買取業者のこれまでの取引実績から、車種ごとにおけるおおよその買取価格の相場がわかるでしょう。他にもディーラーのサイトに掲載されている下取りシミュレーションを使ってみるのも一考です。

さらに、中古車販売店の売買実績や販売価格から、買取価格の相場を把握する方法もあります。

多少面倒かもしれませんが、複数のサイトにアクセスして買取価格をチェックしてみてください。情報が多ければ、それだけ現実に即した買取価格の相場が分かります。より正確に残価率も把握できますし、買取価格の予測精度もあがります。

軽自動車の残価率が高い理由について

軽自動車の残価率が高い理由について
先ほども紹介したように、軽自動車の残価率は総じて高めの傾向が見られます。普通車と比較しても残価率は高めです。

ここからは、軽自動車の残価率が高くなる理由について解説していきます。以下を見れば残価率の高い理由にも、納得がいくでしょう。

軽自動車は残価率が高いと聞きましたが何か理由があるのですか?
元々の新車価格が安くて値崩れしにくいこと、メンテナンスコストがあまりかからないことが残価率の高い要因になっています。また、幅広い層でニーズがあるので中古車でもさばきやすいのが値崩れしにくい理由です。
国内市場での取引がメイン

軽自動車の中古車は主に国内マーケットでの取引になると思ってください。一方、普通車は海外に輸出する場合も珍しくありません。

海外に輸出する場合、外国通貨での売買になります。すると為替変動リスクをどうしても受けてしまいます。円安局面で普通車を海外に売却した場合、それほど大きな利益をあげられません。

一方、軽自動車は海外に輸出されることは少ないので、為替変動を念頭に置く必要はありません。結果的に高額買取の可能性が高まり、残価率も高い状態で推移できるわけです。

メンテナンスコストがかからない

軽自動車は普通車と比較して、メンテナンスコストがあまりかからないのも残価率が高い理由の一つです。メンテナンスコストがかからず、保有していても出ていくお金が少ないので中古車市場でも軽自動車は人気です。

中古車市場も他のマーケット同様、需給関係で価格が決まります。需要が高ければ高値で売却でき、買取価格も高くなり残価率も高くなるわけです。

軽自動車は近年のモデル中心に高い信頼性を誇ります。故障の発生リスクが少ないので、整備費用もあまりかかりません。もし部品交換が必要だったとしても、普通車と比較して軽自動車の部品価格は低めです。普通車と比較して、修理費用もさほどかかりません。

税金や自賠責保険料も普通車と比較して安いのも、軽自動車の魅力です。ランニングコストがかからないため、高く評価されているのです。

新車の価格が安い

軽自動車は新車価格が元々安めなのも、残価率を高く維持できる理由の一つです。

残価率は「買取価格÷新車価格×100」で算出されます。母数である新車価格が安ければ、残価率も高く出やすいというわけです。

軽自動車の新車価格を見てみると、100万円台で購入できる車種も数多くあります。一方、普通車の中には高級車を中心として、新車価格が1,000万円以上のものも見られます。

新車価格が高ければ、買取価格が少し下がっただけでも大きく値崩れしかねません。軽自動車は大きく値崩れしないので、買い替える際にまとまった売却代金を手にできます。

将来の買い替えのことを考えて、軽自動車をマイカーとして購入するのも良いでしょう。

需要が安定している

軽自動車は使い勝手が良いため、マイカーとして購入する人も少なくありません。この傾向は中古車マーケットでも同様です。

中古車市場における需要がそれなりに安定しているので、高値で売却できる可能性は十分あります。

高値で売却できるので、高額買取でも利益を出せます。そのため、残価率が高い状態で推移できるのです。

軽自動車は幅広い層で需要があるのも、高値買取のつきやすい理由の一つです。老若男女関係なく購買層が広がっており、地方や都市、地域に関係なく需要が一定数あるのも残価率がなかなか下がらない理由です。

軽自動車は普通車と比較してリーズナブルな価格で販売されているものが多いでしょう。中古車であれば、さらに廉価で購入できるのも人気になる理由です。

普通車との差が縮まっている

軽自動車と言えば、一昔前まで普通車と比較して数段劣るというのが一般的な見方でした。しかし、近年の軽自動車を見ると、性能面でも決して見劣りしない車種も増えています。

例えば、軽自動車と言えば、コンパクトサイズで車内も狭く窮屈というイメージがありました。ところが最近ではハイト系ワゴンに代表されるように、車内スペースが十分で快適に運転できるような車種も出てきています。

それでいて、軽自動車ならではの小回りの良さはそのままです。都市部でも狭い路地や駐車場でも、あまりストレスを感じることなく運転できるのも魅力です。

このような使い勝手の良さから、最近ではファミリーカーとして軽自動車を買い求める世帯も珍しくありません。

軽自動車の性能アップも残価率が高い状態で推移している理由の一つです。

残価率の高い軽自動車について

軽自動車の中でも残価率の高いものもあれば、それほどでもないものも見られます。では、軽自動車の中でも残価率の高いものにはどのような特徴があるのでしょうか。

2024年における残価率の高い軽自動車の特徴について、ここではいくつかピックアップしてみました。

残価率の高い軽自動車には何か特徴はありますか?
プレミアのついている車種や最新のトレンドを取り入れている軽自動車は中古車市場でも人気なので、残価率は高いです。また、ロングセラーを記録している慣れ親しまれた車種も残価率は高い状態で推移しています。
最新設備の搭載されているもの

最新設備の搭載されているもの
軽自動車にも最新鋭の設備が搭載されている車種も少なくありません。このような設備が搭載されている車種は、残価率が高めで推移する傾向が見られます。

とある車種で安全支援システムの搭載されている車の残価率を見てみると2024年時点で、45%程度の残価率がありました。2017年式のものなので、2024年時点で7年落ちです。

こちらのモデルには「衝突軽減ブレーキ」や「誤発進抑制機能」などが搭載されています。自分がドライビングミスをしても、車がカバーしてくれることで事故発生リスクを低減できます。

運転に自信のない人や初心者でも、気軽に日頃から運転できるでしょう。このような手軽さが評価されて、残価率も高くなっているのでしょう。

デザイン性のあるもの

軽自動車に乗る層を見てみると、近年広がりを見せつつあります。若年層でも軽自動車に乗りたいと思っている人は少なくありません。

若年層が軽自動車を選ぶにあたって、デザイン性を重視する傾向が見られます。よってデザイン性にこだわった車種の残価率は高くなる傾向があります。

とある軽自動車の車種で、デザイン性にこだわったグレードの5年落ちの残価率を見てみると約65%でした。5年落ちの車種の中ではかなり高い残価率です。

こちらのグレードは、フロントフェイスがダイナミックで迫力もあります。インテリアもシックで高級感のあるところが、若年層を中心に支持を集めています。

ハイブリッドモデルの軽自動車

ハイブリッドモデルの軽自動車
ハイブリッドカーに対する人気は高く、中古車市場でも同様です。その傾向は、軽自動車でも決して例外ではありません。

軽自動車の中でもハイブリッドモデルのものも少なくありませんが、総じて残価率は高い傾向にあります。

ある軽自動車の2019年式ハイブリッドモデルの残価率を見てみたところ約45%でした。こちらの軽自動車には、ハイブリッドシステムが搭載されていました。ハイブリッドのため燃費に優れ、カタログの数値によると1リッターあたり33kmを記録しています。

ガソリンは近年高値の状態で推移しているので、車のオーナーにとってガソリン代の節約は切実な問題です。軽自動車でリーズナブルなハイブリッドカーを買い求める人も増えてきています。

愛車の買取相場を知ることで高く売ることができます 愛車のかんたん査定はこちら

残価率の高い状態で軽自動車を売る方法について

軽自動車の残価率を高い状態にするためには、車両のコンディションを良好に維持することが大事です。そのためには常日頃から気を付けるべきことがいくつかあります。

ここからは、残価率を低くしないために、自分で注意すべきことを紹介していきます。将来軽自動車を売却するのであれば、参考にしてください。

残価率を高く維持するために自分にできることはありますか?
メンテナンスをこまめに行って、できるだけ良好な状態を維持し続けることが大事です。修復歴を作らないように事故を起こさず、安全運転を日頃から心掛けることも大事なポイントです。
メンテナンスをこまめに行う

メンテナンスをこまめに行う
軽自動車の残価率を決める要因の一つに、車両の状態が挙げられます。人気の車種で装備が多く搭載されていても、肝心の車両の状態が良くなければリセールバリューは高くなりません。

定期的なメンテナンスを実施して、車のコンディションを整えることは残価率を高い状態で維持するために必要です。具体的にはオイルやタイヤなど消耗品を交換しましょう。

他にも、洗車をすることが大事です。きれいな状態を保つことは、査定士の心象に影響するからです。きれいな軽自動車を見れば、査定士は「大切に扱われた車に違いない」と思うでしょう。査定も好意的に行ってくれるので、高値売却の可能性も高まります。

カスタムはしない

軽自動車を自分の好きなようにカスタマイズしている人もいるでしょう。カスタマイズしている車は、残価率があまり高くないと言われています。

車高を低くしていたり、大型ホイールや大きな音を出すマフラーなどを取り付けている車は好き嫌いがはっきりと分かれます。しかも、あまり好きではないという人のほうが多いので、買い手がつきにくくなるわけです。

軽自動車の残価率を高く維持したければ、純正品のままでカスタムしないことが重要です。カスタムした場合でも、元々取り付けられていた純正品は捨てないでください。査定の段階で社外品パーツがついていても、純正品を保管している旨伝えれば、マイナス査定になる心配はありません。

安全運転を心掛ける

安全運転を心掛ける
日頃から軽自動車を運転する際には、安全運転を心掛けましょう。事故を起こしてしまうと、傷やへこみができてしまって残価率がどうしても下がってしまいます。とくに事故で気を付けたいのは「修復歴のある車」です。

修復歴とは、車のフレームなどに修理した車を指します。車のフレームを修理した車両は、見た目は完全に修繕されていても走行性能に深刻な問題が起きているかもしれません。そのため、残価率は大きく下がってしまいます。

運転する際には急ハンドルや急ブレーキをかけないようにする、車間距離を十分開けるなど安全運転を心掛けましょう。傷やへこみも起こりにくく、車両の状態が良いので残価率も高い状態で保持できます。

まとめ

①軽自動車の残価率は全般的に高い傾向
②軽自動はメンテナンスコストの安さや元々新車でも低価格なので値崩れを起こしにくい
③日頃からメンテナンスをして良い状態に車を保つことも残価率を高い状態でキープするために必要

※本記事は公開時点の情報になります。
記事内容について現在の情報と異なる可能性がございます。
車の査定は何社に依頼するべき?
愛車の買取相場を知ることで高く売ることができます 愛車のかんたん査定はこちら