軽自動車を購入して使用する上で、毎月どのくらい維持費がかかるのかは把握しておくと安心です。また、普通車やミニバンなど、他の車種と比較するとどのくらい差額が生じるのかも気になるところでしょう。
そこで、この記事では軽自動車や普通車などの月間維持費(目安)を解説します。また、軽自動車の維持費が安い理由や、維持費の節約方法などについても紹介していきます。
軽自動車の毎月の維持費は大体3万円
まずは軽自動車の年間の維持費を見ていきます。
車の排気量ごとに税額が決まる軽自動車税(種別割)は、一律10,800円です。
任意の自動車保険料は、約5万円です。
自動車重量税や自賠責保険料、車検基本料などを含む車検費用は約8万円です。
さらに、ガソリン価格185円/1L、月間走行距離500㎞として、燃料費が約5万円かかるとします。
また、メンテナンス費用や洗車代、駐車場代などの諸費用を合わせると、トータルで約35万円が目安となります。
年間35万円を月で割ると、1ヶ月約3万円の維持費はかかる計算です。
この金額は、車両ランクによる税金、燃費性能・走行距離によるガソリン代、地域による駐車場代などで差額が生じる可能性が高いため、あくまでも目安としましょう。
軽自動車と他車種の毎月の維持費を比較してみよう!
軽自動車とコンパクトカー、普通車やミニバン、SUVなど他の車種と毎月の維持費を比べてみましょう。
維持費にどのくらい差があるのか、把握しておくことは車種選びの参考になるはずです。
まずはコンパクトカーの年間の維持費を見ていきましょう。
自動車税(種別割)が約3万円、任意の保険料が約56,000円、自賠責保険料や自動車重量税、車検基本費用などを含む車検費用が約10万円とします。
また、ガソリン価格185円/1L、月間走行距離500㎞として、燃料費が約55,000円かかるとしましょう。
メンテナンス費用や洗車代、駐車場代などの費用を合わせると、トータルで約40万円となります。
年間40万円を月で割ると、1ヶ月約33,000円の維持費がかかる計算になります。軽自動車との差額は、約3,000円です。
もちろん、車両ランクによる税金、燃費性能・走行距離によるガソリン代、地域による駐車場代などで差額が生じます。あくまでも大体の目安として把握しておきましょう。
普通車の年間の維持費を見ていきます。
自動車税(種別割)が約36,000円、任意の保険料が約58,000円、自賠責保険料や自動車重量税、車検基本費用などを含む車検費用が約12万円とします。
ガソリン価格185円/1L、月間走行距離500㎞として、燃料費が約6万円かかるとしましょう。
また、メンテナンス費用や洗車代、駐車場代などの諸費用を合わせて、トータルで約43万円となります。
年間43万円を月で割ると1ヶ月約36,000円の維持費がかかる計算です。軽自動車との差額は、約6,000円となります。
ミニバンの年間の維持費を見ていきましょう。
まず自動車税(種別割)が約45,000円、任意の保険料が約73,000円、自賠責保険料や自動車重量税、車検基本費用などを含む車検費用が約13万円とします。
ガソリン価格が185円/1L、月間走行距離500㎞として、燃料費が約55,000円かかると仮定します。
メンテナンス費用や洗車代、駐車場代などの費用を合わせて、トータルで約52万円となります。
年間52万円を月で割ると、1ヶ月約43,000円の維持費がかかります。軽自動車との差額は約13,000円です。
SUVの年間の維持費を見ていきましょう。
自動車税(種別割)が約36,000円、任意の保険料が約73,000円、自賠責保険料や自動車重量税、車検基本費用などを含む車検費用が約11万円とします。
ガソリン価格185円/1L、月間走行距離500㎞として、燃料費が約6万円かかるとします。
また、メンテナンス費用や洗車代、駐車場代などの費用を合わせて、トータルで約47万円となります。
年間47万円を月で割ると、1ヶ月約4万円の維持費はかかるでしょう。軽自動車との差額は約1万円です。
軽自動車の売買をする際の必要書類とは?
軽自動車の維持費が安い理由について
軽自動車の維持費は、他の車種と比べると安くなっています。ここからは、その理由について解説していきます。
車の維持費を安く済ませることに重きを置くなら、普通車よりも軽自動車を選ぶのが賢明でしょう。
軽自動車は、コンパクトカーなどの他の車種に比べると圧倒的に税金が安いです。
例えば、車の排気量で税額が決まる自動車税を比べてみましょう。軽自動車の場合、一律10,800円です。それに対して排気量1.5L以下と排気量の少ないコンパクトカーでも30,500円はかかります。
また、車の重量によって税額が変わる、自動車重量税でも軽自動車は3,300円です。普通車の場合500㎏以下で4,100円、重量が500㎏重くなると税額が上がります。
このように、軽自動車というだけで、普通車よりも税額が優遇されているのです。
任意の自動車保険の保険料は、保険料の合計を全契約台数で割ることで計算できます。軽自動車は、普通車と比べると数万円安いとされています。
その理由として挙げられるのが、軽自動車1台あたりの保険料の支払額が少ないことです。他にも、軽自動車は車の重量が軽いので、事故に遭っても被害が少ない、そもそも事故率が低いことも理由とされています。
いずれにせよ、軽自動車のほうが普通車より保険料が安く済んでいます。
車は部品が劣化するので、定期的に交換するメンテナンスが必要です。軽自動車の場合、ボディサイズや排気量が普通車よりも小さいので、部品代も安く済みます。
また、車検にかかる費用も、普通車よりも安い傾向にあります。車のメンテナンスは、車を運転するのに欠かせないので、時期が来たら交換しなければなりません。
その際、部品代やより安い軽自動車にすれば、維持費も節約となるでしょう。
愛車の軽自動車は、実際にどのくらいの維持費がかかるのかは気になる所です。税額や保険料など、自分である程度計算することも不可能ではないですが、細かな維持費まで含めて算出するのは難しいでしょう。
そんなときは、軽自動車の月間維持費のシミュレーションサイトがおすすめです。車種や年式、年間走行距離や任意自動車保険料、駐車場代などを入力すると、自動で月間維持費を算出してくれます。
また、算出された月間維持費が、多すぎるか適当かを評価してくれるので、維持費を減らすべきがどうかの指標となるでしょう。
維持費を節約する方法
ここからは、車の維持費を節約する方法を4つ紹介していきます。
軽自動車に限らず、いろいろな車種の維持費を節約することができるため、参考にしてください。
維持費の1つである税金を節約するには、減税対象車を選ぶと効果的です。燃費や排ガス基準をクリアした環境に優しいエコカーは、自動車重量税や、軽自動車税(環境性能割)などが減税されるため、税制上の優遇が受けられます。
エコカーを購入するとなると車両本体価格がやや高めです。しかし、税金は車を所有し、使用し続ける間はずっと支払い続けることになります。維持費が長年かかることを考えると、少しでも節税できる車を選ぶのがお得だと言えるでしょう。
車に関する保険は「自賠責保険」と「任意保険」の2種類があります。
自賠責保険は、法律で加入が義務付けられている強制保険です。車種によって、保険料が決まっています。
一方、任意保険の加入の有無は自由です。ただし、自賠責保険だけでは補償でカバーしきれないことが多いため、任意保険に加入する方が多いです。
この任意保険は、保険会社や保険の種類が豊富なため、保険料も差が生じます。軽自動車の場合、車両保険を手厚くすると保険料が高くなるので、最小限の補償にすると保険料が抑えられます。また、ネット保険だと店舗を持たないので割安です。
このように任意保険を見直し、補償を最小限にすれば維持費の節約に繋がるでしょう。
自宅に車庫や駐車スペースがある人はいいですが、駐車場を借りているという場合は、駐車場代の見直しが必要です。
駐車場も屋根の有無や舗装の有無、立地によっても料金が変わります。毎月支払っているなら、たとえ1,000円でも安いほうがかなりお得です。自宅や最寄り駅からやや離れた場所でも、探せば安い駐車場が見つかるかもしれません。
もし引っ越しを考えているなら駐車場代が無料、格安のマンションなどを探すのも一つの手だと言えるでしょう。
軽自動車は、あまり乗らない場合でも定期的なメンテナンスが必要となります。また、車検は初回は新規登録から3年、以降2年ごとに受けることが法律でも規定されています。そのため、車検代とメンテナンス代は車の維持費でも結構なウェイトを占めるので、節約するには工夫が必要です。
車検やメンテナンスの依頼先をディーラーにすると、割高な純正部品を付けられ工賃も高くなるでしょう。カー用品店やガソリンスタンドなども、やや高めです。
車検専門店や整備工場なら、比較的割安な傾向にあります。部品をネットなどで購入し、持ち込める業者ならさらに安く済みます。できる限り、安くて信頼できる業者に依頼すると良いでしょう。
また、ワイパーやタイヤ交換など、セルフでできつるメンテナンスは自分でやると節約につながります。
中古の軽自動車の維持費ついて
中古の軽自動車の車両価格は、新車に比べるとかなり安いです。しかし、維持費は車の性能によって差が生じます。
一般的には、部品が新しく性能の良い新車のほうが維持費は安くなります。ただし、中古の軽自動車でも、年式が比較的新しく、走行距離が短い上に燃費性能に優れているなど、状態の良い中古車もあるかもしれません。
そういう中古車なら、ガソリン代やメンテナンス費用もある程度抑えられるでしょう。
中古の軽自動車は、車両価格が新車よりもかなり安いため、初期費用は抑えられるでしょう。
ただし、一般的に新車よりも走行距離が長く、部品もそれなりに劣化しています。新車よりも故障のリスクが高くなるため、メンテナンス費用はかさむかもしれません。また、年式が古い車だと税額も高くなります。
しかし、中古といっても新車と同じくらい性能が良く、維持費が抑えられる車もあります。試乗車や販売店が販売目標に達しなかった車を自社登録し、割引して外部に流出させた登録済み未使用車は走行距離も短く、年式も比較的新しいです。そのため、維持費も新車とさほど変わらないとされています。しかも、初期費用は新車より安いのでお得です。
普通車と軽自動車の維持費を比較すると、軽自動車のほうが維持費を抑えられるケースがほとんどです。それは、税金や部品代などのメンテナンス代が軽自動車のほうが安いからです。
軽自動車の新車と中古車を比較すると、一般的に維持費は新車で月3万円前後、中古車で月35,000円前後となり、平均すると新車のほうが安い傾向にあるでしょう。
ただ、中古の普通車になると、月4万円前後はかかるので、中古の軽自動車のほうが安く済むと言えます。
軽自動車の売買をする際の必要書類とは?
軽自動車にあまり乗らない場合について
軽自動車に乗る機会が少ない、月に数回や週末しか乗らないという人もいるでしょう。
車があればすぐに移動できて、大きなものを運べるので確かに便利です。しかし、車を所有していると維持費はかかってきます。
では、使う頻度が少ない場合、維持費はどう変わるのか、それでも所有していたほうが良いのか見ていきましょう。
車はあまり乗らなくても、所有しているだけで実は維持費は発生しています。乗る機会が減ると、確かにその分ガソリン代は少なくて済みます。また、屋根つきの車庫に駐車していれば、車も汚れないので洗車代も節約できるでしょう。
しかし、乗らなくても軽自動車税は課税されます。また、保険料なども継続してかかります。さらに、車検代やメンテナンス費用もかかってきます。
長期間、車を動かさないでいると、逆にバッテリーが上がって故障するリスクも高まります。
つまり、あまり車に乗らないのに所有していると、かえって維持費が高くつく可能性があるということです。
軽自動車にあまり乗らない場合、所有せずにレンタルするのがおすすめです。
レンタカーは、時間や日数ごとに料金が決まっています。
カーシェアは、短時間で特定の車を他の人と共同使用するサービスです。
カーリースは、リース会社が車を購入し、主に数年単位で車を借りて使うものになります。
使う頻度が低い場合はレンタカー、長期間の使用の場合はカーリース、長期かつ短時間の使用はカーシェアというようにレンタルも使い分けると便利です。
軽自動車を所有していても、使用頻度が少ない場合は、思い切って手放すことも考えましょう。適切なタイミングで売却すると、維持費の節約になります。
例えば、軽自動車税(種別割)は、毎年4月1日時点での所有者に課税されるので、その前の売却がおすすめです。また、車検が切れる前の売却も同様です。
他にも、中古の軽自動車の需要が高まる、2月3月も他の時期より高く売れやすいので売却するのに適しています。