軽自動車税(種別割)は、毎年1年分を納付しなければならない車にかかる税金です。しかし、納付期限が決まっているので、うっかり払い忘れるということもあるでしょう。その場合、どのように対応すればよいか分からないという人もいるかもしれません。

そこで、税金を払い忘れた場合の対処法や払い忘れで生じるデメリットなどを解説していきます。万一、払い忘れた時にすぐに対処できるように目を通しておくことをおすすめします。

軽自動車にかかる税金

軽自動車にかかる税金
軽自動車には、4種類の税金が課せられています。

1つ目は、軽自動車税(種別割)です。車の排気量ごとに税額が設定されており、一部を除いて軽自動車は一律で金額が決められています。毎年1年分を1回で納めることになっています。

2つ目は、車の購入時に納める環境性能割です。車の環境性によって税額が違います。

3つ目は、車の重量に応じて課税額が決められている自動車重量税です。新規登録時と車検時に数年分をまとめて納めます。

4つ目は、車の購入時にかかる消費税です。

軽自動車税の納付期限について

軽自動車税の納付期限について
軽自動車税(種別割)は、毎年4月1日時点の車の所有者に対し課税される税金です。車検証に記載されている所有者もしくは使用者の住所地に、納税通知書が毎年5月上旬までに郵送で届きます。

納付期限は5月31日となっています。ただし、納税通知書の発送が6月上旬となる一部の地域では、納付期限は6月30日までです。

自治体ごとで異なるので、納付期限は確認しておきましょう。納付期限日がちょうど土日に当たる場合は、翌月曜までです。

納付場所は、銀行などの金融機関や郵便局、コンビニ、市区町村の税務課などで、納付通知書を持参して支払えます。

納付すると、納税通知書の半券部分に領収印が押印されて渡されます。これが納税証明書となります。

ネットでクレジット決済を行った場合は、領収印はないので納税証明書は発行されません。

軽自動車税を払い忘れて納付期限が過ぎるとどうなりますか?
軽自動車税を払い忘れると、督促状が届きます。さらに滞納すると、催告状が届き、納付期限経過日数に応じて、遅延金が加算されます。最終的には、財産が差し押さえられることになるでしょう。

軽自動車税を払い忘れた場合のリスクについて

軽自動車税を払い忘れた場合のリスクについて
軽自動車税を払い忘れ、納付期限が過ぎてしまうと様々なリスクが生じます。

まず、2回ほど督促状が届き、早く軽自動車税を納めるように促されます。それでも未納だと、今度は延滞金が加算された催告書が届きます。本来の税額にプラスして、余分に遅延金まで支払わなければなりません。

その後も未納が続けば、最終的に預貯金や車などの財産が差し押さえになり、税額分が差し引かれることになるので注意しましょう。

督促状が届き、遅延金が発生する

納付期限が過ぎても軽自動車税が未納の場合、期限から約20日経過した時点で督促状が届きます。その後、未納のままでいると2回目の督促状が9月頃に届くでしょう。

督促状が届いても払っていないと、今度は遅延金が加算された催告書が内容証明郵便で届くことになります。

催告書は自治体が法的手段をとる通告として送られます。

遅延金は、決められた加算率に応じて金額が決まります。例えば、2024年の加算率の場合、納付期限翌日から1ヶ月間は年利2.4%、2ヶ月以上で年利8.7%です。つまり、遅延金は税額に加算率と遅延日数をかけた金額となります。

催告書が届いても無視し続けると、今度は最後通告として差押予告通知書が届き、期限までに納めないと財産の差し押さえをするという通知がなされるでしょう。

最終的には財産が差し押さえられる

差押通知書が届いてもなお未納の状態が続くと、最終的に財産の差し押さえが決行となります。

差し押さえるものは、まず第一に預貯金で、そこから税額と遅延金分を差し引きます。預貯金は裁判所からの差押命令が出やすく、差押手続もわりと簡単だからです。

預貯金がない場合は、給与の手取りから滞納分の必要税額を差し引くことになります。そのため、勤務先にも差押通知書を郵送されてしまいます。結果的に、職場にも軽自動車税の未納が知られることになるでしょう。

そして、現金がない場合、自動車を差し押さえて、タイヤにロックがかけられ、乗れない状態になります。それでも納付がなければ、競売にかけられて売却代金の一部は、未徴収分の支払いに充てられます。

それでも徴収できない場合は、不動産や株式、宝石などの財産が差し押さえられることになるでしょう。

車検が受けられず、売却もできない

車検が受けられず、売却もできない
車検は新規登録から3年、以降2年ごとに受けなければならないと法律でも規定されています。

車検を受けるには、軽自動車税を納付していることが条件です。納付すると、納税証明書が返却されます。車検までに納税証明書を保管し、車検時に業者に提出する必要があります。

クレジットカード払いや、QRコード決済などのキャッシュレス決済の場合、納税証明書はありません。しかし、ネットの軽自動車税納付確認システムで検索すれば、納付の確認は可能なので問題ないでしょう。

ただし、未納だったり、これまでの分を滞納したりという場合、車検を受けることができません。車検を通さなければ、公道で車を走行させることができなくなってしまいます。

軽自動車税が未納なのに督促状が届かないのはどうしてですか?
軽自動車税が未納であれば、必ず督促状は届きます。届かない場合は、引っ越しをして住所が変わり、前の住所地に届いている可能性もあります。放置しておくと、遅延金が発生するので早めに問い合わせて納めましょう。
督促状が届かない場合は問い合わせよう

軽自動車税を払い忘れ、納付期限が過ぎてしまうと督促状が届きます。通常であれば、督促状に従って素早く納付すれば問題ありません。しかし、督促状も届かないとなると未納の状態が続くので心配になるでしょう。

督促状が届かない原因としては、転居により車検証記載の住所地が変わったことが挙げられます。納付書が届いてから転居した場合、督促状は前の住所地に届くので、郵便局へ転送届を出していなければ現住所には届きません。

また、登録住所の変更手続きが適切に行われていない可能性もあるので、軽自動車検査協会に連絡してください。車検証の住所変更手続きを行えば、督促状がすぐに新住所に届くでしょう。

払い忘れかどうか確認する方法

払い忘れかどうか確認する方法
軽自動車税をクレジットカードやネットバンクなどを使い、キャッシュレス決済で払っている方は、納付証明書をもらえないため、支払ったかどうか忘れてしまうという可能性もあります。

また、支払ったはずなのに督促状が届いてしまったという方もいるでしょう。

その場合、軽自動車税納付確認システムにアクセスすれば、納付済みかどうかを確認できます。ただし、システムに登録されるまでに数日かかるので、納付直後は情報が反映されないので気を付けてください。

また中古車の購入直後や、他の市区町村への転居直後、過去に未納がある場合なども同様にシステムでは確認できないことがあります。システムでの確認が難しい場合、すぐに軽自動車検査協会に連絡して確認してもらいましょう。

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払い忘れた場合の対処法について

軽自動車税をうっかり払い忘れて、納付期限が過ぎてしまったということもあるでしょう。その場合、滞納となってしまうので、できる限り早く支払う必要があります。

ただ、支払い方法や場所が納付期限内の時とは違ってくるので、注意が必要です。また、期限切れの納付書を使って支払える場所も限られるので気を付けましょう。

軽自動車税を支払う場合、期限切れの納付書を使うことはできますか?
払い忘れて納付期限が過ぎてしまった納付通知書は、支払場所によっては使えることもあります。しかし、コンビニ払いやキャッシュレス払いはできません。
納付期限後の支払い場所

軽自動車税を納めるのを忘れており、納税書に記載されている期限を過ぎてしまっても納める方法はあります。納付できる場所は限られてしまいますが、管轄の軽自動車検査協会か銀行、信用金庫などの金融機関、郵便局に直接出向けば、支払うことができます。

さらに、市区町村の税務課でも支払い可能です。しかも、期限切れの通知書もそのまま使えます。そのため、納付期限が過ぎてしまったからといって捨ててしまわずに持参しましょう。

コンビニやキャッシュレス払いはできない

コンビニやキャッシュレス払いはできない
軽自動車税の納付期限が過ぎてしまい、慌ててコンビニに駆け込むという方もいるかもしれません。しかし、期限切れの納付書はコンビニで使うことができないので気を付けましょう。

また、クレジットカードや、ネットバンキングを使ったキャッシュレス決済もできません。地方税お支払いサイトなど、ネットを経由した支払いも不可となっています。

納付書が手元にない場合は再発行もできる

納めようと思っていたのに、納税通知書を紛失してしまい、そのまま期限が切れてしまったというケースもあるでしょう。この場合、納税通知書を再発行してもらう必要があります。

納付期限が切れて日数が経過すると、遅延金が発生してしまうため、急いで手続きをすることをおすすめします。

管轄の軽自動車検査協会に問い合わせてみてください。

軽自動車税は分割払いできますか?
経済的な理由で軽自動車税の支払いが困難であっても支払いは免れません。また、自動車税は理由が認められれば、分割払いが可能です。しかし、軽自動車税は金額が少額なので分割払いに対応していないので注意しましょう。
軽自動車税の支払いは免れない

軽自動車税の納付は、法律で定められた義務なので支払いを免れるということはありません。市区町村の条例によっては、条件を満たせば減免されることもあります。ただし、基本的に滞納し続けても、その分の納税がなしにはなりません。滞納日数分だけ遅延金もどんどん加算され、最悪財産の差し押さえが行われることにもなりかねないでしょう。

年に1回1年分を支払うことは車を所有していれば当然なので、忘れないようにしてください。

軽自動車を手放すことも検討しよう

軽自動車を手放すことも検討しよう
軽自動車税は毎年課税される税金なので、車の維持費に組み込んでおく必要があります。それでも払えない、先延ばしにして欲しいという人もいるでしょう。

しかし、軽自動車税の場合は金額が小さいので分割払いもできず、納付期限の猶予も基本的には認められていません。軽自動車税が負担となるなら、思い切って車を手放すことも検討する必要があります。

車を維持するには、軽自動車税の他にガソリン代やメンテナンス代などがかかります。ただし、売却するにしても納税は免れません。売却代金から、滞納分の軽自動車税は差し引かれることになるでしょう。

軽自動車税の払い忘れ対策について

軽自動車税を払い忘れないようにするには、まず軽自動車税の納付書が郵送される時期が来たら届いているか、また納付期限内かを確認してください。そして、できる限り早急に支払いに行けば忘れずに済みます。

納税通知書をしばらく保管する時も、いつも置き場所を決めておくと忘れにくいでしょう。

また、キャッシュレス決済にすれば、納付に行く手間も時間も選ばないので、届いたらその日にでも納付できます。口座振替だと自動的に口座から引き落としになるため、払い忘れもなくなるでしょう。

納税通知書と支払い期限の確認

納税通知書と支払い期限の確認
納税通知書は、毎年4月下旬から5月上旬頃までに車検証記載の住所地に郵送で届くはずです。ただ、到着時期は地域によって多少ズレがあるので、必ずしもこの期間に届くとは限りません。納付期限が5月末日なので、遅くとも5月半ばまでに届きます。

届いたら税額と納付期限を確認し、週末位までには支払いに行けるようにしましょう。すぐに支払わないと忘れてしまうからです。また、すぐにお金が用意できない場合、カレンダーや手帳に納付期限を書いておく、印をつけておくと忘れません。

例えば、大体決まった時間にコンビニに行く機会があるなら、ついでに納付してしまうと忘れずに済みます。

クレジット払いならいつでも支払える

納付通知書を持っていても、どこかになくしたり、すぐに納付を忘れてしまったりするという人も少なくありません。また、現金の持ち合わせがなくて納付できない、コンビニや銀行に行く時間がないという場合もあるでしょう。

それならば、スマホやパソコンからすぐにキャッシュレス決済をして、納付するという手もあります。クレジットカードやネットバンク、QR決済を使えば、時間と場所を選ばずに納付ができるので忘れる心配がありません。また、わざわざ納付場所に出向かなくていいので効率的とも言えます。

口座振替にする

口座振替にする
納付通知書を持参してコンビニや銀行に出向く時間がない、キャッシュレス決済も面倒だという人もいるでしょう。それなら、口座振替にすれば、納付の手間はかなり省けます。

軽自動車税の納付口座をあらかじめ指定して登録しておけば、納付期限までに勝手に引き落としされるので払い忘れは起こらないでしょう。

口座の残高が心配なら、給与が振り込まれる口座にしておけば安心です。

軽自動車税の節税方法について

軽自動車税の節税方法について
軽自動車税は年式の古い車だと税額が高くなるので、重税となる前に買い替えると節税になるでしょう。

また、環境性能割や自動車重量税は、燃費が良いなど環境性能に優れた車やエコカー減税対象車だと減税となります。軽自動車を乗り換える場合などは、対象車両を購入すると税金が抑えられます。

さらに、軽自動車税は毎年4月1日における車の所有者が課税対象となるので、車の新規登録日を調整することで、節税対策となるでしょう。

減税対象車や年式が古くなる前の買い替え

自動車税は、排気量や用途に応じて税額が決められていますが、軽自動車税は一律10,800円です。ただし、2015年3月31日までに新規登録した軽自動車は旧税率が適用されるので、7,200円です。

しかし、年式が古くなると税額が上がり、重税となります。新規検査から13年が経過すると、軽自動車税が13,200円と増額になります。

節税するには、重税になる前に車を買い替えるのがおすすめです。

また、車購入時に課税される、軽自動車(環境性能割)は、排ガス性能や燃費が良いなど一定の環境性能のある車は課税率が低くなるので、対象車両を購入するのも税金が抑えられます。

エコカー減税対象車へ買い替えると自動車重量税の節税にもなるので、おすすめです。

軽自動車の購入時期を考慮する

軽自動車税は、毎年4月1日における車の所有者に対し課税されます。

もし、車を購入する時期が4月1日前後となる場合は、新車の登録を4月2日以降にしましょう。そうすれば、軽自動車税を1年分節税することが可能です。

自動車税の場合、軽自動車税よりも金額が高いため、4月2日以降に登録しても月割りになるので、翌月分から納付しなければなりません。しかし、軽自動車税の場合は1年分となるので、登録日によっては1年分を支払わなくても済みます。

まとめ

①軽自動車税は、毎年5月上旬に納税通知書が郵送で届き、納付期限は5月末である
②軽自動車税を払い忘れると督促状が届き、未納が続くと遅延金が加算された催告書が届く
③督促状や催告書が届いても滞納し続けると、財産の差し押さえになることもある
④期限切れの納付書でも銀行や市区町村の役所窓口では使える場合がある
⑤軽自動車税は分割払いできない
⑥払い忘れを防ぐには、通知書と支払期限を確認すること、クレジット払いや口座振替にするのがおすすめ
⑦軽自動車税は、年式の古い車だと税額が高くなるので、重税となる前に買い替えると節税になる

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