コンパクトなボディサイズと小回りの利きやすさが特徴の軽自動車は、運転のしやすさから幅広い年齢層に人気の車種です。その扱いやすさから最近では60代の女性からも人気を集めています。
とはいえ、これから車の購入を検討している人にとって、どのような車を選べばよいのか、具体的なポイントを知りたい人が多いのではないでしょうか。
この記事では、60代女性にとって軽自動車にどのような魅力があるのか、購入する際におさえておきたいポイントや選び方について紹介します。
60代でも運転しやすい軽自動車はある
スリムな横幅とスッキリまとまった全長で運転がしやすい車として、軽自動車は60代のシニア世代におすすめです。
年齢を重ねて運転に心配を覚えたとしても、取り回しがしやすいため、苦にならない方が多いです。また、スマートなボディサイズは駐車時がしやすくなるため、お出かけ時にも困らないでしょう。
子育てがある程度落ち着いていれば、複数人での移動も少なくなります。乗車人数が少なければライフステージに合わせた車選びができる点も軽自動車の魅力の一つです。
これから車の購入を検討している方は、ぜひ軽自動車を候補に入れてみてください。
60代女性に人気の軽自動車の特徴
気軽に乗り回せることで人気の高い軽自動車ですが、ここで改めて軽自動車の持つ魅力について振り返りましょう。車を選ぶ際に自分の中では外せないポイントになるかもしれません。
ここからは、軽自動車の特徴について5つ紹介します。
1つ目の特徴は安全性能です。メーカーごとに名称や力を入れている部分は異なりますが、共通して搭載されている機能は次の通りです。
- 衝突防止装置
- 車線逸脱警報
- バックカメラ
運転時に避けなければならない事故を防止するためにこれらの機能は重視されており、年々性能も向上しています。
ちょっとした踏み間違いによる衝突事故やふらふらっと走行中に車線を逸してしまうと、命の危険性がある事故に発展しかねません。また、バック駐車する際には死角になりやすい場所が多いため、他の人を事故に巻き込まないためにも後方カメラは必需品です。
安心して運転するためにも各社が用意している機能を比較して車を選ぶと良いでしょう。
2つ目の特徴はコンパクトさと取り回しの良さです。軽自動車のサイズは次のように法律で定められています。
- 全長:3.40m以下
- 全幅:1.48m以下
- 全高:2.00m以下
普通車よりもすべての長さが短くなっているため、狭い道でも気にせずに運転できます。都市部であればスペースの狭い駐車場が多くありますが、困ることは少ないでしょう。
また、操作がしやすいため取り回しも容易です。ハンドルやアクセル、ブレーキも負荷が軽いため、60代女性にとって運転をしやすい車といえます。
3つ目の特徴は低燃費と維持費の安さです。仕事や子育てが一段落すると、生活のコストは自分か自分と旦那の二人分のみというケースが多くなるでしょう。年金があったとしても限られた金額であるため、できるだけ車にかけるコストはおさえたい部分です。
車に必要なコストは一般的に自動車税と日々のガソリン代、月々の保険料が大半を占めます。
税金であれば購入年によりますが1万円前後がほとんどであり、普通車と比べると2万円ほど安くなっています。
ガソリン代であれば燃費が良い分都度の支払金額はおさえられるうえ、保険料も比較的低く設定されているため、経済的な車といえるでしょう。
4つ目の特徴は乗り降りのしやすさです。多くの軽自動車は開口部が広くなるように設計されており、適切なシートの高さであれば乗降時の負担は軽減されます。
特に膝や腰に不安を感じている方にとって、乗り降りのしやすさは体に負担をかけないためにも重要なポイントではないでしょうか。
また、スライドドアがついている車種であれば、後部座席のドアの開け閉めが簡単です。日常使いをする車だからこそ、負担にならないような車を選びましょう。
5つ目の特徴は快適な室内空間です。
最近の軽自動車の主流であるハイトールワゴンタイプは、コンパクトなボディサイズからは想像できないような広々とした室内空間を有しています。
開放感のある空間設計は室内高を十分にとっているためです。また、限られた全長を活かすように室内長も組み立てられているため、2列目の足元も余裕のある空間に仕立てられています。シートの高さも相まって乗り心地の良さに驚くでしょう。
多くの車で収納スペースは十分に設けられているため、車に常にあると便利なアイテムなど多くのものを収納できる点も魅力の一つです。
軽自動車の売買をする際の必要書類とは?
60代女性向けの軽自動車を選ぶ際のポイント
軽自動車の特徴はいくつかありますが、自動車メーカーによってカラーは異なります。車を選ぶ際には同じようなモデルであっても一度試乗してみて確認すると良いでしょう。
ここからは、車を選ぶ際に実践してみてもらいたいチェックポイントについて詳しく紹介します。
運転のしやすさを確かめる際には、次のポイントを意識してみてください。
・視界の広さ
運転時に見える範囲の広さは車の扱いやすさに直結します。運転席に着席して周囲を見渡した際にフロントガラスや窓ガラスが十分な大きさか、後方の確認がしやすいボディフレームか、死角になりやすい部分が少ないか、などを確認して車を選びましょう。
・ハンドリングのしやすさ
運転時にハンドルを切る動作で負担を感じると、移動を億劫に感じることが少なくありません。そのため、ステアリング操作の軽さや、ペダルの踏み込み位置や角度も重要です。ドライビングポジションの調整で済むかどうかを見極めるためにも、ペダルに置く足の足首が痛くならない車を選びましょう。
・運転支援システムの内容
最新式の運転支援システムが搭載されていれば安心して運転できます。機能面については難しい話もあるかもしれませんが、ディーラー担当者から丁寧な説明を受けましょう。
乗り降りの快適さを確かめるには、以下の項目をチェックしてみましょう。
・ドアの開口部の広さ
多くの軽自動車はどの位置のドアも大きめに設計されています。室内高も十分に取られているようなハイトワゴンタイプであれば乗降のしやすさは群を抜いています。さらにシートの高さも乗り降りのしやすさには影響するので、試乗時は念入りに確認しましょう。
・乗り降りする際の身体の負担具合
時間が許されるのであれば、時間をかけて何回か乗り降りしてみましょう。繰り返しているうちに腰や膝に違和感が出てくる場合、日々使い続けるとストレスになる可能性があります。快適に運転するためにも入念なチェックが重要です。
操作性と小回りの良さは、次のポイントを意識してみましょう。
・操作性
前述の内容と重複しますが、ステアリングのしやすさやペダルの踏み込み具合、踏み込む際の足首の角度が重要です。
・小回りの良さ
このポイントは試乗時に実際に運転してみると良いでしょう。ディーラーの駐車場で試しに駐車してみたり、交差点を曲がってみると具体的な感触がわかります。また、カタログではホイールベースのサイズや、最小回転半径の数値をチェックしてみましょう。
燃費や税金など、車の維持にかかる金額は重要なポイントです。
・燃費
カタログ表記の燃費を確かめましょう。車によってやターボエンジンの有無、2WDや4WDといった駆動タイプによって燃費は大きく変わります。走行性能にも影響しますが、ライフスタイルや自分の好みに合わせた比較がおすすめです。
・税金
普通車に比べて軽自動車は税金面で優遇されています。年間1万円前後であるため、負担を感じにくいのではないでしょうか。
・保険料
保険料も普通車に比べると安く設定されています。とはいえ、保険会社や特約の内容によって金額は変わるため、こちらも比較することが重要です。
60代女性に人気の軽自動車8選
ここからは、60代女性から支持を集めている人気の車種について、その特徴や人気の理由について紹介します。
どの車を選べばよいか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
ホンダから発売されているN-BOXは販売台数の多さから、多くの人に愛されているといえる軽自動車です。2021年から2024年までの3年間では国内販売台数1位を獲得しました。
広い室内空間と自由自在なシートアレンジが特徴であり、燃費性能も優れています。グレードや装備面についても多彩なラインナップが用意されており、N-BOXの購入を決めていても仕様選びで迷うほど、選んでも楽しい、乗っても楽しい車です。
安全性能においては、ホンダが誇る「Honda SENSING」を搭載しており、完成度の高さがうかがえます。
ダイハツから販売されているムーブキャンバスは可愛いフォルムとデザインから女性人気の高い軽自動車です。
デザインやグレードが豊富に取り揃えられており、大人っぽいデザインも用意されています。室内は広々しており、インパネ部分の収納やレイアウトに工夫が凝らされているため、自室のような快適性を体験できるでしょう。
安全機能についてはダイハツの「スマアシ」が搭載されています。17種類の予防安全機能によって安心して運転できます。
ダイハツから販売されているタントは軽ハイトワゴンの代名詞的な車です。
助手席側は前ドアと後ろドアを同時に開けると一続きの大きな開口部が出現します。同クラスでは類を見ない設計であり、乗り降りはもちろんのこと、荷物の積み下ろしも簡単です。
安全機能については、前述のムーブキャンバスと同様に17種類の安全予防機能「スマアシ」が搭載されています。
走行性能についても、DNGAに基づく新たなプラットフォームが採用されており、今まで以上に乗り心地が向上しました。ピラーの細さも運転時の視認性を向上させています。
スズキのハスラーは軽クロスオーバーというジャンルを確立させた立役者的な車です。
スライドドアは搭載されていないものの、他の軽自動車に負けず劣らない開口部の広さによって、乗り降りのしやすさを確保しています。また、車高が高くなるように設計されているため、前方の視認性が高く、運転のしやすさを体感できるでしょう。
安全性能については「スズキセーフティ」として基本安全・予防安全・衝突安全の3本柱をカバーしています。ディスプレイ類の視認性も高めることで運転時のストレスを軽減させ、安全で快適な運転を楽しめます。
ダイハツのタフトもハスラーと同じ軽クロスオーバーに該当する車です。
圧倒的な開放感を得られる「スカイフィールトップ」は他の軽自動車にはない装備であり、前席の頭上に広がるガラストップはタフトを欲しい、と感じる魅力の一つです。この車もスライドドアは搭載されていませんが、開口部は広くとられています。
安全性能は「スマアシ」が搭載されているほか、雨や雪のような路面が不安定な環境においても安心して運転できる横滑り防止機能がついています。
スズキのスペーシアは「広くて便利、軽くて低燃費」の設計コンセプトを体現した非常にコストパフォーマンスに優れた軽自動車です。
全グレードにマルチハイブリッドシステムを搭載するなど、低燃費を達成するための機能が設けられています。後部座席にはレッグサポートやオットマンなど同乗者の快適性も追求したギミックが施されています。
安全性能については「スズキセーフティサポート」が搭載されており、事故に遭わない遭わせないための予防技術が特徴です。軽自動車としては初めて後退時の衝突被害軽減ブレーキを導入した経緯もあるほど、運転手とその家族に寄り添った車です。
スズキのワゴンRは累計販売台数が480万台を達成するなどメーカーを代表する軽ハイトワゴンです。
マイルドハイブリッドシステムと新開発エンジンを組み合わせたことで同車種の中でNo.1の燃費を誇ります。シンプルなフロントフェイスは年齢を問わない普遍的なデザインであり、一度購入すると何歳までも乗り続けられる点が多くの人に愛されている理由でしょう。
安全性能は他のスズキ車と同様にスズキセーフティサポートが搭載されています。燃費と安全性を兼ね備えた優秀な車です。
日産のデイズはメーカーとして初めて企画から開発までを主導したシンボル車です。
「技術の日産」と呼ばれているだけあって、軽自動車としては初となる同一車線自動運転技術である「プロパイロット」が搭載されました。
それ以外にも全方位異常検知システムの「インテリジェントアラウンドビューモニター」や、停車時にブレーキぺダルを離してもブレーキ力を維持する「オートブレーキホールド」といった、運転がしやすくなる機能を豊富に搭載しています。
燃費性能も優れており、安全運転と低コストを実現したい人におすすめの車です。
例えば、スズキ「アルト」やダイハツ「ミライース」はコスト面が重視された低価格帯モデルです。このような車種を選ぶことをおすすめします。
軽自動車にあると安心な安全機能
軽自動車を選ぶうえで外せない安全機能は次の3つのポイントを意識して選びましょう。
車両が事故に遭遇した際に乗員を保護するシステムです。
例えば、エアバッグシステムやシートベルト、ヘッドレスト、ボディ構造など基本的なものも含まれます。
最近ではプラットフォームの見直しによって軽量かつ剛性の高い車も誕生しています。
事故を未然に防ぐために運転手をサポートする機能です。
例えば、衝突回避支援システムや車線逸脱防止システム、ブラインドスポットモニタリング、横滑り防止システム、注意力散漫検知システムなどが挙げられます。
各社の性能名称は異なりますが、基本的な機能は共通しています。欲しい車のグレードにどのような機能が搭載されているか必ずチェックしておきましょう。
エアバッグが作動するような大規模事故に遭遇した際、自動でコールセンターへ通報するシステムです。即座に事故の発生を知らせられれば、その後の救護や救助が迅速に展開されます。
この機能は日々性能アップが繰り返されているので最新式の機能が搭載された車を選びましょう。
軽自動車の売買をする際の必要書類とは?