車には収納スペースとして、トランクや荷室が備わっています。主に車の後方部分にスペースが用意されていますが、走行中に車の中からは取り出しにくく、運転者は必ず車から降りて取りに行かなければなりません。
そこで役に立つのが天井収納という方法です。天井収納は軽自動車にも設置することができます。
この記事では、天井収納をはじめとした、軽自動車の収納スペースの確保について解説します。車体のサイズに限りのある軽自動車に天井収納を設置するためには注意点もありますが、有効に活用できればカーライフがより充実するでしょう。
軽自動車に天井収納を設置するときは適切なアイテム選びが大切
近年の軽自動車は、メーカーの様々なアイデアと努力により、車内での快適な居住感を実現しています。しかし、車体サイズには限りがあるため、搭乗スペースを広くとると、後方に位置する荷室はどうしても狭くなってしまいます。そこで考えたいのが、荷室以外での収納スペースです。
天井収納を軽自動車に設置できれば収納スペースをプラスで確保できるだけでなく、搭乗者が車内にいながら簡単に出し入れできる利便性も兼ね備えています。
ただし、車の購入時に選択できるオプションではないため、設置は自分で行う必要があり、アイテム選びに注意が必要です。
軽自動車の天井収納とは?
車の天井収納とは、車内の天井部分にネットやフレームを後付けして作成する収納スペースのことです。目的地に着いたときに必要となる荷物は後部の荷室、車内でも使いたい荷物は天井収納に入れるといった使い分けをするとよいでしょう。
ただし、天井収納の設置はメリットばかりではなく、デメリットも存在します。双方を把握し正しく運用しましょう。
軽自動車に天井収納を設置する最大のメリットは、使っていないスペースを有効活用できることです。
天井収納が無ければ、乗車スペースの隙間もしくは足元に置くしかありません。天井にスペースが確保できれば車内がスッキリするだけでなく、必要なものを手軽に取り出せます。また、足元に置いておくことに比べて汚れる心配がありません。
他にも自分で簡単に設置できるところがメリットです。100円均一やホームセンターで売っているものを使って取り付けられます。後付けするからといって、大掛かりな費用や作業が必要ないため、気軽に取り付けを検討してみてください。
天井収納を設置することのデメリットは、気を付けて設置しないと運転の安全性に問題が発生するという点です。しっかりと固定できていなかったり、荷物を詰め込みすぎて落ちるようなことがあれば、運転に支障をきたします。
また、搭乗者の邪魔になってしまうような収納の仕方をすると、快適性が損なわれてしまい本末転倒です。
これらのデメリットは、設置する際にしっかりと配慮すれば防げます。天井収納を設置するときは、安全性と快適性を優先することを忘れないようにしましょう。
車内の天井サイズと収納したい荷物のサイズを考慮して適切な大きさのネットを選びましょう。
軽自動車の売買をする際の必要書類とは?
軽自動車用の天井収納ネットを選ぶポイント
※画像はAIによるイメージです
軽自動車への天井収納ネットの取り付けは、自分で行わなければなりません。収納ネットは収納荷物の種類を考慮し、耐荷重性や機能性に配慮して選ぶ必要があります。
ここからは、天井収納ネットを選ぶ際に確認したいポイントを5つ紹介します。
まずは、自分が乗っている車に取り付けられるちょうどよいサイズを選ぶことからはじめましょう。同じ軽自動車でも車種によって天井の広さ、高さ、形状が異なるため、所有車の天井サイズを把握しておいてください。
また、収納荷物も想定しておく必要があります。ネット選びは、自車の天井サイズと収納荷物のサイズの両方を考慮します。収納スペースとして狭すぎず、反対に、緩すぎて簡単に落ちないような適切なサイズのネットを選びましょう。
収納ネットを車内の天井に取り付けるには、主に3種類の方法があります。
ネットの四隅にフックがついており、車内のアシストグリップに引っ掛けます。工具を必要とせず、簡単に着脱可能なため、DIY初心者にもおすすめです。
ネットの端にマジックテープがついており、車内の天井や柱に直接貼り付けます。アシストグリップがない車にも付けられますが、粘着力の低下に注意することや、平らな面に貼る必要があるなどの制約があります。
アシストグリップやヘッドレストにストラップを通して、バックルで固定する方法です。しっかりと固定されるため、荷物が落ちにくいことが長所です。ただし、ストラップの長さ調整など取り付けに多少時間がかかり、やや上級者向けといえます。
想定する収納荷物の重さに耐えうるネットを選ぶ必要があります。
天井スペースに、スポーツ用品やアウトドア用品などの比較的重いものの収納を考えている人もいるでしょう。収納ネットは15kgに耐えうるものも存在します。
ネットを選ぶときは、収納荷物に対する耐荷重性を確認しておきましょう。
利便性と安全性を両立する天井収納の設置では、丈夫でかつ伸縮性の高い収納ネットを選ぶとよいでしょう。
ゴム素材を使っていれば伸縮性は実現できます。耐久面では、ナイロンやポリエステルが高耐久素材として知られています。編み込みの強度が高いほど耐久性に優れるため、選ぶ際には意識しておきましょう。
また、紫外線に強い素材を選べば、長い期間使用しても劣化が少なく済みます。
収納ネットには、ネットの中でさらに空間を区切るための仕切りがついているものもあります。スポーツ用品やアウトドア用品を入れたい場合は、仕切り板によって収納スペースを区切れるタイプのネットがおすすめです。
一方で、日用品などの普段持ち歩くものの収納であれば、収納スペースがひとまとめの空間となっている、一般的なメッシュタイプのもので十分です。
必要な収納力と機能性も考慮してネットを購入してください。
軽自動車の天井収納を自作する際に使えるアイテム
先ほど紹介した通り、天井収納は専用のネットを購入するだけで設置可能です。しかし、ネットにインテリアバーやベルトといったアイテムを組み合わせるとさらに利便性が向上します。
ここでは各アイテムが、それぞれどのような役割を果たすのかを解説します。
設置に多少手間はかかりますが、天井収納をより充実させたいと考えるのであれば、ぜひ参考にしてください。
ここでは、収納ネットの機能性にフォーカスして、どのような種類のネットがあるかを紹介します。
多様な収納物を想定している場合には、フックが10個付いているようなネットがおすすめです。フックの取り付け位置を自由に変えられるため、負担のかかる箇所を重点的に支えるような取り付け方ができます。
また、比較的細かいものを収納したい場合は、網目の細かいタイプのネットが適しています。収納時にファスナーで口を閉じられるタイプもあるため、滑り落ちやすそうなものを入れる際はファスナー付きがおすすめです。
様々な機能を持つタイプがあるため、便利だと思えるネットを吟味して選びましょう。
インテリアバーは、伸縮できるスライド式のポールで、車内のアシストグリップに取り付けて使用します。そのため、引っ掛ける収納が増えます。
例えば、ハンガーをかけて衣類を吊るすことが可能です。またインテリアバーを複数設置することで、釣り竿やポールなどの棒状のものを収納できます。
インテリアバーに収納ネットを引っ掛けて設置することもおすすめです。収納ネットの取り付け箇所に選択肢が増え、より便利かつ高い強度でネットを設置できます。
ベルトはインテリアバーと同じようにアシストグリップに引っ掛けて使用し、ベルトにハンガーやフックを吊るして衣類をかけられます。
インテリアバーと使い方は似ていますが、両者を比較するとベルトには弾力があるため、車内で立ち上がったりしても頭をぶつけたりする心配がありません。一方でしっかりとその場で固定されるインテリアバーのような安定感はありません。
インテリアバーとは一長一短であるため、自身のライフスタイルや家族構成などの事情に合う方を選びましょう。
軽自動車に天井収納を作る際に注意したいポイント
天井収納は大変便利で、取り付けにもそれほど苦労することはないでしょう。しかし、冒頭で紹介した通り、天井収納にはデメリットもあります。
ここでは、天井収納を作る際に具体的に注意すべきポイントを3つ解説します。
天井収納は、運転の安全性を損なうことがないように設置するよう、注意しましょう。
運転手の動作に支障が出るような設置は避けなければいけません。運転席でかがまないといけないほど天井を圧迫したり、荷物で後方が見えなくなったりすると運転に危険が伴います。
あくまで安全が第一であると念頭においてください。
軽自動車やコンパクトカーなどの小さい車には、天井収納の設置が難しいことがあります。
後部座席が1列しかないため、アシストグリップの数も限られます。収納ネットや各種アイテムの多くはアシストグリップを利用して設置するものです。アシストグリップの数が少ないと設置方法や設置できるアイテムが限られます。
また、天井が低い車に無理をして天井収納を設置すると、後ろに座る人の快適性が低下してしまいます。利便性と快適性のバランスに配慮した取り付けが必要となるでしょう。
天井収納にはものを入れすぎないように注意が必要です。
天井収納はとても便利なため、ついつい物を入れすぎてしまいがちです。入れるものが重すぎると、重みでネットが沈んでしまったり、中のものが落ちてしまったりします。
そもそも荷物を入れすぎないように気を付けたいところですが、引っ掛けるポイントを増やしたり、真ん中に支えとなる棒を増やしたりするなど、ネットを補強する工夫も必要です。
軽自動車の売買をする際の必要書類とは?
荷物をたくさん載せたい人の軽自動車の選び方
軽自動車でも天井収納を設置することは可能ですが、そもそもたくさん荷物を載せたいと考えるのであれば、軽自動車を買う段階から収納を考慮した車選びが重要です。
軽自動車の中でも天井が広いタイプや座席のアレンジによる収納スペースの確保に向いている車種があります。
ここでは、荷物をたくさん載せたい方に向けて、軽自動車を選ぶ3つのポイントを解説します。
車にたくさん荷物を載せたいのであれば、荷物スペース(荷室)が広いタイプの車種を選ぶとよいでしょう。
ただし、軽自動車は法律でサイズの上限が決まっているため、荷室を広くとると座席スペースが狭くなります。荷室の広さと座席の広さはトレードオフの関係にあるため、家族構成などを考慮して決めましょう。
また、荷室は後部座席の後ろに位置するため、そこに置いた荷物は車が停車するまで取り出せません。収納したい荷物の種類も想定して荷物スペースを検討してください。
座席をアレンジして収納スペースを確保できるタイプの車であれば、運転のシチュエーションによって車内のレイアウトを変更できるため、高い汎用性があります。
具体的には、後部座席を完全に折りたたんで、運転席より後ろのスペースを全て荷室にしてしまうレイアウトです。2人以下での移動であれば、普段では絶対に乗せられない自転車サイズレベルの荷物を運べるようになります。
軽自動車をレジャーでも使う機会が多い人におすすめのタイプです。
荷物を多く収納したいのであれば、荷物を車に出し入れしやすいかどうかも重要なポイントです。
開口部の広いタイプや後部座席がスライドドアタイプの車は、荷物の出し入れが簡単です。
低床フロアタイプの車であれば、大きい荷物を載せるときにも負担が少ないため、荷物をたくさん載せるときでも疲れずに済みます。
スライドドアタイプは、駐車時の荷物の出し入れでも他の車の邪魔になりにくいため、大きい荷物を積み込む際のトラブルの心配も減らせます。
軽自動車で利用したい収納アイテムの選び方
軽自動車の収納スペース拡充方法として、天井収納の設置について解説してきました。しかし、車内の収納スペース確保には他にも方法があり、サンバイザーに取り付けるものから足元に置くタイプのものなど様々です。
ここでは、どのような収納方法を活用すべきかを、3つの観点から解説します。自分の車では天井収納以外にどの収納アイテムが使えそうなのか考えながら読んでみてください。
自分の車の中に、具体的に何を置きたいかという目的に合わせて収納アイテムを選ぶのが実用的な考え方です。用途に応じた収納アイテムには以下のようなものがあります。
箱型の収納アイテムです。助手席、後部座席、荷室などに置けば、細かいものを散乱させずにひとまとめにしておけます。
運転席と助手席の背面にかけるポケットタイプの収納アイテムです。座席や足元のスペースを圧迫しないメリットがあります。飲み物やお菓子、地図などの本類を入れておくのに便利です。
濡れた傘でも車内を汚さずに入れておけるアイテムです。傘は常に車内においてあると安心なので、重宝する人も多いでしょう。
収納アイテムはあると便利なものですが、軽自動車はただでさえ車内のスペースが限られているため、収納アイテムの大きさも考えなくてはいけません。
例えば、助手席や後部座席など人が乗ることもある場所に収納ボックスを置くのなら、小さいものの方が望ましく、荷室に置くなら比較的大きなものでも差支えないといった判断が必要です。
どこに何を置くのかを具体的にイメージし、収納アイテムそのものが邪魔にならないように注意しましょう。
車内の雰囲気を意識したい人は、収納アイテムのデザイン性で選ぶのもよいでしょう。内装の色合いや雰囲気、他の付属品アイテムとの親和性を考慮して収納アイテムを選びましょう。
特に大きいサイズの収納アイテムは、見た目に与えるインパクトが大きいため、内装にこだわりたいのであれば、デザイン性は重要な要素です。