3分でわかる!記事のまとめ動画

車の所有者に毎年課せられるのが「自動車税」です。

この自動車税を滞納すると延滞金が追加されたり車検を受けられなかったりと、大きなリスクを背負うことになります。一方、自動車税の支払いにまつわる負担を軽減する方法もあります。

支払いを簡単に済ませる方法や、分割払いの相談先、車そのものを処分してしまう方法などを説明していきます。

自動車税をこれから納める方や、今後の支払いについて悩んでいる方は参考にしてみてください。

自動車税を滞納することでさまざまなリスクが生じる

自動車税を滞納することでさまざまなリスクが生じる
自動車税は、どんな理由があっても必ず納めなければなりません。

納税義務を負うのは、その年の4月1日午前0時の時点で車を所有していた方で、滞納すれば督促状が届きます。督促状を受け取っても支払わない場合は延滞金がプラスされ、日ごとに金額が増していきます。

そのままでいれば最悪の場合、財産が何らかの形で差し押さえられることになるかもしれません。また、未納のままだと納税証明書を手に入れられないため、車検を受けられなくなります。

たとえ一時的に支払えない状況があったとしても、最終的には必ず納付するようにしましょう。

自動車税の概要

自動車税の概要
自動車税を滞納するとどうなるでしょう。それを知るために、そもそも「自動車税」という制度がどんな形で成り立っているのかを確認していきます。

自動車税は、4月1日時点の車の所有者に課税される都道府県税です。その金額はどう決まるのか、また軽自動車税との違いはどこにあるのか、以下で説明します。

自動車税の課税基準とは?

自動車税は「自動車を所有している」ことで課税される税金で、課税基準はその一点のみです。

車検を受けているかどうか、走れる状態かどうか、その車を毎日利用しているか、といった状況は一切関係ありません。

自動車税の納税通知書は、4月1日午前0時の時点で車を所有していた方に対して5月頃に送られます。この通知書を使って、金融機関の窓口やコンビニ、あるいはインターネットを活用して納めることになります。

自動車税の金額とは?

自動車税は「前払い」の税金で、4月1日から翌年の3月までの1年分をまとめて納めることになります。

車の排気量によって税金の金額は異なりますが、一般的に乗られている車であれば30,000~40,000円くらいです。

一方で、車の種類によっては税額が軽減されることがあります。例えば、排気ガスの排出量を抑えた燃費のいい新車などを購入すると、環境に優しい車の自動車税額が少し安くなる「グリーン化特例」などの制度があります。

軽自動車の場合

軽自動車の場合は、自動車税に代わり「軽自動車税」が課せられ、これは自動車税よりもはるかに安い数千円~10,000円くらいになります。

自動車税が県税であるのに対し、軽自動車税は市町村税であるという特徴があります。

もともと軽自動車は、昭和の高度経済成長期に、一般市民の生活水準でも車を購入することができるようにと当時の通産省が作った規格です。そのため、軽自動車は税金面でも優遇されています。

自動車税を滞納するとどうなる?

自動車税を滞納するとどうなる?
自動車税の支払いを滞納すると延滞金が発生することがありますが、すぐに発生するわけではないので慌てる必要はありません。

だんだん大ごとになってくるのは、支払期限後に督促状が届いても、なお支払わない場合です。

延滞金は6月を過ぎる頃から日増しに加算され、それでも無視し続ければ財産の差し押さえに発展することもあります。

至らないのが一番いいですが、そこに至るまでの詳細な流れを説明します。

①期限を20日過ぎると督促状が届く

納付期限までに自動車税を納めていない場合、支払期限から20日を過ぎたあたりで督促状が送られてきます。しかし、この時点でペナルティが課せられることはありません。

法律上は督促状が発送されてから10日を経過すると財産の差し押さえが行われるとされますが、実際にはそこまで早くは行われないことが多いです。

いずれにしても、放置すると延滞金が追加されたり、さらに催告状が届いたりするので、早めに対処しましょう。

②6月を過ぎると延滞金がプラスされる

支払期限を過ぎても未納の場合は延滞金が発生しますが、これは厳密には納付期限の翌日から1日ごとに加算されていきます。

1,000円未満の端数は切り捨てられるので、支払うのは1,000円に達してからです。

延滞金が加算されていく具体的な割合は、自治体や期間によって微妙に異なります。さらに、加算される金額もおおもとの自動車税額によって変わるので、具体的な金額は個別に確認するしかありません。

ただし、早ければ7月頃から延滞金の加算額が1,000円に達します。督促状が届いたら6月中には支払うことをおすすめします。

③最後は預金などが差し押さえられる

督促状には、「自動車税を支払わないと差し押さえのなどの措置を取る」といった文言が記載されています。

延滞金が発生する頃には、自治体によっては督促の電話を直接かけてきたり、ショートメール(SMS)でメッセージを送ったりしてきます。

そのまま9月に入ると2回目の督促状が届き、そこに記載されている文章も厳しさを増してくるでしょう。

これをさらに無視すると最終的に『差押最終通告』が届き、金融機関の口座から自動車税プラス延滞金分の金額が強制的に引き落とされることになります。

もしも残高不足などの理由で口座から引き落とせなかった場合は、他の財産が差し押さえられることになります。

例えば、給与から差し引かれたり、家に直接主税局の職員がやってきて、車が使えないようにタイヤをロックしたりするといった措置を取られるというものです。

愛車の買取相場を知ることで高く売ることができます 愛車のかんたん査定はこちら

自動車税を納めないことによるデメリット

自動車税を納めないことによるデメリット
自動車税を納めないことによるリスクやデメリットは他にもあります。

一番に考えられるのは、車検が受けられずに公道で運転できなくなることです。また、車を処分する際に余計な手間がかかるということもあります。

いずれも、自動車税を納めることで発行される「納税証明書」がないことによって生じる不利益です。

以下で詳しく説明します。

車検が受けられない

車検は2年から3年に1回のサイクルで受けることになりますが、この時、自動車税を納めたことを証明する納税証明書が必要です。

納税証明書は、金融機関やコンビニなどで自動車税を支払った時に、ハンコが押された半券として直接受け取ることができます。

クレジットカード払いやペイジーを利用して納税した場合、あるいは自治体で納税証明書を発行していないなどの理由から証明書が手元にない場合でも、現在は電子記録によって納税状況を確認することができます。この電子記録による確認ができなければ、やはり車検を受けることはできません。

車検を受けずにいると、いずれは車検切れとなり公道を走ることができなくなります。こうなると公道に車が一歩でも出ただけで刑罰の対象となり、さらに自賠責保険が切れていたりするとますます罪が重くなります。

車を売却する手続きが煩雑になる

自動車税の滞納が悪影響をおよぼすケースとして他にも考えられるのが、中古車買取店に車を売却する場合です。

この場合も納税証明書が必要になるので、大抵の買取店で「納税を済ませてから売却してほしい」と言われるでしょう。

中には、車の買い取りとあわせて自動車税の支払いを代行してくれる買取店もあるかも知れません。しかし、その場合も納税義務者の支払義務が免除されるわけではなく、自動車税と延滞金の金額が買取金額から差し引かれたり、場合によっては代行手数料がかかったりします。

このように、自動車税の支払金額は増える場合はあっても減ることはありませんので、滞納している場合は支払いを済ませてから売却に出すことをおすすめします。

あるいは、初めから自動車税額と延滞金額が差し引かれることを前提として買取査定を受けましょう。

自動車税の支払い方法

自動車税の支払い方法
自動車税を納めるのは、かつては納税通知書を金融機関や公共機関の窓口に持参して現金で支払うのが基本でした。しかし、現在はわざわざそうした場所に出向かなくても支払えるようになっています。

コンビニ払いやキャッシュレス払いの普及により、自動車税は格段に納めやすくなりました。

自動車税を納める主な方法を5つ紹介しましょう。

①金融機関窓口・コンビニ

自動車税の納付書は毎年5月頃に届きますが、指定の金融機関や郵便局の窓口へ現金と一緒に持参して支払うことができます。

また、現在はコンビニでも支払いが可能で、この場合も納付書と現金をレジへ持っていけば納付することができます。

店舗によっては、独自の電子マネーでの支払いにも対応しているところがありますので、自動車税の納付によってポイントを貯めたいという場合はあらかじめ確認してみましょう。

ただし、支払期限を過ぎているとコンビニで納めることはできません。金融機関や公共機関の窓口へ行きましょう。

②口座振替

事前に口座振替の申込書を提出することで、金融機関の口座から自動で支払うことができます。

ただし、口座に残高がないと支払いができないため、その場合は改めて納付書で支払うことになります。

また、納付通知書が届いてから慌てて口座振替の申込書を提出しても、振替の設定が完了するまで間に合わない場合もあります。口座振替を申し込んだだけで安心してうっかり延滞にならないよう、金融機関の窓口に確認しておきましょう。

③クレジットカード

クレジットカードを使って、都道府県税事務所の専用サイトから納付することもできます。

事前の利用申し込みも不要で通常のショッピングと同様にポイントも貯まるので、カードを使い慣れている方にはぴったりの支払方法です。

カードで納付すると実質的に支払い日を延ばせるという点もメリットです。カードの代金が金融機関の口座から引き落とされるタイミングはカード会社ごとに異なりますが、例えば25日引き落としのカードで5月末までに自動車税を納付すれば、実際に払う分の現金は6月25日までに口座へ用意すればいいことになります。

ただし、カードで納付する場合は手数料がかかります。その金額は自治体によって異なるものの、おおよそ300円前後です。

また、支払期限を過ぎた自動車税はこの方法では払えません。

よってカード払いを利用したい場合は、「手数料」「カードのポイント還元率」「納付書の支払期限」を確認しましょう。

④ペイジー

自治体によっては未対応のところもありますが、「ペイジー」を利用して自動車税を支払うこともできます。

ペイジーは、税金や公共料金をネットバンキングやATMを通して支払えるシステムです。

自分の住んでいる自治体がペイジーに対応しているかどうかは、郵送で届く納付書にペイジーの青色のマークが入っているかどうかで判別できます。

対応していれば、納付書の数字をパソコンやスマホを使って入力するだけで納付できます。

また、指定金融機関のATMで、自動読み取り装置に納付書を差し込むことによっても支払うことが可能です。

ただし、パソコン・スマホでネットバンキングやモバイルバンキングでのペイジー支払いをする場合は、前もって金融機関で申し込んでおく必要があります。

また、支払期限を過ぎたものは、ペイジーでは支払えません。

⑤スマートフォンの納税アプリ

スマートフォンの決済アプリを使って支払うこともできます。

対応可能なアプリはまだ多くありませんが、いずれもスマホやタブレット端末で納付書に印刷されているバーコードを読み取れば支払えます。

ただし、上限額が設定されていたり納税証明書が発行されない仕組みだったり、使えるのは支払期限内に限ったりといった使用上のさまざまなルールがあります。

自治体の対応状況も含めて、使用方法を事前に確認しましょう。

自動車税は分割払いできる場合も

自動車税は分割払いできる場合も
自動車税は数万円を一括で納めるもので、車の維持費の中では特に負担が大きい部類に入ります。支払いが難しい場合は、県税事務所へ分割払いを相談することもできます。

自動車税を含む地方税は、一定の条件に当てはまる場合は分割納付もできることになっています。

ただし、失業中などの無収入状態である、病気療養、育児中など一括支払いが困難だと明確に分かる理由が必要です。

税務署としても分割払いを推奨はしておらず、税額が10,000円以下の場合は認められないこともあります。また、分割での支払いができる期間は原則として1年以内で、一括払いの場合と同様に支払い続けている期間の分だけ延滞金もかかるので、注意しましょう。

自動車税を払わなくてもいいケース

自動車税は、4月1日の午前0時時点で車を所有していれば支払義務が生じ、これが「免除」されることはありません。

ただし、車の抹消登録を行えばその後は課税されなくなりますし、車を売却する際に買い手側が未納分を納めるというケースもあります。

以下で詳しく説明しますので、該当しそうな場合は参考にしてください。

車を廃車にした場合

車を廃車にした場合
所有している車を廃車にすることで、その車に対して自動車税は課せられなくなります。逆に言えば、廃車手続きを取らないとずっと課税されるということです。

しかし、廃車手続きを自分でやろうとすると、処分費用や車の輸送費用などが大きな出費となります。

基本的に廃車買取の業者に任せましょう。こうした業者は、廃車の引き取りや買い取り、廃車申請の手続きも代行してくれます。

手続きの一部が有料になる業者とそうでない業者がありますので、その点に注意してください。

なお、車の所有者である納税義務者が死亡した場合は、その車を相続した方が納税義務を負うことになります。これも廃車にすれば課税をストップできますが、廃車手続きも一度相続の手続きを終えてからでないとできません。

一時抹消登録した場合

何らかの理由で長期間車に乗らない場合は、一時抹消登録の手続きを行いましょう。そうすることで自動車税が課せられなくなります。

厳密に言えば抹消登録には2種類あり、もう1つの「永久抹消登録」がいわゆる廃車手続きのことです。これに対して「一時抹消登録」は、文字通り一時的な廃車手続きを行い、ナンバープレートを返納することで自動車税の支払いも不要とするものです。

一時抹消登録をすると、既に納付した自動車税は月割計算で還付されます。ちなみに、永久抹消登録の場合もいくつかの条件を満たすことで還付が受けられます。

自動車税は4月1日現在の持ち主に課せられるので、一時抹消登録を行うタイミングによっては納税通知書が届いたり、滞納が発生してしまうこともあります。その場合はすみやかに支払いましょう。

車を売却して、買い手に支払ってもらうことになった場合

車を売却して、買い手に支払ってもらうことになった場合
自動車税は4月1日時点の持ち主に課せられるため、タイミングによっては未納のまま車を売却・譲渡することもありえます。この場合、次の持ち主が支払うと決めているのなら問題ありません。

問題になるのはそうした取り決め無しに車を譲った(売った)場合で、税金が未納のままだと、次の持ち主が車検を受けられなくなるなどの不利益を被ります。

家族間で車を譲渡したり、オークションなどの個人売買で車を売ったりした場合などにこうしたトラブルがよく起こります。

車を手放す際は、まず自動車税の支払状況を確認してください。未納の場合は、それを誰がどれだけ支払うかという明確なルールはないので、次の持ち主と相談しましょう。

まとめ

①自動車税は4月1日時点の車の所有者に課せられる都道府県税
②自動車税を滞納すると督促・延滞金の追加・差し押さえなどのリスクがある
③さらに車検が受けられない・車を売却する時に手続きが煩雑になるなどのデメリットもある
④自動車税はコンビニ払いやクレジットカード払いなど、さまざまな方法で納められる
⑤どうしても金銭的に苦しければ分割払いできることもある
⑥車の抹消登録などを行うとその後は課税されない

※本記事は公開時点の情報になります。
記事内容について現在の情報と異なる可能性がございます。
車の査定は何社に依頼するべき?
愛車の買取相場を知ることで高く売ることができます 愛車のかんたん査定はこちら