車両情報の中で「年式」というワードを耳にしたことがある方も多いかもしれません。

「年式」という言葉をなんとなく知ってはいるものの、具体的にどういうことか分からないという方もいるでしょう。

年式は車を保有するにあたって、重要な情報です。年式によって保険料が変わりますし、課税額が上がってしまう恐れもあります。

そのため、「車を購入しようと思っている」「すでに保有している」という方は年式についてきちんと理解しておくことをおすすめします。

愛車の年式は自分で調べられるので、その方法についても併せてみていきます。

車の年式とは何か?

車の年式とは何か?
そもそも車の年式とは何を意味しているか、正しく理解する必要があります。そこで、そもそも年式とは何かについて見ていきましょう。

年式の起点となる日は大きく分けて2種類あります。それは「製造日」と「登録日」です。

2通りの解釈があるので、ここで詳しく見ていきます。

①製造日

年式の起点の考え方の一つとして、製造日があります。文字通り、対象の車両が完成した日のことです。

輸入車を購入する際には、製造日がいつなのかを確認したほうがいいでしょう。

国産車の場合、製造日と登録日にはあまり大きなタイムラグはありません。しかし、輸入車の場合、海外で製造して日本に後日持ち込まれます。つまり、製造日のずっと後が登録日になってしまう恐れがあります。

登録日で年式を判断すると、車の正しい状態を把握できない可能性がありますので、注意が必要です。

②登録日

もう一つの年式の起点は、登録日です。登録日とは、国内で対象の車両が新車登録された時です。つまり「初度登録年月」のことです。

初度登録年月とは、普通車なら運輸局、軽自動車なら軽自動車検査協会で検査を受けて手続きされます。登録することで、所有者が明確になります。

中古車について調べてみると、中古車販売店で販売されている車に関するいろいろな情報が出ているでしょう。その中に年式がありますが、通常この登録日を起点とした年式が記載されています。

そのため、中古車販売店では製造日ではなく登録日をベースにして年式情報を掲載していると思ってください。

車の年式が必要になる場面

車の年式が必要になる場面
車の年式は、いろいろな場面で必要になる情報です。どのようなシーンで年式がチェックされるのかについてここでは紹介します。

中古車売買するとき

年式が重視されるのは、中古車売買をする時です。車を売る場合でも中古車を購入する際にも年式は重視されます。

基本的に車は時間が経過すればするほど、いろいろな部分の劣化が進みます。そのため、年式の古い車は買い取りの際にあまり値段がつかないでしょう。つまり、自分の愛車を少しでも高く売りたいと思っているなら、年式が古くならないように早めに売却したほうがいいです。

逆にこれから中古車を購入する場合は、年式の古い車のほうが安く販売されています。しかし、年式の古い車はコンディションが悪化している恐れがありますので、修理費がかさみ、結局損をする恐れもあります。中古車は状態をよく確認したうえで購入するようにしましょう。

車の税金の計算

車を保有していると、毎年自動車税が請求されます。その自動車税は毎年4月1日時点で車を保有している方を対象に課税されるものです。

自動車税はエンジン排気量などをベースに算出されます。その他に年式によっても税額が変わってきます。

年式の古い車だと、環境に負担をかけてしまうということで増税されるので注意が必要です。

ガソリン車の場合は初度登録から13年、ディーゼル車の場合は初度登録から11年を経過すると自動車税が増税されます。

もし税負担を軽減したければガソリン車は13年、ディーゼル車は11年を超える前に売却するなり廃車するなりして処分したほうがいいでしょう。

中古車を購入する場合も年式を把握しておかないと増税で損する恐れがありますので、注意しましょう。

自動車保険に加入するとき

車を保有するにあたり、多くの方が自動車保険に加入するでしょう。それは、強制保険とも呼ばれる「自賠責保険」に全員加入していますが、いざ事故を起こした場合、これだけでは保障が不十分だからです。

自動車保険に加入する際、保険料を支払わないといけません。この保険料は保有する車を見て、個別に算出されます。それは、車両によって事故などのトラブルを起こすリスクが異なるからです。そのため、事故リスクの高い車だと保険料も割高になります。

また、保険料を算出する際に車種の他に年式も重視されます。特に「車両保険」をつける際は、年式が影響するので注意してください。

低年式(年式の古い車)の場合、車両保険に入っても保険金があまりつかない可能性があります。そして、事故を起こした時に支払われる保険金で修理費の全額が賄えないかもしれません。

車の年式を調べる方法

車の年式を調べる方法
年式によって、車を売却する際に査定額に影響します。また、税金や自動車保険の保険料を算出する際にも年式が左右します。

このことが分かると、自分の愛車の年式は何年か気になるという方もいるでしょう。

実は、年式は自分ですぐに調べることが可能です。年式の調べ方はいくつか方法があるので紹介します。

車検証をチェックする

年式を調べる方法として、車検証をチェックする方法があります。

車検証には車に関する各種情報が細かく掲載されています。

車検証で年式を調べたければ「初度登録年月」という項目をチェックしてください。

初度登録年月の近くに「登録・交付年月日」という項目がありますが、こちらは年式ではありません。登録・交付年月日とは、所有者の変更や住所変更などの手続きをするたびに情報が更新されます。よく勘違いしてしまう方がいるので、注意しましょう。

車検証は、車内で保管することが義務付けられています。ダッシュボードの中で保管されていることが多いので、チェックしてみてください。

もし車検証が見つからなければ、車を売ることも車検を通すこともできません。普通車の場合は運輸支局、軽自動車の場合は軽自動車検査協会で再発行手続きができます。

新車保証書で確認する

新車を購入した時に、ディーラーから保証書も受け取るはずです。この新車保証書にも年式情報が記載されているので、確認することが可能です。

新車保証書の中央部分に「登録日」という欄があるので、こちらの日付で年式を調べられます。

中古車を購入する際は、お店によって保証書を発行する場合があります。ただ、中古車の保証書では正式な年式は確認できないので注意してください。その保証書では「中古車を登録した日」が記載されているので、初度登録年月とは異なります。

また新車保証書も車検証ほど正確ではありません。新車保証書で年式を確認するのは参考程度に留めましょう。正確な年式を調べたいのであれば、車検証で確認するのがおすすめです。

シートベルトを見る

シートベルトで年式を調べるという方法もあります。

シートベルトの付け根にタグがあり、こちらにシートベルトの製造された日付が記載されています。シートベルトと車の製造日には大きな違いがないので、おおよその年式を簡単に確認できるわけです。

シートベルトのタグを確認してみると、英語と数字の組み合わせが記載されています。その中で8桁の連続する数字が含まれているでしょう。これがシートベルトの製造日です。

例えば「0702 2020」という8桁の数字だとしたら、そのシートベルトが2020年7月2日に製造されたものだということが分かります。

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年式と税金の関係

年式と税金の関係
年式が古いと、課税額も大きくなるので注意が必要です。対象になるのは「自動車税」と「自動車重量税」の2つです。

具体的に年式と税金の関係がどうなっているかについて、ここで紹介しましょう。

自動車税は13年で増税される

年式が大きく関わってくる税金の一つに「自動車税」があります。毎年4月1日時点で車を保有している方が、この先1年分の税金を先払いします。

自動車税は、基本的にエンジン排気量によって課税額が決まる仕組みです。その他に初度登録されてから一定期間経過すると、増税されるので注意が必要です。

初度登録されてからガソリンエンジン車の場合「13年」経過した時点で、増税の対象となります。普通自動車で15%、軽自動車だと20%の増税となかなか大きな負担増となります。

ディーゼル車の場合「11年」経過すると増税の対象となり期間が短めなので、注意しましょう。ディーゼル車の場合は15%の増税になります。

自動車重量税は2段階増税

自動車重量税は文字通り、車両の重量によって決められる税金のことです。

車検の時に法定費用の一つとして支払います。新車の場合3年後、その他は2年に1回のペースで課税されます。自動車重量税も次の車検時までの税金を前もって支払います。

自動車重量税は2段階で増税されるので注意が必要です。初度登録から「13年」経過した時にまず増税されます。さらに「18年」経過すると、さらに増税されます。

13年と18年経過した時には、このままその車に「乗り続ける」か「手放す」か「買い替える」などの対策を講じるか、慎重に検討してください。

低年式の車が増税される理由

なぜ古い年式の車の税金は高くなるのでしょうか?

これは環境対策の観点からです。低年式の車は現在販売されている新車ほど、環境対策は施されていません。環境により大きな負担がかかるので、その分課税額が大きくなるわけです。

低年式車を対象にして増税される仕組みは、平成26年から導入されました。そのため、低年式車でも「エコカー」「ハイブリッドカー」「メタノール自動車」のような環境に配慮した車両であれば、増税の対象外です。

ただし、一般的なガソリンエンジン車の場合、ほぼ確実に増税対象になるでしょう。もし車のメンテナンスコストを少しでも節約したければ、低年式の車は速やかに買い替えたほうがいいでしょう。

年式と保険の関係

年式と保険の関係
いざというときのために、自動車保険に加入している方も多いでしょう。

自動車保険の保険料というのは、個別に設定されています。それは、事故リスクは車両によってまちまちで、リスクに応じて保険料を算出する必要があるからです。

保険料だけでなく、保険金を算出するにあたっても、保有する車両の年式が考慮されるため、注意する必要があります。

車両保険の保険金が安くなる

自動車保険の中の一つに、車両保険があります。

車両保険とは、事故などで車が傷ついた、落書きされた、車両盗難に遭ったなどの損害を補償してくれる保険のことです。

車両保険で補償される保険金ですが、こちらで自由に設定できません。車両保険は原則、保有する車両の時価で保険金の上限が決められます。

基本的に車両は新車から時間が経過すればするほど、価値が下がっていきます。つまり低年式車の時価は、そんなに高くありません。

そのため、車両保険に入れていても、実際に修理した場合ほとんど保険金が出ないことも考えられます。そうすると車両保険をつけている意味があまりないかもしれません。

車両保険に入れない場合も

低年式の車の場合、車両保険の補償があまりつかないどころか、車両保険そのものに加入できない場合もあります。

車両保険の保証額の上限は、その時々の愛車の時価をベースにして算出されます。年式があまりに古い車だと、時価もゼロに近いケースも出てくるかもしれません。そうなると車両保険に加入できなかったり、加入してもあまり意味がなかったりということになります。

古い車の中にはクラシックカーやビンテージカーなど、一部では高い付加価値のついている車両もありますが、このような高価なクラシックカーやビンテージカーでも車両保険には加入できないケースもあります。

もし低年式車で自動車保険に加入する際には、車両保険の評価額は確認しておきましょう。評価額を確認したうえで、車両保険をつけるべきかどうか判断してください。

中古車の選び方と年式の関係

中古車の選び方と年式の関係
新車と比較してリーズナブルな価格で購入できるとして、中古車をマイカーにしようと思っている方もいるかもしれません。

中古車を購入する際にはどれ一つとして同じ状態の車はないので、個別にしっかりチェックしてから車を決める必要があります。

中古車を購入する際には、年式もチェックしたほうがいいでしょう。年式の他にも中古車のどのような部分について確認すればいいかについて下記でまとめました。

年式が古くなると価格は下がる

中古車を購入する際、年式が古ければ古いほど価格は安くなる傾向が見られます。

それは、年式が経過すればするほど、車のパーツなどが劣化するため、故障リスクが高まるからです。そのため、年式の古い車は購入価格が安いのです。

車は安く購入できても、修理費やメンテナンスコストが高くつくかもしれません。トータルで見た場合、高年式の車を購入したほうがお得だったということもあり得ます。

将来的に車を買い替えることを検討している方もいるかもしれませんが、その場合、高年式の車を購入するのがおすすめです。

低年式になるとリセールバリューが下がってしまいます。少しでも高く車を売りたければ、低年式の車は避けたほうがいいでしょう。

低年式でもコンディションの良い車もある

低年式の車は、パーツなど車の各箇所が劣化している危険性があります。そのため、運転する時に不具合が起きるリスクも高いです。

しかし、「低年式の車=すべて故障しやすい」とも限りません。

低年式の車の中には前のオーナーがこまめにメンテナンスをしていて、比較的状態の良い車もあります。メンテナンスがしっかりできている車であれば、10年以上落ちの年式の車でも充分走行できます。

もし低年式でも状態の良い車を探しているのであれば、中古車専門の販売店を訪れるといいでしょう。プロのメカニックがメンテナンスしてくれるので、状態の良い低年式車が見つかるかもしれません。

走行距離をチェックする

中古車を購入する際には、年式だけでなく走行距離もチェックしましょう。

年式が新しくても走行距離が多い場合、必要以上に車に大きな負担がのしかかっている可能性が高いです。車そのものは新しくても、劣化の進んでいるパーツがあるかもしれません。

そこで、年式と走行距離のバランスが取れているかどうか確認してください。一般的に言われているのは普通車で10,000km、軽自動車で8,000kmというのが年間の走行距離の目安です。これよりも走行距離がかなり多ければ、購入は慎重に検討したほうがいいかもしれません。

また、走行距離があまりに少なすぎる自動車も注意が必要です。自動車はあまり乗っていないと逆に故障しやすくなると言われているからです。

走行距離は多すぎても少なすぎてもコンディションの良くない可能性があることを、頭に入れておきましょう。

まとめ

①年式とは、車の「製造日」もしくは「登録日」のこと
②年式は「車検証」「保証書」「シートベルト」などで確認することができる
③年式が古くなると増税の可能性がある
④年式が古いからと言ってコンディションの悪い車とは限らない

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