古い車に乗っていて次の車検時期が近づいている方は、次回の車検に出すべきかどうかを検討する材料がほしいと思っているかもしれません。

車検は、それなりに費用がかかります。今の車に愛着がある場合は、特に悩んでしまうでしょう。

この記事では、古い車を車検に出すべきかどうか、その判断基準と、もし出さないほうがいいとなった場合の対応について説明します。

13年を過ぎた車は車検に出さないほうがいい

13年を過ぎた車は車検に出さないほうがいい
古い車とは、新車登録からどれくらい経った車のことなのでしょう?

メンテナンス次第では20年乗れることもあり、どれだけきちんと整備しているかによって車の状態は大きく変わってきますが、一般的には10年前後で古くなってきたとされています。

新車登録から13年目また18年目を過ぎると、税金の負担が増えるため、車検の費用がこれまでより高くなってしまいます。そのため、今の車に乗り続けたいなどよほどの理由がない限りは、車検に出さないのがおすすめです。

車検に出さないと決めた場合、買取業者に売るという方法があります。その場合、事前に相場を調べておくと良いです。

また、車の乗り換えを検討しているなら、下取りを選ぶこともできます。下取りは、車の処分と購入をまとめて行えるのがメリットです。

買取価格がつかないほどの古い車であれば、廃車専門の買取業者に依頼をすることができます。

そもそも車検でかかる費用とは何か

そもそも車検でかかる費用とは何か
車検の費用は「法定費用」「車検基本料金」「その他諸費用」に分けられます。

「法定費用」は、自動車重量税・自賠責保険料、証紙代、印紙などのことです。車検はいろいろな場所で受けられますが、法定費用は軽自動車・普通自動車といった車種や重量などによって変わるため、どこで車検を受けたとしても費用は変わりません。

「車検基本料金」「その他諸費用」については、車検を受ける場所で金額が変わってくるため注意が必要です。

業者によっては車検で重視される保安基準を満たす以上の、より質の高い整備を行うことがあります。

車検を受ける際に、任意でエンジンオイルの交換やラジエータークーラントの交換などの整備を受けることも可能です。その場合は、上記に加えて別途料金が追加されます。

心配だからとあれこれ整備内容を追加すると、思わぬ金額になってしまうかもしれないので注意しましょう。

法定費用の自動車重量税とは?

法定費用の自動車重量税とは?
自動車重量税は、車の重量などに応じて課せられる国税です。

毎年かかる税金ですが、通常はまとめて2年分を車検時に支払います。

なお、税が課せられる「重量」とは、車検証に記載された「車両重量」のことです。乗用車は500kg以下から、500kg単位で3,000kgまでの6段階です。

軽自動車には段階の設定がないので、一定の税額になります。

また、自動車重量税の金額は、車両重量のほかにも次の点で変わってきます。

  • 車種
  • 新車登録後の経過年数
  • エコカー減税の適用があるか
法定費用の自賠責保険料とは?

自賠責保険料は、「自動車損害賠償保障法」によって車の所有者すべてに加入が義務付けられた損害保険の保険料のことです。

自賠責保険に加入していなければ、車検を受けることもできませんし、一般道を走行することもできません。

自賠責保険料は、2020年、2021年と2年連続で引き下げが行われています。

自家用乗用自動車か軽自動車かだけでなく、住んでいる場所(離島・沖縄以外/離島地域/沖縄県)によっても金額が異なります。

車検の際には、次の車検までの2年分の自賠責保険に加入するのが一般的です。25ヶ月など期間がプラス1ヶ月となっているのは、車検と自賠責保険の満期のずれによって自賠責保険未加入の期間ができないようにするためです。

法定費用の証紙代、印紙代とは?

証紙代、印紙代は、「車検適合証」と呼ばれるステッカーの発行費用や車検の手数料のことです。

道路運送車両法によって現金での支払いは不可とされているため、証紙や印紙で支払います。

「自動車審査証紙」が、地方公共団体である自動車検査独立行政への手数料の支払いに使用されます。また、「自動車検査登録印紙」は国に支払うものです。

地方運輸長の認証を受けた「認証工場」で車検を行った場合には、印紙代と証紙代の支払いが必要です。一方、指定自動車整備事業の指定を受けている「指定工場」で車検を行った場合は、印紙代のみが必要となります。

車検基本料金の基本点検技術費用、整備費用とは?

車検基本料金の基本点検技術費用、整備費用とは?
基本点検技術費用は、「法定24ヶ月点検(56項目)」にかかる費用のことです。

整備費用は、点検時に見つかった不具合に対して行われる整備にかかる費用のことです。

車検は国が定めた保安基準をクリアしているかを検査するものであり、安全に走行し続けることは保証していません。そのため、法定24ヶ月点検によって車が安全に走行し、トラブルが起こらないよう部品交換など整備を行う必要があります。

点検時の劣化具合はそれぞれ異なりますので、交換する部品が多ければ多いほど費用は高額になるでしょう。また、業者や使用する部品によっても費用は変わってきます。

車検基本料金の代行手数料とは?

車検基本料金の代行手数料とは?
代行手数料は、車検を業者に依頼する際に発生します。車の所有者の代理で車検を行う業者が、運輸支局で車検証の更新手続きを行う料金です。

「車検代行料」「検査手続き代行料」「事務手数料」などと呼ぶ場合もあります。

料金には運輸支局までの車を往復させる労賃、書類手続き、印紙代などが含まれますが、何を代行手数料とするかは業者によって異なります。

車検を受ける場所による費用の目安

大まかな車検の費用については以下にまとめました。

ただ、実際に頼む業者によって費用は異なるため、あくまでも参考となります。

ディーラー

軽自動車:70,000円~
普通自動車:小型であれば80,000円~、それ以上であれば100,000円~

車検専門店

軽自動車:60,000円~
普通自動車:小型であれば70,000円~、それ以上であれば80,000円~

ガソリンスタンド

軽自動車:50,000円~
普通自動車:小型であれば60,000円~、それ以上であれば70,000円~

整備工場

軽自動車:70,000円~
普通自動車:小型であれば90,000円~、それ以上であれば100,000円~

13年目を過ぎるとなぜ車検の費用が高くなるのか?

13年目を過ぎるとなぜ車検の費用が高くなるのか?
13年以上が経過している車の車検費用が高くなる理由の一つは、税金です。

13年目を超えると自動車重量税の税率が660cc以上のガソリン車であれば15%、軽自動車は20%アップする仕組みのため、車検の費用がその分増えることになります。

18年目を超えるとさらに高くなってしまうため、長く乗り続けるほど負担が増えていきます。

エコカー(ハイブリッドカーや電気自動車など)は減税対象となる場合があり、その際は長く乗ってもある程度は負担が軽く済むでしょう。

ただし、エコカーかそうでないかに関わらず、同じ車を長く乗れば乗るほど、修理費用は高くなってくるものです。車のパーツは劣化していきますので、年々修理すべきパーツが増えていきます。

また、古くなってくると車のパーツが手に入りにくくなるでしょう。そのため、パーツを取り寄せた結果、整備費用が高くなるということが生じます。

運転の癖などもあり、乗り慣れた車は使いやすいですが、所有に負担を感じる場合には買い替えなどを検討してもいいかもしれません。

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古い車ではなくても車検に出すか検討したほうが良い場合もある

古い車ではなくても車検に出すか検討したほうが良い場合もある
今自分が乗っている車は、まだ新車登録されてから13年経っていないから大丈夫。と安心するのは早いかもしれません。

「走行距離が10万Kmを超えている」「新車登録から10年が経過している」といった場合には、考慮するべきポイントがあります。

走行距離が10万Kmを超えている

走行距離が10万Kmを超えてしまうと、影響してくるのが車検基本料金です。

走行距離が長くなればなるほど、部品は劣化していくものです。

各部品メーカーで保証している期間が5年もしくは10万Kmとなっていることが多いため、必然的に多くの部品を交換する必要が出てきます。

交換部品は安くても数千円、高いものになると50,000円以上するものもあります。

以下はエンジンルーム、駆動系、足回り(タイヤなどの周辺部分)で10,000円を超える高額部品の参考例です。

  • エンジンルーム:オルタネーター、タイミングベルト、ラジエーターホース、プラグコード
  • 駆動系:クラッチ
  • 足回り:ブレーキホース、スプリング、ダンパー、タイロットエンド

なお、日ごろからきちんとメンテナンスしておけば、車検の時になって一気に部品交換することもないので、費用が高額になるということを避けられるでしょう。

新車登録から10年を超えている

以前は、新車登録から10年以上経過した車は毎年車検を受ける必要がありました。それを覚えている方も多いかもしれません。

現在は、自家用車であれば新車から何年経過していても2年おきの車検に変更となっています。

ただし、10年ともなるとそれなりの年月が経過しているため、劣化に伴い徐々に修理の必要な部品が増えてくることでしょう。

また、今の車を売ったお金で新しい車に買い替えようと考えている場合には、10年を過ぎると査定価格が一気に落ちてしまうことにも注意しておくことが必要です。

車検を受けない場合は売ることも一つの手段

古い車を車検に出さないことに決めたなら、売ることも一つの手です。

今後の車を買い替える資金にすることができ、もう車を持たない場合にも何か別の元手にすることができるでしょう。

手放す際には以下の方法があります。

①買取業者に買ってもらう
②ディーラーの下取りに出す
③廃車買取専門の業者に買ってもらう

車を手放す方法について、詳しく紹介していきます。

①買い取り業者に買い取ってもらう

①買い取り業者に買い取ってもらう
「古い車だと買い取ってくれる業者がいるのだろうか…?」と思うかもしれませんが、一般的に新車登録から10年以内の車であれば、値段をつけてくれるでしょう。

整備が行き届いており、走行ができる車であれば買取業者に査定してもらうことができます。しかし、10年以上経った車は査定価格が落ちること、また10年以内であっても状態が悪い場合には買い取ってもらえない場合があることは、覚えておいてください。

今後売ることを少しでも検討しているのであれば、できるだけ値段をつけてもらうために普段からメンテナンスを行い、良いコンディションを保っておくことが大切です。

車を売るなら買い取り相場を調べておくと良い

車をお得に売りたいなら、買取相場を調べておくことは重要です。相場が分かっていれば、査定価格が高いのかどうかを自分で判断することができます。

車の買取相場を調べる方法の一つは、買取相場を紹介しているウェブサイトを閲覧することです。パソコンやスマホで短時間で調べられるため、簡単な方法といえます。

もう一つの方法は、複数の業者に査定を依頼して金額を比較することです。

ただし、相場は時期によって常に変化するものですので、慎重になりすぎてあまりに時間をかけすぎると古い情報になってしまうため、注意が必要です。

②ディーラーによる下取り

②ディーラーによる下取り
古い車を処分して新しい車を買おうとしている場合には、下取りは有効な方法です。

新車の購入と古い車の処分を一連の手続きで行えるため、古い車の売却に時間と手間をなるべくかけたくないという方にはおすすめです。

また、買取価格がつきにくい古い車だったとしても、下取りであれば値段をつけてくれる可能性があります。もともと新車の購入を前提としているため、値下げの代わりに下取りをしてくれるということもあります。

下取りの際の注意点

下取りの査定ではいくつか注意点があります。

一つは、基本的に出張査定サービスがないことです。自分で店舗に直接車を持っていく必要があります。

もう一つの注意点は、売却して得た代金は新車を購入する代金にしか使えないことです。

買い取りの場合、売却によって手に入れた代金は現金として振り込まれます。そのため、そのお金は売主自身が自由に使用することができます。新しい車を買う資金にすることもできれば、車関連のグッズや用品を買うのもよし、車以外の部分としては生活費として使うことも可能です。

しかし、下取りの場合は新車の購入を前提としていますので、そのようなことができません。

車を売ったお金を新しい車を買うこと以外にも使いたい場合には、下取りではなく買い取りを選ぶようにしましょう。

③廃車買い取り専門業者による買い取り

③廃車買い取り専門業者による買い取り
新車からの経過年数、走行距離、その他コンディションの問題で買い取りや下取りでは納得のいく値段がつかない場合、廃車専門の買取業者に頼んでみるという手もあります。

廃車専門の買取業者であれば、状態の悪い車でも買い取ってくれるかもしれません。

「廃車専門の買取業者とは何か?」「なぜ状態が悪い車でも買い取ることができるのか?」その理由は以下となります。

廃車専門の買い取り業者とは?

廃車専門の買取業者は、車の中古部品やパーツを販売することが目的です。車として売ることはできなくても、ガラス・バッテリー・タイヤやホイールなどそれぞれの部品はまだまだ使用ができ、それを必要としている人がいます。

車はいろいろな素材からできたパーツの集合体であるため、廃車専門の買取業者はそれを分解する能力に長けているといえるでしょう。

買い取った車を分解し、それを国内・海外を問わず売りさばくことで、廃車専門の買取業者は利益を得ています。

状態が悪い車でも買い取れるのはなぜか?

車として使用するのが難しい場合、通常の買取業者は買い取ってくれないことが多いですが、分解してパーツを売る廃車買取専門業者になると話は別です。

エンジンなどは、検査で合格すれば中古部品として再利用することが可能になります。また、ボディ部分の金属はアルミや鉄として分別しリサイクルされます。ガラスは断熱材原料として、プラスチックにしてもプラスチック原料や燃料として再利用されます。

車の内部からは非鉄金属やレアメタルまでも収集でき、基本的にどんなに状態の悪い車であっても値段がつかないということはありません。そのため、廃車専門の業者にとって大きなデメリットにはならないのです。

自分で廃車を行うとなると、不慣れで煩雑な手続きが必要であり時間もかかってしまいます。しかし、廃車専門の買取業者に依頼をすれば、書類手続きから車両の解体までも代行してくれるだけでなく、場合によっては買取代金も手に入ります。

廃車買い取り業者を選ぶ際の注意点

廃車買取専門業者に依頼する際にはいくつか注意する点があります。

まず、自社のリサイクル工場を持っているかどうかです。自社のリサイクル工場がない業者は別の解体業者に依頼しなければならず、その分買取価格が下がることになります。

また、還付金についても確認しましょう。自動車税・自動車重量税・自賠責保険料は条件を満たした場合に還付されますが、業者には説明義務がありません。そのため、どの税金と保険料に還付金があるのか、買取価格に含まれているのか業者に説明を求めるようにしましょう。

また、代車が必要な場合は代車の有無も確認が必要です。廃車買取専門業者は車を解体処分することを目的としています。そのため、基本的に車の買い替えを想定しておらず代車がないか、あっても台数が少なく借りられない可能性があります。

廃車買取専門店に依頼する場合は、あらかじめ注意点をきちんと確認しておきましょう。

まとめ

①一般的には、新車登録から10年以上経っている車が古い車とされている
②13年以上経過していると、税金が高くなる
③10年が経過していなくても、車検に出すかどうか検討した方がいい場合もある
④車検に出さないことを決めたら、売るのも一つの手
⑤古い車でも中古車買い取り業者が買い取ってくれるかディーラーが下取りしてくれる
⑥値段がつかない場合は廃車専門の買取業者に依頼してみよう

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