車検を受けるには、自動車税を納めることで入手できる「納税証明書」が必要です。しかし、現在はペーパーレス化が進み、納税証明書が不要になるケースもあります。
それでは車検時の納税証明書の要・不要はどこで決まるのでしょうか?必要なのに手元にないという場合はどうすればいいのでしょう?
ここでは、自動車税の納付の仕方や証明書の入手方法について詳しく説明します。
車検では納税証明書が必要
車検を受けるには、自動車税を納付した証拠になる「納税証明書」が必要です。これは、現金で納付した場合とそれ以外の方法で支払った場合とで、それぞれ入手方法が異なります。
ただ、現在はペーパーレス化が進んでいるため、納税証明書がなくとも車検を受けられる自治体が増えています。
今のところ原則的には車検を受ける時に納税証明書は必要ですが、さらにペーパーレス化が進めば今後は証明書がいらなくなるかもしれません。
しかし、納税証明書が不要になりつつあると言っても自動車税の納税そのものが不要になるわけではありません。
ここでは、車検を受けるための自動車税の支払いと、納税証明書の入手方法などについて確認していきましょう。
納税証明書は自動車税を納めることで入手できる
納税証明書で自動車税の納税の事実が確認できます。そして金融機関の窓口などで現金によって支払った後に、ハンコが押された半券という形で受け取るのが基本的な入手方法です。
ただし、現在はペーパーレス化が進んでいることもあり、キャッシュレス決済などの場合は証明書は発行されません。その場合は車検時にオンラインで納税の事実を確認するので、紙媒体の証明書がなくても問題ない場合がほとんどです。
自動車税は毎年5月上旬に納税義務者に通知書が届き、5月末までに支払うことになります。
金融機関やコンビニで納付できるので、その際にハンコを押された半券という形で納税証明書を受け取ってください。
納税証明書は車検を受ける場合のみならず、車を売却する時にも必要です。また、住宅ローンを利用する時などに、税金の延滞がないことを証明するために提出を求められることもあります。
未納によるペナルティとしては、延滞金の加算が挙げられます。これは支払期日を過ぎると、もともとの税額に一日ごとに加算されていき、ある程度の日数を過ぎると加算割合が増すので、早めに支払わなければいけません。
また法律上、未納による督促状の発行から10日が経つと、財産の差し押さえが行われます。実際には10日経ったからと言って即座に実行されるわけではありませんが、銀行口座や給与、車そのものが差し押さえられることもあるので注意しましょう。
自動車税の納税は、車の所有者に課せられている義務です。よって、税金を納めたことを証明する納税証明書がないと車検を受けられません。
ペーパーレス化が進んでいることもあり、決済方法によっては納税証明書が発行されないことがあります。その場合でも車検時にはオンラインで確認することになるので、いずれにせよ納税は済ませておかなければなりません。
そして車検とあわせて納税証明書と申請書が陸運局に提出され、以下の3つを確認されます。
- 車の所有者が納税を済ませていること
- 車の装備や状態が国の定める安全基準を満たしていること
- 自賠責保険に加入していること
これらの確認が完了すると、自動車検査証が発行されるという運びになります。
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納税証明書なしで車検を受けるための条件
基本的に、車検を受けるには自動車税の納税証明書が必要だとされています。
しかし、自治体によってはオンラインで納税の事実が確認できればよしとしていることもあり、その場合は証明書は不要です。
ただし証明書なしで車検を受けるには、以下3つの条件を満たす必要があります。
②納税から2週間以上が経っていること
③自治体でペーパーレス化が進んでいること
この3つの条件について詳しく説明します。
まずは、自動車税を滞納していないことが第一条件です。
これは納税証明書があるかどうかという以前の問題で、未納であれば最初から車検を受けることはできません。
車検が受けられないと、いずれ有効期間が切れて公道の走行ができなくなり、やがて自賠責保険も切れるでしょう。
車検時に納税証明書が不要である場合も、納税の有無は必ずオンラインで確認されるので、とにかく車検を受けるなら自動車税を納付することが絶対条件です。
納税証明書が不要になる条件のひとつに、納税してから約2週間以上が経過しているというのがあります。
これは、納税した記録がすぐにはシステムに反映されず、しばらく時間がかかるためです。よって、自動車税の納付後すぐに車検を受けたい場合は、その場で証明書をもらえる金融機関窓口やコンビニでの支払いを利用しましょう。
それ以外の支払方法だとシステムに反映されるまで10日、クレジットカードなら2~3週間はかかります。
証明書がない場合でも納税の有無は確認しなければならないので、ペーパーレス化に対応している自治体ならオンラインシステムで確認することができます。
ただし、自治体によって対応状況は違うので、あらかじめ確認しておきましょう。
ペーパーレス化が進んだおかげで、車検の際に納税証明書を持参しなくてもいいケースが増えたのは確かです。
しかし、納税証明書が必要になるシーンは車検以外にもあるので、安易に捨てない方がいいでしょう。
まず、自動車税を納めた後に引っ越して、その年度のうちに車検を受ける場合は納税証明書が必要になります。なぜなら車検時には、4月1日時点で住所を登録していた都道府県の納税証明書が必要だからです。
これがないと、前に住んでいた自治体から書類のコピーを郵送してもらうなどの手続きが必要になります。
納税証明書が必要になる別のケースとして、車を売却する場合も挙げられます。買主に対して納税証明書を渡さないといけません。
自動車税の支払い方法
自動車税の支払方法を確認していきましょう。
最も基本的なものは、納税通知書(納付書)を現金と一緒に金融機関窓口やコンビニへ持っていくもので、これは納税証明書もその場ですぐ受け取ることができます。
クレジットカード、ペイジー、スマホの決済アプリを活用すれば、金融機関やコンビニへ足を運ぶ必要はありません。
しかし、詳細は次から説明しますが、納付期限を過ぎてしまうとコンビニやキャッシュレスでの支払いはできなくなり、金融機関や公共機関の窓口でしか支払えなくなります。納付期限はしっかり確認しておきましょう。
自動車税の支払方法で、基本的なものと言えば、やはり「金融機関の窓口で納める」方法でしょう。
銀行やゆうちょ銀行、信用金庫やJAの金融窓口などに納付書と現金を持参すれば、納税証明書もその場でもらえます。その他、都道府県の税事務所や自動車税事務所の窓口、そしてコンビニでも支払えます。
コンビニだけは、納付書の支払期限が過ぎると受付不可となるので要注意ですが、期限内であれば店舗によっては電子マネーでも支払うことが可能です。
口座を持っている金融機関に事前に登録すれば、支払期限の日に自動車税が自動で引き落とされます。
ただし、残高不足だと引き落としができず、その場合は後日改めて届く納付書で支払うしかありません。
また、口座振替を申し込んでも実際に登録されるまでは数週間かかりますので、納付書が届いてから慌てて口座振替の手続きをしても、その年の分は現金で払わないといけないこともあります。
また、口座振替できない金融機関もあるので注意しましょう。
ネット通販などでのクレジットカード払いに慣れている方は、自動車税をカードで納めるのが最も簡単かもしれません。
都道府県税事務所の納付サイトから、事前の申し込みも必要なく、カードで納税することができます。
このやり方には、実質的に支払期限を先延ばしにできるという点がメリットです。例えば翌25日支払いのカードであれば、5月の末日までにカード払いをすると6月25日までに口座にお金を用意すればいいことになります。
ただし、カード払いは手数料がかかるのが難点と言えるでしょう。金額は自治体によって多少の違いがありますが、1件で300円ほどかかります。
なお、支払期限を過ぎた自動車税はこの方法では納められません。
ネットバンキングやATMを使って税金などを納められる「ペイジー」というサービスがあります。
未対応の自治体もありますが、自動車税もペイジーで納めることが可能です。
ペイジーが使えるかどうかは、納税通知書にペイジー用の青いマークがついているかどうかで判断しましょう。マークがあれば、後はパソコンやスマホで納付書の番号を入力するだけで支払いの手続きを済ませることができます。
また、ATMを使う場合は自動読み取り装置に納付書を差し込むだけで支払いができます。
注意点としては、ネット・モバイルバンキングを利用する場合は事前の利用申込が必要であることと、支払期限を過ぎるとペイジー払いはできないということです。
スマートフォンを使った決済に慣れている方であれば、納税に特化した決済アプリを使って支払うという選択肢もあります。
納付期限が切れていない場合に限り、この方法で自動車税を納めることが可能です。
ただし、一度に支払える額に上限があったり、納税証明書が必要な場合は後日なんらかの形で入手する必要があったりなど、使用上の注意点もあります。
自治体での対応状況もあわせて確認してから、利用するようにしましょう。
納税証明書の入手方法
納税証明書は自動車税の通知書(納付書)とワンセットなので、現金で支払うとすぐにもらえます。
しかし、口座振替やクレジットカード、キャッシュレス決済などによる納付では証明書が手元に残りません。よって、ペーパーレス化に対応していない地域では改めて発行手続きを取って入手する必要があります。
仮に車検時に不要だとしても、納税証明書は銀行でローンを組む時などに提出を求められることもあるので、発行方法は覚えておきましょう。
以下では、納税証明書を入手する4つの方法を説明します。必要な時は参考にしてください。
金融機関の窓口に納税通知書と現金を持参すると、その場で納税証明書を受け取れます。
入手した納税証明書は、紛失することのないように車のダッシュボードに車検証と一緒に保管しておきましょう。
また、これはコンビニで支払った場合も同様で、やはりその場で証明書をもらえます。ただし、コンビニは基本的に現金払いのみで(独自のポイント払いが可能な店舗もあります)納付期限を過ぎた納付書は受け付けてもらえません。
県税事務所の自動発券機に、車のナンバープレートと車台番号を入力することで納税証明書を発行してもらうこともできます。
この方法なら事務所の窓口が混雑していても安心ですが、発券機を設置していない事務所もあるので事前に確認しておきましょう。
また、クレジットカードやペイジーなどキャッシュレス決済で納税している場合、支払ってからおよそ2週間以上が経過していないと、納税されたというデータが反映されていないことがあるので注意してください。
納税後すぐに車検を受けたいという場合は、やはり現金で支払うのが得策です。
都道府県税の事務所の窓口で直接手続きをして、証明書を発行してもらうこともできます。
この場合、事務所の窓口が開いている時間帯に出向き、書類に住所氏名を記入して申請することになります。この時、書類に押印するための印鑑がいるほか、車検証も必要です。忘れずに持参してください。
クレジットカードやペイジーなどのキャッシュレス決済で支払っている場合は、支払いをした時の領収書があれば窓口ですぐに発行してもらうことができます。
「納税証明書をもらいたい」あるいは「再発行したいが都道府県税事務所に行く時間がない…」という場合は、郵送で申請することもできます。
都道府県のウェブサイトから様式をダウンロードしてプリントアウトし、住所氏名などを記入しましょう。
必要事項に記入したら押印し、定額為替で用意した手数料と切手を貼って返送先を記入した返信用封筒をワンセットにして事務所の窓口へ郵送します。
不備がなければ後日証明書が届きます。
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納税証明書を紛失した場合の再発行方法
自動車税をきちんと支払ったにも関わらず、入手したはずの納税証明書を紛失してしまうこともあるかもしれません。そのような場合は、都道府県の税事務所などで手続きを取りましょう。
これは、キャッシュレス決済をしたもののペーパーレス化未対応の地域であったり、納付をしてからまだ日数が経っていなかったりといった理由で発行してもらう場合と手続きは同じです。不備がなければ即日再発行が可能です。
車検は満了期限が決まっており、フロントガラスに貼られている四角いステッカーによってすぐ確認できます。
証明書がないと車検が受けられず、そのまま満了期限に至ると公道を走れなくなるので、紛失していることが分かったら、すみやかに手続きをしてください。
普通自動車の納税証明書は、都道府県の県税事務所や運輸局、自動車税管理事務所で再発行できます。
いずれも検索すれば場所は確認することができますが、ネット上で見かける「陸運局」は現在の「運輸局(運輸支局)」のことですので注意しましょう。
受付可能な時間は、ほとんどが午前9時~午後5時までとなっています。これも都道府県によって異なりますので、あらかじめ公式サイトを見るか、電話で確認するようにしてください。
ほとんどの場合手数料は無料ですが、地域によっては数百円ほどかかることがあります。
また、引っ越しをした場合は、その年の4月1日の時点で住所が登録されていた地域の機関でないと再発行処理を行うことはできません。
納税証明書を再発行するために必要な持ち物は以下になります。
- 車検証
- 身分証明書
- 印鑑
また、本人ではなく代理人が手続きをする場合は、これに加えて「委任状」も必要になるので、国土交通省のホームページから入手して記入しておきましょう。
ただし、自治体によっては登録番号と納税義務者さえ確認できれば手続きできることもあります。このように、事前に準備するものは地域ごとに異なっているので、前もって確認しておくことが必要です。
軽自動車の場合は、各市町村の役場で手続きを行います。いずれも手続きは簡単で、即日再発行してもらえます。