ハイブリッド車もガソリン車も車検の諸費用は変わりないとされています
ハイブリッド車は電力をエネルギーとするモーターがついており、ガソリンの使用を最小限に止めるので燃費の良さが魅力です。
車検の費用は、ガソリン車と同じように「法定費用」「車検基本費用」「部品交換費用」とかかります。ただ、エコカー減税の制度が適用されるので、法定費用の自動車重量税が一定期間だけ減税もしくは免税されることもあります。
ハイブリッド車の車検は、ディーラーでなくても自動車整備工場でも行われています。ただ、点検整備には、専用のコンピューター診断機器が必要で、専門知識のある整備士でないと難しいとされています。そのため、装置と人材が揃ったディーラーを利用するのが効率的とも言われています。
ハイブリッド車も同じように車検の費用がかかります

モーターが作動することでガソリンをあまり減らすことなく、車を走らせることができるので、ガソリン車に比べると燃費がよいとされています。
また、モーター走行が主になると騒音が抑えられ、かつ走りが滑らかになるというメリットがあります。しかし、高価なモーターを搭載し、作りも複雑なため、ガソリン車よりも一般的に車両価格が高額です。
車検にかかる費用は、法定費用と車検基本費用、部品交換費用の3つに分けられます。法定費用は、法律で支払いが義務付けられている費用のことです。
自動車重量税や、自賠責保険料、検査手数料などです。自動車重量税は車両の重量に応じて税額が決められています。
更に、自賠責保険料も軽自動車、普通車によって保険料が違ってきます。また検査手数料も車の大きさ、排気量によって金額が決まっています。
法定費用は、基本的にハイブリッド車であっても、ガソリン車であっても変わりはありません。車検基本費用は、車検前に行う車の点検、整備にかかる費用や車検時の測定検査料、車検を業者が代行する際の手数料などが含まれます。
点検の項目もガソリン車と違いはなく、手数料などもハイブリッド車だからといって特別高くなるというわけでありません。車検基本費用も、大きな差がないと言っていいでしょう。
問題なのが部品交換費用です。ハイブリッド車はモーター駆動用バッテリーが高額なため、交換となるとどうしてもガソリン車よりも費用がかさんでしまいます。そのため、車検の総額費用で見るとハイブリッド車の方が高くなるケースもあるのです。
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バッテリー交換は高額ですが、他の部品は長持ちしやすいのが特徴です

ハイブリッド車はガソリン車とは違い、バッテリーを2種類搭載しています。ガソリン車、ディーゼル車と同じ鉛蓄電池タイプの補機バッテリーと、モーター駆動用のバッテリーの2つです。
補機バッテリーはハイブリッドシステムの起動時に使うもので、カーナビなどのその他の電装品などもこのバッテリーで動かします。通常は大体5~6年くらいもつと言われていますが、使用状況によっても異なるので定期的にメンテナンスしましょう。価格は一般のガソリン車、ディーゼル車のものとほとんど変わりません。
また、駆動用バッテリーは車種によっても異なりますが概ね10年程度が寿命と言われています。車種ごとに保証期間がありますが保証期間外に駆動用バッテリーを交換する場合の費用は概ね20~30万程度かかると言われています。
ハイブリッド車は、バッテリーが高価なため交換時期が車検と重なると高くつくイメージがあります。しかし、他の部品はガソリン車に比べると比較的長持ちだとされています。
例えばブレーキパッドです。通常の車はフットブレーキの1つのみですが、ハイブリッド車の場合、フットブレーキと回生ブレーキの2種類のブレーキが備わります。
回生ブレーキとは、減速時の回転エネルギーを電力エネルギーに変えてバッテリーを充電するブレーキです。そのため、回生ブレーキを上手に使うとフットブレーキの消耗を抑えることができブレーキパッドの寿命を延ばすことができます。
エンジンオイルについてですが、ハイブリッド車の場合、モーター走行の時間が多くなれば走り方にもよりますが一般的にはエンジンへの負担は通常の車に比べて少なくなります。
交換の目安としては、ガソリン車なら大体走行距離5000㎞を超えると交換のタイミングとなりますが、それより長めにもつことも珍しくありません。車の使用頻度や使い方によっても変わってきますので点検などで汚れ具合をチェックしましょう。
エコカー減税の対象となり税額が減額、免税となり優遇されます

車検にかかる法定費用のうち、自動車重量税は車両重量に応じて課せられる税金ですが、ハイブリッド車の場合一定期間納税を優遇される制度があります。ハイブリッド車はエコカー減税の対象となります。
エコカー減税とは、国が定めた排出ガスと燃費の基準値をクリアし、環境に優しい車に対し、税金を軽減もしくは免除するという制度です。この場合の税金は、自動車重量税と自動車取得税のことです。
新規登録時と3年後に迎える車検時に支払う計5年分が免税となる場合もあります。ただし、2回目以降の車検からは通常の自動車重量税を負担することになります。
しかし、それでもハイブリッド車なら実は最大で5年分の自動車重量税の金額が免除されるのでお得です。ただし、今後もこのエコカー減税のシステムが続くかどうかはまだ未定です。
ただ、エコカー減税制度が続けば法定費用の一部において、ガソリン車よりもハイブリッド車の方が得になる時期があると言えるでしょう。
ハイブリッド車の車検で費用が高くなるのは部品交換費用の中でもバッテリー交換です。
法定費用は、エコカー減税で優遇されるのでガソリン車よりもお得になるでしょう。更に、自賠責保険料や車検基本費用などはガソリン車と変わらないと言えます。
しかし、長い目で見ると、ガソリンの必要量はハイブリッド車の方がかなり少なく、日々の給油回数も減るため車の維持費的には安くつくと考えて良いでしょう。車両本体価格が高いですが、初期投資と考えてガソリン代を節約し、環境にも優しいことを考慮するとハイブリッド車のメリットも大きいと言えます。
ハイブリッド車の車検はディーラーが利用しやすいとされています

ハイブリッド車の車検は、車両購入時に「ディーラーでなければできない」と言われた人もいるかもしれません。しかし、実際にはそんなことはないようです。カー用品店や車検業者など、ディーラー以外にも依頼できるところもあります。
ディーラーの営業さんが、自社で車検をしてもらうため、車検による利益を得るためにこのような説明する場合もあるとされています。ただ、ハイブリッド車は構造がかなり複雑で、専門知識や技術を持った整備士がいないと、点検や整備を行うのは難しいと言えます。
また、ハイブリッド車は年々新しくなっており、新たな技術や性能が備わってきているので、それに対応できなければ整備することも不可能です。新しい情報を集め、新たな機能に対応できるように研修や講習会を行って、整備士の技術力を高める教育をしていない業者にも整備は困難でしょう。
また、整備士の技術や知識だけでなく、ハイブリッド車の点検や整備に対応できる設備や工具などが備わってなければなりません。新たな技術を搭載したハイブリッド車の整備は、これまでの古い設備や工具では対応できないのです。
ハイブリッド車の点検整備は、車載のコンピューターのデータを分析、診断するための診断用の特別な点検コンピューターが必要となります。設備がないと、点検整備はできません。
また、コンピューターといってもメーカーによっては1機種では対応していない場合もあるので、診断機は数種類必要です。そうなると、一般の業者では実際のところハイブリッド車の点検、整備は無理だとも言わざるを得ないでしょう。
そうなると、やはりディーラーに依頼した方が、自社のハイブリッド車の構造にも詳しいし、点検に対応できる診断機も備わっているので利用しやすいとも言えます。
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(まとめ)ハイブリッド車はガソリン車よりも車検費用は高いの?
ハイブリッド車の車検費用は、ガソリン車と基本的には変わりません。ただ、エコカー減税が適用されて税金が安くなる、特殊で高額なバッテリー交換が必要で費用が高くなることもあります。
ハイブリッド車の車検費用も、法定費用と車検基本費用、部品交換費用が同じようにかかるのでガソリン車よりも特別に高いということはありません。
ハイブリッド車はバッテリーのチェックをこまめにすることを心がけましょう。そして、回生ブレーキを上手に使うことでフットブレーキのブレーキパッドの消耗を抑えることができます。そうするとオイルなども減りにくくなり交換期間が長くなりますので、ガソリン車よりも長持ちしやすいという特徴があります。
車検費用のうち、法定費用である自動車重量税は、ハイブリッド車がエコカー減税の対象となるので、減税もしくは免税される場合があります。ハイブリッド車は燃費がかなり良いので長い目でみると、お得でメリットは大きいとも言えるでしょう。
ハイブリッド車の車検は、ディーラー以外の自動車整備工場などでもできます。ただ、車検には専門技術や知識が備わった整備士と、診断装置が必要なので、やはり設備と人材が整ったディーラーの方が利用しやすいと言えます。