車の乗り換えは、購入費用とリセールバリューの差額に年間維持費も考慮して決めましょう
新たな車を購入する際に、今乗っている車の売却代金を購入費用の一部に充てるのが一般的です。今の車の中古車としての価値、リセールバリューは3年後で新車価格の約半分、5年経つと3割にまで下がってしまうと言われています。
車の購入にかかる費用とリセールバリューの差額が大きくなると実費が増えてしまいます。リセールバリューを知り、高いうちに買い替えると差額が少なくて済むでしょう。
また、乗り換えを考える上で税金や燃費などの維持費も考慮に入れる必要があります。維持費が上がる前に乗り換えを行うと車にかかる費用がトータルで抑えられる可能性もあるからです。
車のリセールバリューが高い方が乗り換えにはお得です
車のリセールバリューとは、再販する際の車の価値のことです。
新車の購入直後からリセールバリューは下がります。年々下がっていき、3年後には購入価格の50~60%の価格になると言われています。もちろん、人気の車種だともう少し高い場合もあります。
5年後には一般的に30%程度まで価格が下がるとされています。3年後は1回目の車検前、5年後は2回目の車検前です。
車の買い替えを考える上で、費用がかかりやすい車検前のタイミングを狙う人も多いとされています。では、リセールバリューが高い場合、低い場合と新車購入との差額を見ていきましょう。
新車200万円で3年後にリセールバリュー60%の車だとすれば、買取金は120万円です。差額は80万円で、車購入の際は実費になります。
そのまま3年ごとに乗り換えると15年目で400万円が実費となります。5年ごとに乗り換える場合、リセールバリューは新車購入時の30%だとして60万円、購入費とリセールバリューの差額140万円が実費で支払わなければなりません。
5年ごとに乗り換えて、15年目には420万円が実費となります。3年ごとに乗り換える方がリセールバリューと新車購入の差額は少額ですむので、トータル的に見ればお得だと言えるでしょう。
また、5年目の買い替えだと2回目の車検前になり、車検を1回通すことになるので維持費がかさんでしまいます。
リセールバリューが60%よりも低い場合はそうとは言い切れません。新車200万円でも3年後にリセールバリュー50%の車だと買取額が100万円になり、差額は100万円です。
3年ごとに買い替えて5回目の15年目では実費が500万円かかることになります。リセールバリューによって、新しく購入する車の価格と中古車として売却できる価格の差額が変わってきます。
中古車で売却した際の買取金を新車購入の一部に充てるとすれば、リセールバリュー次第で何年ごとに買い替えるのがお得なのかが違ってくるでしょう。
車の買取価格は売値の何割が基本なの?
モデルチェンジ後などリセールバリューが高い車には特徴があります
新車購入費は車種にもよりますが、高額になる場合があります。新車価格と車の買取額の差額が少ない方が、費用を抑えられます。
そのためには、リセールバリューの高い車を選ぶのも一つの手です。リセールバリューが高い車というのは、中古車市場での人気が左右するのである程度のリサーチが必要となってきます。
ただ、専門誌などで逐一チェックするのも車好きな人でないと面倒なものです。車を購入する時に今後の乗り換えのことも考えて、予めリセールバリューが高い車を選択肢に入れておくのも良いでしょう。
一般的にリセールバリューが高い車には特徴があります。まずモデルチェンジしたばかりの車です。
やはり人は車を購入する際は、新しいタイプを好む傾向があります。また、モデルチェンジ後は性能も上がっており、見た目のデザインなどもかっこよくなっている場合が多いので人気が出ます。
そうなると、古いモデルは中古車市場でも価格が下がります。モデルチェンジ後の車を新車で購入すれば、一般的に5年後位まではモデルチェンジもないでしょう。
その間に乗り換えれば新モデルの車はリセールバリューも高くお得に売却できます。更に、ロングセラーの車や海外でも人気の車種なども同様です。
長く愛されている車は中古車市場でも価格が下がりにくく、海外への輸出販路を持っている業者なら高値で売却できる可能性があります。他にも限定モデルや定番カラーの車、生産数が少ない車種などもリセールバリューが高い傾向にあります。
また、ファミリー向けのミニバンも根強い人気を誇っているのでおすすめです。
維持費の中でも燃費は車が古くなると悪くなるのが一般的です
車の購入費とリセールバリューだけを見ると、乗り換えのタイミングが計りやすいと言えます。しかし、実際には年間維持費も関係してくるので、維持費も考慮に入れる必要があります。
維持費には、燃料費や駐車場代、税金や保険料、車検費用や法定点検費用などが含まれます。税金といっても1つだけではなく、自動車税や自動車重量税、自動車税環境性能割の3つです。
保険は強制保険の自賠責保険、任意の自動車保険に分けられます。車検費用は手数料や検査費用の他に、車検前の点検で部品が劣化、摩耗している、故障箇所が見られる場合は部品の交換、修理に結構費用がかかる場合もあります。
車の維持費も概算して年間どの位かかるかをある程度把握しておく必要があるでしょう。
維持費の中でも、燃料費は年数が経過すると変化してきます。車は長く乗り続けると、部品などが劣化して徐々に燃費性能が落ちてくるからです。
例えば1ℓあたり130円のガソリンで、5㎞/ℓの車では1000㎞で2万6000円、1万㎞で26万円、5万㎞で130万円です。これが燃費が良い20㎞/ℓ車に変えると1000㎞で6500円、1万㎞で6万5000円、5万㎞で32万5000円となります。
1万㎞でも20万円、5万㎞なら98万円ほどの差額が生じることになるのです。燃費を比較してもこれほどの差があるならば買い替えを検討する余地は十分あると言えます。
買い替えの際に、燃費の良いエコカーを選ぶとすればそこから数年の燃料費も、乗り続けた場合と差額が大きくなる場合もあります。そうなれば、エコカーに乗り換えた方が維持費が抑えられお得になると言えるでしょう。
税金が上がる、故障が増えるタイミングも乗り換えを考える要素になります
維持費の中でも自動車税は毎月かかる税金で排気量によって税額が決められています。毎年5月に納税通知書が郵送で届き、1年分をまとめて前払いする仕組みです。
自動車重量税は車両重量が0.5t増えるごとに税額が変わってきて、購入時と車検ごとに納めます。自動車税環境性能割は以前の自動車取得税のことで、購入時に課税されます。
この中で自動車税は、年式が13年以上になると税額が約1万円程増えてしまいます。更に、自動車重量税も13年以上、18年以上のタイミングで増額となります。
13年以上でそれまでの税額の2000円~1万円、18年以上になると13年以上の税額に更に2000円~1万円程増額されます。そうなると維持費が余計かさむことになるので、前年との維持費と差額が生じるでしょう。
長く乗り続けると車の購入費は不要となりますが、税額が上がるとその分維持費が増えるので必ずしもメリットばかりではなくなるのです。
車は年数が経つもしくは走行距離が増えると、部品が劣化、摩耗して交換、修理が必要となる場合があります。車には様々部品が使われており、一ヶ所の不具合で部品を交換してもそれでは終わりません。
別の部位も故障、交換を繰り返すことになります。部品の交換費用は2000円前後から高額だと5万円以上かかることもあります。
それが数ヶ所となると交換費用だけで数十万円になってしまうこともあります。不具合が出て部品が高額となる部位の修理が必要となってくると維持費が以前よりは高くなります。
そして、修理部位が増えることで以前の維持費と比べると、明らかに差額が出てくるので買い替えを考えるタイミングとなるでしょう。
車の買取価格は売値の何割が基本なの?
(まとめ)車の乗り換えは何の差額で決めるといいの?
車購入費と乗っている車の価値、リセールバリューの差額で乗り換えのタイミングを計るのが大事です。ただ、車にかかる費用は燃費や税金などの維持費も関係してくるので、年間維持費が増額となるタイミングも乗り換えの際に考慮に入れる必要があります。
車のリセールバリューは年々下がり、3年後は60~50%、5年後になると30%まで下がります。3年、5年は車検前の時期で乗り換えを検討するタイミングとも言われています。
リセールバリューの金額次第で、いつ乗り換えるのがお得か違ってきます。
リセールバリューの高い車を選ぶと、乗り換える車の購入費と今乗っている車を売却金との差額が少なくなります。車購入費への経済的負担も抑えられます。
モデルチェンジ後の車やロングセラーの車などがリセールバリューが高いので購入の参考にしましょう。
税金や保険料、燃料費や車検代などの車の年間維持費も年によって差額が生じてきます。特に燃料費は年々悪くなり、数年にわたって燃費の悪い車の乗っていると年間で数万円から数十万円の燃費代が違ってくるので乗り換えを考える上でポイントとなります。
自動車税は13年以上、自動車重量税は13年以上と18年以上のタイミングで増額となります。また、車は年数が経つと、または走行距離が増えると故障しやすくなり、部品交換の費用も加算でくるので年ごとで維持費に差額が生じてきます。