車を売却する時は車だけでなく、様々な書類が必要です。また、売却する買取店をしっかり選ぶことを考えると、売却の準備段階で意外と手間がかかることに気付くでしょう。
では、買取店に車を持ち込むタイミングから逆算して何日前に準備を始めるといいのでしょう?
ここでは、車の売却のためにやらなければいけない準備とそれにかかる時間、売却に向いているタイミングなどについて解説します。
車の売却準備は効率よく進めよう!
車を売却する場合、買取店選びと打ち合わせ、書類の用意、車の清掃・整備などの準備が必要で、いずれもそれ相応の時間がかかります。
以下では、こうした準備作業を効率よく進めるための考え方や心得ておくべきことを解説します。
車の査定を受ける前にすること
まずは、車の査定を受ける前にしておくべきことを3つ紹介していきます。
査定を受けたい買取業者を見つけたら電話などで連絡をとってスケジュールの打ち合わせをしましょう。
会社勤務などで平日は時間が取れず、買取業者と打ち合わせができない場合、次の休日まで待つことになります。しかし、土日祝日は買取店も予約が埋まっている可能性が高いです。
そうなると、スケジュールは週単位で先送りになってしまうので、余裕を持って打ち合わせを行うことが大切です。
自分の車を公正な価格で買い取ってもらうためにも、事前にその車種の市場価格の相場を知っておくようにしましょう。
業者によって買取価格はまちまちなので、こうした知識を身に付けておくと役に立ちます。
パーツを非純正品に交換したままになっていると、買取価格が下がる可能性があるので注意が必要です。
可能な限り、純正品のパーツを準備して査定に出すと同時に、車もできるだけ清掃してきれいにしておきましょう。
車の売り時はいつ?タイミングを誤ると損することも!
車の売却に必要な書類
車を売却する際に必要なものとして、車検証などの書類があります。厳密には、こうした書類が揃っていなくても査定段階では特に問題ありません。
しかし、あらかじめ準備しておけば車を本気で売りたいという気持ちを示すことになるので、査定担当者からの印象もよくなりますし、手続きもスムーズに進められます。
通常、車の売却で必要になる書類は以下の通りです。
- 車検証(自動車検査証)
- 自賠責保険証券
- 自動車税納税証明書
- 印鑑証明書
- 住民票
- 自動車リサイクル券の預託証明書
- 委任状・譲渡証明書
- 実印
上記の書類は、場合によって不要になるものもあります。逆に、車の名義変更が必要なケースでは上記以外の追加書類が必要になることもあります。そのため、必要書類については早めに確認するようにしましょう。
また、印鑑証明書や住民票は、役場・役所で発行してもらう書類になります。そして、車検証や自賠責保険証を紛失していれば、管轄の運輸(支)局での再発行が必要となります。
車を売却する前の準備期間について
ここまでで、買取店との打ち合わせや書類の準備など、やるべきことが沢山あることを説明してきました。
では、車の売却に向けて準備のための期間は、どれくらい確保すればいいのでしょう?
以下で詳しく説明していきます。
車を査定してもらう日や売却する日が、買取店との間で既に決まっているのであれば、その日から逆算していつ頃から準備を始めるかを考えるといいでしょう。
車をより高く売りたいなら、なおさら準備に時間がかかります。自由な時間が確保できる日などを確認しておいて、その上で何日前から準備を始めるか決めましょう。
車の買取店と査定・売却のための打ち合わせをする場合は、電話などですぐに終えることができるでしょう。
ただし、一括査定などで複数の業者から査定してもらう場合は、複数の業者とのやり取りを並行して行うことになるので少し手間がかかるでしょう。
この打ち合わせも、平日に会社勤務をしている場合は、買取店の営業時間内に電話できないことがあるかもしれません。そして、土日祝日に打ち合わせをするチャンスを逃すと、次は1週間後になってしまうので注意しましょう。
査定を受ける日時が決まったら、車の準備を整えましょう。
査定では「どれくらい新車時の状態に近いか」が重視されるので、まずは新車時の純正部品や付属品が揃っているか確認しましょう。
過去にカスタムしたことがある車を査定に出す場合は、できるだけ改造前の純正部品を揃えておきましょう。この時パーツ交換までこちらでやる必要はなく、査定の時に純正部品がきちんと保管されていれば十分です。
あわせて新車時についてきたリモコンや取扱説明書、スペアキーなどがあればベストです。
また、車内の汚れやにおいも査定価格が下がる要因になるので、清掃しておきましょう。
子供がいる家庭の場合、食べこぼしやおもちゃなどが散乱していることが多いです。また、タバコ臭やペットの獣臭は、乗っている人は気付かなくても査定時にマイナスになることがあります。
車のパーツを無理に純正部品に交換したり、車の汚れだけでなく、傷やへこみまで完璧に直す必要はありません。もし修理して査定額がアップしたとしても、整備業者に依頼する費用を上回ることはないため、逆に損をすることになってしまいます。
査定を受ける段階では車検証などの書類はいりませんが、売却の手続きを進める段階になると必要になります。そのため、査定の段階で必要書類を用意しておくと、スムーズに手続きができます。
まずは、ダッシュボード内に車検証、メンテナンスノート、自賠責保険証券などが保管されているか確認しましょう。
特に、メンテナンスノートにはその車両の修理・点検の履歴が全て記録されているので、査定時にあると有利です。
その他、印鑑証明書や住民票、もしくは戸籍謄本は各地域の役所・役場で発行してもらうことになります。こうした行政機関は、土日祝日が休みです。会社勤務で休日しか動けないような場合は、車の売却手続きに遅れが生じることも考えられます。
最近では、マイナンバーカードを活用して土日祝日でもコンビニで住民票や印鑑証明書を取得できます。取得できる書類は地域によって異なるので確認が必要ですが、こうした仕組みを活用してもよいでしょう。
なお、印鑑証明などの書類には、発行日から3ヶ月以内などの有効期限が定められているものがあります。車の売却スケジュールを組む際、この有効期限を過ぎないように注意してください。
前項で述べた車の売却時に必要になる書類は、場合によっては破損・紛失・盗難などの理由で再発行が必要になることもあります。
再発行する場合は申請してから受け取れるまで時間を要する書類もあるので、その時間も計算に入れておきましょう。
例えば、車検証を紛失した場合や何らかの理由で車検シールが剥がれていた場合は、管轄の運輸(支)局での手続きが必要です。しかし、同局の営業日時は平日の日中に限られています。
また、自賠責保険証や自賠責保険加入ステッカーはコンビニや代理店で受け取ることが可能ですが、再発行となるとその保険を扱っている保険会社の営業店などに赴く必要があります。これも店舗の営業日時をチェックする必要があるでしょう。
自動車税の納税証明書を紛失していた場合は、県税事務所などの機関に行かなければなりません。こちらもやはり平日しか営業していないので注意が必要です。
手続きがもたついてしまうと、車の売却スケジュールはどんどん延びていくので、早めに準備しておきましょう。
車の売却前にする準備の流れを以下にまとめました。
こちらを確認しながら、いつごろから準備を始めたほうがいいか考えてみるのもいいでしょう。
- 買取業者と打ち合わせをして、車を買取査定あるいは売却に出す日時を決める
- その日時から逆算して、車を売却するスケジュールを組んでいく
- 必要書類が揃っているかどうか確認する
- 必要に応じて再発行手続きを行う。申請から受け取りまでにかかる時間も把握しておく
- 印鑑証明などの書類には、有効期限が決まっているものもあるので注意する
- 車のパーツや付属品が揃っているか確認する
- 車の外装や車内を清掃して、汚れやごみなどを可能な限り取り除いておく
- それでも買取査定あるいは売却日までに間に合わない場合のために、スケジュールが延期になる可能性も考慮しておく
- 仕事の都合などで土日祝日しか動けない方の場合は、どうしてもスケジュールが合わないこともあるので、1週間あるいはひと月単位で先延ばしになる可能性もある
車を有利に売却できるタイミングとは?
ここまで、車を売却するために準備する内容と期間について説明してきました。
では、車をより高く売却できるタイミングはいつなのでしょう?
以下で詳しく説明していきます。
車を買取査定あるいは売却に出す場合、最も高値がつきやすいのが1~3月です。
3月は企業の決算期なので、買取店はできるだけ販売台数を増やそうとすることから、少し高値をつけてでもどんどん車を買い取ろうとする傾向があります。
4月からの新生活に備えて車を購入する方も増えるため、需要が高まることから、1年の中で中古車市場が最も活性化する時期です。そのため、売却には最適のタイミングと言えるでしょう。
9月も半期決算のシーズンにあたるため、買取店はできるだけ車の在庫を増やしてどんどん販売しようとします。
同時に、この時期はボーナスシーズンでもあるので、ボーナスを頭金にして車を購入する方が多いです。
前項で説明した1~3月もそうですが、この時期はユーザーの購買意欲を刺激するために販売価格は下がります。その一方で需要も増すので、買取店は少し無理をして高値をつけてでも在庫を確保しようとします。
車の性能は日進月歩で、車種が同じでも、後で開発・製造されたものは安全面や機能面で向上していることがあります。これに伴って2~6年ごとにモデルチェンジが行われるので、「型落ち」した旧モデルは市場価値が下がることになります。
モデルチェンジがどのタイミングで行われるかは、車種によってまちまちなので一概には言えません。しかし、車をできるだけ有利に売却したいのであれば、新しいモデルが出て「型落ち」になる前に売ることが大事です。
車をできるだけ高値で売却する方法として、車が古くならないうちに売る、というものがあります。
車の年齢にあたるのが「年式」です。年式が古くなればなるほど車の価値は下がりますし、一定の基準を超えれば査定額も大きく下がる傾向があります。
価値が下がる目安は、年式が10年経ったタイミングです。一般的に、製造から10年経った車は走行距離も10万キロに達していると考えられています。そのため、部品の劣化や老朽化が進み、メーカーでも修理交換のためのパーツの在庫が少なくなります。
最近は車の性能も向上しているので、年式10年のものでも、メンテナンスがきちんと行われていれば査定額が下がるのを極力抑えることはできるでしょう。
ただし、13年が経過すると税金が高くなるなどのデメリットもあるので、総合的に見ればやはり早めに売却したほうがお得だとされています。
車の査定でポイントになるのは、「新車時から比べてどれくらい劣化しているか」です。車両の状態が新しいうちに買取査定に出せば、より有利に売却できるでしょう。
車の売却を検討しているなら、車検の後で売るよりもその前に処分することを考えましょう。
車種や点検を依頼する業者によって異なりますが、車検の費用は10万円ほどかかることも珍しくありません。そのため、こうした支出が発生する前に車を売ってしまうのも一つの手です。
「車検を通してからのほうが車を高く売れるのではないか?」と考える方もいるかもしれません。しかし、車検費用そのものが高くつくので、あまり得をすることはないでしょう。
車種によっても、売却に適したシーズンが異なることもあります。
例えば、4WD車やSUV車は冬になると需要が高まることから、秋頃に売るといいでしょう。こうした車は降雪地帯や悪路の走行での走破性も高く、スキーなどのレジャーシーズンに人気が高まります。
逆に、オープンカーの場合は外気を浴びて気持ちよくドライブが楽しめる春~夏の時期に需要が高まります。そのため、冬~春にかけて売るといいでしょう。
車の売り時はいつ?タイミングを誤ると損することも!
車の売却に不向きなタイミング
ここまでで、年間を通して車をより高値で有利に売却できるタイミングはいつなのかを見てきました。これとは反対に、車の高値売却が見込めないシーズンというのもいくつか存在します。
具体的にそれはいつ頃なのかを確認していきましょう。
中古車の市場価格は需要と供給のバランスによって変動しますが、車の需要には「波」があります。
需要が低い時期に売却してしまうと、高値買取は期待できません。そのため、需要が高いタイミングを狙って、買取査定あるいは売却するのが得策です。
車を売却するのにおすすめできない時期としては「4月」が挙げられます。
自動車税は、4月1日時点での車の所有者に1年分が課されるので、4月に入ってから車を売却する(名義を変える)と、1年分の自動車税を支払った直後にその車を手放すことになります。
ただし、そのような形で払い過ぎた自動車税は、車を売却した際に査定額に上乗せする形で返ってくることがほとんどです。しかし、法律上で決められたやり方ではなく、あくまでも業界の慣習なので100%返ってくるとは言い切れません。
年末年始の時期も、クリスマスからお正月にかけて各種イベントで出費がかさむことから、消費者の財布の紐が固くなり、買取相場が落ち込みやすいです。そのため、この時期に車を高く売却することは難しいでしょう。
特に12月は需要の停滞に対して供給が過剰となることから、それ以外の月と比べて車の需要が約2~4割は低下します。
車の購入を考えている方も、年明けに車の年式が変わったり、初売りで安く売り出されるタイミングを狙ったりするため、年末は市場も動きが鈍ります。